第109回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2015北海道

開催日 タイトル 場所 対象魚
11月1日(日) POWER OCEAN CUP 2015 MASTERS CLASSIC 北海道 豊浦港、虻田港、有珠湾 アイナメ・ソイ

 2015年11月1日、一年を通して戦われたパワーオーシャンカップ2015北海道ツアーの決勝となる「POWER OCEAN CUP 2015 MASTERS CLASSIC 北海道」を開催しました。今回の舞台は、ロックフィッシュの宝庫・噴火湾内に位置する「豊浦港」「虻田港」「有珠湾」。競技エリアを限定して行いました。今年度のマスターズクラシック北海道は1ステージ制。3つのエリアをラン&ガンするスタイルとなります。エリアごとにロケーションが異なり、ロックフィッシュのストック量も異なります。特にアイナメのスポーニングが絡むこの季節、入るエリアやタイミングによって釣果に大きな差が出るため、各選手の洞察力、判断力が問われる戦いとなります。

  今大会にクオリファイされた選手は総勢19名。メンバーは、ツアー戦3戦の上位3名、年間ポイント累計上位10名(ツアー戦上位3名を除く)、そして2014 A.O.Y.、2014 MASTERS CLASSIC WINNERとなります。マスターズクラシックならではの、ツアー戦を勝ち抜いたエキスパート達のハイレベルな駆け引きは見応え十分。さらに今シーズンは、MASTERS CLASSICの先に、北海道ツアー、東北ツアーの頂上決戦となる「SUPER ROCK FISH」の出場権がかかる一戦。いつも以上に熱の入った激戦になること必至です。

  近づく冬の気配を感じる、冷え込んだ大会当日の朝。大会本部となる豊浦港は、風は多少あるものの快晴の空が広がり、絶好の大会日和となりました。予定通り6:00より受付を開始。仕事の都合で途中参加となる三上選手を除く18名の選手がすでに臨戦態勢。スタートはまだかとボルテージ最高潮の状態で受付を行います。レギュレーション、競技エリアの確認、タックルチェックを行い、いよいよスタートへ。受付時に抽選したフライト順に従って、1名ずつフライトしていきます。豊浦港に入るか?虻田港に向かうのか?それとも有珠湾か?各選手が思い思いのポイントへ向かっていきます。

 フライトから一時間ほどして、各エリアをチェックして回ると、大会本部を設置した豊浦港には4~5名がエントリー。港の東端にある小堤防やその周辺のスロープに選手の姿がありました。この時点でキーパーをキャッチしている選手も。

  一方、虻田港には4~5名の選手がエントリー。北側の堤防、南側の堤防に各選手入っていました。南側の堤防に入っていた昨年のMASTERS CLASSIC WINNER・佐藤伸選手は、既にリミットメイクしており、さらなるウエイトアップを目指して黙々と攻め続けていました。

 有珠湾エリアはというと、新港と呼ばれる西側のエリアに3~4名。堤防先端に入った五福公人選手は粒ぞろいのアイナメでリミットメイクしているとのこと。新港から岬を一つ挟んで東側に広がるゴロタエリアには3名がエントリー。2015 A.O.Y.の駒谷賢選手はリミットメイクし、すでに入れ替えも行っていました。45cmアップのアイナメも入っている様子。旧港と呼ばれる湾奥エリアには2名。ここでは近間康平選手がリミットメイクしており、入れ替えを狙って対岸のゴロタエリアに移動していきました。

 二時間が過ぎた辺りから、各選手が移動を始めました。まだキーパーを手にしていない選手、リミットメイクを目指す選手、入れ替えるためにキッカーを捜し歩く選手と、思惑は様々。そんななか8:00過ぎに、三上顕太選手がようやく到着。はたして二時間強のハンデをひっくり返すことはできるのか?三上選手は当初のプラン通り、豊浦港に的を絞って最後のフライトをしていきました。

 選手が互いの出方を伺いながら戦うクラシック戦。○○選手が40cmアップを釣る光景を見たとか、○○選手はあのポイントでリミットメイクしていたなど、選手それぞれが刺激しあって、駆け引きを繰り広げます。最後まで気が抜けない白熱のバトルです。12:00頃より検量を開始するも、誰一人ウエイインしません。見渡すと、豊浦港には多くの選手の姿が。最後の最後までキッカーを求め、ゲームを続けています。本部前にエントリーした渡邉誠人選手はこの時点でまだノーフィッシュ。ここから驚異のラストスパートをかけます。残り一時間弱で4尾のアイナメをキャッチし、土壇場でのリミットメイク劇。これだからクラシックは最後の最後までわかりません。最終帰着13:00ギリギリに全選手が帰着。そこには、やり切ったという充実した表情や、自分の釣果に手ごたえを感じている誇らしげな表情、思ったゲーム展開ができなかった悔しさをかみ締める表情と様々。クラシックならではの激戦振りを感じさせられる光景でした。

【TOP3】

順位氏名重量(g)魚種
1駒谷 賢2,930アイナメ×3
2佐藤 翔太2,390アイナメ×3
3近間 康平2,310アイナメ×3

優勝 駒谷賢

 トータル2,930gという唯一の2,500g超を持ち込んだのは、2015 A.O.Y.の駒谷賢選手。昨年のクラシックで達成できず悔し涙を飲んだ、念願のA.O.Y. & MASTERS CLASSIC WINNERの二冠達成!コンディションの良い40cmクラスのアイナメを3尾揃えてのスコアメイク。第1戦10位、第2戦10位、第3戦優勝と、シーズンを通して安定感ある強さでA.O.Y.を獲得。昨年クラシック準優勝、そして今年は優勝と、誰もが認める「北海道最強ロックフィッシュトーナメンター」の座を確実なものとしました。

コメント:フライトNo.1を引き当てた時点でかなり優位にゲームを進められた。プラクティスで的を絞っていた有珠湾のゴロタエリアにエントリー。何本か並ぶ石積みの小突堤のうち、湾奥側の一本にポジションをとった。はじめはブレイクの上のシャロー側に、活性の高いアイナメがいないかをチェック。ウインドレンジ3/8oz.で広範囲に探った。しかしノーバイトだったため、プレッシャーが思いのほか高く、低活性と判断。狙いをシャロー側から沖側へとシフト。沖の魚はプレッシャーが低いと考え、遠投で広範囲に探ることに。28~35gテキサスリグ、ルアーはキジハタグラブ4”(カラーは複数ローテーション)をフルキャストし、スイミング気味のリフト&フォールでサーチ。予想通り、沖の魚はプレッシャーが低く、強いバイトが得られた。早々に1kgオーバーをキャッチし、その後もコンスタントにバイトが得られた。三度入れ替えをし、40cmクラスでリミットメイク。ラストは、対岸の旧港エリアに入り、そこで一度入れ替えに成功。使用ルアーはバグアンツ2”(383 パンプキンカモフラージュ)の28gテキサスリグ。念願だったクラシック優勝を達成することができ、これで来年からはもう少し気楽にP.O.C.に向き合えるようになるかな。

タックル

ロッド: 10’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4”(エコギア) + 28~35gテキサスリグ
バグアンツ2”(エコギア) + 28gテキサスリグ

2位 佐藤翔太

 準優勝は、稚内市から駆けつけた佐藤翔太選手。第3戦2位でクラシックの出場権を獲得。道内とは言え、稚内市という遠方から全戦エントリーという努力が実り、見事クラシック準優勝を掴み取りました。アイナメ3尾でトータル2,390gをメイク。各選手がスコアメイクに苦しむなか、丁寧なゲーム展開で着実にウエイトを積み上げ、最終決戦となるSUPER ROCK FISHへのチケットを見事獲得しました。

コメント:今回はノープラクティスで当日を向かえた。はじめに有珠・新港エリアにエントリーするも、予定したポイントに先行した選手がいたため、まもなく移動することに。次に虻田港にエントリーした。南側の堤防に入るも、既に数名の選手の姿がそこに。狙いを絞ったのは係留船の間にあるロープ。そのなかでも古くて海藻がしっかりと生い茂ったゴージャスなロープを重点的に攻めることにした。テキサスリグをスローなリフト&フォール、できるだけ高いリフトを心がけて探っていった。しばらくバイトはあるもののフッキングしない状況が続いたが、ルアーやシンカーウエイトを換え、しつこく丁寧に狙った。タイミングを変え、通し方を変え、とにかく何度も何度も通した結果、キーパー4尾をキャッチすることができた。ヒットしたルアー&リグは3”リングマックスバス(004 ウォーターメロン ブラックFlk.)の14gテキサスリグ、2-1/2”パドチュー(004 ウォーターメロン ブラックFlk.)、バグアンツ2”(004 ウォーターメロン ブラックFlk.)の8.8gテキサスリグだった。

タックル

ロッド: フラットフィッシュプログラム・ラフサーフ88(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 3”リングマックスバス(ノリーズ) + 14gテキサスリグ
2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 8.8gテキサスリグ
バグアンツ2”(エコギア) + 8.8gテキサスリグ

3位 近間康平

 3位にランクインしたのは、北斗市からエントリーの近間康平選手。年間順位4位で通過し、クラシック出場権を獲得。今クラシックも安定感ある戦い方で、アイナメ3尾をウエイインし、トータルウエイト2,310gをメイク。4位・三上選手とは20g差という僅差で見事3位表彰台を勝ち取り、さらにはSUPER ROCK FIAH出場権、北海道ツアー最後の一枚を獲得しました。

コメント:フライト後、目指したポイントは有珠湾エリア。そのなかでも旧港と呼ばれる湾奥に向かった。早々からコンスタントにアイナメをキャッチ。狙い方は、キャストしてボトムをズル引き。変化のあるピンポイントに差し掛かったところで、ルアーにアクションをかけるといったメソッド。リグは7g直リグ。ルアーは2-1/2”パドチュー(140 カスミスーパー)とバグアンツ2”(261 アボカド ハーフフロート)をローテーションした。最初に入ったこのエリアでリミットメイクに成功。その後、スコアアップを狙って、対岸のゴロタエリアに入るも入れ替えできず。最終的にキーパー6尾のアイナメをキャッチするなかで2,310gとし、ウエイインとなった。入賞に繋がった要因は、最初に入ったポイントが当たったことだと思う。まさかSUPER ROCK FIAHに自分が行けることになるとは。次の舞台も頑張ります!

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT711LS(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア) + 7g直リグ        
2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 7g直リグ

【総評】

 前評判では優勝ウエイトは3kg超、もしかしたら4kg近いウエイトが出るのではとの声も聞こえた今クラシック。蓋を開けてみると、ハイスコアメイクには絶対に欠かせない50cmクラスの大型アイナメがスポーニング絡みで口を使わないタイミングになってしまったせいか、結果的に3kg超を持ち込んだ選手はいませんでした。そんなシビアな戦況下で、2kg台前半に上位5名がひしめき合う大混戦のなか、一人だけ3kg近いウエイトを持ち込んだのが駒谷賢選手。序盤にハイウエイトを築きあげ、終始リードを守ったかたちで今回の優勝を手にしました。近年の彼の強さを証明する戦いだったといえるでしょう。悲願だったクラシック優勝、そして2年連続アングラーオブザイヤー。誰が見ても2015年、北海道で一番強いロックフィッシュトーナメンターは駒谷賢選手であったことは間違いません。来年に向け、多くの選手達が彼を目標とし、テクニックにさらなる磨きをかけてくることでしょう。一体誰が駒谷選手の快進撃に待ったをかけるのか?来年もP.O.C.北海道ツアーから目が離せません。

  また、12月6日に開催する北海道ツアー・東北ツアーの頂上決戦となるSUPER ROCK FIAHには、北海道ツアーから駒谷賢選手、佐藤翔太選手、近間康平選手の3名がクオリファイ。勢いに乗る北海道の若手トーナメンター精鋭3名が東北勢とどんなバトルを繰り広げるのか?こちらも目が離せない戦いになりそうです。まだまだP.O.C.2015シーズンは続きます。

結果

4位 三上 顕太

5位 渡邉 誠人

6位 五福 公人

7位 西川 雄哉

8位 佐藤 伸

9位 小田島 辰也

10位 若井 章弘

11位 小山内 薫

12位 西川 貴法

13位 山根 雅則

14位 柏木 雅一

15位 木下 喜智

16位 小林 良稚

17位 清田 泰夫

18位 石澤 卓

19位 山本 英仁

順位 氏名 重量(g) 魚種
1 駒谷 賢 2,930 アイナメ×3
2 佐藤 翔太 2,390 アイナメ×3
3 近間 康平 2,310 アイナメ×3
4 三上 顕太 2,290 アイナメ×3
5 渡邉 誠人 2,210 アイナメ×3
6 五福 公人 2,040 アイナメ×3
7 西川 雄哉 1,900 アイナメ×3
8 佐藤 伸 1,790 アイナメ×3
9 小田島 辰也 1,690 アイナメ×3
10 若井 章弘 1,470 アイナメ×3
11 小山内 薫 1,410 アイナメ×3
12 西川 貴法 1,400 アイナメ×3
13 山根 雅則 1,360 アイナメ×3
14 柏木 雅一 1,340 アイナメ×2
15 木下 喜智 1,300 アイナメ×2
16 小林 良稚 980 アイナメ×3
17 清田 泰夫 800 アイナメ×2
18 石澤 卓 690 アイナメ×1
19 山本 英仁 670 アイナメ×2