第201回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2024 北海道 リザルト
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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11月10日(日) | 第201回 パワーオーシャンカップマスターズクラッシック2024 北海道 | 北海道・長万部 | ロックフィッシュ |
パワーオーシャンカップ2024トーナメントツアーの決勝となる「P.O.C.マスターズクラシック2024」。出場権を獲得できる選手は、前年度トーナメントツアーのアングラーオブザイヤー、前年度P.O.C.マスターズクラシック優勝者、今年度のトーナメントツアー各戦上位3名、そしてそのメンバーを除いた年間ランキング上位10名のみ。熾烈なツアー戦を勝ち抜いた強豪たちが、さらに上のステージとなる北海道・東北の頂上決戦「P.O.C.スーパーロックフィッシュ」への出場権を賭けて戦います。東北に先駆けて、トーナメントツアー北海道の決勝である「POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2024 北海道」を去る11月10日(日)に開催しました。 今大会の舞台は「長万部」。丸い形をした噴火湾のなかで北西に位置し、ロックフィッシュやフラットフィッシュをはじめ、非常に多くの魚を育む豊かな海として道内でもメジャーなエリアです。ただ意外にもパワーオーシャンカップでは今回が初の開催。競技エリアを「長万部漁港」と「静狩漁港」とし、指定エリア内でのラン&ガンバトルとなります。ロケーションは、砂地をベースとしたフラットな地形が中心。岸壁際や護岸の基礎、根固めブロック、敷石、防波堤先端に絡む消波ブロック際、港内に沈む障害物や海藻などがポイントを構成します。水深は長万部漁港、静狩漁港ともに浅く、特に静狩漁港は海底が広く目視できるほど浅め。両港ともにいわゆる噴火湾の漁港といった印象を受けますが、長万部漁港は砂浜のなかに位置している一方で、静狩漁港は磯に隣接しており、若干キャラクターが異なります。この2港の間は距離で見ると10km弱。競技時間中に複数回往復することも十分可能な距離感です。 今大会に勝ち進んだ選手は総勢21名。顔ぶれは、2023北海度ツアーアングラーオブザイヤー・石本眞那斗選手、P.O.C.マスターズクラシック2023北海道チャンプ・対馬大湧選手、2024北海道ツアー第1戦優勝・近間康平選手、2位・安井拓巨選手、3位・高橋真那斗選手、第2戦優勝・柿本博喜選手、2位・細川大輝選手、3位・白針清志選手、第3戦優勝・田川孝男選手、2位・鈴木侃選手、3位・杉渕惺琉選手。そして、先述のメンバーを除く年間上位10名として、年間5位・小田島辰也選手、6位・大杉和洋選手、8位・鳥海洋選手、9位・小田島良太選手、10位・上森悠平選手、13位・佐藤伸選手、14位T・伊藤徹郎選手、14位T・口岩美夏選手、16位・三上裕一選手、17位・加我強至選手というメンバーです。はたしてP.O.C. MASTERS CLASSIC 2024 北海道覇者の称号を手にするのは誰か?そして、頂上決戦P.O.C. SUPER ROCK FISH 2024クオリファイを獲得するのはどの選手なのか? >>>★出場選手一覧はこちら |
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事前の釣況は、二週間前の北海道ツアー第3戦を開催した翌日に現場を確認した段階では、スポーニングを意識した大型のアイナメはまだ港内にほとんど入ってきておらず、キーパーサイズ前後の小型アイナメがどのポイントも占拠している状況でした。そして大会前日、競技エリアの最終確認を行うなかで海中を覗いてみると、大小さまざまなサイズの雄アイナメが目視で確認できます。魚達の動きを観察する限りでは、大半はまだプリスポーンの状態で縄張りを主張しはじめた段階。一部の少数の個体が一度目のスポーニングを行ったように見えます。一方、ハイスコアの鍵を握っている雌のアイナメはというと、目視では確認できないものの、雄の状態をもとに推測するにはプリスポーンの個体や半プリと呼ばれる状態の個体が一定数、港内にいると考えられます。この二週間という短い時間のなかで急激に季節は進行し、中~大型サイズのアイナメが港内に入ってきた模様。P.O.C.マスターズクラシックでは大会前6日間のオフリミットが設けられるため、直前の釣況はブラインドがかかった状態なだけにこの6日の間に起きた変化をいち早く、そして的確につかみ対応することが勝利への道となりそうです。 |
11/10、5:30過ぎ。まだ暗く、夜の余韻が残る朝。大会本部を設置する長万部漁港に到着します。気温は2℃とこの時期の北海道らしい冷たさとは対照的に、駐車場には既に臨戦態勢で熱を帯びる選手達の姿があります。6:00、点呼とともにフライト抽選を行います。フライト順は下表の通り。 |
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7:00、各エリアの巡回を開始します。まずは、フライト時に多くの車が走っていったように見えた静狩漁港へと向かってみることに。7:20頃、現場に到着。港内を見渡した感じでは、伊藤選手、小田島(辰)選手、口岩選手、佐藤選手、高橋選手、田川選手、対馬選手、細川選手の姿が見えます。フライトで多くの選手が静狩方面に向かったように見えたものの、実際には21名中8名が静狩漁港を選択。選手に状況を聞きながら港内を回ってみます。各選手から出てくるのは「ノンキーパーのバイトが多い」という声。やはり、小型のアイナメはたくさん港内にいるようです。小田島(辰)選手、口岩選手、高橋選手らは港内の船溜まり周辺を積極的に歩き回り、近距離戦を展開しています。早い段階で高橋選手はキーパー1匹、口岩選手はキーパー2匹をキャッチしたとのこと。同様に伊藤選手も1匹キャッチしている模様。細川選手はまだキーパーを手にしておらず、遠投で狙っていた佐藤選手、対馬選手も朝一の段階ではまだノンキーパーのみ。一人、東側の防波堤に展開していた田川選手もこの段階ではノンキーパーの猛攻に悩まされています。この膠着した状況から抜け出すのは一体誰なのか?しばらく選手達を見守ったのち一旦、長万部漁港へと移動します。 |
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一通り長万部漁港の様子をチェックした後、再び静狩漁港へと向かいます。10:40、伊藤選手、高橋選手、口岩選手がこの段階でリミットメイク。その一方で、小田島(辰)選手と田川選手はノーフィッシュという両極端な展開になっています。小田島(辰)選手は「キーパーをキャッチできずにいるなかで40cmクラスのクロガシラカレイを3匹も釣った」との話。不思議なことにカレイと噛み合ってしまっているようです。先述のカジカ同様に、普段の釣りで釣れる分には嬉しいターゲットなのですが、今大会では残念なことに対象外。周囲の選手が着々とスコアを伸ばしているのがわかる距離感だけに、百戦錬磨のトーナメンターにも焦りの色が見えます。11:00過ぎ、防波堤の中央付近に展開していた口岩選手が良型のアイナメをキャッチし、入れ替えに成功。より先端方向に展開していた佐藤選手も良型のアイナメをキャッチし、リミットメイクします。まだまだ試合が動き続けます。そろそろ長万部漁港に戻ろうかと思った11:30、細川選手が再び静狩漁港にリエントリーします。積極的なラン&ガンに出ている模様です。 11:45、長万部漁港を再び戻り、巡回を始めます。競技エリア東端付近に行くと柿本選手が良型のアイナメをキャッチしています。試合後半でのこの1匹は本人にとっても、周囲にいた大杉選手、杉渕選手にとっても大きく影響します。ストップフィッシングの13:00まで、気が抜けない展開が続きます。港内をぐるりと見た後、西側の防波堤へ移動します。朝の時点で先端付近に展開していた選手達も、時間を見ながら徐々に付け根近くのストレッチへ集まり始めています。トーナメンターツアー戦とは異なり、狭い競技エリア内で20名前後の選手が戦うマスターズクラシック。それぞれの選手の動向がはっきりとわかる距離感で戦う緊迫したゲームはマスターズクラシックならでは。過去、マスターズクラシックにクオリファイした選手の多くがこのピリピリとした緊迫感こそがマスターズクラシックの最大の魅力だと語ります。12:20、そんな張り詰めた空気のなかで一人の選手のロッドが大きく曲がります。その選手は、根固めブロック周辺を丁寧に探っていた石本選手。終盤も終盤のこのタイミングで、キッカーフィッシュとなりそうなグッドサイズのアイナメをキャッチして入れ替えます。昨年のP.O.C.スーパーロックフィッシュを思い出させる石本選手らしい勢いを感じたワンシーンでした。 |
ストップフィッシングとなる13:00、検量場所に全選手が無事に帰着します。21名中17名がウエイイン。マスターズクラシック出場選手とともに北海道ツアーを戦い、今大会には惜しくも出場できなかった北海道ツアー選手達が駆け付け見守るなか、キーパー1匹の選手、2匹の選手、そしてリミットメイクした選手という順で検量をしていきます。検量が進むにつれ、選手やギャラリーからの歓声や溜息が混ざり合います。いよいよP.O.C.マスターズクラシック2024北海道覇者、そしてP.O.C.スーパーロックフィッシュ2024クオリファイ選手が決まります! |
TOP3
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優勝 石本 眞那斗
アイナメ×3匹 トータルウエイト2,590g コメント:このエリアは全く土地勘が無く、プラクティスが初見だった。1回目のプラクティスはボトムチェック、2回目のプラクティスで釣況をチェックした。ノンキーパーが多いが、際には30cm台半ばもチラホラ見え、ハードベイトでもチェイスが確認できた。静狩では40cm台後半を2匹釣ったものの再現性に疑問があったので、今日はプラクティスでの釣果は一旦忘れて臨んだ。フライトは8番目。向かったのは長万部漁港東端の防波堤。鳥海選手が先行でいたので一声かけて入れていただいた。足元に基礎ブロックが沈むポイントの先のブレイクをエコギア熟成アクア リングマックス3”(J03 青イソメ)のTGビフテキリグ14gで探り1匹目。速めのリーリングでヒットした。そこから港内へ移動。港内の張り出しで同じパターンで半プリの雌をキャッチ。西側の防波堤へと移動し、根固めブロックの穴を2-1/2”パドチュー(317 ライトグリーンパンプキン ブルーFlk.)のTG7gビフテキリグでチェック。穴の中層までシェイクしながらリフトし、ステイさせるとバイト。これでリミットメイク。さらには入れ替えに成功。先端寄りに移動するもノンキーパーとカジカばかりだったので、風の当たる付け根寄りに移動。12:30頃、同じアプローチでさらに2回の入れ替えに成功した。今日は最初ヤバイかなと思っていたが、途中からは楽しいゲームができた。昨年は2位だったスーパーロックフィッシュ。今年はテッペンを獲りたい! タックル:
タックル:
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2位 対馬 大湧
アイナメ×3匹 トータルウエイト2,490g コメント:以前に何回か入ったことはあるけれど…という感じで馴染みはあまりなかった今回のフィールド。プラクティスを1回行い、その際に良い魚は確認していたが、そこは今回工事でエリアから外れてしまった静狩の西側の防波堤。大会当日までの一週間で状況も変わるだろうし、とりあえずバックアップとして長万部漁港のプランもあったので、何とかなると思いながらフライトした。フライトは15番目。まず向かったのは静狩漁港。西側の防波堤の対岸から遠投で狙い撃つも反応無し。ノンキーパーばかりだったので、早めに見切って長万部漁港へ移動。目星をつけていたスロープ周辺にエントリー。9ft.ロッドにPE#1.2+リーダー20lbs.という強いタックルでショートキャストでのアプローチ。エスケープチビツイン(458 ゴマエビ)のTG21gビフテキリグをリフト&フォールで探り、良いサイズを2匹キャッチ。散々ルアーを見ている感じがしたので、あえて速いスピードでのアプローチを意識した。その後、港内へ展開。得意の3-1/2”レディーフィッシュ(458 ゴマエビ)のビフテキリグで探っていった。本来ならこの水深なら5~7gを選ぶところだが、今回はあえて速さを求めてTG14gを選択し、ボトムの面をササっとかすめるようなスピード感で探り、11:00過ぎに1匹追加。さらにもう1匹追加して入れ替えに成功。今年のツアー戦は何か噛み合わない試合が続き、そのなかでマスターズクラシック連覇を目指した今大会。2位という順位は正直言うと悔しい。自身2度目のスーパーロックフィッシュは頑張りたい! タックル:
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3位 白針 清志
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アイナメ×3匹 トータルウエイト2,080g コメント:普段長万部は、春はよく訪れるが秋はあまり来ないエリア。短時間ながら3回のプラクティスを行った。壁際の魚は再現性がありそうな点、根固めブロック付近にプリスポーンの雌アイナメとカジカが混在している点を把握。大会当日までの冷え込みやスポーニングの進み具合次第ではMAX3kgまで想定したプランを組んだ。16番目のフライトで向かったのは長万部漁港東端。水がクリアアップしすぎていると感じ、濁りを求めて反対側の防波堤の先端付近まで移動。防波堤なかばで40cmクラスを1匹キャッチした。ルアーは、5"スプーンテールライブロール(ST08 グリーンパンプキンシュリンプ)の10gジグヘッドリグ。ケーソンブロックの切れ目付近をボトムに少し当てながらスイミングしてバイトを引き出した。そこから防波堤先端付近まで移動。状況を見て、冬のスタイルにスイッチ。水温が安定しているであろう足元の根固めブロックと基礎付近を重点的に探り、釣果を積み重ねていった。ルアーは、3-1/2”レディーフィッシュ(029 スモークプロブルー)、リングマックス パワーオーシャン3.6”(464 ハイプレッシャーマジック ※テールカットチューン)のTG14gビフテキリグ。速いスピードで見せることを意識して、フリーフォールで落とし込み、フォール中のラインストライクを拾っていった。スーパーロックフィッシュでも自身のスタイルで臨みたい!
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総評
今大会で第201回となるパワーオーシャンカップの長い歴史のなかで、意外にも初開催の地となった長万部でのP.O.C.マスターズクラシック2024北海道。終始、トータルウエイト2kg台中盤を目指す緊迫したシビアな戦いとなり、選手の技術、メンタルが徹底的に試されるマスターズクラシックらしい一戦となりました。表彰台の頂点を目指し、時間いっぱいまで全力を出し切って戦った選手達。結果が伴った選手もいれば、思うようにいかなかった選手もいます。順位という形でこそ結果が出てしまうのがトーナメントではありますが、順位に関係なくあの一日を精一杯戦い抜いたことに胸を張って欲しいと思えた非常に素晴らしいゲームでした。 今大会を終え、POWER OCEAN CUP SUPER ROCK FISH 2024の北海道代表の座を勝ち取ったのは高橋真那斗選手、石本眞那斗選手、対馬大湧選手、白針清志選手の4名。ノースロックフィッシュトーナメンターの頂点を目指し、東北ツアー代表選手達と思う存分戦ってほしいと思います。 今大会を開催するにあたり会場をお貸しいただきました長万部漁業協同組合様、そしてご協力いただきました長万部、静狩の方々に心より感謝申し上げます。 最後に、これから冬にかけて本格的なスポーニングシーズンをむかえるアイナメ。ファイトやランディング、撮影、リリースなど、魚のケアにより一層気をつけていただけたら幸いです。これからもノースロックフィッシュゲームを楽しむためにご協力よろしくお願い致します。 |
結果
4位 安井 拓巨 |
5位 高橋 真那斗 |
6位 柿本 博喜 |
7位 佐藤 伸 |
8位 杉渕 惺琉 |
9位 口岩 美夏 |
9位 近間 康平 |
11位 伊藤 徹郎 |
12位 鳥海 洋 |
13位 小田島 良太 |
14位 細川 大輝 |
15位 加我 強至 |
16位 鈴木 侃 |
17位 三上 裕一 |
順位 | 氏名 | 重量(g) | P.O.C. SUPER ROCK FISH 2024 出場権 |
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1 | 石本 眞那斗 | 2590 | P.O.C. MASTERS CLASSIC 2024 北海道1位により獲得 |
2 | 対馬 大湧 | 2490 | P.O.C. MASTERS CLASSIC 2024 北海道2位により獲得 |
3 | 白針 清志 | 2080 | P.O.C. MASTERS CLASSIC 2024 北海道3位により獲得 |
4 | 安井 拓巨 | 1950 | |
5 | 高橋 真那斗 | 1880 | P.O.C. 2024 北海道ツアー アングラーオブザイヤーにより獲得 |
6 | 柿本 博喜 | 1760 | |
7 | 佐藤 伸 | 1670 | |
8 | 杉渕 惺琉 | 1660 | |
9 | 口岩 美夏 | 1590 | |
9 | 近間 康平 | 1590 | |
11 | 伊藤 徹郎 | 1520 | |
12 | 鳥海 洋 | 1480 | |
13 | 小田島 良太 | 1260 | |
14 | 細川 大輝 | 800 | |
15 | 加我 強至 | 710 | |
16 | 鈴木 侃 | 610 | |
17 | 三上 裕一 | 510 | |
18 | 上森 悠平 | 0 | |
18 | 大杉 和洋 | 0 | |
18 | 小田島 辰也 | 0 | |
18 | 田川 孝男 | 0 |
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