第190回 POWER OCEAN CUP 2023 TOURNAMENT TOUR 東北 第2戦 山形/新潟県・庄内下越 リザルト
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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7月9日(日) | 第190回 POWER OCEAN CUP 2023 トーナメントツアー東北 第2戦 | 山形/新潟県・庄内下越 | ロックフィッシュ |
去る2023年7月9日、トーナメントツアー東北 第2戦を開催しました。開催地は「山形/新潟県・庄内下越」。直線距離にして約80kmにわたる広大なエリアを舞台に戦う、夏の東北ツアーの代名詞的バトルです。今大会のエントリーは総勢90名。地元はもとより、他県からも多くのエントリーをいただきまして、改めまして感謝申し上げます。 今大会は先述の通り、山形県と新潟県を跨ぐ約80kmの海岸線を舞台にしたバトル。山形県酒田港を北限、新潟県笹川流れを南限として、各地域にエリアを指定して、そのなかで戦うラン&ガン戦です。磯や波止、消波ブロック帯、サーフなどロケーションは変化に富み、様々なスタイルでロックフィッシュと向き合うことが可能です。対象魚は近年の海水温上昇にともなって個体数が増加しているキジハタがメイン。また、良型のムラソイやカサゴ、メバルを狙うこともでき、季節によってはクロソイやアイナメ、さらにはオニオコゼも生息しています。 |
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事前情報によると、今シーズンは思いのほかキジハタの反応が薄いとの声がちらほら。しかしその理由が、スポーニングシーズンと重なっているためなのか、それとも接岸している個体数そのものが少ないのか、判断が難しいところ。また、もう一つの悩みの種が、大会前日から断続的に降る雨。競技エリアが全長80kmもあるため、ポイントによって降水量や濁りに大きな差が生まれます。大会前日の段階では、新潟村上方面で濁りが出始めており、さらに競技エリア全体で夜半にかけて強い雨が降る予報。川水の流入を計算してポイントを選ぶ必要があり、当初描いていたゲームプランの変更を余儀なくされることも考えられます。強く叩きつける雨音が気になりつつ、大会前日の夜が更けていきます。 | |
7/9、3:40頃、大会本部となる山形県鶴岡市「マリンパークねずがせき」駐車場に到着。心配していた雨も止み、多くの選手がタックルを準備しています。スケジュール通り4:00より受付を開始。随時、各選手のタックルチェックを済ませ、4:30過ぎにミーティングへと進行。競技エリアやレギュレーションを改めて確認した後、待ちに待ったフライトコールとなります。コールされたナンバーの選手達が北へ南へと散っていきます。朝の時点では北へ向かった選手の方が多い印象…選手達ははたしてどのエリアを選択したのでしょうか? |
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大会当日の天気予報は、曇り一時雨。しかしながら予報に反して朝一の空には晴れ間が見えます。一般的にローライトな方がシャローのキジハタゲームでは好条件なため、空の変化も注視していきたいところ。海況は、穏やかで悪くないコンディションです。潮回りは小潮。8:20に満潮、13:44に干潮となるタイドスケジュール(基準:鼠ヶ関、気象庁発表)ですが、潮位差は10cm未満。ほとんど潮位に変化が無いのは日本海ならではです。 フライト後、本部から見える鼠ヶ関には複数の選手の姿があります。開始早々からスカリがいくつか下りる様子が見てとれます。複数の選手が、朝一から順調に魚をキャッチしているようです。自ずと好釣果を期待してしまいます。しばらくして各エリアの巡回を開始。南から北上するルートでチェックをすることにします。まず目についたのは、新潟県鵜泊エリア。多くの選手がロッドを振っています。7:00過ぎの段階で数名の選手に話を聞くと、順調にキジハタやムラソイが釣れているとのこと。実際に、目の前で何度もロッドが曲がります。キーパーサイズは順調に釣れており、リミットメイクしている選手も。ふと空を見上げると雲が増え、曇り空に。ローライトな状況下で、この後キッカーサイズのキジハタが出ることに期待します。さらに北上しながら各ポイントを見て回ります。しばらくして、碁石~府屋エリアに到着。実績のある地磯には、多くの選手がエントリーしています。過去の大会で上位を輩出しているポイントだけに、今回も人気のエリアになっています。山形県へ入り、大会本部のある鼠ヶ関エリアへ。灯台周辺の磯を中心に多くの選手が展開しています。とはいえ、フライト直後の朝一にくらべると少し減った印象。案外早い時間から積極的なラン&ガンを始めている模様です。さらに北上していくと、温海エリアの地磯も各所に選手の姿があります。塩俵岩あたりで選手に声をかけてみたところ、こちらでも順調に釣れています。なかには早々にリミットメイクしている選手も。過去振り返ってみても「こんなに順調に釣れた庄内下越戦は無いのでは?」と思えてしまうほどの好調さを感じます。検量がとにかく楽しみです。 8:00を過ぎたあたりから、雨が時折落ちてきます。本降りにならないことを祈りつつ、北上を続けます。9:30過ぎ、由良エリアに到着。この頃から南西風が吹き始めます。今回から再び競技エリアに加えた白山島を見に行くと、風裏で雰囲気は良さげでしたがこの時点では誰もいません。後で聞いた話では、朝一は数名がエントリーしていたとのことでした。再び海岸線を走ります。由良~加茂の地磯に数名の選手を見かけます。例年であれば、この辺り一帯も人気のあるエリアだけに、思っていたよりも少ない印象を受けます。今泉に到着し、選手に声をかけてみます。なかなかキーパーサイズに届かず苦戦しているとのこと。他のエリアにくらべると難しそうな状況ですが、時間はまだまだたっぷりあります。ぜひともここからの逆転劇を見せて欲しいところ。そこから一路、酒田港まで移動します。11:00を手前にして、ようやく競技エリア最北端となる酒田港南防波堤に到着。ちょうど1名の選手が移動のため、防波堤から戻ってきていました。状況を聞くと、朝から数名がエントリーしており、それぞれがきっちり魚はキャッチしているとのこと。なかには尺近い大型のメバルも出ているようです。過去大会でも大型メバルが複数出ている実績の釣り場。はたして今回も上位に絡むことができるのでしょうか?検量時間が迫ってきたので、そこから一気に本部へと戻ります。途中、所々で強い雨に見舞われます。ゲームを続けている選手達のことを思うと、雨が弱まって欲しいと願いつつ南下します。 |
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12:00。検量を開始すると早速、数名がウエイインします。魚のコンディションを考えて早めにウエイインした模様。なかには40cmクラスのキジハタが早々に持ち込まれ、周囲を驚かせます。ウエイインした選手達の話を聞いていても、「あそこで誰々が良い魚を釣っていた」とか「誰々が良型も含めて早々にリミットメイクしていた」など、景気の良い話が飛び交います。想像以上のハイウエイト戦になる可能性が大です。しばらくして選手が続々と戻ってきます。戻ってきた選手の大半がウエイインの列に並ぶという光景に。2012年から何度となく行ってきた東北日本海戦ですが、今までこんな景色を見たことがありません。スタート前の段階ではウエイイン率は4割くらいかと予想していただけに、良い意味で大きく裏切られ、活気あふれる検量となります。また、多くの選手がキジハタを手にし、35~40cmクラスの個体が何尾もウエイインされてきます。大きなものでは50cmに迫るスーパーキッカーフィッシュまで登場。これには多くの歓声や溜息がもれました。ウエイイン数もさることながら、ここ数年でキジハタのアベレージサイズが明らかに大きくなっていることを強く実感したウエイインとなりました。なお、90名中、80名がウエイインという驚きの釣果。P.O.C.史上に残る大会となりました。 |
TOP3
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優勝 佐々木 俊
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キジハタ×3尾 トータルウエイト2,990g コメント:プラクティスは2日間行っていた。前日の夕方のプラクティスで鼠ヶ関をチェックしたところ、幸先よく35cmクラスがポンポンと釣れた。そのとき一緒にプラクティスしていた選手が大会当日、鼠ヶ関にエントリーすると話していたので、自分は遠慮して他のエリアに入るプランを練る。鵜泊方面に入ろうと思っていたが前夜に別の選手と話をすると立ち位置まで丸被りという状況。朝のフライト順が、その選手よりも後だったため、完全にノープランでフライトすることになった。向かった先は碁石エリアのワンド。過去に一度だけ下りたことがあったが、正直釣りはしたことが無く、ほぼ初見の手探り状態。開始して早々に強烈なビッグバイト。いきなりのされてしまい、残念ながら外れてしまった。その後しばらくバイトが無い状態に。正面に見えていた磯にエントリーしていた他の選手達がバンバン釣っている光景に焦りつつ、ゲームを続けていると6:50頃から徐々にバイトが出始めた。陽が差したタイミングで、正面の選手達のバイトラッシュが止まり、自分の立ち位置側がシェードに。シェードの堺が明確になったタイミングで、その境界あたりでバイト。40cmクラスをキャッチした。ルアーは、ミノーM(345 北陸UVパープルホロ)の28gビフテキリグ。ボトムを小刻みにチョンチョンとリフト&フォールさせてバイトを得た。8:00くらいまでバイトが続き、この時点で40cmクラス1尾と30cmクラス2尾でリミットメイク。入れ替えも数回行った。ちなみにその間、マゴチを2尾釣った。それくらい根が少ないスポット。いったん隣の張り出しに行き、時間を置いて元の立ち位置に戻り一投で40cmクラスをキャッチ。そこからラストスパートで移動を決意。碁石エリアの磯へエントリー。終了間際に40cmクラスをキャッチすることに成功。ルアーは、カタクチミノー(500 北陸クリアホロⅡ)+スイミングテンヤ30g(リーフブレードをセット)。スイミングでは反応が無く、ブレイク付近のボトムをダートさせてバイトを引き出した。 タックル:
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2位 小田島 海斗
キジハタ×3尾 トータルウエイト2,920g コメント:今大会に向けてプラクティスは3~4回ほど行っていた。1回目のプラクティスでは悪天候で午前中しかできなかったものの、それでもキーパーサイズが2~3尾釣れたりしていたので、今大会に向けての感触は悪くない感じで当日を迎えられた。フライトNo.は3巡目。府屋エリアの地磯へ向かった。エントリーして5~6投目で35cmクラスをキャッチ。しばらくして移動。鼠ヶ関方面、温海方面まで車を走らせたが、どこも人が多かったため、再び朝一に入った府屋の地磯へ戻ってきた。しかし30分ほどしてもバイト無し。しばらくすると貝漁が近くで始まったので移動。碁石の地磯にエントリーした。再開して一投目で40cmアップをキャッチ。時間は8:00過ぎだった。その後、小型のキジハタを5~6尾キャッチしつつ、9:30頃にもう一尾良型をキャッチしてリミットメイク。ルアーは、ロックマックス4”(323 北陸クリアホロ)とキジハタグラブ4.5”(323 北陸クリアホロ)のローテーション。リグは15gまたは20gのジグヘッドリグ。キャストして着底後、リトリーブ&ストップでスイミング。潮や水深を意識しながらリトリーブスピードを変えて対応していった。久しぶりの表彰台は素直に嬉しい。マスターズクラシックも頑張りたい! タックル:
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3位 松本 怜大
※実際に使用したカラーは163(チカチカ室蘭) |
キジハタ×3尾 トータルウエイト2,300g コメント:今大会で同行する選手が事前にプラクティスを行っていて、自分ではプラクティスは行えていなかった。朝向かったのは加茂今泉の地磯。遠投、手前と丁寧に探ったものの小さいバイトのみで魚は釣れず。同行した選手は朝の段階で3尾リミットメイクしていた。潮止まりのタイミングで今泉漁港周辺へと移動。とにかくキーパーをとりたかったので消波ブロック帯の穴を探り、キーパーサイズのキジハタ、ムラソイを各1尾キャッチすることができた。ルアーは、ロックマックス4”の10gフリーリグ。この時点で10:00過ぎ。その後11:00近くなったタイミングで再び地磯へ戻る。雨は強かったが、潮目がはっきりと出始めたタイミングだった。沖根の裏にリングマックス パワーオーシャン3.6”(163 チカチカ室蘭)の28gビフテキリグをキャストすると待望のバイト。体験したことが無いファイトだったが、時間をかけて何とかランディング。その魚が50cm程、1,750gのキジハタだった。実はそれまで30cm以上のキジハタを釣ったことが無かった。その後は魚のケアを優先しつつ、終了間際に22~23cmのキーパーサイズのキジハタをキャッチし、キジハタ3尾で揃えることができた。 タックル:
タックル:
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総評
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当初は、例年にくらべてキジハタの反応が薄いといった声もあり、さらには雨の影響も心配された今大会。実際に蓋を開けてみると、過去例を見ない怒涛のキジハタラッシュとなりました。終始、ローライトなコンディションであったことも好釣果につながった要因の一つと考えられますが、それにしても想像を超える数のキジハタがウエイインされ、選手も我々も驚きを隠せませんでした。パワーオーシャンカップとして東北日本海でのロックフィッシュゲームを提案しはじめた10年ほど前は、まだ個体数が少なく、手探り感が否めなかったキジハタゲーム。海水温上昇の影響によって年々生息域が北上し、魚影もかつてとはくらべものにならないほど濃くなっていると、今大会を通して強烈に感じました。また、ポストスポーンの大型キジハタが、各エリアに接岸しており、それらが体力回復をして口を使うようになったタイミングと今大会が重なったことが、上位4名が2kgを超える驚愕のハイウエイトバトルへと繋がりました。 |
結果
順位 | 氏名 | 重量(g) | 獲得ポイント |
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1 | 佐々木 俊 | 2990 | 100 |
2 | 小田島 海斗 | 2920 | 98 |
3 | 松本 怜大 | 2300 | 96 |
4 | 鹿野 栄建 | 2060 | 94 |
5 | 真木 亮裕 | 1730 | 92 |
6 | 志賀 康英 | 1710 | 90 |
7 | 川島 浩平 | 1620 | 88 |
8 | 笹山 英幸 | 1590 | 86 |
9 | 中村 渡 | 1580 | 84 |
10 | 森本 正善 | 1500 | 82 |
11 | 沼倉 貴広 | 1470 | 80 |
12 | 鈴木 和也 | 1460 | 78 |
13 | 青木 和之 | 1400 | 76 |
14 | 三浦 将喜 | 1340 | 74 |
15 | 佐々木 晃太 | 1330 | 72 |
16 | 小田島 良太 | 1320 | 70 |
16 | 松澤 孝浩 | 1320 | 70 |
18 | 梅津 昌樹 | 1290 | 66 |
19 | 金森 淳 | 1270 | 64 |
20 | 遠藤 拓弥 | 1240 | 62 |
20 | 川村 雅直 | 1240 | 62 |
22 | 横田 賢一 | 1130 | 58 |
23 | 八戸 隆仁 | 1070 | 56 |
24 | 及川 優希 | 1060 | 54 |
25 | 八木澤 廣信 | 1040 | 52 |
26 | 千葉 達矢 | 1020 | 50 |
27 | 佐々木 充行 | 1010 | 48 |
27 | 吉田 和哉 | 1010 | 48 |
29 | 鈴木 泰洋 | 1000 | 44 |
30 | 小野寺 克弥 | 970 | 42 |
31 | 高橋 雄介 | 960 | 40 |
32 | 佐藤 雄一 | 930 | 38 |
33 | 菊池 勇貴 | 910 | 36 |
34 | 三浦 琢都 | 900 | 34 |
35 | 小舘 功欣 | 890 | 32 |
35 | 鈴木 隆ノ介 | 890 | 32 |
35 | 羽田 泰 | 890 | 32 |
38 | 武山 潤 | 880 | 30 |
39 | 成田 昌克 | 860 | 30 |
40 | 小野寺 和美 | 850 | 30 |
40 | 川嶋 大作 | 850 | 30 |
42 | 小林 大地 | 840 | 30 |
43 | 伊藤 一志 | 830 | 30 |
43 | 日野 雅貴 | 830 | 30 |
45 | 小田 悠介 | 780 | 30 |
46 | 鈴木 崇 | 750 | 30 |
47 | 藤原 朋樹 | 740 | 30 |
48 | 川村 倫弘 | 730 | 30 |
49 | 大泉 純輝 | 710 | 30 |
50 | 熊谷 捷紀 | 680 | 30 |
51 | 山崎 健治 | 660 | 30 |
52 | 阿部 康児 | 650 | 30 |
52 | 坂本 広宣 | 650 | 30 |
52 | 八重樫 勇斗 | 650 | 30 |
55 | 阿部 寿彦 | 640 | 30 |
56 | 高橋 拓也 | 630 | 30 |
57 | 糠盛 奨 | 600 | 30 |
58 | 坂田 耕一 | 590 | 30 |
59 | 戸澤 直彦 | 580 | 30 |
60 | 奥寺 秀虎 | 570 | 30 |
60 | 南 文雪 | 570 | 30 |
62 | 伊藤 湧也 | 560 | 30 |
62 | 武藤 大虎 | 560 | 30 |
64 | 下山 誠 | 550 | 30 |
65 | 小野 浩平 | 540 | 30 |
66 | 宮嶋 平 | 520 | 30 |
66 | 山内 一宏 | 520 | 30 |
68 | 横山 ひな | 510 | 30 |
69 | 中村 勝 | 490 | 30 |
69 | 浜 幸生 | 490 | 30 |
71 | 高橋 裕之 | 440 | 30 |
72 | 市川 翔太 | 390 | 30 |
73 | 八重樫 夏子 | 380 | 30 |
74 | 佐藤 武志 | 360 | 30 |
75 | 村上 蓮 | 320 | 30 |
76 | 安達 利朗 | 240 | 30 |
77 | 山舘 嘉昭 | 210 | 30 |
78 | 小山 彬帆 | 180 | 30 |
79 | 小野寺 陸人 | 170 | 30 |
80 | 児玉 大輔 | 100 | 30 |
81 | 大宮 佑太 | 0 | 30 |
81 | 尾形 英一 | 0 | 30 |
81 | 小山 令 | 0 | 30 |
81 | 角城 真寿 | 0 | 30 |
81 | 菅 雅哉 | 0 | 30 |
81 | 木川 俊樹 | 0 | 30 |
81 | 菊池 和樹 | 0 | 30 |
81 | 桑野 将人 | 0 | 30 |
81 | 古沢 良 | 0 | 30 |
81 | 村山 栄宏 | 0 | 30 |
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