第158回 POWER OCEAN CUP 2019トーナメントツアー九州 第3戦 佐賀県・呼子新波止 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
10月27日(日) 第158回パワーオーシャンカップ2019トーナメントツアー九州 第3戦 佐賀県・呼子新波止 ロックフィッシュ

 このところ毎週末が天候不順で、まともに釣りもできない状況だと聞いていた九州地方。昨年は台風で延期を余儀なくされたので今年も天候のことが気がかりでしたが、それは結局杞憂に終わった10月27日(日)、パワーオーシャンカップ(P.O.C.)九州ツアー最終戦を佐賀県・呼子新波止にて開催いたしました。今年は九州におけるP.O.C.がツアー戦になった初めての年。初代アングラーズオブザイヤー(A.O.Y.)も決定する、大詰めの一戦です。また、今大会には前回に引き続きゲスト選手として折本隆由プロも参戦。参加選手も昨年を上回る総勢36名の選手にエントリーしていただきました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
 今回の舞台となる「呼子新波止」は、唐津市の北西に位置する加部島にある全長約560mの東西に伸びる沖堤防で、ポイントを構成するのは基本的には足元に沈むケーソンや基礎石。沖側と岸側とではそのケーソンや基礎石の入り方が違い、沖側の方が足元から遠くまでしっかり入っています。この呼子新波止のケーソンや基礎石に潜むのはキジハタやオニカサゴをはじめ、何よりも最大のターゲットはロックフィッシャーマンの憧れの的でもある「クエ」。昨年はこのクエがウエイインされたこともあり、今年も期待が膨らみます。最近もエサ釣りではありますが日に数本、2~5kgクラスの釣果があるとの事で、当日も前の晩から堤防の上に泊まり込みでクエを狙う釣り人の姿が多く見られました。選手達は当地ならではのクエでビッグウエイトを狙うのか、それともキジハタやオニカサゴを狙ってリミット3本を揃えてウエイトを稼ぐのか?今回の優勝だけでなく3戦合計のポイントで争われるA.O.Y.獲得に向けたゲームプランも当然あるはずで、選手それぞれのゲームプランも気になるところです。
 この日の朝の気温はやや肌寒い15℃。5:30に受付を開始し、選手全員が新波止に渡ってからミーティング。それを終えるといよいよ6:35、最終戦の火蓋が切って落とされました。大会当日の水温は22℃。ベイトフィッシュとなるイワシやキビナゴがそこかしこに見え、そのベイトフィッシュをカモメやトンビが空から狙っています。潮は28gのテキサスリグではボトムが取れないぐらいに西から東へと早く流れ、風は冷たく感じる北西風が強く吹き、時折堤防に打ち付ける波の飛沫が風に舞うような状況。そんな中、選手達は自分が信じた場所へ移動していきます。新波止のほぼ中央に設けた本部から見ると、朝イチは東と西へほぼ半数ずつ選手が分かれて移動して釣りを開始した模様。その本部前ではノンキーパーながら早速カサゴが釣れるところを見ると、魚の活性はそれなりにあるようです。

 当日の満潮は8:50、干潮は14:55の大潮で、開始直後の短時間が勝負の決め手となった前大会の鹿児島県谷山一文字戦と同じような状況。ここ呼子新波止でも数名の選手から「朝イチ勝負」という声を聞きました。そして、雲の切れ間から日の光が差し込むようになった頃には各選手のロッドも曲がり出し、次々に狙いのターゲットをキャッチしていきます。10名以上の選手にA.O.Y.のチャンスがあった今回。挑戦権のある選手達は手堅く、1匹1匹を大切に釣っていきます。
 朝吹いていた北西の風が弱くなり始め、雲の間からは太陽がすっかり顔を出すようになった8:30過ぎ。波止の沖側で左から右へ早く流れていた潮も満潮に向けて緩んでいきました。そして今度は干潮に向かい始めると、潮の流れは右から左へとゆっくりその流れを変えていきました。この時間になると選手達の言葉通り、あれほどあちこちで曲がっていたロッドも見かけなくなってきました。さらに時間が経過していくと魚からの反応はどんどん薄くなっていき、選手達を苦しめます。それでも選手たちは誰も諦めることなく丁寧に、そして確実にケーソンや敷石の間を狙い、追加や入れ替えのできる魚をキャッチしようと集中して釣りを続けていました。

 気温の上昇で上着もいらなくなったかな…という11:00。本部前でウエイインの受付を開始しましたが、やはり最終戦ということもあり、選手全員が時間ギリギリまで「あと1匹」と、自分の信じた場所、リグで最後まで戦い続けたようで、この日最初の選手がウエイインをしたのが11:30。そして締め切り20分前からは続々と選手たちがウエイイン、あるいは帰着申請に戻ってきました。帰着締め切りの12:00には選手全員無事に帰着を完了。今大会、選手全員が期待をしていたクエは残念ながら姿を見せませんでしたが、それでもカサゴ、キジハタ、オニカサゴが多数持ち込まれ、36名の参加者のうちウエイインした選手は半数以上の22名、ウエイイン率も63.9%と、釣果に恵まれた大会となりました。
 ウエイインでは前回のような「規格外」の魚は現れず、全体的に拮抗した混戦模様。今大会の優勝者は?そして、パワーオーシャンカップ九州ツアー初代A.O.Y.の栄冠は誰の頭上に輝くのか?いよいよ結果発表です!

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 藤本 光 1340 100
2 若松 伸二 1100 98
3 関 正樹 940 96
3 福島 浩太郎 940 96

優勝 藤本 光

 

 優勝は、福岡県豊前市からエントリーの藤本光選手。「マグレで釣れた」と謙遜していた藤本選手ですが、今年初戦ながらも一昨年までは鹿児島戦にも参戦したロックフィッシュ大好きアングラー。キジハタ2匹、オニカサゴ1匹のリミット3本を揃えての1,340gで、堂々の初優勝です。最後の1匹は終了時間が迫る中、友人は釣りを止めているのに「あと数投…」と、最後まで諦めなかった粘りでキャッチ!まさに「Keep Casting」を実践する、その釣りに対する姿勢はぜひ見習いたいものです。

コメント:今日釣れたのは3匹です。釣れた場所は波止場最西側から150m東側に行った沖側で、最後まで同じ場所で粘って釣りました。それでも朝は8:30まではバイトがなくノーフィッシュで、最初に釣れたのは9:30頃。28gのテキサスリグで足元の基礎石の穴の中を狙っていたのですが根掛かりしてしまい、それを外そうとシェイクを繰り返して外れた瞬間にグッドサイズのオニカサゴが釣れました。それで同じ釣り方をしばらく続けていたところ、2匹目のグッドサイズのキジハタを釣ることができました。その後2匹のまま時間が過ぎていき、一緒に参加していた友達は帰着時間が迫っていたので帰りたそうにしていましたが、「最後、数投してもいいかな?」と粘ったところ、リミットメイクとなる3匹目のキジハタを釣ることができました。3匹目は小さかったですが、そのお陰で優勝する事ができたのでうれしく思います。使ったルアーは最初の2匹はバグアンツ3”(217 イソガニ)で、3匹目はバグアンツ3”(323 北陸クリアホロ)で、3匹目はボトムパンプで釣りました。また来年も都合が合えばどこでも参戦したいと思います!

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO76XXHC2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア) + 28gテキサスリグ

2位 若松 伸二

 

 

 準優勝は、福岡県北九州市からエントリーの若松伸二選手。九州でパワーオーシャンカップが開催されるようになった10年以上前から参戦しているベテランで、今年もフル参戦。それでも表彰台に上がるのは10年ぶりとのことです。今大会はキジハタ、オニカサゴ各1匹をウエイイン。合計2本ながら本日のビックフィッシュとなる750gのキジハタをキッカーに、ナイスサイズのオニカサゴも加えて見事な準優勝。第3戦でもプラクティスを実施するなど、技術に加えて努力も厭わない、釣りに対して真面目な若松選手。これからも一番高い所を目指して参戦を続けていただきたいと思います!

コメント:プラクティスではバグアンツ3”を使用したところ、朝の時間帯であれば小さいながらどの場所でも釣れる状況でした。ただ今日はトーナメントなので、少しでも大きなサイズを狙うため、あえてワンサイズ大きいバグアンツ4”(345 北陸UVパープルホロ)の21gテキサスリグを使用しました。ゲームプランとしては、この場所ではオニカサゴの方がウエイトを稼げると思ってオニカサゴを狙っていました。そして朝イチの1投目に狙い通りのオニカサゴを釣ることができたのですが、その後は反応がなくなってしまいました。それでも基礎石の上を潮に乗せたナチュラルドリフトで狙い続けると、7:30頃にキッカーとなる750gのキジハタを釣ることができました。その後も同じ狙い方で5匹ほどキャッチしましたが全てノンキーパーで、入れ替えをすることができませんでした。ただプラクティスに入ったりトーナメントに参加を続けることでその日の状況判断ができるようになり、今回の結果に繋がったのだと思います。

タックル

ロッド: 8’4”ベイトロッド
ルアー&リグ: バグアンツ4”(エコギア) + 21g テキサスリグ

3位 関 正樹

 3位は同ウエイトで2人がランクイン。まず1人目は福岡県福岡市からエントリーの関正樹選手で、オニカサゴ2匹、キジハタ1匹の940gで3位初入賞です。普段からこの場所で釣りをしている関選手ですが、朝イチにプロスタッフの瀬戸さんとの話からヒントを得て、それを信じて普段と違う釣りをしたことが功を奏したとのこと。アドバイスを元にゲームを組み立て展開し、しっかり結果も出せたことは、状況判断と対応力がある証拠。今後も楽しみなアングラーです。

コメント:オニカサゴに狙いを絞っていた訳ではなく、朝イチからキジハタ狙いでした。ただ朝イチから全くバイトがなく、このまま終わってしまうのでは?と、思ったほど。それでも最初に立てたゲームプランに従って同じ場所で粘っていると8:30頃からバイトが出始め、合計4本釣る事ができました。釣り方はバグアンツ4”と28gテキサスリグのズル引き。普段はバグアンツ3”を使うのですが、瀬戸プロから「バグアンツ4”でビッグキジハタの1本狙い!」と聞いていたので、自分もバグアンツの4”(384 ホットオレンジフラッシュ)を使用して、根掛かり覚悟のズル引きでしっかりボトムを取って狙いました。釣れた場所は本部から東側に100~200m行った沖側。今回は人と違うことをやり切ったことが、よい結果に結びついたのだと思います。

タックル

ロッド: 8’10”ロッド
ルアー&リグ: バグアンツ4”(エコギア) + 28g テキサスリグ

3位 福島 浩太郎

 同じく940g、キジハタ3本をウエイインして3位にランクインしたのは、北九州市小倉からエントリーした福島浩太朗選手。福島選手は昨年の呼子オープン戦は台風による延期で参加がかなわず。今年のツアー戦も全戦参戦を予定していたものの仕事で都合が合わず、今大会がツアー初参戦。そんな悲願だったP.O.C.参戦で見事、初入賞を果たしました。「来年は今日以上の成績を残したい」と、熱く語っていた福島選手。私たちも来年の福島選手のさらなる活躍を期待しています!

コメント:初めて来た場所なので、どこで何が釣れるか全く分からい状況で大会スタート。陸地に近い方に魚がいるのでは?と考え、大会本部から西側に100m程行った沖側に入り、最初から最後までそこで狙い続けました。今日は4本釣ったのですが、1本目はまだ薄暗いスタート直後にバグアンツ3” (077 三陸リアスレッド)のテキサスリグで釣れ、その後8:00ぐらいからバグアンツ3”(323 北陸クリアホロ)で立て続けにバイトを捉えて2本目、3本目とキャッチ。潮の流れが右から左へと変化した9:00頃からはハタジグ35g(HJ04 コットンキャンディー)を沖へ遠投し、ボトムで軽くリフト&フォール。それで入れ替えとなるキジハタを釣り上げることができました。

タックル

ロッド: 8’2”ベイトロッド
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア) + 21g テキサスリグ

タックル

ロッド: 8’4”スピニングロッド
ルアー&リグ: ハタジグ35g(エコギア)

【P.O.C 2019 TOURNAMENT TOUR 九州 “Angler of the Year”】 若松 伸二

第1戦15位、第2戦6位、第3戦2位という成績で年間累計ポイントを260pt.とし、P.O.C. 2019 TOURNAMENT TOUR 九州の初代A.O.Y.としてその名を刻みました。第2戦までは168pt.で暫定トップとの差は30pt.。P.O.C.九州の黎明期から参加を続けてきてくださった経験と実力で、最終戦を10年ぶりの表彰台となる準優勝で締めくくり、トップとの差をひっくり返しての逆転優勝!本人にとっても非常に嬉しいA.O.Y.獲得となったことでしょう。P.O.C. SUPER ROCK FISH へのクオリファイ、本当におめでとうございます!

【総評】

 

 今年初めての試みとなった「P.O.C. 2019 TOURNAMENT TOUR 九州」。初のツアー戦で運営に至らない所もあったと思いますが、参加選手ならびに関係者全員に事故怪我等なく、無事に最終戦を終えられたこと、本当に嬉しく思います。ツアー戦にご参加いただきました全ての選手の皆様、そして、この度の開催にあたりご協力をいただきました幸丸様をはじめ各ショップ様や地元関係者の皆様に、この場を借りて感謝御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
  今大会の上位入賞者は初めての場所だった選手、プラクティスを積んで臨んだ選手など様々でしたが、共通点のひとつは「状況に合わせて釣り方をアジャストできたこと」だったと思います。大会中に大きく変わる潮や風に対応して釣らないと釣果に繋がらない難しい状況でしたが、釣れた選手はそこをうまく対処できていたのではないでしょうか。一例として、ウエイイン時に魚が吐き出すベイトにはウチワエビやカニなど、比較的大きめの甲殻類が目につきました。同じバグアンツでも4インチをチョイスした選手はメインベイトの傾向にアジャストできていたのでしょう。また、「バイトがあったり魚がキャッチできたりした場所で諦めずに粘った」のも共通項。場所を変えて足で稼ぐ釣り方もありますが、今回は自分の場所を信じて最後まで粘ることで好結果を呼び込んだ選手が目立ちました。単に同じ場所に居座るだけでなく、状況に応じて攻め方を変える工夫があったことも見落とせません。
  また、このツアー戦を通じて、今まで全く面識もなかったアングラー達が年齢性別も関係なく「釣りが好き、ロックフィッシュが好き」という思いで繋がりを持ち、仲間の輪を広げていく様子を見ていて本当に嬉しく思いました。この輪が今後も大きな繋がり、広がりを見せてくれることを願ってやみません。
 ツアー最終戦となった今回、P.O.C 2019 TOURNAMENT TOUR 九州の初代A.O.Y.が決定したわけですが、楽しみながらも真剣に魚と向き合う参加者の皆様の姿や笑顔を見て、全員にA.O.Y.の資格、価値があると思いました。そんな九州を代表してP.O.C. SUPER ROCK FISHに参加する若松伸二選手の本戦での活躍を期待しております。頑張ってください!

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1藤本 光1340100
2若松 伸二110098
3関 正樹94096
3福島 浩太郎94096
5平岩 秀一郎82092
6北原 千幹81090
7田中 もきぎ73088
8中村 優70086
9北坂 亮69084
10金島 和彦58082
11梅永 大志56080
11古賀 誠56080
13魚岡 翼51076
14瀬戸 浩司48074
15徳王 裕貴47072
16小河 正宜41070
17西永 徹35068
18原田 善広29066
19村上 禎範27064
20吉木 治20062
21河野 大輔18060
21光益 宏紀18060
22有吉 透030
22池内 敦己030
22好士崎 宏030
22児島 洋介030
22坂本 厚030
22千葉 正博030
22硎屋 孝也030
22豊倉 嵩文030
22中野 颯万030
22西馬 直哉030
22村上 達志030
22村上 正樹030
22山川 司030
22石原 祥太郎-3030
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