第152回 POWER OCEAN CUP 2019 トーナメントツアー北海道 第1戦 噴火湾 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
6月16日(日) 第152回 パワーオーシャンカップ 2019 トーナメントツアー北海道 第1戦 北海道・噴火湾 ロックフィッシュ

 九州、東北と開幕してきたパワーオーシャンカップ2019トーナメントツアー。そして6月16日(日)、残るもうひとつのシリーズ戦となる“P.O.C.2019トーナメントツアー北海道”が開幕となりました。開幕戦の舞台は、北海道のなかでも屈指のロックフィッシュの宝庫として知られる「噴火湾」。くしくも昨シーズンの開幕戦と同じフィールドとなります。参加選手は総勢147名。この度も多くのエントリーをいただきまして、心より感謝申し上げます。
 競技エリアは、大きく分けて6つのエリアから構成されます。西から「礼文漁港」「大岸漁港」「豊浦漁港」「虻田大磯漁港」「虻田漁港」「有珠湾」という並びで、端から端まで約20kmの範囲に散らばっています。それぞれのエリアには、水深や底質、海藻の量などに違いが見られ、それにともない魚のタイプやストック量が異なります。具体的には、「礼文漁港」と「大岸漁港」は、比較的水深が浅く、海藻が豊富。そのため、居着きタイプの魚が多いエリアとなります。大会本部を置く「豊浦漁港」は、エリア内最大の漁港。複雑な形状で、底質や水深の変化に富み、魚のストックは競技エリア内で随一。そのため、本命と考える選手が多いエリアです。「虻田大磯漁港」は底質が硬く、居着きタイプ以外に回遊タイプの魚の出入りも多いエリア。「虻田漁港」は海藻や小規模なストラクチャーが点在し、居着きタイプを中心に狙うことができます。「有珠湾」は複雑に入り組んだ天然の入り江で、北側が新港、南側が旧港と分かれています。新港は溶岩に囲まれた小規模の漁港。一方、旧港は砂や泥底で形成された浅く大きな入り江で、ロックフィッシュ達の格好のフィーディング場となり、大型のロックフィッシュの実績が高いエリア。有珠旧港は、豊浦と並び、本命と考える選手が多いと予想されます。これらのエリアをどう選択し、どう攻めるか、そしてどのタイミングでどう動くか・・・様々な戦略を組むことができるのが、噴火湾戦の魅力のひとつです。
 事前にプラクティスを行った選手達の声を聞くと、「トータルウエイト3kgは十分に狙える!」と自信ありげに答える選手もいれば、「良いサイズが釣れず、全然見えていない」と不安げに本音をもらす選手もいる状況。何気に昨年を振り返ってみると、全く同じような声だった記憶が蘇ります。時間や日和、フィールドによってムラが出やすいのが初夏のロックフィッシュゲーム。うまく噛みあえばぶっちぎりのハイウエイト…ほんの少しでも噛みあわなければとたんにローウエイト…そんなメリハリの効いた展開が予想されました。
 各選手が様々な思いを胸に、向かえた開幕戦当日。海上を移動する低気圧の影響により断続的な風雨が予想されるあいにくの天気予報。しかしながら、競技エリアが湾内に位置しているため、海況は穏やかでゲームは成立する状況です。天気予報どおり雨が時折落ちてくる空の下、受付開始予定時刻の4:30を前に、多くの選手が本部前へと集まります。受付開始時刻を早め、受付をすませた選手から順次タックルチェックを行います。5:00、試合前のミーティングを実施。レギュレーションの確認を全員で行います。各選手の熱がひしひしと伝わるなか、フライト予定時刻5:30を待たずして第一フライトのコール。遂に北海道ツアー開幕戦の幕が切って落とされます。はたして2019シーズン・北海道ツアー初戦は一体どんな展開になるのでしょうか。

 フライト後しばらくしてから巡回を開始。まずは西端の礼文漁港から回ります。礼文漁港に着くと、数名の選手がゲームを展開しています。礼文攻略パターンの鉄板である足元や港内を丁寧に釣り歩く選手たち。リミットメイクを目指します。隣の大岸漁港に移動すると、思いのほか選手が少ない印象。意外と竿抜け的なエリアになりがちなだけにこの後、他エリアから選手が移動してきそうな気がします。本部を置く豊浦漁港には、満遍なく多くの選手が展開。沖めをロングキャストで狙う選手もいれば、岸壁際を丁寧に探り歩く選手もいます。変化に富んだ豊浦漁港ならではの光景といえます。次に虻田大磯漁港へ。ここは昨年表彰台に絡んだポイントだけに、多くの選手がエントリーしています。キーパーサイズをキャッチしている選手もちらほら。この時点で7:30頃。朝一のエリアに見切りをつけた選手達に動きが出始めたのもこのタイミングあたりから。ここから試合の流れがどう変わっていくのか・・・。虻田漁港、有珠へと巡回していくと、有珠旧港とその対岸のゴロタは予想通り銀座状態。昨年の優勝エリアであり、さらにプラクティスでも大型のアイナメをキャッチしている選手が多いことから、勝負を決めるキッカーフィッシュを求めてキャストを続ける選手達。しかし、プラクティス時に顔を見せたような1kgクラスのアイナメは出ておらず、頭抜け出している選手がいない団子状態。はたしてこの後、キッカーフィッシュは出るのか?それともこのままの状態が続いてしまうのか?動くべきか?動かないべきか?選手達を悩ませます。

 

 12:00より検量を開始。数名の選手がウエイインする横で、“あと一本!”を求めてキャストを続ける多くの選手達。この光景から、試合を決定づけるような魚をキャッチしていないことが見てとれます。帰着締め切り時刻13:00が近づくにつれ、検量の前にはいつの間にか長蛇の列ができます。結果、参加選手147名中、ウエイインした選手は105名。プラクティス時に出ていたような1kgクラスの魚は少なく、500~600gでリミットメイクする選手が非常に多い印象。僅差で多くの選手がひしめき合います。ウエイイン率でみると71.4%という極めて高い水準。噴火湾のロックフィッシュの魚影の濃さは凄い!と改めて思い知らされたウエイインとなりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 小田島 辰也 2890 100
2 小山内 薫 2550 98
3 栗栖 梨香 2430 96

優勝 小田島辰也

 

 2019北海道ツアー開幕戦を制したのは、札幌市からエントリーの小田島辰也選手。P.O.C.SUPER ROCK FISH 2016クオリファイをはじめ、過去数々の実績を残してきた小田島選手。しかしながら、“優勝”という二文字は手にしておらず、今回悲願の初優勝となりました。ウエイトを見込めるコンディションの良いアイナメ3尾を揃え、トータルウエイト2,890gをメイク。僅差でひしめき合うタフな試合のなかで、頭一つ抜け出し手にした見事な優勝でした。

コメント: 大会一週間前と三日前の計2回、プラクティスを行っていた。プラクティスでは、要所要所にキッカーはいるもののいまひとつしっくりきていない感触だった。最終フライトで向った先は本部のある豊浦漁港のシャローエリア。リングマックス パワーオーシャン3”(462 タフタイムカモ)の14gビフテキリグを追い風に乗せて広範囲を探ると40cmほどのアイナメをキャッチ。しかしその後が続かず、各漁港ラン&ガンに切り替えた。向ったのは大磯漁港。港内の岸壁際を狙うがダメ。次に大岸漁港に入り、同じように岸壁際を狙うもダメ。最後に向ったのが礼文漁港。プラクティスで1kgクラスが釣れたエリア。しかし、入りたかったストレッチにはすでに先行者が。仕方なく対岸から狙いたいピンポイントをシュートするプランに切り換え。するとポンポンと良い魚が入り、結果5~6本をキャッチ。3回の入れ替えを行うことができた。リングマックス パワーオーシャン3”(462 タフタイムカモ)の14gビフテキリグを使い、ウィードとゴロ石の複合ポイントを、ウィードをほぐしストラクチャーにコンタクトさせながらリーリングで丁寧に探るパターン。プラクティス時に礼文のポテンシャルの高さに気づけたことが優勝につながった。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャンRPO710HS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 14gビフテキリグ

2位 小山内薫

 

 準優勝は、函館市からエントリーの小山内薫選手。小山内選手といえば過去、P.O.C.マスターズクラシック2016を4,680gという驚愕のハイウエイトで制した実力派。今大会でも粒の揃ったアイナメをきっちり3尾揃え、トータルウエイト2,550gをスコアメイクし、再びクラシックの舞台へのチケットを手にしました。

コメント: 今回はノープラクティス。最終フライトだったが、本命ポイントである有珠旧港へと向った。すでに多くの選手がエントリーしていたが、とりあえずそこからゲームを開始。有珠旧港の定番パターンである遠投ゲームではなく、カレントのあたる手前の防波堤周辺を、バグアンツ2”(464 ハイプレッシャーマジック) 17.5gビフテキリグで探る。これで2尾のキーパーをキャッチするも、そのうち1尾がライブウエルに入れる前にカラスにさらわれてしまうハプニング。気持ちを切り換えるため移動。有珠旧港のゴロタ側にエントリー。バグアンツ2”(464 ハイプレッシャーマジック) 42gビフテキリグで遠投ゲーム。これで計5本をキャッチし、リミットメイクさらには入れ替えに成功した。どちらのゲームも大切にしたのは“間”。「リフト→シェイク→ステイ」というルーティンで、間を多く取ることを意識した。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャンRPO710HS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア) + 17.5gビフテキリグ

タックル

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア) + 42gビフテキリグ

3位 栗栖梨香

 

 3位に入賞したのは、余市町からエントリーの栗栖梨香選手。近年のP.O.C.を振り返る限り、女性アングラーが表彰台に昇るのは初!コンディションの良いアイナメ2尾とシマゾイ1尾のミックスバッグで、トータルウエイト2,430gをウエイイン。この快挙をきっかけに、女性アングラーの記録をどんどん塗り替えていって欲しいと思います。

コメント: 週末はいつも釣りに出かけている。フライトして向ったのは虻田大磯漁港の内向き。普段からよく使っている11gフリーリグで、ボトムがゴツゴツしているスポットをズル引き&ステイでチェック。はじめはロッククロー2”を使っていたが、バイトがあるもののなかなか乗らないため、ルアーをチェンジ。選んだのはエコギア熟成アクア バグアンツ2”(J03 青イソメ)。これにより8:00前に立て続けにキャッチし、リミットメイクした。

タックル

ロッド: 6'10"ベイトロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア バグアンツ2”(エコギア) + 11gフリーリグ

【総評】

 時折風雨が強まるあいにく天候のなか開幕したP.O.C.2019トーナメントツアー北海道。残念ながらプラクティスで出ていたような3kg台のウエイトこそ出なかったものの、多くの選手がグッドコンディションのロックフィッシュをキャッチし、改めて噴火湾の豊かさを認識することができました。上位5名のパターンを見てみると、入ったエリアはバラバラ。攻め口も、岸壁攻略から遠投スタイルまでバラバラ。ルアーにフォーカスしてみても、2.5gジグヘッドから42gテキサスリグまで、バリエーションに富んだアプローチで各選手がロックフィッシュと向き合っていました。アングラーそれぞれが日々ロックフィッシュと向き合うなかで見つけた気付き、可能性をひとつひとつ磨き上げることで、ロックフィッシュゲームはさらに多様化し、今までの常識ではおさまらない新たなアプローチが生まれてくる・・・ロックフィッシュゲームのさらなる可能性を感じさせられた一戦となりました。
  最後に、今大会に参戦いただきました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、今大会を受け入れて頂きました漁業協同組合様、地元の皆様に心より感謝申し上げます。
 これから夏らしさが日に日に増す北海道のロックフィッシュシーン。「夏枯れだから・・・」と敬遠しがちな季節ですが、夏だからこそ気がつく新たなパターンが必ずそこにあります。

「真摯に魚達と向き合うなかで見つける“気づき”に一喜一憂する。」

それが釣りの本質的な面白さです。この夏こそ魚と思いっきり向き合ってみませんか?今まで知らなかったパターンにたどり着くかもしれませんよ!

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1小田島 辰也2890100
2小山内 薫255098
3栗栖 梨香243096
4松岡 諭240094
5上田 仁之236092
5能登 勇太236092
7小原 大地235088
8西川 雄哉220086
9大谷 重晴217084
10玉川 正人204082
11蛯子 木世寿197080
12板橋 信明190078
13菅原 雄平186076
14甲森 憲太177074
15谷藤 圭太176072
16阿部 書和175070
16上野 孝勇貴175070
18上田 正義173066
19菊地 夢叶170064
19小林 章170064
19西川 貴法170064
22工藤 大尊165058
23佐藤 伸162056
23田辺 陵真162056
25佐久間 渉160052
26山本 重明157050
27佐藤 智哉150048
28藤田 真司149046
29川添 誠次148044
30熊谷 一寛147042
31藤谷 勝斗146040
32三浦 恭輔144038
33若井 章弘142036
34塚本 浩138034
35倉内 唯馬133032
36寳福 一也131030
37伊藤 大海126030
37加我 強至126030
37口岩 毅人126030
40木下 喜智123030
40平野 良樹123030
42大津 新人121030
43下山 誠120030
44佐川 彰啓118030
44渡辺 正悟118030
46高橋 智之115030
47小野 修治113030
48寺沢 勇輝112030
49坂本 泰樹111030
49山崎 睦仁111030
51森田 惇108030
52工藤 真一107030
52黒丸 善充107030
54上森 悠平100030
54栗本 和敬100030
56小林 幸生99030
57丸山 大一98030
58河野 辰也97030
59渡辺 辰則96030
60笠山 祐樹94030
60山本 英仁94030
62三宮 順一90030
63柿島 心平89030
64成田 広之87030
65原田 いさむ84030
66大森 秀樹82030
67川村 啓貴80030
68佐野 大地79030
68高 和矢79030
70蒔田 和稔75030
71大下 和宏74030
71柿本 博喜74030
73伊藤 雄太72030
74三浦 友太71030
75吉田 宣宏69030
76白木 義人68030
76大導寺 祐輔68030
78三浦 和典65030
78三上 顕太65030
80黒丸 里美63030
81笹田 桂一61030
82今野 哲58030
82村上 守58030
84石澤 卓57030
85吉野 崇憲55030
86伊藤 葵54030
87半田 義博52030
88能代 英愛48030
89中西 朋也47030
90岩永 政男46030
90富坂 弘一46030
92和田 洋平44030
93犬飼 和樹42030
94井戸川 真吾40030
95宮澤 紀行39030
96酒井 佑輔37030
97内海 優34030
97及川 智之34030
97甲斐 隆之介34030
100環 優司32030
101柴田 泰久31030
102菅原 晃誠29030
103池田 翔27030
104柏木 雅一24030
104美馬 明弥24030
106油川 正道030
106今本 則子030
106内田 千晴030
106扇谷 亮030
106岡崎 晋030
106岡田 研吾030
106岡田 広美030
106川村 悠貴030
106久保田 満也030
106栗田 圭人030
106小島 希望030
106後藤 龍樹030
106小林 良稚030
106五福 公人030
106駒谷 賢030
106近藤 哲也030
106柴森 浩一030
106高橋 和宏030
106田川 孝男030
106近間 康平030
106対馬 勝也030
106寺岡 龍生030
106中川原 真也030
106成田 隆弘030
106成田 勇介030
106南部 哲宏030
106萩原 智030
106橋本 憲之030
106橋本 祐樹030
106福井 將人030
106細川 大輝030
106松田 潤平030
106松田 美臣030
106森國 さやか030
106門別 芳太郎030
106八木 駿介030
106柳川 美穂030
106山口 隆030
106山田 智則030
106吉田 拓磨030
106吉村 渉030
106渡辺 航成030
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