第141回 POWER OCEAN CUP 2018東北ツアー第3戦 宮城県・気仙沼大島 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
10月14日(日) 第141回 パワーオーシャンカップ東北ツアー第3戦 宮城県・気仙沼大島 ロックフィッシュ

 7月1日第1戦岩手県・山田/船越湾、8月26日第2戦山形/新潟県・庄内下越と熱戦が繰り広げられてきましたパワーオーシャンカップ2018東北ツアー。いよいよ10月14日、今年のツアー最終戦となる第3戦を迎えました。戦いの舞台は、東北ロックフィッシュトーナメントの聖地として歴史を刻んできた「宮城県・気仙沼大島」。競技エリアを指定した島内ラン&ガン戦です。エントリー選手は総勢102名。アングラーオブザイヤー、そしてマスターズクラシック出場権をかけた運命の一戦となります。

  ツアー最終戦のフィールドとなる「気仙沼大島」は、ロックフィッシュゲームがメジャーとなった現在のシーンでは、言わずと知れた東北屈指のロックフィッシュアイランド。気仙沼湾の入り口に浮かぶ周囲約22kmの島で、パワーオーシャンカップの20年の歴史の中で、過去何度も大会を開催してきたとても思い入れのあるフィールドです。メインターゲットは、北のロックフィッシュの代表格“アイナメ”、そして気仙沼大島周辺には多く生息している“ベッコウゾイ”を筆頭に“クロソイ”“ムラソイ”といったソイ達となります。過去の戦績をみると、大型のベッコウゾイをキッカーとして、アイナメをミックスバッグしてビッグスコアをたたき出す方程式が最も有力な優勝パターン。しかし、大型のベッコウゾイを狙ってキャッチするのは確率的にみると至難の業。一方、アイナメは、スポーニングによる接岸にはまだ時期が早いタイミングで、射程距離にいる個体数はかなり少ない印象。前日、複数の選手にプランを聞いてみると、居着きタイプの中~小型のアイナメやクロソイ、ムラソイ、ベッコウゾイでいかにリミットメイクし、あわよくば気の早いプリスポーンのアイナメが1本でも出れば上位間違いなしという声。また、島に渡るカーフェリーが一艇、点検のために稼働しておらず、カーフェリーの本数が例年の半分という予期せぬ状況。乗り入れができる車の数がいつもよりも少なくなってしまい、選手達を悩ませます。過去だけ見れば「気仙沼大島=ビッグウエイト」という図式が思い浮かびますが、今回ばかりはロースコアな展開が予想されるなかで大会当日を迎えます。
  6:30、大会本部を置く浦ノ浜港で受付を開始します。朝の天気は晴れ。若干肌寒さを感じますが、風はほとんどなく、秋らしい日和。前日からすでに島へ渡っている選手が受付に並びます。前日入りしている選手はざっと見ておおよそ6~7割。各選手の移動手段は、車、バイク、自転車、徒歩とさまざま。そして、残りの3割強の選手は気仙沼港6:40発のフェリーにて大島へと渡ります。当日朝のフェリーは車の乗り入れが不可なので、当日入りのメンバーは徒歩による参戦となります。受付後にフライト抽選を行い、その後選手全員でミーティング。レギュレーションの確認を行い、いよいよ最終戦のフライトとなります。抽選によるフライト順をもとに10名ごとにフライト。思い思いのポイントへと散っていきます。

 フライト後、各エリアをチェックして回ります。本部を置く浦ノ浜港には徒歩組の選手が多くエントリーしています。年間を通して魚影が濃いこのエリア。例年なら車&バイク組は機動力を活かして東岸や北岸、南岸の磯へと向う選手が多いのですが、今年はそれらの選手も浦ノ浜近辺に展開しています。プラクティスでは、磯はムラが激しく、釣れても単発気味で、さらにサイズもくじ引き感が否めないという前情報。磯に展開する時間を考えたら、港内にいる居着きタイプの魚を丁寧に釣り歩き、着実にスコアを築き上げるという策に出ている様子。一方、新王平や三作浜付近の東岸磯にも多くの選手がエントリーしています。過去を振り返ってみても非常に実績の高いエリアだけに、このエリアに入った選手達にも注目したいところ。西岸に移動すると、意外にも横沼、要害エリアに多くの選手の姿が見られます。居着きのロックを探して、釣り歩いているようで、早い段階でリミットメイクしている選手も。ただキーパーぎりぎりサイズが多く、上位を狙う上では入れ替えが必須。少しでもスコアを上乗せすべくラン&ガンを繰り返しています。11:00頃になると東風が少しずつ吹き始めます。東岸の磯にエントリーしている選手にとっては少々やっかいな展開。バイトも想定以上に少ないようで、痺れを切らした一部の選手が動き始めます。移動が吉とでるか凶とでるか?この時点ではまったく予想できません。
 12:30より検量を開始。しかし、誰一人帰ってきません。一尾で順位がガラっと変わるシビアな戦況なだけに、最後の最後まで一尾を絞り出そうとロッドを振り続ける選手達。ほぼ最干潮となるこの時間。潮の変わり目で試合を左右する一尾が出る可能性があるだけに、ギリギリまで粘りたいところ。そして、帰着最終時刻13:30・・・遂に2018年東北ツアーの最終決着の時を迎えます。

 ウエイインした選手は102名中63名、ウエイイン率61.8%と意外にも高い水準。しかし、例年の気仙沼大島戦とは異なり、トータルウエイト2kgをクリアした選手は2名のみ。1kg以下に多くの選手がひしめき合う状況。やはり、各選手が予想した通りのロースコア戦となりました。シビアな条件のなかで、自身の持っているテクニックを駆使し、ミスをすることなく確実にスコアを積み上げ、一つでも上の順位を目指す・・・これもまた“トーナメント”。そんな印象を強く受けた一戦となりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 小田島 海斗 2380 100
2 熊谷 捷紀 2090 98
3 小松 文哉 1920 96

優勝 小田島 海斗

 2018東北ツアー第3戦を制したのは、宮城県仙台市からエントリーの小田島海斗選手。今年から参戦を始めたフレッシュな若手アングラー。キッカーとなる40cmクラスのアイナメを含む、アイナメ3尾、トータルウエイト2,380gをメイク。徒歩組という不利な状況のなかでも磐石の試合運びで見事、勝利を手にしました。また、5位入賞の小田島良太選手、そして北海道ツアーに参戦する小田島辰也選手とは兄弟という驚きの事実。兄弟揃ってオーシャンカップの表彰台をにぎわす生粋のサラブレッドという新星。兄弟揃っての今後の活躍に期待します。

コメント:今大会に向けて2度のプラクティスを行った。この大会がきっかけではじめて気仙沼大島を訪れた。今回の移動手段は徒歩。フライトから30分ほど歩き、浦ノ浜より北側にある磯草のシャローエリアにエントリー。すでに車移動組が4名エントリーしていたが、プラクティスでこのエリアに魚影の濃さを感じていたため、迷わずエントリーした。開始してしばらくする間にノンキーパーを4尾キャッチ。ノンキーパーのバイトを避けてサイズアップすべく、攻め方をチェンジ。7~10gのビフテキリグに変更し、中層をフワフワと探る戦略に切り換えた。ルアーはリングマックス パワーオーシャン3”(408 ウォーターメロンバグ)。スイッチして一投目、いきなり46cmのキッカーアイナメをキャッチ。時間は8:00過ぎ。この後、しばらく攻めるがまたしてもノンキーパーのバイトばかりに・・・ポイント移動を決意。隣の磯草漁港にエントリー。そこには先行する選手が2名。そこでリミットメイクし、さらに40cmほどのアイナメで入れ替え。最終的にはアイナメを3尾揃えることに成功した。マスターズクラシックも優勝を狙う!

タックル

ロッド: 7’10”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3” (エコギア) + 7~10gビフテキリグ

2位 熊谷 捷紀

 表彰台2位に立ったのは宮城県仙台市からエントリーの熊谷捷紀選手。アイナメ3尾、トータルウエイト2,090gでフィニッシュ。今回がパワーオーシャンカップ初参戦という、こちらもフレッシュな若手アングラー。東岸の通島付近の磯に展開し、良型のアイナメを3尾揃えてのスコアメイク。念入りにプラクティスを行い、大島全体の釣況を把握して臨んだ初P.O.C.で見事、表彰台に昇りました。

コメント:今回がパワーオーシャンカップ初参戦。今大会に向けて3度のプラクティスを行った。磯でのゲームプランを軸に当日を迎えた。事前のプラクティスでは休暇村付近の磯でバイトを多く得ていたが、大会前日のプラクティスではまったく反応が無くなっていた。そのため、大会当日は新王平の磯へとプラン変更。フライトして新王平に向った。しかし、結果はいまひとつ。30cmほどのアイナメを2尾キャッチするにとどまっていた。10:00過ぎ、前日ベッコウゾイが釣れた通島の磯へと移動。先行者も無く、ゲームを始めた。シャローエリアに大きな岩と海藻が絡むシチュエーション。2-1/2”パドチュー(317 ライトグリーンパンプキン ブルーFlk.、442 カバードーン)の8.8gテキサスリグでスイミング気味のカーブフォールで探っていく。これでコンディションの良いアイナメをキャッチ。風が強くなってきてからは8.8gから11gにシンカーウエイトを変更。12:30までに同サイズでリミットメイクすることができた。

タックル

ロッド: 8’05”スピニングロッド
ルアー&リグ: 2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 8.8~11gテキサスリグ

3位 小松 文哉

 3位に入賞したのは、宮城県石巻市からエントリーの小松文哉選手。アイナメ2尾とリミットメイクならずもトータルウエイト1,920gをメイク。今シーズン、各大会で表彰台にからむ活躍を見せ、勢いに乗っている若武者が、今大会でもその勢いを発揮。1kg前後の良型アイナメを2尾キャッチして、自身初のマスターズクラシック出場を掴み取りました。

コメント:当初は磯をメインプランに組み、プラクティスを3回行っていたが、帰りのカーフェリーの予約がとれず、当日は徒歩での参戦に。ほぼノープラクティスに近い状態での大会となってしまった。フライト後に向ったのは浦ノ浜港奥、北側の小突堤。しかし、すでに先行者がいたため断念。しかし、魚は港内にいると判断し、北面のほぼ中央にあるストレッチにエントリー。プラクティスで好反応だったロックマックス3”(370 ケルプジャングルチョイス)の14gテキサスリグで探るが反応無し。足元が気になっていたので、14gテキサスリグのまま、ルアーをチヌ職人バグアンツ2”(072 テナガシュリンプ)にルアーチェンジ。コンブが三角に張り出した場所を探る。パンッパンッとロッドを煽るように誘うとバイト。キッカーとなるメスの良型アイナメをキャッチすることに成功した。その後、探り歩くもバイト無し。一転して沖の船道狙いに変更。エコギア熟成アクア リングマックス3”(J03 青イソメ)の28gテキサスリグで遠投して探る。ホンダワラが絡むポイントでバイト。オスの良型アイナメをキャッチした。今回は直感で選らんだポイントが結果に繋がった。

タックル

ロッド: 7’00”ベイトロッド
ルアー&リグ: チヌ職人バグアンツ2”(エコギア) +14gテキサスリグ

タックル

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア リングマックス3”(エコギア) +28gテキサスリグ

【2018 Angler of the Year】 坂本 広宣

 ロックフィッシュトーナメント草創期から第一線で活躍し続ける強豪ベテラン勢に加え、近年急成長をみせる若手の台頭により、年々熾烈さを増すパワーオーシャンカップ東北ツアー。その東北ツアー2018シーズンの頂点に立ったのは若手ロックフィッシャーマン、坂本広宣選手。第1戦岩手県・山田/船越湾戦で2位と好スタートを切った今シーズン。第2戦山形/新潟県・庄内下越戦でも13位と安定した成績を残し、2戦が終わった時点で年間ポイント1位というポールポジションで迎えた第3戦。アングラーオブザイヤー獲得のプレッシャーがかかるなかで見事4位に入賞し、年間ポイント累計268pt.でフィニッシュ。年間2位につけていた昨年のA.O.Y.森本選手に16pt.差をつけての完全勝利でした。おめでとうございます。
 これにより坂本選手がP.O.C. SUPER ROCK FISH 2018最初のクオリファイ選手となります。東北ツアーからの出場枠はマスターズクラシック上位3名の椅子のみ。まだまだ熾烈な闘いは続きます。

【総評】

  東北屈指のロックフィッシュパラダイス・気仙沼大島での開催とはいえ、過去開催のときのようなビッグスコアは出ず、大方の選手が予想したとおりのロースコア戦となった今大会。季節の進行具合を見て、シビアな戦況になるとあらかじめ予想し、それに対応したプランを立てて臨んだ選手が上位に名を連ねました。また、年間ポイントによるマスターズクラシック出場を狙う選手にとっては、想定ウエイトをどこに設定し、それにむけてどう戦略を組んで実行していくか・・・非常に難しい試合。マスターズクラシック常連の百戦錬磨のベテランアングラーすらマスターズクラシック出場権を逃すという展開となりました。トーナメントにおいてキーパー一尾の重さの重要さを、改めて痛感した一戦となりました。
 今大会を終え、P.O.C.マスターズクラシック2018東北の出場全選手が確定。その顔ぶれを見ると、マスターズクラシック初出場のフレッシュな若手選手が複数。そして、近年実力をつけ、上位を常ににぎわしている実力派の若手トーナメンター達。さらには、東北ツアーを長年牽引する強豪ベテラン勢。このなかから「P.O.C. SUPER ROCK FISH 2018」の出場権を獲得する東北代表最後の3名が決まります。はたして誰が残り3枚の出場権を手に入れるのか?この顔ぶれを見る限り、極めて高次元なロックフィッシュバトルになること必至です。乞うご期待!
  最後に、パワーオーシャンカップ2018東北ツアーに参戦いただきました選手の皆様へ、スタッフ一同、御礼申し上げます。また、いつも暖かく大会を受け入れてくださいます気仙沼大島の島民の皆様へ、心より感謝申し上げます。来る2019年、気仙沼大島へと渡る橋がいよいよ開通予定・・・今まで多くのロックフィッシャーマンの夢を運び、思い出がいっぱい詰まったフェリーにも感謝の気持ちでいっぱいです。
  ロックフィッシュアイランド・気仙沼大島の本番はまさにこれから。シャローエリアに多くのアイナメが差し、磯、港内ともにアイナメ特有の金属的なバイトとトルクフルなファイトを存分に楽しむことができるはずです。また、50cm近い大型のベッコウゾイを狙うことができるのも気仙沼大島の魅力。最盛期のロックフィッシュゲームを満喫しに、ぜひ気仙沼大島へ足を運んでみていただけたら幸いです。
  最後に、ロックフィッシュゲームを未来へと繋げていくために、できる限りのキャッチ&リリースをお願い致します。特にスポーニングに絡むこれからの時期。魚へのダメージを最小限にして、末永くゲームフィッシングを楽しむことができるように・・・“SAVE THE FISH”。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1小田島 海斗2380100
2熊谷 捷紀209098
3小松 文哉192096
4坂本 広宣164094
5小田島 良太158092
6武山 重之154090
7武山 潤139088
7堀内 彩登139088
9森本 正善127084
10尾形 一成113082
11三浦 琢都108080
12佐々木 晃太106078
13小野寺 良太100076
14戸澤 直彦97074
14日野 雅貴97074
16武山 雄太95070
17大泉 純輝94068
18中村 渡88066
19大平 新87064
20村山 栄宏83062
21鈴木 隆ノ介80060
22渡辺 健79058
23千葉 拓郎77056
24佐々木 俊71054
25小山 彬帆65052
26久保 修一63050
27木村 雄斗60048
28山内 一宏59046
29大久保 広徳58044
30櫻井 将恵57042
31藤原 久志56040
32芳賀 祐亮55038
33真木 亮裕53036
34川原 武宗51034
35鹿野 栄健46032
35八重樫 敬太46032
37岩元 辰樹45030
38榊原 航43030
38志賀 康英43030
40小野寺 正人40030
41岩間 拳人38030
41山口 恵38030
43武藤 大虎36030
44金森 淳35030
44倉又 一平35030
44高橋 歩35030
47菅 雅哉34030
48川村 倫弘33030
49遠藤 元気29030
49中村 勝29030
51菊池 勇貴28030
52佐藤 雄一27030
52高橋 拓也27030
54小野寺 克弥26030
54橋本 久弥26030
54三浦 宏悦26030
57千田 大夢25030
58小野寺 淳一21030
59川尻 達毅20030
59山崎 健治20030
61小野 友哉19030
61高橋 興宣19030
63伊藤 亜主可17030
64我妻 福彦030
64阿部 寿彦030
64安藤 克宏030
64岩渕 健二030
64岩脇 勇太030
64栄浪 克康030
64蛯原 隆也030
64遠藤 辰太朗030
64太田 武蔵030
64尾形 英一030
64鹿又 文夫030
64川島 浩平030
64菅野 亜衣030
64菅野 潤一030
64菅野 勝一030
64桑野 将人030
64今野 蒼030
64今野 勝和030
64齋藤 晴喜030
64堺 研一030
64佐々木 瑛一郎030
64佐藤 貴之030
64鈴木 崇030
64鈴木 泰洋030
64武山 晴大030
64千葉 駿030
64中田 大地030
64中村 亮義030
64浜 幸生030
64早坂 專030
64早坂 健030
64早坂 徹也030
64松本 俊彦030
64松本 怜大030
64三浦 利幸030
64三浦 光正030
64守屋 知明030
64山舘 嘉昭030
64吉田 勲030
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