第208回 POWER OCEAN CUP 2025 TOURNAMENT TOUR 東北 第2戦 山形/新潟県・庄内下越 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
7月6日(日) 第208回 POWER OCEAN CUP 2025トーナメントツアー東北 第2戦 山形/新潟県・庄内下越 ロックフィッシュ

 P.O.C.トーナメントツアー東北の夏の風物詩となった第2戦「山形/新潟県・庄内下越」戦を、2025年7月6日(日)に開催しました。2010年に開催した上越戦をきっかけにして始まったパワーオーシャンカップ東北日本海戦。新潟、山形での開催は、数えると今回が10回目の開催となります。昨年第2戦が悪天候で中止になったこともあり、2年ぶりの開催。待ちに待った今大会には102名のエントリーをいただき、山形/新潟戦としては過去最多となりました。大変多くのエントリーをいただきまして心より感謝申し上げます。

 今大会の競技エリアを簡単にご紹介します。最北端は、山形県鶴岡市の湯野浜。最南端は、新潟県村上市の岩ケ崎海岸。南北約70kmの海岸線のなかから指定したエリア内でのラン&ガンバトルとなります。前回までは北端を酒田、南端を桑川としていましたが、今回は北端を湯野浜まで南下させた分、南端を岩ケ崎海岸まで拡げたかたちに変更。新エリアが加わる一方で、一昨年の優勝エリアである碁石が今回はエリア外に。多くの選手にとっては、新たなゲームプランを組んで臨むことになりそうです。
 今大会の主なターゲットは、キジハタ、カサゴ、ムラソイ、メバル。他にはクロソイやベッコウゾイ、オニオコゼ、小型のクエやマハタといったロックフィッシュの可能性もあります。例年7月上旬は、アイナメが深場へと落ちて射程圏から抜ける代わりに、キジハタが続々とシャローに差してくるタイミング。キジハタたちのパワフルなファイトを味わえる季節の到来を告げるP.O.C.トーナメントツアー東北第2戦です。
 事前情報によると、6月第4週あたりからキジハタの釣況は上向き傾向。プラクティスでは40cmを超える良型も徐々に出始め、季節進行も順調そうな感触です。ただ、ここ2-3年にくらべると、シャローに差してきているキジハタのサイズが少し小さめの個体が多いようで、「一昨年のような3kgに迫るビッグウエイトは少し難しいかも」と口にする選手もちらほら。個体数はかなり差しているので、確実にリミットメイクし、その上でキッカーフィッシュをいかにして絡めるかが勝敗の鍵となりそうです。


 7/6、3:30。大会本部となる山形県鶴岡市鼠ヶ関「マリンパークねずがせき」駐車場に到着。夜明け前にもかかわらず、強い蒸し暑さを感じます。この暑さもまた、東北ツアー第2戦ならでは。テントを設置し、定刻4:00より受付を開始。すでに臨戦態勢の選手たちが並び始めます。4:40からミーティングを実施。競技エリア、レギュレーションの確認を行います。ミーティング後、受付時に抽選したフライト順をもとに20台ずつフライトしていきます。北へ向かう車、南へ向かう車、本部近くの鼠ヶ関エリアに向かう車…102名の選手たちが広い競技エリアへと散らばっていきます。4:55、全選手が無事にフライトを完了します。
 天候は曇りの予報。今大会のスコアの軸となるキジハタは夜行性の傾向が強いため、できれば一日を通してローライトな状況が望ましく、競技中は曇っている方が選手にとって好都合。天気が味方してくれることを期待します。潮回りは若潮明けの中潮初日。干潮は前日17:56(潮位18cm)、満潮は当日9:44(潮位35cm)というタイドスケジュール。(基準:鼠ヶ関、気象庁発表) 太平洋側とくらべると潮位変化が少なく、潮位変化とは別の潮流が起きる日本海の特徴を把握して戦うのも東北ツアー第2戦の面白い部分です。

 

 

 各エリアの巡回を開始する前に、大会本部近くの「鼠ヶ関」を見渡します。鼠ヶ関は、競技エリアのなかでも魚影が安定して濃く、高い実績を誇るポイント。また、本部から近いため、まだ薄暗さが残る早い時間からゲームスタートできるというメリットもあります。そのため、運よく早めのフライトを引いた選手たちが何名もエントリーしている様子が見て取れます。鼠ヶ関の釣況が気になりつつ、広い競技エリアを巡回するために別エリアへと向かいます。6:00頃、「温海」エリアに到着します。青物やシーバスを狙っている一般アングラーとともに、ところどころに選手の姿を見つけます。話を聞いてみると「ノンキーパーはよく釣れる」との声。今大会のキーパーサイズは20cm以上。しばらく様子を見るなかでたしかに20cmに満たないキジハタが釣れてくる光景を何度も目にし、キーパーぎりぎりサイズをウエイインする選手が多くなりそうな気配を感じます。この頃から南西風が若干気になる程度に強くなり始めます。このまま風が強まってくると、ロケーション次第では釣りづらくなってしまうことも考えられます。南西風というファクターも、試合の行方にじんわりと絡んできそうです。そのまま北上し、「暮坪-鈴」エリアへ。温海よりも若干、選手の密度が上がったように見えます。温海とともに過去大会でも大型のキジハタ実績があるエリアなので期待したいところ。
 7:00頃、「堅苔沢-小波渡」エリアを巡回。要所に選手がエントリーしてロッドを振っています。近くにいる選手に声を掛けると、ここでもやはり「ノンキーパーがよく釣れる」の声ばかり。前評判どおり、小型のキジハタがかなり多く接岸していることがうかがえます。巡回班はさらに北上を続けます。7:30頃、「由良」エリアへ到着。ここには一番人気と思われる「白山島」があります。特に島の北面は南西風をかわせるため、10名近くの選手がエントリーしています。他のエリア同様にノンキーパーサイズが主体にはなっているものの、時折30cmほどのキジハタも混ざります。意外にも沖の回遊個体はサイズが伸びず、手前の岩礁にコンタクトしている個体の方が一回りサイズが良い様子。一通り声を掛けたのち、「加茂-湯野浜」エリアへと移動。本部から距離があることもあって、徐々に選手の姿はまばらに。北端エリアからの表彰台はあるのか?
 巡回班は一気に新潟県側へ向かいます。鼠ヶ関の大会本部をスルーし、そのまま南下を続けます。まず選手の姿が見られたのは「鵜泊」エリア。キジハタ、ムラソイ、カサゴの魚影が濃く、リミットメイクを目指す選手が多くエントリーする人気ポイントです。9:00過ぎに現場に到着し声を掛けてみると、山形県側と同じく、キーパー前後の魚が多い様子。ウエイトをいかにして伸ばすか?迷いを隠せない選手たち。この頃から選手の車とすれ違うことが頻発し、多くの選手がスコアアップを目指して積極的なラン&ガンに切り替え始めていることがうかがえます。そんなことを思いながら南端エリアを目指して車を進めます。「脇川」エリアあたりにはちらほら選手の姿があります。山形県側よりも選手の数は少ない印象。競技エリアが砂地ベースの浅いストレッチ中心になりがちなロケーションのため、ここぞというピンポイントのみに選手が入っています。10:00過ぎ、「馬下」エリアに到着します。今大会から新たに加わったエリアで、ロケーション的に有望視されるポイント。やはり数名の選手がエントリーしています。ここでもやはり「キーパーサイズは出たが、キッカーが出ない。」というフレーズばかり聞こえます。回遊タイプの魚が多いと思われるポイントだけに、見切るべきか、移動すべきか判断が難しいところ。そこからさらに南下するも選手の姿はあまりなく、ここから鼠ヶ関までの時間を考慮して大会本部へと戻ることにします。

 予定通り12:00よりウエイインを開始。検量開始を待っていた数名の選手がウエイインします。1kg前後のスコアが時折持ち込まれ、想定よりも好調な印象を受けます。しばらくすると検量に並ぶ選手の列が徐々に伸びはじめ、東北ツアー第2戦史上稀にみる長蛇となります。25-30cmほどのキジハタ、カサゴ、そして20cm強のムラソイが続々とウエイインされ、気がつけば84名の選手が検量するという好調ぶり。なかには見るからに重量感溢れる40cmクラスのキジハタも複数持ち込まれ、それを見守った周囲の選手たちからは称賛の声や驚き、ため息が聞こえてきます。率にすると82.4%という高い水準となりました。

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 小田島 海斗 2480 100
2 笹山 英幸 2400 98
3 戸澤 直彦 1840 96

優勝 小田島 海斗

 

 

キジハタ×3尾 トータルウエイト2,480g

コメント:プラクティスは4日前に1日と前日半日の1.5日行った。感触としては良いサイズも含めて比較的どこにでも魚はいるなという手応えだった。
フライトは4巡目。当初は村上方面に走るプランだったがフライトが遅めだったので、暮坪エリアの消波ブロック帯にエントリー。スタートして30分ほどジグヘッドで広範囲を探るも反応なし。そこで手前狙いにシフト。かなり起伏が激しいなかを、テールカットチューンしたキジハタグラブ4.5”(323 北陸クリアホロ)を逆付けし、ブレードスピン/ロングリーフ(シルバー)をセットしたビフテキリグ10gで探った。20-30mキャストして、リフト幅を抑えた小刻みなリフト&フォール。フォール時は、リールのクラッチをきり、軽くサミングして僅かにテンションをかけたフリーフォール。とにかく丁寧に探るイメージ。メインラインはPE1.5号、リーダーは7号というセッティング。ラインの抵抗も利用して縦に探った。幸先よくノンキーパーが連発し、このゲームを続けて6:00-6:30にウエイインした3匹のキジハタをキャッチした。3年連続スーパーロックフィッシュ出場を目指して引き続き頑張りたい!

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO76XXHC2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: キジハタグラブ4.5”(エコギア) + ブレードスピン/ロングリーフ(エコギア) + 10gビフテキリグ

2位 笹山 英幸

キジハタ×2尾、ムラソイ×1尾 トータルウエイト2,400g

コメント:木曜日の夜から現地入りし、ずっとプラクティスしていた。プラクティスでは、暗めの時間帯を中心に魚影が濃いエリアを探し、リミットメイクを優先したプランを組んだ。
フライトはラストフライト。向かったのは鵜泊エリアの南側にあるゴロタ磯。先行者はいなかったが、目をつけていたポイントでは反応なし。そこから徒歩で大きく移動。目視で沈み根が見える浅いエリアに入った。開始30分ほどでリミットメイク。ルアーは、キジハタグラブ4.5”(171 ナチュラルゴールド)の10gビフテキリグ。9’08”ベイトタックルにPEラインを組んだセッティングで、10gでぎりぎり届く距離感にある根をカーブフォール&ハイリフトで探った。シンカーの後ろに夜光のフロートビーズを挟むことで浮力を上げる工夫もしていた。その後、入れ替えを繰り返しながら、遠投ゲームにもシフトしたが魚のサイズが上がらず、手前のゲームに戻すと良型のムラソイをキャッチ。これによりスコアを伸ばすことができた。ルアーには、UV蛍光の効果をプラスするためエギマックスを吹きかけて使っていた。クラシックの上の舞台を目指して頑張りたい!

タックル

ロッド: 9’08”ベイトキャスティングロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4.5”(エコギア) + 10gビフテキリグリグ + エギマックス

3位 戸澤 直彦

キジハタ×3尾 トータルウエイト1,840g

コメント:プラクティスは合計3回入り、今回から競技エリアに組み込まれた新潟側のエリアを重点的に探った。全体的に浅いエリアが多い印象ではあったが、単発で良いサイズのキジハタを触れていた。
フライトはラストフライト。温海エリアにまずエントリー。水深2-3mの根回りをグラスミノーL(323 北陸クリアホロ)、ミノーM(496 はぐれイワシ)の10-14gテキサスリグで探り、開始30分ほどでリミットメイクに成功。しかしその後、サイズが伸びない。8:00過ぎ、キッカーフィッシュを求めて新潟側に移動。脇川エリアの小磯に入り、遠投ゲームを開始するも風の影響で厳しい。そこで足元近くにある2本のスリットを探ることに。ロックマックス5”(323 北陸クリアホロ)の14gテキサスリグで、2-3回早めに巻いてからのカーブフォールというパターンを繰り返して探るとモンスターバイト。途中、根に張り付かれながらのタフなファイトだったが、何とかハンドランディングし、1,510gのキッカーキジハタをキャッチすることができた。

タックル

ロッド: 8’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア)、ミノーM(エコギア) + 10-14gテキサスリグ

タックル

ロッド: 7’04”ベイトキャスティングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス5”(エコギア) + 14gテキサスリグ

総評

 2年ぶりの開催となったパワーオーシャンカップ東北日本海戦。想定を超える釣果となり、多くの選手が夏の日本海ロックフィッシュゲームを楽しめたのではないでしょうか。今回は、トータルウエイト3kgに迫るド級のハイウエイトこそ出なかったものの、2kg台が2名、1kg台が16名と非常によく釣れた内容。曇天でローライトな時間が長かったことや、キジハタの接岸が順調に進んだことなど、プラスの条件がうまく重なったことが好釣果につながったと思われます。
 改めまして、今大会に参戦いただきました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、会場をお貸しいただきましたマリンパークねずがせき様、受け入れていただきました地域の皆様に心より感謝申し上げます。
 これからが夏のキジハタシーズン本番です。驚くようなパワーファイトをみせるキジハタ、小気味良いバイトをくれるカサゴやムラソイなど、夏の東北日本海には魅力的なロックフィッシュがたくさんいます。熱中症対策をして、山形、新潟の海で熱いロックフィッシュゲームを楽しんでみてください。
 最後に、漁港は漁業者の方の職場です。漁業者の方々の迷惑にならないよう、声をかけ、マナーを守ってのゲームをお願い致します。また、気温、水温ともに高い季節ですので、SAVE THE FISHのためにランディング後は魚のケアに気を配っていただければ幸いです。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1 小田島 海斗2480 100
2 笹山 英幸2400 98
3 戸澤 直彦1840 96
4 大泉 純輝1790 94
5 熊谷 捷紀1740 92
6 川村 雅直1610 90
7 阿部 薫1330 88
8 山内 一宏1310 86
9 中村 渡1230 84
10 日野 雅貴1200 82
11 武藤 大虎1190 80
12 三浦 海都1160 78
13 真木 亮裕1100 76
14 武山 潤1080 74
15 鹿野 栄建1060 72
16 菊地 徹1050 70
17 及川 優希1040 68
17 浜 幸生1040 68
19 羽田 泰990 64
20 東谷 輝一980 62
21 齋藤 幸司960 60
22 冨樫 和也930 58
23 石崎 蒼亜920 56
24 小山 彬帆910 54
25 多田 健太890 52
26 小松 悟880 50
27 遠藤 圭介870 48
27 藤原 徳行870 48
27 松本 怜大870 48
30 金森 淳860 42
31 佐藤 雄一840 40
32 砂子澤 徹830 38
33 鈴木 隆ノ介820 36
34 熊谷 悠貴810 34
35 高橋 拓也800 32
36 桑野 将人740 30
37 菊池 勇貴720 30
37 久保 修一720 30
37 佐久間 和希720 30
37 村山 栄宏720 30
41 島倉 伯治710 30
42 伊藤 一志690 30
42 三浦 琢都690 30
44 青木 和之680 30
44 只野 圭太680 30
44 三浦 将喜680 30
47 坂本 広宣660 30
47 佐々木 あかね660 30
49 藤原 朋樹620 30
50 齊藤 晃生590 30
51 矢作 均570 30
52 倉内 唯馬560 30
53 遠藤 拓弥550 30
54 加藤 華恋540 30
55 阿部 寿彦530 30
55 奥寺 秀虎530 30
57 仙波 航500 30
58 佐々木 充行480 30
59 川島 浩平430 30
59 前川 敬祐430 30
61 八重樫 勇斗420 30
62 山内 一誠380 30
63 栄浪 克康350 30
63 小林 拳人350 30
65 及川 晃司340 30
65 横田 賢一340 30
67 小舘 功欣320 30
67 関本 博行320 30
69 仙波 樹310 30
70 菅野 寿希也300 30
71 遠藤 明寛280 30
72 坂田 耕一260 30
73 熊谷 弘貴250 30
73 佐々木 陸250 30
75 鈴木 和也230 30
75 八戸 隆仁230 30
77 阿部 康児220 30
78 佐々木 圭汰210 30
79 沼倉 貴広180 30
80 野崎 翔太170 30
81 千葉 達矢160 30
81 深澤 賢也160 30
83 三浦 大輝150 30
84 水野 未奈子140 30
85 安達 利朗0 30
85 阿部 豪人0 30
85 伊藤 湧也0 30
85 埋樋 忠司0 30
85 小田島 良太0 30
85 川嶋 大作0 30
85 佐々木 晃太0 30
85 佐藤 武志0 30
85 佐藤 良0 30
85 島原 大宙0 30
85 島原 遥大0 30
85 島原 行信0 30
85 高橋 雄介0 30
85 山﨑 健治0 30
85 山舘 嘉昭0 30
85 弓削 正0 30
85 吉田 和哉0 30
85 吉本 啓太0 30
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