第96回 POWER OCEAN CUP 2014 北海道ツアー第1戦 小樽沖堤防

開催日 タイトル 対象魚 場所
5月25日(日) 第96回パワーオーシャンカップ アイナメ・ソイ 小樽沖堤防

 待ちに待ったパワーオーシャンカップ2014シーズンがいよいよ開幕。2014年初戦となる北海道ツアー第1戦の決戦地として選ばれたのは「小樽沖堤防」。この小樽沖堤防は過去にもP.O.C.が幾度も行われてきた馴染み深いフィールド。しかしながら、前回は2010年9月と、約4年ぶりの開催。季節的にも前回の秋とは打って変わり、八重桜が舞い散る5月。はたしてどんなバトルが繰り広げられるのか楽しみな一戦となりました。

 参加者は総勢84名。P.O.C.常連の面々から、今回がP.O.C.初参加というメンバーまで顔ぶれは様々。我々運営側としましては、今年も多くの方々にエントリーして頂き、うれしい限りです。心より感謝申し上げます。

 事前情報によると、ここ数日間で50cm近い大型のアイナメが小樽港内に入ってきているとのことで、状況的にはジャストなタイミング。また、道内でも年々顔を見る機会が少なくなってきているガヤ(エゾメバル)も、ここ小樽には健在。小粒ながらウエイトを期待できるハチガラ(オウゴンムラソイ)も混ざる模様。ガヤ(エゾメバル)やハチガラ(オウゴンムラソイ)でリミットメイクし、アイナメで入れ替えを図るというプランが大方の戦略か・・・。

 今回上陸した沖堤防は通称「赤堤」と呼ばれる北堤防。外向きにはケーソン+基礎ブロック、内向きには基礎ブロック、そして両側ともに沖には根が点在するロケーション。また、北端の通称「基部寄り」から、南端の通称「先端」まで全長約1.2kmの堤防。どこに的をしぼるのか?どんな戦略で攻めるのか?様々な展開が考えられるフィールドです。

 どんよりと雲に覆われた大会当日の朝。予報では、時折陽が差すものの、昼に向け北東の風が吹く予報。思いのほか寒さが残る春の一日のスタートとなりました。受付後、沖堤防に渡り、ミーティングを開始。そして遂に2014P.O.C.初戦の火蓋が切られました。

 開始早々から外向き、内向きともに各所でロッドを曲がります。いきなりキッカーとなりそうなグッドサイズのアイナメも飛び出し、上々の滑り出し。おのずとウエイインへの期待が高まります。
AM11:00を過ぎ、検量を開始するもしばらく誰もウエイインしてきません。ガヤ(エゾメバル)はキャッチしているものの、キッカーとなるアイナメでの入れ替えを狙っている様子。これは接戦の予感・・・。そしてAM11:30頃から続々とウエイイン。予想通り、アイナメやガヤ(エゾメバル)、ハチガラ(オウゴンムラソイ)、クロソイが続々と持ち込まれます。結果、参加84名中68名がウエイインし、ウエイイン率約81%という非常に好調な成績。選手、運営サイドともに、改めて小樽の持つポテンシャルの高さを再認識することができた大会となりました。

 

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 駒谷 賢 2910 100
2 生田目 麗司 2870 98
3 佐藤 伸 2640 96

優勝 駒谷賢

2014シーズン開幕戦を制したのは札幌市からエントリーの駒谷賢選手。P.O.C.北海道ツアーでは常に上位に顔を連ねる実力者で、2013第一戦2位、2013クラシック4位という実績の持ち主。今大会最大魚50cm、1,510gというキッカーアイナメを含む、良型アイナメ3本を揃え、トータルウエイト2,910gというハイスコアをマーク。小樽沖堤防攻略の常套パターンである遠投戦のなか、PE#0.6という細いラインを選択することでアドバンテージを獲得し、見事勝利を手にしました。

コメント:朝一は様子を見ながら沖堤防中央付近から探りました。まずはスイミングでサーチ。ルアーはグラスミノーL(#159カタクチ)の10gジグヘッドリグ。内向きを少し打つものの水の色が悪く、外向きにスイッチすると立て続けにアイナメを2本キャッチできた。その後、基部寄りが状況良いとの情報で、基部寄りに移動。バグアンツ2”(#261アボカドハーフフロート)の14gテキサスリグに変更し、内向きを遠投して回遊するアイナメを狙った。AM8:00頃、キッカーフィッシュをキャッチすることができた。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT711LS (ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2” + 14gテキサスリグ、グラスミノーL + 10gジグヘッド

2位 生田目麗司

実は今回が小樽沖堤防での初釣行という、登別市からエントリーの生田目麗司選手が見事2位入賞。40cmクラス後半、1,450gというグッドコンディションのアイナメを含む、良型アイナメ3尾揃えトータル2,870gというハイスコアでウエイイン。

コメント:小樽沖堤防初釣行で、朝一の第一投目で、いきなりキッカーとなる良形アイナメをキャッチ!そして、その後2~3投目でまたしても良型アイナメをキャッチ!!時間をみるとまだAM6:30だった。その後少し時間があき、AM9:00頃、3本目のアイナメをキャッチした。ルアーは全てエコギアアクア ミルフル3”(A03アトラクティブオレンジ ブラックFlk.)の7gテキサスリグ。ボトムを細かく叩いて誘った。

タックル

ロッド: 6’00”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギアアクア ミルフル3” + 7gテキサスリグ

3位 佐藤伸

3位には、函館市からエントリーの佐藤伸選手がランクイン。グッドサイズの良型アイナメ2尾+ガヤ(エゾメバル)1尾のミックスバッグで、トータルウエイト2,640gをメイク。ウエイトのある太いアイナメ2尾が入賞への大きな鍵に。

コメント:南端になる「先端」付近にエントリー。手前を探るもガヤ(エゾメバル)のみだったので、遠投で沖のブレイクや段差を回遊するアイナメ狙いにシフト。遠投一投目で40cmオーバーの良型アイナメをキャッチ。ルアーはバグアンツ3”(#072テナガシュリンプ)の10gテキサスリグ。AM9:30頃、同じく回遊狙いでキッカーアイナメをキャッチ。パドチュー(#004ウォーターメロン ブラックFlk.)の14gテキサスリグの遠投。軽くても10gという重めなテキサスリグに、一口サイズのコンパクトなワームという組み合わせでリアクションバイトを誘った。

タックル1

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT610HC (ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 2-1/2”パドチュー + 14gテキサスリグ

タックル2

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT711LS (ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ3” + 10gテキサスリグ

PRO STAFF’s GAME

MASAKAZU KASHIWAGI’s GAME

北海道ツアー初戦は、ホームグランドである小樽沖堤防での開催。CLASSIC出場権を獲得するため、キッカーを狙った戦略を組み、本戦に臨んだ。

ここ数年、小樽沖堤防は毎年のように改修工事が入り、崩れたケーソンを組み直している。そのため、外海側は足下からケーソンが積まれ、ブレイクラインが遠くなった。以前は近距離にケーソンが崩れたポイントや、ブレイクが寄ったポイントが存在していたが、近年ではほぼフラットな地形に変化。内海側の足下も同様で、足下のツキ場は少なくなった。とはいえ、ロックフィッシュフィールドとしてのポテンシャルは依然高い小樽沖堤防。そんな近年の小樽沖堤防の攻略法は、沖のブレイクラインをフィーディングで回遊するアイナメを、ロングキャストで狙い撃つこと。昨年の釣行でも、この方法で良型アイナメを連発した。今回の戦略として組んだプランは、まず、波動の強いパワーシャッド3”で沖のブレイクラインやポイントを効率よく探り、プレッシャーが高くなった後半戦はフォローとしてエコギア アクア ミルフル3”を入れていく戦略でタックルを準備した。

ゲームがスタートし、まずはガヤ(エゾメバル)とクロソイでリミットメイクを狙う。外海側沖のブレイクラインを11gイワシヘッド+パワーシャッド3”で広範囲に探ると、早々にキーパーサイズのガヤ(エゾメバル)をキャッチ。あわよくばキッカーサイズのアイナメも含め、サイズアップを狙い、ルアーをBTS3-3/4”にチェンジ。良型のガヤ(エゾメバル)でリミットメイクに成功した。

リミットメイク後の展開として、アイナメのみに的を絞り、沖の点在するポイントを攻めて入れ替えをする戦略に。外海沖からの風が強くなってきたため内海側にシフト。沖の魚礁や捨て石の入っているポイントを遠投で探る。すでに他の選手達も遠投で攻めており、プレッシャーがかかってきている状況と判断。11gイワシヘッド+ロックマックス3”をチョイス。数投するとすぐにアイナメがヒットし1匹目の入れ替えに成功。その後も時々バイトはあるもののヒットにはいたらず・・・。プレッシャーが原因と考え、ロックマックス3”からエコギア アクア ミルフル3”にチェンジする。遠投を繰り返し、2匹目のアイナメをキャッチ。ガヤ(エゾメバル)と入れ替えをする。しかし、まだキッカーサイズのアイナメをキャッチできていない。自分のまわりでもポツポツとアイナメが釣れており、時々キッカーサイズが混ざっているだけに、諦めずキャストを繰り返すも3匹目のアイナメはキーパーサイズギリギリだった。その後もワームをチェンジし、入れ替えを狙ったが残念ながら時間だけが過ぎ、タイムアップとなった。

釣況としては予想していた展開通りだったが、キッカーをキャッチすることができず表彰台を逃してしまった。しかしながら、トータルウエイト2040gで8位となり、ポイントはしっかり獲得できたので、残り2戦も上位を目指し、CLASSIC出場権を狙いたいと思う。

タックル1:

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT610MS
リグ: 11gイワシヘッド
ワーム: パワーシャッド3”(#171ナチュラルゴールド)
BTS3-3/4”(#233CPウルメ)
ライン: フロロカーボン6lb.

タックル2:

ロッド: フラットフィッシュプログラム
シューティングサーフ96
リグ: 11gイワシヘッド
ワーム: ロックマックス3”(371クラブシェルパンプキン)
エコギア アクア ミルフル3”(A04フレッシュレッド ブラックFlk.)
エコギア アクア ミルフル3”(A06ナチュラルグリーンパンプキン ブラックFlk.)
ライン: PE#0.8+フロロカーボン12lb.

総評

 直前の情報どおり、ちょうど港内に入ってきたばかりの大型アイナメをキャッチできるかどうかが勝敗を大きく左右する結果となった今大会。上位3名をはじめ、4位の佐藤逸人選手、5位の甲斐隆之介選手と、沖に点在する根を移動している回遊タイプのアイナメを遠投で狙い撃った選手が表彰台を独占する形となりました。フラットな地形のなかで、ブレイクや根を積極的に探し、丁寧に狙うことが今回の小樽沖堤防の攻略法だったと言えます。また、「コンパクトなワーム」+「ヘビーなウエイトセッティング」というのがここ最近の北海道ロックフィッシュシーンのトレンドな印象。ワームのカラーも定番的な派手目のカラーだけでなく、ウォーターメロン系やグリーンパンプキン系、シナモン系といったナチュラルカラーを結ぶ選手が多く感じました。ロックフィッシュの宝庫である北海道、そのなかでゲームのスタイルが日々進化していることを改めて実感した大会となりました。

 最後に、大会を盛り上げてくださいました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きました海進丸様、株式会社ツウセン様、株式会社小樽観光振興公社様、そして温かく受け入れてくれた小樽の皆様に心より感謝申し上げます。

 ようやくロックフィッシュシーズンも本格的にシーズンイン。今大会でも、アイナメをはじめ、クロソイ、ガヤ(エゾメバル)、ハチガラ(オウゴンムラソイ)、マゾイ、ハゴトコ(スジアイナメ)と多種多様なロックフィッシュ達が顔を見せてくれました。身近にロックフィッシュゲームの面白さ、奥深さを感じることができる小樽に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

結果

順位氏名 重量(g)獲得ポイント
1駒谷 賢2910100
2生田目 麗司287098
3佐藤 伸264096
4佐藤 逸人210094
5甲斐 隆之介209092
6大導寺 祐輔208090
6山本 英仁208090
8柏木 雅一204086
9佐藤 翔太199084
10鈴木 馨二188082
11越野 卓也170080
12石澤 卓166078
12松岡 諭166078
14西川 貴法152074
15玉川 正人150072
16上田 仁之142070
17山口 隆137068
18今野 哲134066
19井上 昌嗣130064
19大森 秀樹130064
21吉田 宣宏116060
22白針 清志109058
23上田 正義105056
23田村 隆之105056
25倉澤 佑基93052
25橋本 憲之93052
27宮島 淳92048
28高橋 智之88046
29尾崎 智昭86044
30佐野 大地85042
31石川 陽太郎81040
32油川 正道76038
33齋藤 明徳72036
34岩崎 克志71034
35南部 哲宏64032
36深澤 奨太63030
37田村 直登60030
38宇波 康隆59030
39武田 泰成55030
40菅原 優一54030
41下山 誠53030
42宮島 達也52030
43松井 智博50030
44竹原 智博49030
45小杉 卓47030
45近間 康平47030
47半田 義博45030
48岡崎 泰治44030
49柿島 心平43030
49小林 良稚43030
49高 和矢43030
49三浦 和典43030
53五福 公人42030
53藤田 真司42030
55佐々木 雅敏41030
56後藤 里美39030
56山根 雅則39030
58脇坂 友美38030
59清田 泰夫35030
60菅野 良治33030
61木下 喜智31030
62竹田 淳二30030
63山崎 竜28030
63若井 章弘28030
65藤田 充24030
66合田 秀樹14030
66今野 収市14030
68岩見 友弘11030
69今本 則子030
69遠藤 辰也030
69奥平 潤一030
69兼田 大資030
69唐津 一樹030
69経田 知樹030
69小林 章030
69齊藤 康光030
69佐々木 基裕030
69住吉 千穂030
69高橋 康夫030
69坪 隆彦030
69長谷川 達也030
69原 一文030
69水上 直030
69吉田 拓磨030