第213回 POWER OCEAN CUP SUPER ROCK FISH 2025

第213回 POWER OCEAN CUP SUPER ROCK FISH 2025 岩手県・大槌 ロックフィッシュ

 熾烈なパワーオーシャンカップトーナメントツアー北海道、東北を勝ち抜いた猛者が相まみえるロックフィッシュトーナメンターの頂上決戦「POWER OCEAN CUP SUPER ROCK FISH」。去る2026年1月11日(日)、2025シーズンを締めくくる「POWER OCEAN CUP SUPER ROCK FISH 2025」を開催しました。
 決戦の舞台として選んだのは「岩手県・大槌」。P.O.C.トーナメントツアーで数々の激戦が繰り広げられてきた馴染み深いメジャーロックフィッシュフィールドです。今回は大槌漁港をメインに設定した競技エリア内でのラン&ガンバトルとなります。

 クオリファイメンバーは北海道4名、東北4名の総勢8名。北海道代表は、P.O.C.2025北海道アングラーオブザイヤー・上野孝勇貴選手、P.O.C.マスターズクラシック2025北海道優勝・加我強至選手、2位・安田将耶選手、3位・石本眞那斗選手。東北代表は、P.O.C.2025東北アングラーオブザイヤー・川村雅直選手、P.O.C.マスターズクラシック東北2025優勝・小田島海斗選手、2位・久保修一選手、3位・笹山英幸選手という顔ぶれ。驚くのは、8名のうち半数の4名が前年度P.O.C.スーパーロックフィッシュにも勝ち上がったメンバーという点。うち3名は3年連続でのスーパーロックフィッシュクオリファイという驚くべき事実。一方、今回が初出場となる選手の顔ぶれも近年めきめきと実力をつけてきた錚々たるメンバー。“2025年ノースロックフィッシュトーナメンター最強”の称号を手にするのは一体誰なのか!?
 大会前夜、釜石にてレセプションを開催。レギュレーションや競技エリア、スケジュールの確認を行った後、北海道代表と東北代表の懇親を深めます。地域や世代関係なく同じロックフィッシュトーナメントの世界に身を置くアングラー同士ということもあり、話題は尽きることなく楽しい時間があっという間に過ぎていきます。

 今大会の競技エリアは、大槌湾の北面に位置する大槌漁港一帯と、大槌川・小槌川を挟んだ対岸側の小枕漁港周辺。それらの海岸線のなかから競技エリアを指定。ポイントによってシャローからディープまで水深のバリエーションは幅広く、狙うポイントも足元の岸壁や近距離に沈む敷石、遠投射程圏内には砂地のなかにゴロ石や岩礁、海藻、アンカーブロックなどが点在します。近距離戦から遠投戦まで対応する三陸リアスの湾の特徴が盛り込まれたロケーションです。今回のメインターゲットとなる魚はアイナメとソイ。この時期のアイナメ攻略に大きく影響するスポーニングの状態は、通常であればアフタースポーンから回復へと移行しているはずですが、今季は季節進行の個体差が大きく、さらに射程圏に差している個体数も例年にくらべて非常に少ない状況。その一方、湾内には小型のマイワシが入っているようで、それをベイトとするクロソイの釣況は順調との情報。ナイトゲームでは50cmクラスの大型クロソイも出ているとの話なので、ローライトな状況下であればクロソイ狙いも選択肢に入ってきます。各選手がどんなゲーム展開をしてくるのか注目です。

 

 

 6:00前、ホテルを出発し一路、大槌漁港へと向かいます。今回、大会本部を置くのは大槌漁港最奥にある海づくり記念公園駐車場。会場到着後にタックルチェックを行い、時間は6:35。いよいよフライトコールとなります。8名の選手が一斉にポイントへと散っていきます。
 朝の気温は6℃と、この時期の岩手とは思えない高さ。また、当初心配していた強風も、朝の時点では弱い西風が吹いている程度。できることならこのまま落ち着いていてほしいと願うばかりです。1/11の潮回りは小潮。満潮8:20(126cm)、干潮15:43(54cm)というタイドスケジュールです。(基準:釜石、気象庁発表)
 フライト後しばらくしてからの各選手の布陣は下の通り。(数字はポイント図を参照)

 ①:加我選手
 ⑥:小田島選手
 ⑦:石本選手、川村選手、久保選手、安田選手
 ⑧:笹山選手
 ⑨:上野選手

 まだ薄暗いなか、多くの選手が本部近くの⑤~⑧に展開しています。そのなかで目立つ動きをしていたのが小田島選手。⑤~⑥をかなり速いテンポでラン&ガンしている光景が目につきます。スピナーベイトで岸壁際を積極的に探っている様子。⑦の南側にある角に陣取ったのは川村選手。コールアップヘッド40g+パワーシャッド6”というインパクトの強いルアーをキャストして探っています。話を聞くと、既に良型のクロソイを1匹キャッチしたとのこと。目を凝らして海面を見てみると、たしかにベイトの群れがちらほら確認できます。「夜の余韻が残る朝はクロソイを狙う」という戦略で見事、スタートダッシュに成功しています。その近くでインザベイト18gをキャストしていたのは久保選手。久保選手もアイナメ1匹をキャッチした模様。⑧の最奥では笹山選手が足元の石積みの隙間を丁寧に探っています。驚いたことにキーパーサイズのアイナメ3匹をキャッチし、早々にリミットメイクしたとのこと。ここからスコアアップを目指して入れ替えを狙っていきます。①で得意の遠投ゲームを展開していたのは加我選手。アイナメ1匹をキャッチし、その後もバイトが続いているとのコメント。順調な滑り出しと言えます。

 フライトして約一時間が経過した7:40の段階での各選手の釣果は下の通り。
 ■3フィッシュ:笹山選手
 ■1フィッシュ:加我選手、川村選手、久保選手
 ■ノーフィッシュ:石本選手、上野選手、小田島選手、安田選手
 8:00過ぎ、⑦には加我選手と笹山選手。加我選手は積極的なラン&ガンを展開し始めています。④の東側に小田島選手、③に石本選手、川村選手の姿があります。石本選手はアイナメを1匹キャッチした模様。9:00過ぎ、⑦防波堤先端に加我選手、安田選手がエントリーしています。安田選手は中近距離戦を中心に、加我選手は遠投戦を展開中。状況をヒアリングすると、加我選手は①のポイントで良型を1匹ミスし、さらに⑦でも良型を1匹ミスしてしまったとのこと。そんな話をしている最中にも再びバイトをとらえ、フッキングが決まるもファイト中に魚が外れてしまいます。もしキャッチできていればリミットメイク、さらには入れ替えというケースだけに、何とかミスを取り返したいところです。⑧に目を向けると久保選手がロッドを振っています。ルアーはインザベイト18g。“巻き”のゲームを自身のメインスタイルとしている近年の久保選手。マスターズクラシック東北で炸裂したこのゲームを終始貫くプランなのかもしれません。⑧の最奥に向かうと笹山選手を見つけます。ラン&ガンするなかで何度もタイミングを計って、同ポイントに入りなおしている様子。その後、入れ替えはできているのか?気になるところです。③には小田島選手がエントリーし、得意のロングキャストで広範囲を探っています。ここでキーパーサイズのアイナメを1匹キャッチ。まだバイトはあるとの声。ここからの巻き返しに注目です。①まで車を進めると、川村選手がいます。話を聞くと①でアイナメ2匹を追加してリミットメイクに成功しているとのこと。すでに2kgを超えるスコアになっていると見込まれます。②の防波堤先端には石本選手がいます。この時点では1匹。石本選手と言えば、試合終盤での逆転劇が代名詞となっているだけに、このまま終わるとは到底思えません。

 10:15、①には上野選手と石本選手。ともにロングロッドを振って広範囲を探っています。この時点で上野選手はまだノーフィッシュ。ストップフィッシングまで、まだ時間はあるだけに何とか魚を手にしたいところ。10:40、③で遠投ゲームを展開していた小田島選手。同ポイントでリミットメイクまで順調にスコアを伸ばし、キッカーフィッシュを求めて別のポイントへと移動していきます。我々は一旦、本部近くまで戻り、⑦⑧を見て回ります。⑦には安田選手。朝から移動することなく、このポイントでゲームを継続。近距離、遠投と広角に探りながら打開策を模索しています。⑨へと向かう途中、久保選手の車とすれ違います。朝から変わらず積極的なラン&ガンをしています。⑨に到着し選手を探すと、ショートロッドを手にする川村選手の姿があります。時間帯やポイントによってガラッと違うゲームを展開している川村選手。引き出しの多さに驚きます。11:00過ぎ、⑦を巡回していた別の運営班から、安田選手がアイナメ2匹をキャッチしたとの情報が届きます。朝から決め打ちで粘ったことが遂に実を結んだ形に。リミットメイクまであと1匹です。11:30、②の先端にいた小田島選手のロッドが大きな弧を描きます。丁寧なファイトの末、ネットインしたのは待望のキッカーフィッシュ。さらなるスコアアップに向けて小田島選手のボルテージが上がります。12:00、①に加我選手を見つけます。しばらくすると隣に笹山選手がエントリー。競技時間は残り一時間弱。ここからドラマチックな大逆転劇は起きるのか?最後の最後まで一切気が抜けません。12:45、本部近くまで戻りつつゲームをするという選手が増えてくる時間帯にもかかわらず、まだ対岸でロッドを振る選手や本部とは逆方向へ移動をする選手が見えます。時間ギリギリまでスコアアップを目指すそのアグレッシブな姿勢にただただ感服する運営班。そして運命のストップフィッシング13:00。無事に全選手が戻り、ウエイインをむかえます。

優勝 川村 雅直

アイナメ2匹、クロソイ1匹 3,490g

【comment】
2025年は一年間、スーパーロックフィッシュ連覇だけを目標にして戦ってきたので嬉しい!各湾で最近ナイトゲームでクロソイが好調で、大槌湾も50cmクラスのクロソイの実績があるエリア。朝一はそのクロソイを狙うプラン。水深のある⑦の角に入り、コールアップヘッド40g(CH01 イワシホロ)+パワーシャッド6"(168 イワシ)をキャスト。リトリーブ&カーブフォールで、表層から徐々に探りながらレンジを下げていく。中層でクロソイ1匹キャッチ。水面下1~2mまで巻き上げた後、カーブフォールさせた直後にバイトした。その後もバイトは続いたがフックアップせず。アイナメ狙いに切り替えて港内をラン&ガン。①に向かうも加我選手が先行しており②へ移動。②には石本選手がすでに入っていて、隣で釣られたので移動。ちょうど加我選手が移動していくのが見えたので①へ。2-1/2"パドチュー(544 ゴーストエビミソ)の42gビフテキリグを遠投し、アンカーブロック周辺でアイナメ1匹キャッチ。続いて、ボトムの起伏が激しいラインをリングマックスパワーオーシャン3"(434 アボカドチャートハーフフロート)の28gビフテキリグで探り1匹追加してリミットメイク。その後、ラン&ガンをしながら風が出てきたので小枕漁港へと移動。F-エスケープフラッグツインの5gビフテキリグで足元近くに沈む敷石を探り、バイトは得たがのらず。しばらくして、再びバイトがあったポイントをミノーS(159 カタクチ)の1.8gジグヘッドリグでミドストし、キッカーフィッシュとなるアイナメをキャッチして入れ替えに成功した。

【tackle】

ロッド: 8’08”ベイトキャスティングロッド
ルアー&リグ: コールアップヘッド40g(エコギア) + パワーシャッド6”(エコギア)

【tackle】

ロッド: 9’11”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 28gビフテキリグ

【tackle】

ロッド: 7’02”スピニングロッド
ルアー&リグ: ミノーS(エコギア) + 1.8gジグヘッドリグ

2位 石本 眞那斗

 

アイナメ3匹 2,530g

【comment】
まさか3年連続でスーパーロックフィッシュ2位になるとは。大槌は初めてのエリアだったので全エリアを歩き、目視で雰囲気は見た。朝一に入ったのは⑦の防波堤先端。ショートディスタンスとロングディスタンスを探り、ロングで1バイトあったが移動。③に入り、42gビフテキリグの遠投で探る。2-1/2”パドチュー、リングマックス パワーオーシャン3”とローテーションしたが反応なく、エコギア熟成アクア リングマックス3”(J03 青イソメ)にルアーローテーションするとバイト。1匹目のアイナメをキャッチし、気持ちが楽になった。その後もバイトはあるが魚が小さいのかのらず。潮が止まり、風も弱かったので、風がもう少し吹くことを期待して港内をラン&ガン。11:00過ぎ、小枕漁港へ移動。エリア最端に入り、遠投で探る。ボトムをロッドストロークでゆっくりズル引きし、2匹目、3匹目をキャッチしてリミットメイク。ルアーはエコギア熟成アクア リングマックス3”(J03 青イソメ)の42gビフテキリグ。12:15頃、風が強くなったタイミングでシンカーをあえて35gにチェンジ。ルアーはそのままエコギア熟成アクア リングマックス3”(青イソメ)。これでキッカーフィッシュを1匹キャッチして入れ替えることができた。あと一匹入れ替えたかった。

【tackle】

ロッド: 9’10”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア リングマックス3”(エコギア) + 35g、42gビフテキリグ

3位 小田島 海斗

 

アイナメ3匹 2,270g

【comment】
正直、めちゃくちゃ悔しい!沖のアイナメは8:00過ぎから反応するだろうと考え、スタート後のローライトな時間帯は港内④⑤⑥の岸壁際をスピナーベイトで探り歩いた。反応は無く、8:30頃から④の端で遠投。反応を得られず、③へ移動。リングマックス パワーオーシャン3”(463 ボトムバーサタイル)の35gビフテキリグをリーリングするも反応なし。アクションをロッドストロークでのスローなズル引きに変更して1匹目のアイナメをキャッチ。その後、良型を1ミスして思わず倒れこんだ。ルアーを2-1/2”パドチュー(458 ゴマエビ)にチェンジ。するとバイトが強くなり2匹目、3匹目と釣っていった。ルアーアクションは、リングマックス パワーオーシャンと同じくロッドストロークでのデッドスローなボトムズル引き。その後、②の先端に移動し、西風にのせて遠投して探る。ハードボトムにある海藻周りでバイト。それがキッカーフィッシュとなるアイナメで入れ替えることができた。ルアーは、2-1/2”パドチュー(458 ゴマエビ)の35gビフテキリグ。アクションは普通のスピードのズル引きだった。

【tackle】

ロッド: フラットフィッシュプログラム シューティングサーフ96カスタム(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア)、2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 35gビフテキリグ

 

4位 笹山 英幸

アイナメ3匹 1,870g

5位 安田 将耶

アイナメ2匹 900g

6位 加我 強至

アイナメ1匹 470g

7位 久保 修一

アイナメ1匹 390g

8位 上野 孝勇貴

0g

 

川村雅直選手が二連覇でP.O.C. SUPER ROCK FISH 第9代王者に!!

P.O.C.スーパーロックフィッシュ史上初となる連覇で川村雅直選手が“2025年ノースロックフィッシュトーナメンター最強”の称号を掴み取りました。ウエイインした3匹のパターンがそれぞれ全く違うアプローチという離れ業。ハイスコアを築き上げるための的確な状況判断と、プレッシャーのかかった魚を釣るテクニックが冴えわたった圧巻の勝利でした。

P.O.C. SUPER ROCK FISH 2025を振り返り・・・

 北海道/東北2ツアー制以降、最多となる北海道ツアー213名、東北ツアー214名が参戦したパワーオーシャンカップ2025。年々熾烈さが増すトーナメントツアー、マスターズクラシックを勝ち上がってきた8名の猛者が繰り広げたP.O.C. SUPER ROCK FISH 2025。海水温上昇の影響もあり、一年を通して高めの水温で推移してきた三陸の海。それが一転して急激に低下し、一気にクリアアップ。また、魚たちの拠りどころとなる海藻が今季は少なく、射程圏に差している個体数が非常に少ないという難しい状況下での開催となりました。実際に蓋を開けると、バイトは少なく、攻略の糸口をつかみづらい、そんなタフな試合展開でした。そのなかでも、数少ない情報を手がかかりにしてきっちりと魚を引き出してくる選手たち。その姿に頂点まで勝ち上がってきたロックフィッシュトーナメンター達の凄みを感じることができた一戦となりました。
 今大会開催にあたり、ご協力いただきました新おおつち漁業協同組合様、釜石ベイシティホテル様、大会を快く受けて入れていただました大槌の漁業者の皆様に心より感謝申し上げます。そして、パワーオーシャンカップ2025にご参加いただきました全選手の皆様に深く御礼申し上げます。
 パワーオーシャンカップは、ロックフィッシュゲームの魅力、「SAVE THE FISH」の想いを一人でも多くのアングラーに伝えていけるようこれからも歩み続けます。来る2026シーズンも皆様からのエントリーをスタッフ一同、心よりお待ちしております。
 最後に。漁港は漁業者の方々の職場です。釣りをする際や駐車するときは、声を掛けて確認するなど、ルールとマナーを守り、釣りを楽しむよう心がけてください。