第146回 POWER OCEAN CUP 2018 OPEN TORNAMENT 鹿児島県・谷山一文字 リザルト
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
---|---|---|---|
5月20日(日) | 第146回 パワーオーシャンカップ2018 オープントーナメント |
鹿児島県 谷山一文字 |
ロックフィッシュ |
5月20日(日)、2018年のパワーオーシャンカップ初戦となる「第146回 パワーオーシャンカップ2018 オープントーナメント 鹿児島県谷山一文字」を開催しました。今回で4年目をむかえる鹿児島県谷山一文字でのP.O.C.オープントーナメント。ターゲットとなるロックフィッシュはキジハタ、オオモンハタを中心とするハタ類、そしてカサゴやウルマカサゴといったカサゴ類です。ハタゲームのメッカとして全国から注目を浴びる鹿児島県錦江湾を舞台に、総勢57名によるバトルとなりました。 | |
「谷山一文字」は、鹿児島市の南、谷山港の沖に位置する沖堤防。全長約1,900mの南北に伸びる大規模な堤防です。ポイントを構成するのは、足元に沈むケーソンや基礎石と、ところどころに沈む小規模な沖根。なかでもキジハタの実績が高いのは基礎石周りです。地元の方の話のよると、基礎石に使われた石には溶岩石が多く含まれており、それらが複雑に入り組むことでロックフィッシュ達の格好の棲み家を作り出しているとのこと。そのため、比較的足元から近い距離を丁寧に探り歩けるか、そして時折起こる時合いを逃さず確実に釣果に結びつけられるかが攻略の鍵となります。タイドグラフを見ると、スタート直後は干潮からの上げ。10:03に満潮をむかえ、そこから下げ潮へと切り替わるスケジュール。例年にくらべて今年の谷山一文字は低調なシーズン序盤との情報もあり、バイトが遠いなかでいかに集中力を切らさず、潮の向き、強弱、水質の変化、ベイトフィッシュの動きを的確に捉えながら、マイゲームを貫く“忍耐”の展開が予想されました。 | |
向かえた大会当日。まだ夜が明けきらないなか、渡船のホームとなる谷山漁港に本部を設置。予定していた4:30にはすでに多くの選手が集まっており、少し早めに受付を開始します。朝から吹く風が桜島の噴煙を鹿児島市内へと運び、鹿児島ならではの火山灰が舞う状況のなか受付、タックルチェックを行います。それらを終えた選手から順に、決戦の舞台「谷山一文字」へと渡船開始。5:40頃には全選手が渡り終え、大会レギュレーションの確認を行います。そして、定刻どおりの6:00、今年最初のパワーオーシャンカップが遂にスタートフィッシングとなりました。 | |
|
スタート後、例年であれば堤防のあちらこちらでカサゴ達がロッドを曲げてくれるはずだったのですが・・・我々の予想に反してロッドが曲がる様子は一向にありません。思い返せば昨年もスロースタートでした。しかし、今年に限っては前情報として聞いていた「今年は低調」という言葉が頭をよぎります。また、前日に降った雨の影響で海面の浮遊物も多く、場所によっては真水が浮いているいわゆる“水潮”のような状況も。ベイトフィッシュとなるキビナゴはちらほら見られるものの、状況的にタフなのは一目瞭然。このままではかなりのロースコアになるのでは・・・と心配するなか、8:00過ぎあたりからようやくバイトが出始めます。
|
11:00、ウエイインを開始しますが誰も帰ってきません。堤防の先端に展開していた選手達も、徐々に戻りながらゲームを続けます。キッカーフィッシュとなるキジハタやオオモンハタが一発出てしまえば、順位が大きく跳ね上がる状況を各選手が意識しているため、時間がゆるす限りロッドを振り続けています。10:00過ぎの満潮を折り返したタイミングだけに、「むしろ後半戦の方がチャンス」とにらむ選手も。最後の最後まで試合の行方はわかりません。11:30に近づく頃、ようやくポツリポツリと選手達がウエイインします。ウエイインされる魚の多くはカサゴ。小型のオオモンハタの姿は見られるものの、例年にくらべキジハタの個体数があきらかに少ない印象を受けます。アフタースポーンで口を使いづらい難しいタイミングとはいえ、その変化は顕著。57名中25名がウエイイン。そのうちウエイインされたキジハタは6尾。昨年は14尾だったことと比較しても、地元の方たちが懸念しているキジハタの個体数の減少・・・その現実を突きつけられるウエイインとなりました。 |
【TOP3】
|
優勝 内村 健太郎
|
2018年の谷山一文字戦を制したのは、鹿児島県伊佐市からエントリーの内村健太郎選手。昨年同大会で3位に入賞している地元鹿児島のエキスパートロックフィッシャーマン。キジハタ、オオモンハタ、カサゴでリミットメイクし、トータルウエイト1,400gをメイク。谷山一文字をはじめ、鹿児島錦江湾のフィールドに精通しているとのことなので、次戦の桜島戦も引き続き注目したい選手です。 コメント:4月下旬に谷山一文字でゲームを行った。その時は新月前の小潮を狙う算段。谷山一文字は大潮よりも小潮の方が安定した釣果が出る。カレントが強すぎると食いが悪くなるため。そのときは50cmオーバーのオオモンハタをキャッチしていた。ただそのときに感じたのはスイミングよりもフォールの方が効果的な印象を受けていた。そして、向かえた大会当日。北端周辺の消波ブロック付近、外向きにエントリー。エコギア熟成アクア リングマックス3.8”(J03 青イソメ)、14gテキサスリグのリフト&フォールで探った。このときのリフトはエギングのように激しく行う。イメージはエビが跳ねる感じ。そうすることでカサゴのバイトを減らし、ハタに照準を絞った攻めができるため。8:00過ぎに待望のバイトがあるも、痛恨のラインブレイク。そして次の一投で一尾目のキジハタをキャッチ。経験則的に、単発でいるキジハタもいるが、群れで動くタイプのキジハタもいるため、それを狙い釣果に結びつけた。その後バイトが遠いため、カサゴ狙いに切り替え。優しめなリフト&フォールで20cmほどのカサゴを釣った。ウエイインに向けて堤防を戻るなか、内向きで濁りが無く、潮が程よくきいているポイントに気がつき、ボトム付近をスローにスイミングで探ってみるとバイト。オオモンハタをキャッチすることができた。 タックル:
|
2位 瀬戸 浩司
準優勝は、広島県三次市からエントリーの瀬戸浩司選手。キジハタ1尾、カサゴ2尾のミックスバッグでトータルウエイト1,360g。谷山一文字での釣行は二度目という瀬戸選手。前回訪れたのは2016年の同大会。その時も4位入賞と、キジハタ戦では抜群の安定感。ホームである山陰のキジハタゲームとは一味違う、鹿児島のキジハタゲームに見事アジャストし、表彰台を掴み取りました。 コメント:沖堤防南側、“く”の字に折れた付近の外向きにエントリー。前回このエリアで結果を出せていたので、今回もまずはそこからスタートした。事前情報でタフとの話を聞いていたので、よりスローな攻めをするため7gのリーダーレスダウンショットリグを選択。ルアーはエコギア熟成アクア バグアンツ3.3”(J02赤イソメ)。基礎のショルダーエッジ周辺にある穴を丁寧にスローなフォールで落とし込み、ボトムでシェイク。その後ゆっくりとリフトするという流れで探り歩いた。出だしからしばらくはキーパーサイズが釣れずに苦戦。釣れてくるのはノンキーパーのカサゴばかりだった。潮が変わり始めた10:00過ぎ、ようやく待望のキジハタをキャッチすることができた。狙いどおりスローフォール中のバイトだった。地元の山陰でキジハタを狙う場合は、スイミングゲームが最も効果的。瀬戸内ではナイトのボトムゲームが中心となり、今回の谷山一文字はデイゲームのボトムゲームというように、キジハタはフィールドによって狙い方が変わるのでとても面白いターゲットだと思う。 タックル:
|
3位 坂本 厚
|
3位に入賞したのは、福岡県遠賀郡からエントリーの坂本厚選手。キジハタ1尾、カサゴ2尾のミックスバッグでトータルウエイト1,210gをウエイイン。九州ソルトウォータールアーフィッシングシーンを牽引するエキスパートのひとりが、各選手がキジハタからのバイトが遠く苦戦するタフコンディションのなかで、ベテランらしい我慢の展開をし確実なスコアを叩き出すことで見事表彰台に昇りました。 コメント:ギリギリの試合展開だった。あらかじめエントリーするエリアは、南側の“く”の字周辺の外向きに絞っていた。瀬戸選手と同じエリア。もともとキジハタの魚影が濃いエリアなので、ここを本命に考えていた。狙ったのは水深8mほどの基礎石周辺。特に穴と呼ばれる基礎石の隙間。この時期は、魚がいても喰わないことが多く、パタパタっと喰いがたつ短い時合いが起こる。そのタイミングをきっちり釣っていくために、魚が入っていそうな穴には何度も何度もしつこくルアーを入れ直し、たとえバイトが無くてもタイミングを変えて再度入れ直すことを我慢強く徹底した。ルアーは、リングマックス パワーオーシャン3.6”(323 北陸クリアホロ)の17.5gテキサスリグ。以前は28gをメインに使っていたが、最近は17.5gを使用。スタックすることなく穴の奥に入り、それでいて程よく底質もわかるウエイト。その後、ルアーをキジハタグラブ、エコギア熟成アクア リングマックスへとローテーションし、カサゴをキャッチ。何とか釣果に繋げていくことができた。ただ、まさかこの順位に立てるとは思っていなかった。 タックル:
|
【総評】
想定を超えるタフなバトルとなった今年の鹿児島県・谷山一文字戦。前述のとおり、キジハタのウエイインが例年よりも少なかったことがロースコア戦となった最大の要因でした。この状況がはたして今年に限った傾向なのか、はたまたフィッシングプレッシャーによるスレ、個体数減少によるものなのか、メインベイトとなるエビの減少によるものなのか・・・様々な要因が考えられますが、いずれにしろ以前よりも難しさを増していることは事実として受け止めなくてはいけません。キジハタは比較的ストラクチャーに依存するタイプのハタ。そんなキジハタと今後も向き合っていける環境を維持するためには「キャッチ&リリース」を行っていく必要性を強く感じるこの頃。近年のハタブームが資源の減少に拍車をかけてしまう現状を、アングラー一人ひとりが真摯に受け止め、資源を保護しながらこれから先も釣りを続けられるように、「SAVE THE FISH」を意識してキャッチ&リリースや魚の扱いに気をつけるなど努力をし続ける。その重要性を改めて肌で感じた大会となりました。 |
結果
順位 | 氏名 | 重量(g) | 魚種 |
---|---|---|---|
1 | 内村 健太郎 | 1,400 | キジハタ×1、オオモンハタ×1、カサゴ×1 |
2 | 瀬戸 浩司 | 1,360 | キジハタ×1、カサゴ×2 |
3 | 坂本 厚 | 1,210 | キジハタ×1、カサゴ×2 |
4 | 古賀 誠 | 1,200 | キジハタ×1、オオモンハタ×1 |
5 | 平岩 秀一郎 | 850 | ウルマカサゴ×1、カサゴ×2 |
6 | 好士崎 宏 | 790 | オオモンハタ×1、カサゴ×2 |
7 | 田中 もきぎ | 750 | ウルマカサゴ×1、カサゴ×2 |
7 | 山口 裕樹 | 750 | オオモンハタ×1、カサゴ×2 |
9 | 入部 陽介 | 710 | キジハタ×1 |
10 | 福留 司 | 700 | キジハタ×1、カサゴ×2 |
11 | 藤本 光 | 670 | カサゴ×3 |
11 | 山森 善貴 | 670 | オオモンハタ×1、カサゴ×2 |
13 | 吉木 治 | 650 | カサゴ×3 |
14 | 北原 千幹 | 590 | カサゴ×3 |
15 | 小林 郁也 | 480 | オオモンハタ×1、カサゴ×1 |
16 | 中村 亮義 | 470 | カサゴ×3 |
16 | 藤田 真司 | 470 | カサゴ×3 |
18 | 明石 応真 | 450 | カサゴ×3 |
19 | 橋口 涼三 | 360 | カサゴ×2 |
20 | 金島 和彦 | 350 | カサゴ×2 |
21 | 池之上 太 | 320 | オオモンハタ×1 |
22 | 宮田 奈央子 | 200 | カサゴ×1 |
23 | 中村 優 | 190 | カサゴ×1 |
24 | 有馬 伸一郎 | 140 | カサゴ×1 |
25 | 千葉 正博 | 130 | カサゴ×1 |
26 | 有吉 透 | 0 | |
26 | 安楽 航希 | 0 | |
26 | 安楽 成人 | 0 | |
26 | 池内 敦己 | 0 | |
26 | 石原 祥太郎 | 0 | |
26 | 伊藤 孝晃 | 0 | |
26 | 内平 哲美 | 0 | |
26 | 恵畑 絢耶 | 0 | |
26 | 緒方 聡 | 0 | |
26 | 片平 翔太 | 0 | |
26 | 基島 裕之介 | 0 | |
26 | 木村 隆人 | 0 | |
26 | 小屋敷 亮介 | 0 | |
26 | 坂井 悠亮 | 0 | |
26 | 佐藤 弘行 | 0 | |
26 | 四郎園 遥希 | 0 | |
26 | 須田 一臣 | 0 | |
26 | 高崎 宗広 | 0 | |
26 | 高山 愛里菜 | 0 | |
26 | 谷 一輝 | 0 | |
26 | 土居 裕 | 0 | |
26 | 浜田 秀一 | 0 | |
26 | 原田 善広 | 0 | |
26 | 平井 智樹 | 0 | |
26 | 本田 悠人 | 0 | |
26 | 牧内 誠吾 | 0 | |
26 | 松本 憲治 | 0 | |
26 | 松本 卓 | 0 | |
26 | 光益 宏紀 | 0 | |
26 | 山下 薫大 | 0 | |
26 | 山之内 尚史 | 0 | |
26 | 湯ノ口 亮 | 0 |
パワーオーシャンカップ公式facebookはコチラ。大会に関する詳しい情報を随時 更新中! |