第184回 POWER OCEAN CUP 2022 トーナメントツアー東北 第3戦 宮城県・気仙沼 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
11月27日(日) 第184回 POWER OCEAN CUP 2022 トーナメントツアー東北 第3戦 宮城県・気仙沼 宮城県・気仙沼 ロックフィッシュ

 日を追うごとに冬の気配が増す11月の末、パワーオーシャンカップ2022トーナメントツアーもいよいよ大詰めの一戦をむかえます。2022シーズン最後のツアー戦となるのは東北第3戦。場所は、パワーオーシャンカップ東北ツアーではお馴染みの宮城県気仙沼です。2019年に行った前回の気仙沼戦とは異なり、今回は「道の駅 大谷海岸」に大会本部を設定。それにより、競技エリアが南側へ大きく拡大し、馴染みある開催地ながら新鮮味のある内容となりました。
今大会に参戦いただきました選手は総勢139名。その顔ぶれは、パワーオーシャンカップ東北常連のメンバーから、今回がパワーオーシャンカップ初参戦の方や数年ぶりの参戦という方、なかには北海道ツアーから参戦という選手も。今戦も非常に多くのエントリーをいただき、改めまして感謝申し上げます。

 競技は、指定された気仙沼湾内の競技エリアでのラン&ガンバトルとなります。競技エリアを簡単に紹介しますと、まず唐桑半島の「宿浦」から「小鯖」かけて。急深なポイントが多く、また半島や気仙沼大島が風をブロックしてくれるため風の影響が少ないエリアです。次はその隣にある「気仙沼大島」。言わずと知れた三陸ロックフィッシュ界の聖地的存在です。今回の競技エリア内で唯一、一部の磯が競技可能となるエリア。東面は磯がメイン、西面は護岸からのゲームという組み方になります。様々なロケーションを有するポイントなだけに、気仙沼大島だけでも複数の選択肢を考えて臨むことができます。本土側に戻り、次は「気仙沼港」エリア。気仙沼湾最奥ではあるものの、場所によっては水深があり、足元から遠投まで狙うことができるエリアです。湾内では大きめのインレットである鹿折川が流れ込んでいることも他のエリアとは異なる点と言えます。そこから南下して、「川原」「長磯森」「階上」エリア。ロケーションとしては漁港+根固めブロックといったロケーションで、水深は比較的浅め。場所によって海藻もあるエリアです。さらに南下し、「杉ノ下」「三島」「日門」と漁港エリアが続き、最南端は「前浜」。このエリアは東側が外洋面となるのが特徴。ワンド内で比較的穏やかな「三島」「日門」、外洋の影響が強い「杉ノ下」「前浜」というイメージ。また、本部の大谷海岸から距離的に近いことも特筆すべき点です。季節は晩秋から冬へと移行し始めるタイミング。スコアの中心となるアイナメのスポーニングの進行度合いをどう読むか?それによってエントリーすべきロケーションが大きく変わるため、各選手のエリア選択も今大会の見どころになります。
 大会前日、競技エリアを一通り巡回確認します。所々にプラクティスを行っている選手の姿がありますが、思っているよりも少ない印象を受けます。ウネリが残っているせいもあって、ポイントによってはゲームが成立しない場所も。強い濁りが入っているエリアも見受けられました。数名の選手に話を聞くと、先週までは比較的どこでも魚は釣れていた模様。湾奥でもスポーニングに絡んだ大型のアイナメが差し込んでおり、3尾揃えれば4kg近いウエイトも不可能ではなかったとのこと。しかし、数日前のシケと雨により状況が激変。ここ数日はバイトを取るのがやっとという状況にまで悪化してしまった様子。確かに前日プラクティスを行っている選手の釣果を聞くと、厳しい話しか返ってきませんでした。「明日の釣果は大丈夫か?」そんな不安を抱えながら夜が更けていきます。
 一夜明けて11/27(日)。4:30頃、大会本部を設置する「道の駅 大谷海岸」に到着。選手の車も次々と駐車場へ入ってきます。エントリー数が多いことを考慮して当初予定していた5:30から5:15へと前倒しして受付を開始。待ちわびたかのように続々と選手が本部前に並びます。予定通り6:00に受付を終了し、ミーティングへ。レギュレーションやスケジュール、エリア変更点などを確認します。ミーティングを終えた6:30、いよいよ第3戦のフライトです。受付時に抽選したフライト番号をもとに20台ごとにコールされ、各選手が思い思いのポイントへと散っていきます。7:00前には全選手のフライトが完了。果たして誰が第3戦の表彰台に上るのか?そして、熾烈な年間ポイント争いを制するのは誰なのか?

 当日の潮回りは大潮明けの中潮二日目。満潮06:46、干潮11:05。競技時間中は、強めの北西風が終始吹いている予報。ウネリは前日にくらべると若干落ちてきているように見えます。選手達がどのエリアを選択したのか非常に気になるところです。フライト後、しばらくしてから各エリアを巡回します。はじめに向かったのは前浜。エントリーしていた選手に声をかけると30cmクラスのアイナメは釣れているとのこと。若干ウネリの影響は残っているものの、外洋エリアでも魚をキャッチすることはできそうな感触です。そこから北上しながら各漁港を回ります。どこもこちらが想定していたよりも選手の姿が少ない印象を受けます。おそらく朝一は、多くの選手が気仙沼大島や唐桑方面に展開した模様。なかなか選手に話を聞けないまま、気仙沼港内へと移動します。ここでようやく複数の選手から状況を聞くことができました。気仙沼港内の状況は、バイト自体が少なく、あっても弱いバイトや小型魚のバイトが中心。プラクティスで釣れていたような中~大型のアイナメの話は聞こえてきません。9時を過ぎたあたりから移動中の選手の姿をよく見かけるようになります。おそらく唐桑方面や気仙沼大島もあまり釣況が良くないと思われます。一路、気仙沼大島へ渡り、浦ノ浜周辺へ向かいます。多くの選手がロッドを振っており、話を聞くとキーパー前後の小型アイナメはポツリポツリと釣れるとのこと。ただ、ここでも中~大型の魚の話は特になし。唐桑方面へ入っていた選手から話を聞いてみても、リミットメイクしている選手がいるなど、多少は良さそうな話を聞くことはできましたが、それでも限られた選手のみという感触。各ポイントを見回る途中、トーナメント上位常連の面々が貧果に悩みながらあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている姿を見ることもあり、これはなかなかのロースコアゲームになりそうです。

 11:30頃、検量場となる階上漁港へ戻り、12:00より検量を開始。数名がウエイインするも、その後がなかなか続きません。ふと周囲を見渡すと、階上漁港でロッドを振る選手の姿が次第に増えていきます。おそらくリミットメイクしていないのか、入れ替えを狙っている様子。ロースコアな戦いになりそうな気配だけに、一尾が順位に大きく影響するのは必至。それを選手達もひしひしと感じているのでなかなか諦めません。12:30を過ぎるとようやくウエイインする選手の列ができ始めます。ウエイインされる魚は、やはり小~中型アイナメやソイが中心。プラクティスで釣れていたはずのプリスポーンや半プリ、アフタースポーンの大型アイナメの姿はあまり見られません。また、リミットメイクできずに1~2尾でのウエイインという選手がとても多く、順位が全く読めないまま検量が終了します。結果、参加選手139名中、ウエイインした選手は56名。ウエイイン率で見れば40.3%と数字上では高水準に見えますが、先述の通りウエイトは思いのほか伸びず。本来であればハイシーズン真っ只中のはずだったロックフィッシュのメッカ・気仙沼を舞台に、まったくの想定外となったロースコアゲームを制し、表彰台に上ったのはこの3名でした。

TOP3

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1川村 倫弘 2100 100
2古舘 涼太 2070 98
3坂本 広宣 2010 96

優勝 川村 倫弘

アイナメ×3尾 トータルウエイト2,100g

コメント:プラクティスは一日行った。相棒の形見のロッドを持って、気仙沼大島・三作の磯に入ることは予め決めていたが、プラクティスの日は波が高くゲームは成立せず。三作以外の場所をチェックはしつつも、当日は三作一本で決めていた。今日は、プラクティスの日にくらべれば波も落ちてきていたので予定通り迷わず三作へ向かった。フライトは100番台と遅め。周りには複数の選手の姿があった。エコギア熟成アクア ミルフル3.3”(J08 赤エビ、J01 オキアミをローテーション)を8号フリーリグにセットしてボトムを丁寧に探る。7:00頃、隣にいた鹿野選手が一尾目をキャッチする姿を横目に、自分にはなぜかフグ。その後、8:00過ぎに350gほどのアイナメをキャッチ。9:00過ぎに2尾目となる良型アイナメをキャッチすることができた。若干そこで満足していたがその後、周囲の選手が動くなかでもその場所で粘っていると11:00過ぎに待望の3尾目を釣ることができた。それからは釣った魚をデッドにしないようにケアに徹して検量に向かった。

タックル

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア ミルフル3.3”(エコギア) + 8号フリーリグ

2位 古舘 涼太

 

アイナメ×2尾、ベッコウゾイ×1尾 トータルウエイト2,070g

コメント:青森から参戦しているため土地勘は全然無かった。プラクティスは前週に一回実施。しかし、めぼしいバイトは得られずだった。フライトは比較的早め。場所によって濁りが入っていることと、風をかわしたいという理由から唐桑の宿浦へ向かった。到着した時点で、入ろうと思っていたポイントには先行者がいたため、そこが空くまでは遠投ゲームをして探ろうと考えた。エコギア熟成アクア リングマックス3"(J17 オリーブゴールド)を28gビフテキリグでセットし、遠投で沖のイカダ周辺のボトムをリーリングで探ると7:30頃、一尾目となる30cmほどのアイナメをキャッチ。その後、足元の基礎石周りをそのまま探り、2尾目の魚となるベッコウゾイを幸先よくキャッチすることができた。しばらくして、沖にウィードパッチを見つけ、ストップを織り交ぜたズル引きで探ると8:20頃、良いバイトを得られた。それがキッカーとなるアイナメだった。その後は、気仙沼大島浦ノ浜へ移動するも小型のバイトのみで終了となった。マスターズクラシック出場を目標としていたので良かった!

タックル

ロッド: 9’05”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア リングマックス3”(エコギア) +28gビフテキリグ

3位 坂本 広宣

 

アイナメ×3尾 トータルウエイト2,010g

コメント:プラクティスは計6日間、毎週入っていた。最終プラクティスは金曜日に行った。三週間前くらいから1kgクラスの魚が釣れていて、二週間前からはプレッシャーを与えないようフックを付けずにプラクティスを行った。しかし、日を追うごとに徐々にバイトが減ったため季節の変わり目を感じていた。また、大潮明けは魚に元気がない感じもあった。メインパターンを絞り込みつつ、バックアップパターンも用意して臨んだ。フライトは最終フライト。向かった先は気仙沼大島北面にある亀山の浜。30m沖のフラットを狙うプラン。手前がきついブレイクなので、ベイトタックルにライン16lb.の組み合わせ。グラスミノーM(168 イワシ、169 ウルメをローテーション)の24gビフテキリグをキャストし、ボトムをズル引きして探った。7:30頃に一尾キャッチ。その後9:00過ぎに2尾を立て続けにキャッチしてリミットメイクした。ちなみにバックアップパターンは、プラクティスで良かった鹿折川河口でのハゼ喰いパターン。3.5gウエイトにグラスミノーMというパターン。今日も試してみたがそのパターンは不発だった。クラシック、そしてその先のスーパーロックへ行きたい!

タックル

ロッド: 7’09”ベイトキャスティングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア) +24gビフテキリグ

【P.O.C. 2022 TOURNAMENT TOUR 東北 “Angler of the Year”】 小林 拳人

第1戦10位、第2戦7位、第3戦8位で年間累計ポイント256pt.を獲得し、P.O.C.2022トーナメントツアー東北の頂点に立ったのは小林拳人選手。年間3戦のなかで季節、対象魚、地域がガラッと変わる東北ツアーにおいて、常に安定した成績を収めるのは至難の業。そのなかで大きく崩れることなく常に上位をキープし、第2戦終了時年間2位からの逆転で見事、悲願のアングラーオブザイヤー獲得、そしてP.O.C.スーパーロックフィッシュ2022クオリファイです。おめでとうございます!

総評

 ビッグウエイトを期待していた晩秋の宮城県気仙沼戦。しかしながら大方の予想を覆し、稀に見るロースコア戦となりました。ただ見方によっては今大会のように、しびれるようなゲーム展開こそ、各選手のスキルやメンタルがより一層試される内容だったとも感じます。当日に至るまでの季節変化、当日の海況、魚の動き、他の選手の動き、プラクティスによるプレッシャーの度合いなど、様々なファクターを計算しながら、広い競技エリアのなかからポイントを選択し、自身のゲームを信じてロッドを振る…たとえスタート前に思い描いていたゲーム展開にならなかったとしても、そのなかでどう組み立て直すか、どう魚を探していくか…難しさのなかにもゲームフィッシングの面白さを垣間見ることができた一日だったのではないでしょうか。
 最後に、会場をお貸しいただきました道の駅大谷海岸様、そして大会を受け入れていただきました気仙沼の皆様に心より感謝申し上げます。
 今大会の結果により、P.O.C.マスターズクラシック2022東北クオリファイ選手の顔ぶれが確定。決戦の日は12月11日(日)です。総勢19名が、P.O.C.スーパーロックフィッシュ2022への切符となる東北代表3つの座を賭けて争います。ハイウエイト戦となるのか?ロースコア戦となるのか?面白い展開が待っていそうな予感がします。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1川村 倫弘2100 100
2古舘 涼太2070 98
3坂本 広宣2010 96
4佐々木 豪1980 94
5遠藤 辰太朗1800 92
6大泉 純輝1570 90
7鹿野 栄健1550 88
8小林 拳人1510 86
9角城 真寿1420 84
10尾形 慶紀1110 82
11佐藤 雄一1010 80
12小野寺 和美930 78
13仲村 勇人870 76
14山舘 嘉昭860 74
15佐々木 俊850 72
16高橋 興宣840 70
16藤原 朋樹840 70
18武山 重之830 66
19川嶋 大作740 64
20三浦 海都730 62
21鈴木 隆ノ介690 60
22笹山 英幸650 58
22松本 怜大650 58
24武山 潤640 54
25下山 誠630 52
26熊澤 由雅里580 50
26成田 昌克580 50
28工藤 大尊510 46
29菅野 勝一500 44
30金森 淳470 42
30西村 康希470 42
32菅野 亜衣460 38
33真木 亮裕440 36
34尾形 英一430 34
35今野 勝和420 32
36熊谷 捷紀400 30
36齋藤 晴喜400 30
38村山 栄宏390 30
39森本 正善380 30
40高橋 雄介360 30
41羽田 泰350 30
42伊藤 一志340 30
42山崎 健治340 30
44相内 栞太330 30
44伊藤 湧也330 30
44今野 智之330 30
44鈴木 大揮330 30
48川村 雅直310 30
49横田 賢一280 30
50小野寺 陸人270 30
50亘理 和輝270 30
52小原 健太220 30
53菊池 勇貴200 30
53八重樫 勇斗200 30
55梅村 琴和180 30
56小野 政隆160 30
57明石 英彦0 30
57浅田 光矢0 30
57安達 利朗0 30
57安達 裕輔0 30
57阿部 貴大0 30
57阿部 寿彦0 30
57安藤 一輝0 30
57石川 良太0 30
57井戸川 真吾0 30
57岩脇 勇太0 30
57梅津 昌樹0 30
57栄浪 克康0 30
57遠藤 拓弥0 30
57大山 愛華0 30
57奥寺 秀虎0 30
57小田島 海斗0 30
57小田島 辰也0 30
57小田島 良太0 30
57小野 友哉0 30
57小野寺 克弥0 30
57小野寺 孝0 30
57小山 令0 30
57柿本 博喜0 30
57川上 秀郎0 30
57川崎 勇也0 30
57川島 浩平0 30
57菅野 晃平0 30
57菅野 潤一0 30
57菊田 恭介0 30
57木村 仁0 30
57久保 修一0 30
57熊谷 弘貴0 30
57熊谷 正宏0 30
57熊谷 悠貴0 30
57桑野 将人0 30
57小林 大地0 30
57今野 祐治0 30
57斎藤 啓0 30
57齋藤 匡孝0 30
57堺 研一0 30
57佐々木 寛一0 30
57佐々木 晃太0 30
57佐々木 真乃宥0 30
57佐々木 央0 30
57佐藤 奈緒子0 30
57佐藤 祐一0 30
57菅原 謙0 30
57菅原 慎也0 30
57菅原 政良0 30
57鈴木 和也0 30
57鈴木 英明0 30
57鈴木 優羽0 30
57仙波 樹0 30
57高橋 歩0 30
57高橋 元0 30
57高橋 哲也0 30
57多田 健太0 30
57千葉 達矢0 30
57千葉 竜二0 30
57津田 拓真0 30
57戸澤 直彦0 30
57中田 大地0 30
57中村 勝0 30
57中村 渡0 30
57沼倉 貴広0 30
57橋本 純弥0 30
57畠山 瑞希0 30
57浜 幸生0 30
57藤原 徳行0 30
57武藤 大虎0 30
57星野 恭佑0 30
57細川 莉玖0 30
57松本 俊彦0 30
57真鍋 成美0 30
57三浦 俊一0 30
57三浦 大輝0 30
57三浦 琢都0 30
57南 文雪0 30
57宮嶋 平0 30
57村上 蓮0 30
57山内 一宏0 30
57横山 ひな0 30
57吉田 和哉0 30
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