P.O.C. SUPER ROCK FISH
第112回 | ROCK FISH | P.O.C. SUPER ROCK FISH | 北海道 函館市・大澗港 | 12月6日(日) |
16年にわたるパワーオーシャンカップの長い歴史のなかで史上初となる北海道・東北ツアーの頂上対決「P.O.C. SUPER ROCK FISH」。2015ツアー戦に出場した342名の選手が目指した夢の舞台。決戦の地は、第1回パワーオーシャンカップの開催地である道南ロックフィッシュのメッカ・函館。P.O.C.の原点である聖地で、熾烈な北海道・東北ツアーを勝ち上がった猛者が集い、2015シーズン最強のロックフィッシャーマンを決める・・・「P.O.C. SUPER ROCK FISH 初代王座」を懸けた歴史に残る注目の一戦です。
2015年12月6日、前々日からの低気圧の急速な発達により、強い冬型の気圧配置に。前夜の段階で、予定していた沖堤防での開催を断念し、沖堤防に渡れない天候でも安全に釣りを行える「大澗(おおま)港」での開催としました。この大澗港は、ロックフィッシュフィールドとしては地元函館でもあまり馴染みのないフィールド。今回の参加選手のなかで唯一の地元勢となる近間康平選手も、この港では過去に二度しか釣りをしたことがなく、その時もアイナメは釣れなかったとの話。ほぼ全選手にとって未知のフィールドとなる大澗港。全てが手探りのなか、どんな戦略でどう戦い抜くのか?頂点に立つにはテクニック、観察力、直感、判断力、精神力の全てが極めて高い次元で求められる戦いとなります。 朝、函館市街から大澗港に向けて全選手が移動。タックルチェックを行い、7:30、遂にSUPER ROCK FISHのフライトコールとなりました。北堤防に向かったのは、折本隆由選手、駒谷賢選手、佐々木俊選手、武山重之選手の4名。本部前に入ったのは川村倫弘選手、佐藤翔太選手。南側の舟だまりに入ったのが田辺哲男選手。南堤防に入ったのが近間康平選手、戸澤直彦選手。 |
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スタート直後、本部前に入った佐藤翔太選手のロッドが大きく弧を描きます。ネットに収まったのは50cm超のビッグアイナメ。SUPER ROCK FISHのファーストフィッシュは強烈な1尾となりました。北堤防に展開していった選手はというと、折本隆由選手は迷わず先端にエントリー。駒谷賢選手、佐々木俊選手、武山重之選手はそれぞれ堤防内側を探りながら移動。この時点で駒谷賢選手は堤防中央部付近でバイトを得ている様子。佐々木俊選手が先端に到着。すかさず1尾キャッチ。遅れて入った武山重之選手が立て続けに2尾キャッチ。先端に入っていなかった駒谷選手も1尾キャッチして朝のスタートダッシュに成功。その頃、本部前では佐藤翔太選手がスタート直後の1尾、そして川村倫弘選手も早い時間に1尾キャッチしていました。港奥舟だまりのシャローに一人入った田辺哲男選手はスピナーベイトで探るもノーバイト。南堤防中央部付近に入っていた近間康平選手も1尾をキャッチ。戸澤直彦選手はこの時点でノーフィッシュ。 | |
朝のスタートダッシュ後、しばしの小康状態。田辺哲男選手は北堤防に移動して1尾キャッチ。駒谷賢選手はコツコツと釣果を伸ばし、いち早くリミットメイクに成功。先端に入っていた佐々木俊選手、武山重之選手は移動を決意し、先端には折本隆由選手のみが残ったかたちに。佐々木俊選手は駒谷賢選手と並びで北堤防中央部付近に。武山重之選手は港内をチェックしながら一気に南堤防先端まで大移動。その頃、南堤防に入っていた近間康平選手が2尾目をキャッチ。本部前の川村倫弘選手、佐藤翔太選手は大きな移動無し。川村倫弘選手は2尾目をキャッチしている様子。港奥の小堤防に移動していた戸澤直彦選手は依然ノーフィッシュ。 | |
その後も小康状態→時合い→小康状態→時合いといった流れで、短い時合いが時折入る状況。その時合いを逃さずに各選手が釣果を積み上げていきました。11:00頃の段階で川村倫弘選手、駒谷賢選手、武山重之選手、田辺哲男選手、近間康平選手の5名がリミットメイク。佐々木俊選手が2尾、佐藤翔太選手が1尾、戸澤直彦選手が1尾。各選手が小移動を行って釣果を引き出しているなか、ただ一人、北堤防先端から微動だにしなかったのが折本隆由選手。この時点ではまだノーフィッシュでしたが、我慢して何かを待っているように見えました。 | |
12:00を過ぎると各選手が本部周辺に戻りながらゲームを続けています。そんななか、北堤防先端に入って粘っていた折本隆由選手。なんと残り1時間を切る土壇場で驚異的なラッシュを演じている様子。そして、同じく北堤防に残っていた佐々木俊選手もリミットメイクに成功。早めに本部前に戻っていた戸澤直彦選手は2尾目をキャッチし、リミットメイクを目指します。隣に並んで入っていた武山重之選手もキーパーをキャッチしますが入れ替えには至らず。 | |
そして13:00、ストップフィッシング。選手全員が本部に集合し、一人ずつコールされてウエイイン。全選手が息を呑んで結果を見守ります・・・ |
優勝 駒谷 賢
アイナメ3尾 3,240g 【today’s game】 北堤防にエントリー。途中探り歩きながら先端方向に向けて移動していく。堤防中央付近でビッグフィッシュをミス。その後も、堤防中央から先端手前の約150mのストレッチを中心に広範囲に探っていた。早い段階で1尾目をキャッチ。着実に2尾目、3尾目と追加。さらに釣果を伸ばしながらキーパー計10尾をキャッチ、入れ替えを繰り返してスコアアップしていった。最後の一時間だけ本部周辺まで移動。 【comment】 エントリーした場所は北堤防。朝は、キジハタグラブ4”(カラーは複数色ローテーション)の28gテキサスリグを結び、遠投してスイミングやリフト&フォールで広範囲をサーチした。はじめの一時間くらいは何も無かったが、先端よりもやや内側に入ったところでボトムに変化があるのに気付いた。ボトムに軽くコンタクトさせながらのスイミングで良いバイトがあり、活性は悪くないと判断。50cm絡みを2尾ミスしたが、このパターンを続け、リミットメイクに成功。その後一時間ほどでスイミングへの反応がぱったり無くなったため、フォローの釣りにシフト。ロッククロー2”(072 テナガシュリンプ)の18gテキサスリグで、コンスタントに入れ替えながらスコアを伸ばした。沖のサイズが良いという訳ではなく、手前でも40cmクラスが絡んだ。釣ったキーパーは10尾。どちらかといえば先端寄りのほうがサイズは良かった。自分のエリアは一通り釣り切ったので、最後一時間だけ港内に移動したが、そこでは魚をキャッチできなかった。 【tackle 1】
【tackle 2】
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2位 佐々木 俊
アイナメ3尾 3,230g 【today’s game】 北堤防にエントリー。先端に入り、追い風を利用して、東側にある沖堤防周辺まで遠投。早い時間に1尾をキャッチ。その後、先端から堤防中央付近へと小移動。駒谷選手、田辺選手とエリアをシェアするポジショニング。1尾の追加に成功。その後、タイミングを見計らって先端に戻ったりを繰り返す。終始、北堤防でゲームを展開し、ストップフィッシング。 【comment】 北堤防先端にエントリー。ロックマックス 3”(370 ケルプジャングルチョイス)の30gテキサスリグを沖堤防周辺まで遠投。開始20分ほどで1尾目をキャッチした。その後、風が強くなりボトムがとりづらくなったので、PE#0.6タックルからPE#0.4タックルにチェンジ。ロックマックス3”の3色(370 ケルプジャングルチョイス、397 モンスターロックジューンバグ、399 ウキハゼ)をカラーローテーションすることで魚に飽きさせないように心掛けた。これにより2尾目をキャッチ。これが1kgオーバーのキッカーフィッシュだった。一度、先端から離れて堤防中央部に移動するも、駒谷選手が釣っていたため先端に戻る。ルアーのアクションの質を変えてみようとグラスミノーM(414 魅惑パープルカモ)にチェンジ。消波ブロック際をスイミングで狙い1kgクラスを引き出してリミットメイク。キーパーかつかつサイズ5~6本釣っていたが、スコアメイクに必要なサイズは3尾のみ。東北で普段やっている遠投で沈根を探る釣りが大澗港でも通用した。ただ、10g差での2位は悔しい。 【tackle 1】
【tackle 2】
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3位 折本 隆由
アイナメ3尾 2,790g 【today’s game】 北堤防先端にエントリー。堤防先端から南に向けてキャストし広範囲を探る。風向きが変わり、東向きへのキャストにシフト。沖堤防周辺狙いに切り替える。最後の1時間だけ追い風となる。そこで一気に4尾(うちキーパーは3尾)のキャッチ。12:00までノーフィッシュという極めて追い込まれた局面を打開する見事な逆転劇となった。 【comment】 朝一から北堤防先端にエントリー。先端の南角に入って南側から東側にかけて広角に探った。風が非常に強く、PE#0.8では糸フケがでて釣りづらい状況が続いた。東側の沖堤防周辺を狙いたかったが12:00までは風が味方につくことなく、ノーフィッシュで非常に苦しい展開だった。12:00を過ぎた頃、風向きが追い風になってラインも一直線となり、狙い通りのアプローチが出来るチャンスが到来。そのタイミングを逃さずラッシュしてアイナメ4尾(キーパー3尾)を短時間にキャッチ。メインルアーはロックマックス3”とキジハタグラブ4”で、カラーは共に370 ケルプジャングルチョイス。28gテキサスリグのリフト&フォール。ゆっくりとリフトし、さらにステイの時間を長めにとるのが効果的だった。プロフィッシャーマンとしての意地を貫き、良いエリアでタイミングを待ち、諦めずに粘りきったことが結果に繋がった。 【tackle】
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4位 武山 重之
アイナメ3尾 2,570g 【today’s game】 朝一は北堤防にエントリー。先端に入り、折本選手、佐々木選手と並び、追い風を利用して東側の沖堤防付近を狙う。連続で2尾をキャッチし、トータルウエイト2kg前後をメイク。その後、移動。途中、港奥部を探りながら、南堤防先端付近へ。沖の係留船周りにハードボトムがあると予想し、その周辺を遠投で探り、3尾目をキャッチ。プラン通りの展開。最後、本部前に移動し、キーパーをキャッチするも入れ替えはならず、そのままフィニッシュ。 |
5位 近間 康平
アイナメ3尾 2,510g 【today’s game】 南堤防にエントリー。早い時間に堤防中央部付近で1尾目をキャッチした。堤防先端部から中央部を移動しながら探り2尾目を追加。沖の係留船周辺を重点的に探った。その後、中央部でビッグフィッシュを掛けるも痛恨のラインブレイク。しかし、次の一投でアイナメ1尾を見事キャッチし、リミットメイクに成功。終了間際、本部周辺を探り、そのままフィニッシュ。 |
6位 川村 倫弘
アイナメ3尾 2,090g 【today’s game】 朝一から本部近くの漁協前にエントリー。沖の係留船まわりでバイトが多発。なかなかフッキングに至らず、小型と思われるバイトが多いなか、それでもキーパーらしきバイトも混じるため、喰うタイミングをうかがいながら粘る。時合いを逃さず、コツコツとキーパーを積み上げてリミットメイクし、スコアを上げていく。終盤、北堤防に移動。その後、ストップフィッシング。 |
7位 佐藤 翔太
アイナメ1尾 1,690g 【today’s game】 朝一に本部横のスロープエッジにエントリー。沖の沈み根をスイミングで探り、開始早々、ビッグフィッシュをキャッチ。この魚が今大会最大魚53cm、1,690gとなった。その後も同ポイントで粘るがバイトが遠い。本部前周辺を重点的に移動しながら探るが、次の1尾が出ず。北堤防への移動、最後は本部前周辺に戻るが2尾目をキャッチすることができず、そのままフィニッシュ。 |
8位 田辺 哲男
アイナメ3尾 1,560g 【today’s game】 朝一は港奥の舟だまりやスロープ周辺へエントリー。チカの姿を確認し、スピナーベイトでチェック。思いのほか浅すぎると判断し、シャローに見切りをつけて北堤防に移動。先端へ向かって移動しながら探り、港入り口付近の舟道周辺でバイトが多発することに気付く。そのエリアを丁寧に探り、キーパーをコンスタントにキャッチしてリミットメイク。そのままフィニッシュ。 |
9位 戸澤 直彦
アイナメ2尾 1,520g 【today’s game】 朝一は南堤防へエントリー。バイトを探しながら港奥部へと移動していく。11:00近くまでノーフィッシュが続くが、気持ちを切らさず港内を探る。本部前にエントリーし、待望の1尾目をキャッチ。その後も短い時合いのなかでバイトが続く。フッキングでラインが高切れするも、切れ端をなんとか手繰り寄せ、もう1尾を追加。そのままフィニッシュとなった。 |
P.O.C. SUPER ROCK FISH 初代王者は、北海道最強アングラー・駒谷賢選手!!
2014、2015 P.O.C.北海道ツアー2年連続アングラーオブザイヤー、2015 P.O.C.マスターズクラシック北海道優勝と、圧倒的な成績で北海道ツアーを牽引する若きトーナメンター・駒谷賢選手がP.O.C. SUPER ROCK FISH初代王座を見事勝ち取りました。これにより、シーズン“三冠”という前人未到の快挙を達成し、新たな歴史を作りました。おめでとうございます! 今回初開催となったSUPER ROCK FISHを振り返り・・・ 蓋を開けてみなければどのくらいのスコアが出るのかすらわからない未知のフィールド・大澗港でのバトル。急激な冷え込みで口を使わなくなるのではないか?この時期の漁港内にどれだけの魚がストックされているのか?などの周囲の心配をものともせず、選手それぞれが自分のゲームを展開し、確実に答えを導き出していく姿に、熾烈なツアー戦を勝ち抜いてきた“強さ”を見ることができました。また、北海道と東北の選手がコミュニケーションをとることで、ロックフィッシュという魅力溢れるゲームフィッシュが、北海道と東北という離れた地を繋ぐ架け橋となることを教えてくれました。これからもパワーオーシャンカップ、そしてSUPER ROCK FISHを継続し、ロックフィッシュという素晴らしいゲームフィッシュを全国各地へ伝えていきたいと強く心に刻んだ大会となりました。 |
最後に、この度のSUPER ROCK FISH開催にあたり、ご協力を頂きました有限会社インパクト様、恵山漁業協同組合本所様、株式会社函館国際ホテル様に心より感謝申し上げます。そして、2015パワーオーシャンカップにご参加頂きました全選手の皆様に深く御礼申し上げます。皆様に楽しんで頂ける大会、魅力ある大会にすべく、引き続き企画して参りますので、来シーズンも皆様のエントリーを心よりお待ちしております。