第150回 POWER OCEAN CUP 2019 トーナメントツアー九州 第1戦 鹿児島県・谷山一文字 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
6月2日(日) 第150回 パワーオーシャンカップ 2019 トーナメントツアー九州 第1戦 鹿児島県・谷山一文字 ロックフィッシュ

 2015年、オープントーナメントとして開催した鹿児島県谷山一文字でははじめてのパワーオーシャンカップ・・・あれから4年。毎年オープン戦を開催するなかで感じる九州でのロックフィッシュシーンの広がり、可能性。 九州の“ハタ&カサゴ”と、北海道・東北の“アイナメ&ソイ”。魚種は違えど同じ「ロックフィッシュ」。九州のロックフィッシュシーンの未来を見据え、トーナメントツアーとして長年走り続ける北海道、東北と同じステージに上がるべきタイミングではないのか・・・その思いが今回のトーナメントツアー九州の旗揚げへと導きました。記念すべきトーナメントツアー九州初戦、はたしてどんなドラマが繰り広げられるのでしょうか・・・  
 ツアー初戦の舞台は、「鹿児島県・谷山一文字」。選手にとっても、運営にとっても、九州ツアー第一歩目にふさわしいと思える馴染み深いフィールドです。鹿児島市の南、谷山港の沖に位置し、全長約1,900mの南北に伸びる大規模な沖堤防。ポイントを構成するのは、足元に沈むケーソンや基礎石と、ところどころに沈む沖根。基礎石には溶岩石が多く使われているため、複雑に入り組み、キジハタやカサゴなどのロックフィッシュが多く生息しています。また、全体的に潮通しが良く、ベイトフィッシュが非常に多いため、回遊力の強い大型のオオモンハタの実績が高い釣り場でもあります。過去の大会成績を見ると、上位進出にはキッカーフィッシュがマスト。キッカーとなりうる魚はキジハタとオオモンハタ。キジハタ狙いで近距離を丁寧に探り歩くか?オオモンハタ狙いで時合いを信じて投げ続けるか?どちらも優勝パターンとなりうるだけに、各選手の選択に注目です。
  海況が荒れたため5月19日から6月2日へと延期となった今大会。当初予定よりも二週間遅れてむかえた大会当日。4:00過ぎ、梅雨に入ったばかりの鹿児島はあいにくの雨。そんななか、大会本部を置く谷山漁港には38名のロックフィッシャーマンが集まりました。日程変更、雨天にも関わらず今大会に参戦いただき、心より感謝申し上げます。早々にタックルチェック、レギュレーションミーティングを行い、続々と沖堤防へと渡ります。徐々に試合特有の緊張感が増していくなか、6:00前、いよいよ九州ツアー第1戦のスタートフィッシングのコールが響きます。その時を待ちわびた選手達がそれぞれの思いを胸に北へ南へと散っていきます。初代優勝者の称号を手にするのはいったい誰なのか?

 大会当日の潮まわりは大潮。6:39に満潮をむかえ、12:35に最干潮のタイドスケジュール。最干潮時の帰港が難しいため、競技時間を一時間短縮。11:00がストップフィッシングとなります。競技時間5時間強のなかで、いかに結果を出すか。一つのミスが命取りになる緊迫の試合展開となります。開始早々からポツリポツリとロッドが曲がります。小気味良いバイトをくれるのは九州では“アラカブ”と呼ばれるカサゴ達。九州ツアーならではの光景です。釣れてくるサイズは15~18cmと、なかなかキーパーサイズの20cmに達しません。キジハタやオオモンハタはキッカーであり、リミットメイクにはカサゴの存在は欠かせません。どうしたら20cmをクリアするカサゴをキャッチできるのか?魚と向き合うなかで、そんな戦略が必要になるのもトーナメントならではと言えます。

 9:00頃、各選手の動向を確認します。北側、南側、そして外向き、内向きと満遍なく散っている選手達。どのエリアが際立って釣れているという感触は無く、小さな時合いはあるもののポツリポツリと釣れ続けている印象です。この時点でキッカーとなりそうなキジハタをキャッチしている選手が数名。しかし、その選手達はリミットメイクに苦戦している様子。まだキッカーをキャッチしていない選手のなかにも、ビッグバイトをものにできなかった選手や痛恨のラインブレイクをしてしまった選手が複数。この時点では抜きに出ている選手はなく、なかなかしびれる展開に。最後の最後まで試合の行方は全く見えません。

 10:00からウエイインを開始するも帰ってくる選手は無し。いつ、どのタイミングで、キッカーフィッシュが出るかわからない展開だけに、ギリギリまでウエイインしないのは当然といえば当然でしょう。1kgを超えるキジハタやオオモンハタが突然来るかもしれない・・・ドキドキの時間が続きます。10:30過ぎ、徐々に選手達が検量所周辺へと集まり始めます。“やり切った”という表情でウエイインする選手もいれば、“まだチャンスがあるかも”と近くでキャストを続ける選手の姿も。ツアー戦になり、少しでも年間ポイントを稼ぐということを考えれば、その一尾がもつ意味も大きくなります。オープントーナメントの頃には無かった一面をみることができました。一方、ウエイインする選手の釣果に目を向けると、予想通り1kgクラスのキジハタが数尾持ち込まれます。おもわず歓声が沸く素晴らしい魚に、谷山一文字が持つポテンシャルの高さを改めて感じられたウエイインとなりました。結果、38名中29名がウエイイン。ウエイイン率76.3%と非常に高い水準。九州ツアーの船出として素晴らしいスタートとなったのではないでしょうか。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 古賀 誠 1,920 100
2 村上 達志 1,700 98
3 宮本 昂志 1,590 96

優勝 古賀誠

 

 記念すべきトーナメントツアー九州、最初の表彰台頂点に立ったのは、福岡県久留米市からエントリーの古賀誠選手。昨年開催したオープントーナメント佐賀県呼子新波止から続く二連勝の快挙達成。キッカーフィッシュとなる45.5cm、1,650gのキジハタを含む、トータルウエイト1,920gでフィニッシュ。日々重ねる釣行のなかでの研鑽と“初代アングラーオブザイヤーを狙う”という強い気持ちが、第1戦優勝という最高の結果に繋がったのではないでしょうか。引き続き、九州ツアーをグイグイと牽引して欲しいと期待しています!

コメント:プラクティスはゴールデンウィークに二日間かけてみっちりと行った。一日では探りきらないので、初日は外向き、二日目は内向きをチェックした。そのときは初日にキジハタ40cm弱1尾、二日目にオオモンハタ40cm弱1尾と小型オオモンハタがポロポロ程度といまひとつだった。大会当日は北側外向きに照準を絞り、足元周辺の穴撃ちにゲームを決めていた。フライト後、思ったエリアに入り、開始して20~30分後にキッカーとなるキジハタをキャッチ。ルアーは、シルエットの大きいバグアンツ4”(385 ソフトシュリンプ)をチョイス。カラーは甲殻類系パターンを想定して、385ソフトシュリンプか217イソガニの2色に絞っていた。リグは、アピール重視でブレードスピンをプラスした17.5gテキサスリグ。テンションフォールやカーブフォールで、フォールでのアピールを意識。時にクラッチを切って穴の奥までルアーを入れ込むが、大型のキジハタは奥で掛けると獲れないので、できるだけ穴の手前で食わしていく戦略。キッカーをキャッチした後は、キジハタらしきバイトはなかったが、カサゴでリミットメイクした。ウエイイン後のドキドキタイムがとても長かった。2戦目も欲張らずに3尾揃える意識で頑張りたい!

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO76XXHC2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ4”(エコギア) +ブレードスピン(エコギア) + 17.5gテキサスリグ

2位 村上達志

 

 準優勝は、鹿児島県指宿市の村上達志選手。キジハタをキッカーに、オオモンハタ、カサゴのミックスバッグでリミットメイク。トータルウエイト1,700gでフィニッシュ。日頃はロックフィッシュ以外にタイラバなど様々なソルトウォーターゲームを楽しむ村上選手。まだロックフィッシュははじめて日が浅いとのことなので、ぜひこれからも九州の海でロックフィッシュゲームを楽しんでいただけたらと思います。

コメント:ノープラクティスで当日をむかえた。フライトして向ったのは、事前に釣具店の店長さんに聞いていた“北側内向き”のエリア。キジハタグラブ4”の18gフリーリグでチェックしていき、オオモンハタをキャッチした。その後、同じエリアでも外向きにシフト。スピニングタックルに持ち替えて、スプーンテールシャッドのスイミングで探っていくと、キーパーサイズのカサゴをキャッチ。あと一尾でリミットメイクといきたいところだが、その後はバイトが遠い時間が続いた。そのため、終了時刻が迫る9:30頃、エコギア熟成アクア バグアンツ3.3”(J03 青イソメ)で勝負に出た。それが功を奏し、待望のキッカーフィッシュとなるキジハタをキャッチすることに成功した!ただ、試合途中でスマートフォンを海中に落とすアクシデントがあったため少し複雑な気持ちです・・・。

タックル

ロッド: 8’3”ベイトロッド
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア バグアンツ3.3”(エコギア) + 17.5gフリーリグ

3位 宮本昴志

 

 3位にランクインしたのは、鹿児島県鹿児島市からエントリーの宮本昴志選手。キッカーとなる1kg超のキジハタ1尾とオオモンハタ1尾でのウエイイン。トータルウエイト1,590gとスコアをまとめ、表彰台に滑り込みました。エントリーポイントの選定から、ルアーのチョイス、攻め方まで、さすがは地元ロックフィッシャーマンという見事な戦いぶりでした。

コメント:ノープラクティスのぶっつけ本番で当日を向かえた。フライトして向った先は北側内向き。このエリアが最も起伏に富んだ地形をしているため、過去に何度も良い思いをしてきたエリア。イワシヘッドにセットしたバルト3.5”(115 パール/スモーク シルバーGlt.バック) を結び、ボトムから1mほど浮かせたレンジをスイミングやリフト&フォールで探ると7:00頃、キジハタと思われるバイトを得るもバラシ。その後粘ってみたもののバイトは無かった。そんななか、外向きを撃っていた選手がオオモンハタをキャッチしている光景を見て、すぐに外向きにシフト。そして待望のキジハタをキャッチに成功した。その後、立て続けにオオモンハタをキャッチ。ラスト一時間はとにかくリミットメイクを目指し、小さなバイトも獲っていく作戦に切り換えるも、キーパーサイズに届かないままストップフィッシングとなった。やはりもう一本獲りたかった。

タックル

ロッド: 9’2”スピニングロッド
ルアー&リグ: バルト3.5”(エコギア) + イワシヘッド14g-1/0(エコギア)

タックル

ロッド: 7’3”ベイトロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4”(エコギア) + 21gテキサスリグ

【総評】

 

 近年のロックフィッシュブームのあおりを受けて釣果が減少傾向との声がささやかれるなかでの開催となった今大会。たしかに日に日に増すフィッシングプレッシャーにより、以前にくらべればテクニカルなゲームになりつつある鹿児島錦江湾のロックフィッシュシーン。しかしながら、初開催だった2015年大会の釣果と、今大会の釣果を比較しても決して遜色ない好釣果がウエイインされました。1kgを超す良型のキジハタも複数キャッチされ、谷山一文字の豊かさは健在だと再認識することができました。魚達としっかり向き合えば、必ず応えてくれる・・・そんな豊かな海が変わらずそこには広がっていました。また、今大会に参戦してくださいました選手の顔ぶれを見ると、年齢層が広く、キャリアも住んでいる地域もバラバラ。なかには三重県熊野市から遠路はるばる駆けつけてくれた若手アングラーもいらっしゃいました。各選手に色々とお話を聞くなかで、ある共通点に気がつきました。それは「ロックフィッシュって面白い」という“思い”です。ロックフィッシュという魚を通じて、世代も地域も超えて分かり合える・・・そのきっかけ作りにこのパワーオーシャンカップがなれたら良いなと、心から思えた大会となりました。
 最後に、延期、雨天にも関わらず今大会に参戦いただきました選手の皆様、この度も開催にあたりご協力をいただきました緒方釣具店様をはじめ各船宿様、各ショップ様、そして大会を受け入れていただきました鹿児島の皆様に心より感謝申し上げます。
 次戦となるトーナメントツアー九州第2戦の地は再び「鹿児島県谷山一文字」。開催日は9月29日(日)。秋の錦江湾を舞台に、はたしてどんな試合が繰り広げられるのか?さらなる盛り上がりを見せるトーナメントツアー九州から目が離せません!

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1古賀 誠1,920 100
2村上 達志1,700 98
3宮本 昂志1,590 96
4原田 善広1,510 94
5瀬戸 浩司1,470 92
6平岩 秀一郎1,430 90
7湯ノ口 亮1,250 88
8山森 善貴1,000 86
9山川 司920 84
10坂本 厚870 82
11北原 千幹850 80
12村上 正樹680 78
13篠原 大輝640 76
14地頭方 隼人600 74
15若松 伸二540 72
16田中 もきぎ510 70
17関 正樹500 68
17豊倉 嵩文500 68
19小河 正宜390 64
20好士崎 宏380 62
21梅永 大志370 60
22菅原 優一340 58
23小川 隆司320 56
24金島 和彦210 54
25松本 尚久190 52
26硎屋 孝也180 50
27中尾 美奈海170 48
27山中 雄太170 48
29木村 隆人140 44
30有吉 透0 30
30石原 祥太郎0 30
30伊藤 孝晃0 30
30鷺山 善0 30
30篠原 日0 30
30南郷 裕哉0 30
30堀川 輝美0 30
30山内 博人0 30
30吉木 治0 30
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