第115回 POWER OCEAN CUP 2016 東北ツアー第1戦 岩手県・山田湾リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
7月3日 (日) 第115回 パワーオーシャンカップ2016 東北ツアー第1戦 岩手県・山田湾 ロックフィッシュ
 毎年、激戦が繰り広げられるパワーオーシャンカップ東北ツアー。その2016シーズンが7月3日(日)、遂に開幕。舞台は、昨年からトーナメントエリアに加わった「岩手県・山田湾」。今回も昨年同様、競技エリアを限定した漁港戦となります。限られたエリア内、それも漁港での試合となると、選手同士の互いの動きを把握しやすく、魚やフィールドとの駆け引きはもちろん、選手間の駆け引きも重要度が増してきます。広範囲のラン&ガン戦にくらべると、より緊張感の高い試合となるのが漁港戦の最大の魅力です。また、競技のなかで互いのゲームを見て、感じることで、技術の向上やマナーの啓蒙に繋がるという一面も漁港戦ならでは。はたして2016東北ツアー初戦はどんな展開になったのでしょうか?

 参加者は総勢144名。昨年の参加者数をさらに上回り、P.O.C.史上過去最多となるエントリーをいただきました。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。長年東北ツアーを戦ってきた常連メンバーはもちろん、昨年の山田湾戦をきっかけにP.O.C.参戦をはじめた選手、そして今回が初参加となる選手、親子やご夫婦での参加やチームでの参加など、その顔ぶれは様々。P.O.C.をいろいろな角度から楽しんでいただける大会にしたいと改めて思う2016東北ツアーの幕開けとなりました。
 戦いの舞台となる「岩手県・山田湾」は、宮古と釜石のほぼ中間にあり、三陸リアス式海岸のなかでも比較的大型の湾。湾口部は狭いものの湾内には広大な水域が広がり、多くのロックフィッシュが生息します。また今年は、南側に隣接する船越湾内の「田ノ浜漁港」もトーナメントエリアに加わったことで、昨年以上に戦略の幅が広がります。
 事前釣況を複数の選手に聞くと、「想像以上に厳しい」「リミットメイクできるかどうか」「魚が見つからない」など難しい状況と口にする選手が大半。ただ、一部の選手の口からは「優勝は3kgを超える予想」「上手く噛み合えばハイスコアを作れる」「直前プラクティスでも1kgクラスは釣れた」という前向きな声も。蓋を開けてみないとわからない・・・まさしくそんな状況で大会当日の朝をむかえました。
 4:30より受付を開始すると、あっという間に受付前は長蛇の列。今年もいよいよ激戦の東北ツアーがはじまるのだと、試合前の張り詰めた空気が選手達を包みます。そんななか朝からビッグなサプライズが飛び込みます!P.O.C.2015北海道ツアーA.O.Y.獲得(2年連続)P.O.C. MASTERS CLASSIC北海道優勝、さらにはロックフィッシュ頂上決戦「P.O.C. SUPER ROCK FISH」優勝という前人未到の三冠を達成した『駒谷賢』選手がまさかの東北ツアー参戦!2015年、圧倒的な強さで日本一に輝いたP.O.C.史上最強のロックフィッシュトーナメンターの登場に、各選手のボルテージが上がります。駒谷選手が初めての東北の海でどのような戦いを見せるのか?選手、運営ともに興味津々です。

 予定に沿って受付、フライト順の抽選、タックルチェックを随時行い、岩崎竜美選手からレギュレーションと競技エリアの説明。そして5:30頃よりフライトを開始。抽選でひいた番号をもとに10名ごとにフライトのコール。各選手が今か今かと自分のフライトコールを待ちます。5:45頃、全選手が無事にフライトを完了しました。

 天気は曇り。ときおり雨が降る状況。ウネリは無いものの、前日からの風が少し残った印象。8:25に干潮をむかえるタイドスケジュール。競技時間内に下げ潮から上げ潮へと切り替わります。7:00頃から競技エリアを見て回ると、各ポイントに数名ずつ選手の姿が見られます。昨年の優勝ポイントとなった織笠漁港には、昨年優勝の佐藤雄一選手、昨年東北ツアーA.O.Y.の佐々木俊選手をはじめ、複数の選手が入っています。そのなかには駒谷選手の姿も。驚くのは、7:00過ぎの時点で各選手が1~2尾ないしはノーフィッシュのなか、駒谷選手だけ既にリミットメイクしており、さらには入れ替えを行っているという事実。これには周りの選手もさすがに舌を巻きます。一方、人気エリアとなっていたのが大浦漁港と田の浜漁港。多くの選手が入っており、ポツポツと釣果の声が聞こえます。なかには50cmのアイナメをキャッチした選手がいるとの情報も。勝負の行方はまったくわからない状況です。

 12:00より検量を開始。悔しさがにじむ表情でノーフィッシュ申告をする選手に混ざり、きっちりとキーパーを持ち込む選手の姿がちらほら。なかには1kgオーバーのアイナメやベッコウゾイをウエイインする選手も。結果、144名中58名がウエイインし、ウエイイン率40.3%。3kg台が1名、2kg台が2名という結果に、一日を通してシビアな戦況だったことがうかがえます。しかしながら、厳しいという前評判を撥ね退け、見事スコアメイクして帰ってきた選手の姿に、ロックフィッシャーマンとしてのスキルレベルの高さを再認識したウエイインとなりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 笹山 英幸 3510 100
2 駒谷 賢 2310 98
3 松田 涼 2180 96

優勝 笹山 英幸

 2016東北ツアー初戦を制したのは岩手県下閉伊郡からエントリーの笹山英幸選手。今大会最大魚となる50cm、1,740gのアイナメを含む、アイナメ3尾でトータル3,510gをメイク。144名のなかで唯一の3kg超を持ち込み、ぶっちぎりの圧勝というかたちで頂点に立ちました。大会に向け、一ヶ月以上前から徹底したプラクティスを行い、そこから導き出した確信をもとに自身のゲームを展開して勝ち取った見事な勝利でした。

コメント:プラクティスには一ヶ月半ほど前から数度。プラクティスに入り始めた頃に好感触だった大沢漁港に的を絞り、その後もプラクティスを重ね、シーズンの動きをチェックしていった。フライト順がラストフライトだったため心配だったが、朝一に本命の大沢漁港スロープ周辺にエントリーすると、幸運にも先行者無し。風があったことと、浮かせても喰わない状況をプラで把握していたことから、21gテキサスリグのズル引き&ステイで、ブイ下のアンカーを狙った。ルアーはグラスミノーM(414 魅惑パープルカモ)。これで約900gのアイナメをキャッチ。ルアーをロックマックス3”(371 クラブシェルパンプキン)にスイッチ。この際、バイトを確実にフックアップさせたかったのでテキサスシンカーにダウンショットフックのチョン掛けスタイルというセッティングに変更。これでキッカーとなる1,740gアイナメをキャッチした。その後、20cm強のソイでリミットメイク。入れ替えを狙い、北浜に移動。ベイトフィッシュが確認できたので、グラスミノーL(323 北陸クリアホロ)の5gジグヘッドをスイミング。ときおりトゥイッチングを加えながら、岸壁際の各レンジを探り、約900gアイナメで入れ替え成功。プラクティスが結果に繋がった。

タックル1

ロッド: 9’00”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア)、ロックマックス3”(エコギア) + 21gテキサスリグ

タックル2

ロッド: 7’08”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア) + 5gジグヘッドリグ

2位 駒谷 賢

 昨年、圧倒的な強さでP.O.C.三冠の偉業を達成した駒谷賢選手が、まさかの東北ツアー初参戦でいきなり表彰台!これには東北ツアーの強豪たちも脱帽。北海道では誰もが認める最強ロックフィッシュトーナメンターの実力を、海を越えた東北でもいかんなく発揮しての入賞。常にロックフィッシュトーナメントシーンをリードする若武者は、さらなる進化を遂げ、CLASSIC出場権を北海道/東北のダブル獲得。今年も駒谷賢選手から目が離せません!

コメント:前日の昼過ぎ、現地に到着した。北海道からのエントリーなので、もちろんはじめて入る釣り場。トーナメントエリア北端から浦ノ浜まで、各エリアを10~20分程度でざっとチェック。50cmクラスをキャッチし、好感触を得た織笠エリアに的を絞り、フライト順がよかったら入ろうと考えつつ当日をむかえた。朝、フライト順が遅かったが、織笠に向かうと意外にも混み合っていなかったので、プラン通りそこからゲームを始めた。1~1.5ozテキサスリグの遠投で探り、早い段階でリミットメイク。さらには2回の入れ替えに成功。ルアーはリングマックスバス3”(382 ブルーキャスティークをはじめ、カラーは複数色をローテーション)。リフト&フォール、スイミング、トゥイッチをおりまぜたリアクションバイト狙いなど、色々とアクションは試した。織笠に見切りをつけ、そこから徐々に北へ移動を繰り返し、12:00頃、エリア北端でさらに1尾入れ替えた。今日の自身のゲームに点数をつけるとしたら100点!北海道のスタイルをそのまま展開したことが勝因だった。

タックル

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックスバス3”(ノリーズ) + 1~1.5ozテキサスリグ

3位 松田 涼

 3位にランクインしたのは岩手県釜石市からエントリーの松田涼選手。並み居る強豪をおさえ、見事表彰台を勝ち取りました。粒の揃ったアイナメ2尾、マックスサイズといえる良型ヨロイメバル1尾のミックスバッグでリミットメイクし、トータルウエイト2,180gでフィニッシュ。大浦漁港で自分のゲームを終始貫いた結果、MASTERS CLASSICのチケットを獲得しました。

コメント:ノープラクティスで臨んだ今大会。ノーフィッシュは避けたかったので、まずは一本と、大浦漁港に向かった。大浦漁港東側のほぼ中央あたりにエントリー。子サバなどのベイトフィッシュが泳いでいたのでマッチ・ザ・ベイトを意識し、グラスミノーM(168 イワシ)の10.5gジグヘッドリグを選択。あまりロングキャストせず、10mほど先にブレイクが走る捨石帯のボトムを、リフト&フォールで探った。朝の数投目で35~36cmのアイナメをキャッチ。その10~20分後に40cm半ばのアイナメをキャッチした。バイトが遠のいたので、9:00頃に田ノ浜漁港へ移動。しかしノーバイトだったため、朝一に入った大浦漁港に戻った。その直後、一投目でヨロイメバルをキャッチし、リミットメイクに成功。そのままフィニッシュとなった。基本に忠実に、ベイトに合わせたルアー、アクションを選択したことが結果に繋がった。

タックル1

ロッド: 8’02”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア) + 10.5gテキサスリグ

タックル2

ロッド: 8’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア) + 10.5gジグヘッドリグ

【総評】

 昨年にひきつづきP.O.C.史上最大規模の開催となった岩手県・山田湾。昨年はプラクティスによるフィッシングプレッシャーにより、キッカーとなる大型アイナメが口を使わないタフコンディションだったことが記憶に新しいところ。それをふまえて向かえた今年・・・はたしてどうなるのか?と期待と不安のなか行われた今大会。結果を見る限りでは、フィッシングプレッシャーもさることながら、シーズン的な要因が重なって昨年以上にシビアな試合となりました。しかしながら、優勝ウエイトは昨年を上回る3,510g。ウエイインされた魚のなかには1,700g超のアイナメが2尾、1kgオーバーのベッコウゾイが1尾、その他グッドコンディションのアイナメが複数入り、山田湾のポテンシャルの高さを再認識することができた大会だったとも言えるでしょう。また今回、最終フライトから優勝を勝ち取った笹山選手のインタビューのなかで「帰省するたびにこつこつとプラクティスを重ねて・・・」とのコメントに、練習は嘘をつかない!努力は必ず実る!と実感した試合でもありました。これからも多くの魚をはぐくむ豊かなフィールド・山田湾を大切に、そして楽しみながら向き合っていってほしい・・・そんな思いを胸に東北ツアー第1戦の幕を下ろしました。

 大会を大いに盛り上げてくださいました選手の皆様へ。運営で至らないことがあったかと思いますが何卒ご容赦ください。そして今大会を開催するにあたり、ご協力頂きました三陸やまだ漁業協同組合様、山田漁業協同組合連合会様、ご協賛頂きましたフィッシング海王様、大会を受け入れて頂きました地域の皆様に、改めまして心より感謝申し上げます。

 波乱の幕開けとなった2016東北ツアー。次戦は8月28日、灼熱の山形県・庄内戦です。日本海側を中心に生息域を拡大するロックフィッシュ“キジハタ”が試合の展開を大きく左右する一戦。「我こそは!」という熱いロックフィッシャーマンのエントリーを心よりお待ちしております。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1笹山 英幸3510100
2駒谷 賢231098
3松田 涼218096
4佐藤 裕一191094
5上田 将太郎160092
6佐藤 雄一150090
7阿部 寿彦148088
8佐々木 充行136086
9中田 大地133084
10武山 重之123082
10村木 幸正123082
12平野 敬晃117078
13中村 勝111076
14菅野 勝一110074
15倉又 一平109072
15佐々木 俊109072
17中村 渡104068
18高橋 優輔101066
19大久保 広徳100064
20内藤 智就95062
21荒道 崇光94060
22岩間 拳人86058
23安藤 克宏84056
24三浦 琢都81054
25中嶋 將太80052
26蛯原 隆也74050
27小松 悟69048
27杉浦 裕治69048
27吉田 勲69048
30武田 一64042
31小野 浩平57040
32小野寺 良太55038
33渡辺 勇飛53036
34佐々木 健太郎50034
35成田 昌克46032
35松本 怜大46032
37小野寺 和美44030
37川村 倫弘44030
37千葉 達也44030
40岩崎 竜美42030
40日野 雅貴42030
40森本 正善42030
43鈴木 泰洋41030
43戸澤 直彦41030
43守屋 友裕41030
46中嶋 康文40030
47佐藤 綾36030
48稲荷平 大貴33030
48菅野 亜衣33030
50高橋 拓也30030
50福士 永遠30030
52松本 俊彦26030
53横田 悠25030
54鈴木 崇24030
55今野 勝和18030
55今野 智之18030
57八重樫 敬太16030
58村山 栄宏9030
59浅井 俊幸030
59石田 啓次郎030
59板倉 悠悟030
59伊藤 昌貴030
59稲荷平 勝徳030
59猪股 仁一030
59岩間 祐樹030
59岩脇 勇太030
59梅村 隆一030
59栄浪 克康030
59遠藤 歩夢030
59大石 雄一030
59大泉 純輝030
59尾形 英一030
59尾形 一成030
59尾形 慶紀030
59小田島 良悦030
59小野 友哉030
59小原 俊一030
59金森 淳030
59鹿野 栄健030
59川島 浩平030
59川原 孝行030
59川原 武宗030
59川原 渉030
59川村 文誉030
59菅野 潤一030
59菊池 勇貴030
59菊池 陸030
59菊池 涼太030
59君崎 浩己030
59木村 雄斗030
59久保 修一030
59久保田 賢太030
59齋藤 晴喜030
59坂巻 大空030
59佐々 孝幸030
59佐々木 裕平030
59佐々木 祥代030
59佐藤 直輝030
59佐藤 竜一030
59佐野 康太030
59志賀 康英030
59清水 真030
59菅原 慎也030
59菅原 涼太030
59鈴木 豊和030
59鈴木 英明030
59鈴木 博晴030
59鈴木 隆ノ介030
59台野 陽介030
59高木 恭一030
59高清水 学030
59高橋 歩030
59武山 潤030
59千田 歩夢030
59千田 大夢030
59千田 誠030
59辻 信一030
59戸村 和希030
59豊島 雄三030
59鳥居 一仁030
59中村 亮義030
59新沼 茂法030
59橋本 久弥030
59蜂谷 雅人030
59浜 幸生030
59福士 慎也030
59藤原 久志030
59船越 勇多030
59古川 智洋030
59堀内 彩登030
59前川 秀斗030
59松田 晃030
59松田 隆行030
59三浦 賢也030
59三浦 松一030
59村上 竜太030
59守屋 知明030
59八幡 晃亘030
59山内 一宏030
59山内 裕030
59山崎 太千030
59山舘 嘉昭030
59渡辺 健030
59渡辺 勇馬030