第155回 POWER OCEAN CUP 2019 トーナメントツアー九州 第2戦 鹿児島県・谷山一文字 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
9月29日(日) 第155回パワーオーシャンカップ2019トーナメントツアー九州第2戦 鹿児島県・谷山一文字 ロックフィッシュ

 週間天気では雨続きの予報に加え、南海上に台風も発生し、天候が心配された9月29日(日)。結果として予報は大きく外れ、真夏のような強い日差しの中、鹿児島県・谷山一文字にて第155回パワーオーシャンカップ2019トーナメントツアー九州第2戦が開催されました。今大会には折本隆由プロもゲスト選手として参戦。参加選手は前回の第1戦を上回る総勢42名のエントリーとなりました。多くのご参加をいただきましたこと、この場を借りて心より感謝申し上げます。
 今回の舞台・谷山一文字は第1戦と同じ場所。「パワーオーシャンカップ2019トーナメントツアーシリーズ」で2戦連続開催はここだけとなります。鹿児島市の南、谷山港の沖に位置し、南北約1,900mにもおよぶ長大な沖堤防で、北東方面には雄大な桜島の全貌が見渡せる素晴らしいロケーション。堤防の足元にはケーソンや溶岩石を用いた基礎石によって複雑に入り組んだストラクチャーが形成され、沖には沈み根が点在。それらがハタやカサゴといったロックフィッシュたちに棲家を提供しています。狙い方もバラエティーに富んだ、大変面白いフィールドです。大会のターゲットとなるロックフィッシュは、まず小型ながら数は釣れているオオモンハタがメイン。そして数こそ少ないものの出れば大型のキジハタ。第1戦のビッグフィッシュはキジハタでしたが、選手はキジハタ、オオモンハタのどちらでウエイトを稼いでくるのでしょうか?第1戦は6月開催で梅雨時期の開催でしたが、今回は9月末、初秋の開催。同じ場所でも季節が違えば狙い方やターゲットも変わってくるはずで、我々運営陣も今大会の結果が大変興味深いところです。
 今年は水温が約26度と例年同時期に比べまだまだ高く、豊富にいるベイトフィッシュを狙っている青物も多くいる状況。当日は大潮。タイミングを合わせてビックフィッシュを狙うのか?それともポイントを絞って数を伸ばしていくのか?この選択が結果を大きく左右することになると予想されます。

 早朝の谷山漁港にそれぞれの思惑を持った選手たちが集結。4:50の受付終了後、渡船を開始しました。全員が沖堤防に上陸を済ませ、夜明けの空が美しい茜色に染まり始めた頃、レギュレーションミーティング。この日は満潮時間が7:12、干潮時間は13:33で、第1戦と同じような潮廻り。そのため今回も干潮のタイミングが渡船の帰港に支障をきたす恐れがあったことから、通常より競技時間を15分短縮。その分、少しでも選手に長く釣りをしてもらうために競技開始を前倒しして5:55スタート!開始のコールとともにその場ですぐにキャストを始める選手、タックルを携えて自分の信じたポイントへと北に南に足早に向かう選手…。ここに11:45までの戦いの火蓋が切って落とされました。
 この頃には周囲もだいぶ明るくなって、選手の動向がよく見えるようになりました。 堤防を北、中央、南に分けて見ると、北と中央、向きは外側に入った選手が多いように見受けられました。後で聞いたところだと、南は直前の釣果が出ていなかったとのことで、あまり人気がなかったようでした。
 スタート直後は比較的内向きの方が釣れている印象でしたが、時間の経過とともに外向きの選手達も次々とロッドを曲げていきます。多くの選手が釣り上げているのはオオモンハタですが、中にはグッドサイズのキジハタを手にしている選手も。開始1時間も経たずにリミットを揃えた選手も出るほどに、全体的には滑り出し好調な選手が多かったのではないでしょうか。「朝イチのこのタイミングを逃さないよう、朝の2時間を集中して釣り込みます」と言っていたのは地元の選手。これが何を意味するのかは、すぐに明らかになります。
  開始後しばらくは堤防のあちこちで魚が釣れるので写真撮影に忙しかった運営スタッフでしたが、満潮を過ぎ、8時を過ぎる頃になると、ほとんど撮影をしなくなったことに気づきました。実際にロッドを握っている選手たちは、その変化をより切実に感じ取っていたことでしょう。海を見ればアオリイカの子供や群れをなして回遊するクロダイ、ナブラを立てて泳ぐ大小の青物…。決して海況が悪いようには見えませんが、選手たちのターゲットであるロックフィッシュは難しい時間帯に入ってしまったようで、釣れてもノンキーパーでリリースしている選手をときどき見かける程度。さらに時間が経っても潮は思ったほど動かない様子。そして遮るもののない堤防の上には容赦なく日差しが照り付け、南方で発生した台風の影響か湿度も高く、9月も終わるというのに真夏のような陽気。これらが選手たちの気力、体力を削っていきます。それでも入れ替えやリミットメイクを目指して最後まで諦めずに足を使って釣り歩く選手、丁寧に足元に探りを入れて行く選手、何とか1匹ビックフィッシュを!と願いを込め遠投を繰り返す選手たち。トーナメントだからこその最後まで諦めない姿が印象的でした。この真夏日の第2戦を制する選手は?戦略は?いったいどんなウエイトが出るのでしょうか…!

 堤防の上には日陰が無くなったウエイイン開始時間の10:45。ごく少数の選手がウエイインに来た以外は、ほとんどの選手が帰着する様子もなくロッドを振っていました。情報によれば、キーパーをキャッチしている選手は多く、3匹のリミットを揃えているのは朝一のタイミングをうまく捉えた選手のようです。そして11:00を過ぎた頃から徐々に帰着する選手が増えてきました。朝イチに釣られた魚が多いと聞いていたので、時間が経った分、魚のコンディションを心配しながらのウエイインでしたが、エアレーター付きライブウェルを使用した選手たちはこまめに水を入れ替えたり、氷を入れて水温が上がらないようにしたり、またスカリを使う選手も常に魚の状態に気を配って頻繁にチェックを繰り返していたこともあって、なんとデッドフィッシュが1匹もいない、運営陣としても大変嬉しいウエイインとなりました。結果、43名中31名、73.8%の高いウエイイン率。思いもよらないビッグフィシュも飛び出した今大会の結果は…

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 石原 祥太郎 4,120 100
2 原田 善広 2,610 98
3 安永 沙紀 2,240 96

優勝 石原祥太郎

 

 優勝は鹿児島県鹿児島市在住の大学生、石原祥太郎選手。40アップを含むオオモンハタ2匹とハタ類(タマカイ×クエのハイブリッド)1匹(2,070g)をウエイイン。パワーオーシャンカップ九州でのオープン戦、ツアー戦を通じてのレコードウエイト4,120gを樹立しました。実は運営スタッフに「朝の2時間…」と言っていたのは石原選手。狙い通りのゲーム展開で初優勝を勝ち取りました。同じ大学の仲間たちと一緒によく釣りに行くそうですが、移動は基本的には自転車で、今回も1時間走ってきて参加。日頃鍛えた健脚と若さを武器に、最終戦にも期待がかかります。

コメント:普段からこの谷山一文字で釣りをしていて、今回は「朝マズメ+潮が止まる前の2時間」が重要と分かっていたので集中して狙って釣りました。釣った場所は大会本部から北側の内向きエリアの足元敷石沿い。スタートして約1時間で40オーバー1匹を含むオオモンハタ3匹と、一番大きいハタ類の計4匹のキーパーを釣りました。リグは18gのオフセットジグヘッド&ブレードにパワーシャッド4“(328 UVリアルイワシ)を使用。釣り方は「ハンドルを5回転してからのカーブフォール」で、ボトムを中心に狙いました。バイトはフォール中に集中して、一番大きいハタ類が掛かった際には明らかに今までとは違うサイズだと確信しました。ランディングネットが無かったので4ヒロ取っていた8号フロロリーダーを信じて手で抜き上げました。最近この場所で何度かリーダーを切られたことがあったので、それなら太くしようと8号リーダーを使用していたのが良かったです。最終戦の佐賀県は自転車だと遠いですが、何とか移動手段を考えて参戦したいと思います。

タックル

ロッド: 7’7”ベイトロッド
ルアー&リグ: パワーシャッド4”(エコギア) +ブレード+ 18gオフセットジグヘッド

2位 原田善広

 

 準優勝は、鹿児島県鹿児島市在住の大学生、原田善広選手。キッカーとなる1,570gのキジハタを頭に、キジハタ2匹、オオモンハタ1匹のトータル2,610gでリミットメイク。優勝した石原選手とは同じ大学に通う釣り仲間で、ワン・ツーフィニッシュを決めました。また第1戦4位、第2戦準優勝という結果により、現在の年間ポイントは192。九州シリーズのポイントリーダーに躍り出ました。大会前日に小売店で折本さんと出合い、その時に購入したキジハタグラブ4”が活躍したそうです。

コメント:スタートして最初にエントリーしたのが大会本部より南側の内向き、堤防が曲がっている近辺。バグアンツ3”(385 ソフトシュリンプ)の14gテキサスリグを使用。1投目でバイトがあり、上がってきたのが今回のキッカーでもある45cm・1,570gのキジハタでした。その後はキジハタグラブ4”の17.5gテキサスリグを使用。基本的にはズル引きでしたが、潮が動いて活性が上がったと思った時にはリフト&フェールに切り変えて活性の良い魚狙っていたら、リフトの頂点でバイトがあり2匹追加しました。キーパーは6匹釣れましたが、フィールドの状況を見てその時に最適だと思ったリグのサイズ感、カラー、動きの質を組み合わせて狙ったのが良かったと思います。最終戦はA.O.Y.獲得を狙って頑張ります。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO76XHC2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア) + 14gテキサスリグ
キジハタグラブ4” (エコギア) + 17.5gテキサスリグ

3位 安永沙紀

 3位を獲得したのは今回参加の女性アングラー4名の中の一人、宮崎県宮崎市からエントリーの安永沙紀選手。キッカーとなる960gを含む3匹のオオモンハタでのウエイイン。トータルウエイト2,240gとスコアをまとめ、堂々の3位入賞です。安永選手はスタート直後から大会本部近くにエントリーしていた多くの選手の中でも目立って魚を釣っていて、その釣りは実に丁寧。普段からロックフィッシュをやり込んでいることを感じさせてくれました。最終戦も表彰台を目指して頑張って欲しいと思います!

コメント:初めて来た場所で、基本的には良く分かっていませんでしたが、最初に入った大会本部から北側に100m行ったあたりの内向きでバイトがあり、何かあると思って丁寧にバグアンツ3”(471 リアルイソガニ)の34g直リグでボトムをひたすらチョンチョンして誘いました。その後、色々移動もしてみたのですがやっぱり最初の場所が気になって、ほぼ1日中同じ場所で粘って5匹のキーパーサイズが釣れました。釣れると思った場所で粘り続けたことが良かったのだと思います。

タックル

ロッド: 9’6”スピニングロッド
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア) + + 34g 直リグ

【総評】

 

 パワーオーシャンカップのツアーシリーズでは稀な2大会連続開催となった鹿児島県・谷山一文字戦。初戦の上位入賞者が優位となってしまう懸念もありましたが、開催して感じたのはそんなことは覆してやる!という選手の気持ちとやる気でした。同じ場所での開催でも「勝ちたい!」という選手の気持ちが結果として表れ、季節が違えば狙うターゲットもポイントも違う、場所を知っているから勝てるわけではないという、これがトーナメントだ!ということを改めて感じさせてくれた大会でした。
 ここ錦江湾では近年ロックフィッシュの釣果が減少していると言われており、簡単ではないものの、しっかりターゲットと向き合い、狙っていくことで面白いゲームができることを、こんなにも凄い釣果が出ることを見せてもらえました。改めてこの海の豊かさに感謝したいと思います。そして何よりも嬉しかったのは、デッドフィッシュが1匹も出なかったことです。我々が掲げている「SAVE THE FISH!」の精神が、この大会を通じて選手の皆様に届いていると思うと、この大会の意義は大きなものになっているのだと感じます。また、この2大会におきましてやむを得なかったとはいえ試合時間を短縮させていただいたにも関わらず、選手の皆様にご理解とご協力をいただきスムーズに運営できたこと、改めて感謝申し上げます。
  最後に、今大会に参戦いただきました選手の皆様、この度も開催にあたりご協力をいただきました緒方釣具店様をはじめ各船宿様、各ショップ様、そして大会を受け入れていただきました鹿児島の皆様に心より御礼申し上げます。
 最終戦となるトーナメントツアー九州第3戦は、「佐賀県呼子新波止」で開催致します。開催日は10月27日(日)。パワーオーシャンカップ 九州ツアーの初代A.O.Y.が決まる最終戦。誰が初代A.O.Y.を獲得してスーパーロックフィッシュに出場するのか!今から楽しみで仕方がありません。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1石原 祥太郎4,120 100
2原田 善広2,610 98
3安永 沙紀2,240 96
4坂本 厚1,840 94
5村上 正樹1,570 92
6若松 伸二1,510 90
7村上 達志1,340 88
8松本 尚久1,290 86
9小屋敷 亮介1,270 84
10梅永 大志1,140 82
10恵畑 絢耶1,140 82
12吉木 治1,130 78
13瀬戸 浩司1,020 76
14地頭方 隼人980 74
15山内 秀晃950 72
16硎屋 孝也860 70
17平岩 秀一郎810 68
18田中 もきぎ790 66
19山之内 尚史770 64
19渡邊 悠斗770 64
21中村 優730 60
22豊倉 嵩文680 58
23河野 大輔570 56
24関 正樹450 54
25小河 正宜440 52
26古賀 誠410 50
27春田 奈央子330 48
27山内 博人330 48
29村上 禎範290 44
30安永 勇260 42
31山中 雄太230 40
32安楽 航希0 30
32安楽 成人0 30
32後迫 智也0 30
32小川 隆司0 30
32北原 千幹0 30
32好士崎 毅0 30
32好士崎 宏0 30
32鷺山 善0 30
32立花 考介0 30
32堀川 輝美0 30
32光益 宏紀0 30
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