第151回 POWER OCEAN CUP 2019 トーナメントツアー東北 第1戦 宮城県・気仙沼 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
6月2日(日) 第151回 パワーオーシャンカップ 2019 トーナメントツアー東北 第1戦 宮城県・気仙沼 ロックフィッシュ

 6月2日、P.O.C. 2019トーナメントツアー東北開幕戦を宮城県・気仙沼で開催しました。これまで気仙沼といえば、気仙沼大島を舞台に数々の熱い試合が繰り広げられてきましたが今年4月、大島と本土を繋ぐ大島大橋が開通したことにより、今大会は競技エリアを気仙沼大島だけでなく、気仙沼湾の東岸・西岸まで広げ、広大なエリアでのラン&ガン戦となりました。エントリー選手は総勢117名。大島内だけに留まらず本土の選択肢が増えたことで、これまで以上に戦略の幅が広がり、新たな展開に期待が膨らみます。
  今大会の舞台となる気仙沼湾は、宮城県でも北に位置し、南北に深く切れ込んだ三陸リアス式海岸らしい大きな湾。真ん中に浮かぶ気仙沼大島によって東西に二つの湾に分割され、水深や底質、流入河川、潮流とそれぞれ違ったロケーションを構成しています。メインターゲットは、北のロックフィッシュの代表格“アイナメ”、そして気仙沼大島周辺に多く生息する“ベッコウゾイ”を筆頭に“クロソイ”“ムラソイ”といったソイ達です。過去の気仙沼戦を見る限りでは、リミットメイクは必須。さらには、キッカーフィッシュの存在が上位進出の絶対条件となりそうです。
 大会前日に複数の選手から大会エリアの状況や当日のプランを聞いたところ、今年に入ってからあまり魚が釣れておらず、試合当日も厳しい釣果になるだろうというのがおおかたの予想。その原因を聞くと、春先の寒波で水温が一気に下がってからしばらくは低水温が続き、ここ最近になって急激に気温と水温が上がったため、魚が環境変化に付いていけていないのではないかとの声。地元出身の選手でも、過去にこのような状況は経験したことが無いとのこと。また、多くの選手の口から聞こえてきたのが、現時点では大島で釣れる魚よりも、本土で釣れる魚のサイズが一回り大きいとの情報。それゆえに、大島できっちりリミットメイクを狙うのか、はたまた本土でキッカー狙いの大勝負にでるのか、選手たちの間で様々な思惑が渦巻きます。それに加え、今大会は気仙沼湾のかなり広い範囲が競技エリア設定となったため、遠方にエントリーした場合には時間的な計算も必要になり、もっとも遠い東岸・西岸の南端エリアに入る選手は少なそうな印象でした。過去に何度も開催している気仙沼でのパワーオーシャンカップですが、大島大橋開通によって環境が変わった今回、過去に無い波乱の予感がしました。
 4:30に大会本部を置く浦ノ浜港で受付を開始。すでに空は明るくなっており、晴天で風はほとんどなく、すごしやすい気温。今年からは大島大橋が開通したことで全員が自動車での参戦となり、昨年までの気仙沼戦とは雰囲気が大きく変わりました。そして、受付と同時にフライト抽選を行い、その後選手全員でミーティング。レギュレーションの確認を行った後に、抽選順で10名ごとにフライトします。

 各選手、プラクティスの結果や事前の釣果情報を元に各エリアに散っていきましたが、大島内に残って釣りをしている人は半数以下といった印象。大島の中でも漁港などのエントリーしやすい場所で見かける人影はまばらで、磯に展開している模様。一方、本土では西岸の商工岸壁、大島に近い大浦・小々汐エリアに多くの選手の姿があります。この二ヶ所は湾の最もチョークしたエリアの両岸で、水の動きが生じやすく地形変化にも富んでいるという理由が選手たちの狙いどころになったようです。当日は9:07が干潮。潮止まり前の比較的早い時間帯に各所で40cmを超えるサイズの魚をキャッチしているシーンを見かけ、事前情報の「あまり釣れないのでは・・・」という予想に反して良い釣果が出ている印象。そして潮止まりを目処に移動をする選手が多く見られました。潮止まりの一番タフな時間にこそ、アングラーとしての引き出しの数が問われる状況。この時間のなかでの判断が勝負の分かれ道になるかもしれません。10:00頃になると、場所によってカレントが効きはじめ、ポツポツと釣れています。こういうチャンスを逃さないことも、着実にウエイトを築いていくためには大切なことです。

 晴天に恵まれ、陽が昇ると半袖1枚でも暑さが身にしみる真夏のような気候で、水温が上昇しやすかったこと。そして干潮が絡んだことが原因か、魚のケアに苦戦した選手が多かったようで、12:00の検量開始時間前から会場に徐々に選手が集まりはじめます。検量を開始すると、どうしても選手たちが生かしてウエイインしたい魚なだけあって、どれもビッグサイズばかり。ネガティブな前情報を払拭する、ハイクオリティな魚が多く持ち込まれました。

 

  ウエイインした選手は117名中71名、ウエイイン率60.7%と、非常に良く釣れた結果に。上位5人は全員が3kgを超えるウエイトを持ち込むハイウエイト戦となりました。シビアな条件が重なる状況のなかで、自身の持っている知識とテクニックを駆使し、数少ないバイトをミスなくキャッチし、なおかつキャッチした魚を確実に生かしてウエイインまで持ち込む。基本的なことですがそれをハイレベルでこなせる選手が結果を残せる“強い”アングラー。それをあらためて感じさせてくれる一戦でした。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 佐藤 貴之 3750 100
2 藤原 朋樹 3360 98
3 山内 一宏 3350 96

優勝 佐藤貴之

 

 2019年東北ツアー開幕戦を制したのは、地元宮城県気仙沼市からエントリーの佐藤貴之選手。2018年東北ツアーでも開幕戦で優勝している実力者です。51.5cm、1,600gのビッグフィッシュを含む、アイナメ3尾、トータルウエイト3,750gという圧巻のウエイトをそろえて、見事勝利を手にしました。

コメント: 朝一に今回の競技エリア最南端にある片浜漁港の面瀬川河口にエントリーして、そこで一日中粘った。エリア内では一番大きい淡水が流入している場所なので、ここのハードボトムにフィーディングで回遊してくる個体に狙いを絞っていた。回遊狙いなのでバイトは1時間に1回ぐらいしか無いが、ベイトを食っている個体なので釣れれば太くて重い。ウエイト勝負で勝つならこのエリアしか無いだろうと思っていた。プラクティスは3日間やって、バイトがあったのは1回だけだったが、800gぐらいのサイズが釣れたので、大会当日も6時間あればそのサイズで3本は揃えられるだろうと信じ、やり続けた。使ったルアーは、リングマックス パワーオーシャン3”(435 ボトムクローラー)の21gビフテキリグのみ。魚がフィーディングで回遊してこなければまったく反応が無い釣りなので、一日中フィーディングスポットにひたすら同じように投げ続けて回収しての繰り返しだった。魚のコンタクトポイントは二ヶ所ほどしかなく、風や流れで狙うスポットを変えていたので、やっている釣り自体はすごくシンプルだった。

タックル

ロッド: 9’2”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 21gビフテキリグ

2位 藤原朋樹

 

 準優勝は、岩手県矢巾町からエントリーの藤原朋樹選手。49cm、1,350gのキッカーを含む、アイナメ3尾、トータルウエイト3,360gでフィニッシュ。軽めのリグを使い、ボトムから浮かないように丁寧にズル引き、10秒ぐらいのステイを織り交ぜて食わせるという繊細な釣り方でグッドサイズをそろえ、自身初のマスターズクラシック出場権を獲得しました。

コメント: 小々汐漁港のスロープで大会前日に1kgアップの魚が釣れたので、当日もプラクティスと同じ場所に朝一からエントリーしたが何をやっても釣れず・・・。その後に堤防に移動して、エコギア熟成アクア ミルフル3.3”の5gビフテキで堤防の内側、際1m以内の足元にあるシェード部分を狙うと35cm、40cm程のアイナメ2本キャッチ。でも何かが違うと感じ、今度は堤防外側をロックマックス3”(408 ウォーターメロンバグ)で同様に足元を狙うと40cmアップのビッグフィッシュが釣れた。良い展開に心臓がバクバクしてきたので一旦車に戻り心を落ち着け、その後8:30過ぎ、太陽が高くなってきたのでバグアンツ2”(140 カスミスーパー)に変えて、リグも3.5gに軽くして同様の釣りを展開。そして、最大のキッカーフィッシュをキャッチすることができた。

タックル

ロッド: 7’8”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス3”(エコギア)、バグアンツ2”(エコギア) + 3.5gビフテキリグ

3位 山内一宏

 

 3位には、宮城県石巻市からエントリーの山内一宏選手がランクイン。アイナメ3尾でトータルウエイト3,350gをそろえて、表彰台の座とマスターズクラシック出場権を獲得しました。真夏のような暑さと水質の悪さから、魚のケアに苦しむ選手が多いなか、しっかりとライブフィッシュ3尾でウエイインしたことがこの結果へと繋がりました。

コメント: 商工岸壁と魚市場の間のストレッチに朝一からエントリーし、一日やり通した。二週間前と大会前日にプラクティスで入った印象から「このエリアで1本でも良いサイズが獲れればいいかな」と思っていたが、当日はボコボコと釣れてくれたので表彰台に立つことができた。1本はフックを伸ばされ獲れなかったが、全部で6本掛けたうち5本をキャッチでき、2本を入れ替えて3kgオーバーにできました。重めのリグを遠投し、ズル引き、障害物に当たったら若干ステイ、そして跳ね上げてリアクション的に食わせることを意識して釣った。ルアーカラーは411(シルキーオレンジイエロー)と451(チラチラ挑発クロー)といった派手目への反応がよかった。クラシック参戦権を得るのは初めてなので、どういうものなのか、いまから楽しみ。

タックル

ロッド: 9’1”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 35gフリーリグ

タックル

ロッド: 9’0”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 28gビフテキリグ

【総評】

 大島大橋の開通によりこれまでの気仙沼戦とは大きく変わった今大会。前日までの予想に反して、ふたを開けてみれば想像していたよりもよく釣れた印象でした。それでも1kgフィッシュでリミットメイクする選手もいれば、ノーフィッシュの選手もいるという、大きな差が生じるのがトーナメント。状況を的確に把握し、釣れる時間帯にしっかり釣る、そしてタフな時間帯にもわずかなチャンスを見逃さずにウエイトを重ねた選手が上位に名を連ねました。
  さて、次戦となるパワーオーシャンカップ2019トーナメントツアー東北第2戦は、7月7日(日)、山形県と新潟県の二県を跨いだ「庄内下越」での日本海バトル。夏の庄内下越エリアを舞台に、はたしてどんな試合が繰り広げられるのか?年間ポイントで上位に食い込むためには絶対に外せない熱い戦いになるのは必至!大変楽しみな一戦です。
  最後に、今大会に参戦いただきました選手の皆様へ、スタッフ一同、御礼申し上げます。大橋の開通により簡単にアクセスできるようになった気仙沼大島を含め、ロックフィッシュフィールドとして非常に豊かな気仙沼湾。エントリーしやすい漁港から本格的な磯まで、様々なロケーションでロックフィッシュと向き合うことができ、彼らのトルクフルなファイトを存分に楽しむことができる魅力溢れるフィールドです。三陸のロックフィッシュゲームを満喫しに、ぜひ気仙沼へ足を運んでみていただけたら幸いです。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1佐藤 貴之3750100
2藤原 朋樹336098
3山内 一宏335096
4佐々木 俊326094
5坂本 広宣323092
6佐々木 晃太287090
7川島 浩平253088
7佐藤 雄一253088
9戸澤 直彦252084
10渡辺 健251082
11鈴木 泰洋250080
12小田島 良太244078
13菊池 勇貴238076
14鈴木 隆ノ介237074
15大泉 純輝234072
16小野寺 良太233070
17佐々木 立也222068
18藤原 久志214066
19熊谷 捷紀213064
20小松 悟203062
21鹿野 栄健195060
22村山 栄宏176058
23安達 裕輔174056
24三浦 琢都173054
25真木 亮裕170052
26佐々木 秀真168050
27鈴木 崇164048
28武山 潤156046
29前川原 みちる155044
30岩渕 健二144042
31小田島 海斗135040
32小山 彬帆127038
33川村 倫弘125036
34久保 修一123034
34榊原 航123034
36武藤 大虎120030
37成田 昌克112030
38高橋 浩樹102030
39遠藤 貴志87030
40吉田 勲86030
41三浦 利幸85030
42守屋 知明83030
43吉田 和哉82030
44菊池 和樹80030
45山口 恵78030
46高橋 歩74030
46山舘 嘉昭74030
48川尻 達毅70030
49中村 渡65030
50八重樫 敬太64030
51三浦 松一59030
52守屋 友裕58030
53松本 俊彦55030
54佐藤 宏51030
55遠藤 元気50030
55小林 拳人50030
57武山 雄太40030
57松澤 孝浩40030
59佐藤 潤36030
60菅野 勝一35030
61松本 怜大34030
62相澤 勇仁32030
63桑野 将人30030
63早坂 徹也30030
65武山 重之29030
66沼倉 貴広25030
67佐野 果也21030
68松田 涼18030
69岩脇 勇太16030
70菅 雅哉14030
71星野 恭佑3030
72石崎 蒼亜030
72伊藤 亜主可030
72伊藤 一志030
72井戸川 真吾030
72植村 正幸030
72栄浪 克康030
72蛯原 隆也030
72及川 修030
72大久保 広徳030
72大場 貴之030
72大場 裕之030
72尾形 英一030
72尾形 一成030
72小野 浩平030
72小野 友哉030
72小野寺 克弥030
72小山 正憲030
72金森 淳030
72川原 武宗030
72菅野 亜衣030
72菅野 潤一030
72今野 蒼030
72堺 研一030
72佐久間 和希030
72佐藤 翔太030
72佐藤 貴洋030
72塩谷 一樹030
72鈴木 辰徳030
72鈴木 英明030
72多田 知弘030
72千田 大夢030
72千葉 駿030
72成田 広之030
72畠山 大成030
72蜂谷 雅人030
72浜 幸生030
72早坂 專030
72早坂 健030
72日野 雅貴030
72松澤 真理子030
72松田 隆行030
72三浦 宏悦030
72八木澤 廣信030
72山崎 健治030
72横田 賢一030
72吉田 あこ030
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