第137回 POWER OCEAN CUP 2018 北海道ツアー第1戦 噴火湾 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
6月17日(日) 第137回 パワーオーシャンカップ2018 北海道ツアー第1戦 噴火湾 ロックフィッシュ

 ロックフィッシュトーナメンターの頂点へと続く道、パワーオーシャンカップトーナメントツアー。第一回函館沖堤防戦を開催した1999年から、今年で20年目のシーズンを向えます。節目となる2018シーズンの初戦は、北海道ツアー第1戦。場所は、北海道内でもロックフィッシュの宝庫として名高い「噴火湾」です。参加選手は総勢166名とパワーオーシャンカップ史上最多となる人数。百戦錬磨のトーナメンターから、大会初参加というフレッシュなロックフィッシャーマン、そしてカップルでの参戦と、その顔ぶれは様々。より多くのアングラーにゲームフィッシングの面白さを感じてもらえる大会を目指すパワーオーシャンカップとしては嬉しい限りです。多くのエントリーをいただきまして、心より感謝申し上げます。
 今回のフィールド「噴火湾」は、大きく分けて6つのトーナメントエリアから構成されます。西から「礼文漁港」「大岸漁港」「豊浦漁港」「虻田大磯漁港」「虻田漁港」「有珠湾」という並びで、礼文漁港から有珠湾の端となる有珠旧港までは約20km離れています。そのため、エリア選びが試合運びを大きく左右する展開になることは必至。また、各エリアにはそれぞれ特徴があり、釣況も異なります。「礼文漁港」「大岸漁港」は水深が浅め。ロックフィッシュ達の隠れ家となる海藻も多く生えています。大会本部を置く「豊浦漁港」はこのエリアでは最大級の漁港。他の漁港にくらべ、比較的水深のあるポイントも多く、リップラップ、フラット、船道など色々な狙いどころが点在しています。「虻田大磯漁港」はこのエリアでは新しい港。西の外海側を撃てるため、回遊タイプの大型アイナメを狙うことも可能です。「虻田漁港」は東風に強い立地。フラットなボトムに海藻や小規模なストラクチャーが点在します。「有珠湾」は複雑に入り組んだ天然の入り江。一般的には北側が新港、南側が旧港と呼ばれ、新港は外洋に突き出した溶岩に囲まれた漁港。一方、旧港は砂や泥底で形成された浅く大きな入り江。ところどころに根が点在しており、ロックフィッシュ達の格好のフィーディング場となっています。

 事前の釣況は、狙い方によってかなりの差が出ているとの情報。プラクティスで1kgクラスのアイナメを複数釣っている選手もいれば、ほぼ同じタイミングでのプラクティスで、キーパーに辿りつけていない選手もいるという状態。「優勝するためには3kg必要!獲りに行きます!」と胸を張る選手もいれば、「二週間前はイージーに釣れたのに、先週は全く釣れなかった。プランがまとまらない。」と悩む選手も。そして、連日多くのアングラーがプラクティスを行ったことでフィッシングプレッシャーが格段に上昇している様子。さらに、追い討ちをかけるように数日前から季節はずれの急激な冷え込み。タイドスケジュールは朝4:30頃に満潮、そこから潮は引き、11:00過ぎに最干潮という中潮。はたしてどのエリアで、どのタイミングで、どんな展開で、ロックフィッシュ達は口を使ってくれるのか・・・選んだゲームがうまくハマれば天国、外せば一気に地獄という展開が予想されました。

 

 大会本部を置く豊浦漁港で、朝4:30から受付を開始。すでに多くの選手が集結しており、シーズン初戦ならではの熱気を帯びています。受付をすませた選手はフライトくじを引き、順次タックルチェックを実施。5:00過ぎに試合前のミーティングでレギュレーションの確認を行いました。そして予定通り5:30、待望のフライトコールを向えます。フライトNo.1~20、21~40という順で、20名ごとにフライト。思い思いのポイントへと散っていきます。6:00には全選手のフライトが完了しました。

 フライト後しばらくして、各エリアをチェック。まず礼文漁港に向うと、15名強の選手がエントリー。ウィード攻略に手こずりながらも、バイトは多い様子。キーパーあるかないかの小型が多いものの、なかには700~800gクラスのアイナメが口を使っているようで、それらをミス無くランディングできるかが鍵となりそうな展開。大岸漁港には10名程度がエントリー。こちらはやや低調な様子。豊浦漁港には多くの選手の姿が。船陰や岸際を狙う選手、シャローを探る選手、フラットを探り歩く選手、船道で回遊を期待する選手と、思惑はバラバラ。小型に混じって時折、そこそこのキーパーが釣れている様子。虻田大磯漁港へ向うと、15~16名が確認できます。外向きを撃つことができる西堤防で好釣果が出ているとの情報。虻田漁港に移ると、意外にも選手の姿はまばら。釣果も思わしくない様子。有珠湾へと移動。まずは新港をチェックすると数名の選手がエントリー。ここまでの選手の数をざっと合計しても、まだまだ人数が足りません。残りの多くの選手が選んだエリアは有珠旧港でした。北側のリップラップエリアは銀座状態。思い起こせば2015年のマスターズクラシックで、駒谷賢選手がぶっちぎりの展開で優勝したエリアがこのポイント。人気ポイントになるのもうなずけます。対岸の旧港南側にもかなりの選手がエントリー。なかにはクラシック常連の顔ぶれがズラリとならぶ光景も。このエリアでは、朝の潮位が高い時間帯に釣果を伸ばした選手がいるとのこと。この後、潮が下がっていくなかで、どう攻めるか?移動すべきか?難しい判断が求められそうな展開です。

 

 12:00よりウエイインを開始。数名の選手が帰ってきます。しかし、その後が続きません。おそらくギリギリまで逆転のキッカーフィッシュを狙い、ロッドを振り続けていると考えられます。これはもしかして想定以上に釣れているのでは?と期待感が膨らみます。12:30を過ぎると検量所の前に続々と帰ってくる選手達。気がつけば長蛇の列。参加166名中、ウエイインした選手は112名。ウエイイン率67.5%と、初戦から驚異的なスコアでの開幕となりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 山口 隆 3630 100
2 萩原 智 3520 98
3 井戸川 真吾 3260 96

優勝 山口隆

 

 2018北海道ツアー第1戦を制したのは、登別市からエントリーの山口隆選手。2013北海道ツアーA.O.Y.の実力者が、一年のブランクを明けての参戦でいきなりの優勝。45cm、1,430gという素晴らしいコンディションの極太アイナメを軸に、アイナメ3尾、トータルウエイト3,630gというハイスコアをメイク。徹底したプラクティスを重ね、まさに“本気で獲りにきた”見事な勝利でした。

コメント:次戦は都合で出場できないため、今大会に懸けていた。4月から毎週、プラクティスをこつこつと重ね、徹底的に地形を把握。2週間前位から魚が出始め、ある程度良い感触は掴めていた。本来入りたかったのは、潮通しの良い有珠旧港の入り口、南面だったが、フライトNo.133と遅めでフライトし、とりあえず向うも、着いた時には既に多くの選手が遠投ゲームを展開していた。撃つ場所が空いておらず、攻め手に悩んでいると、先行していた選手が良い魚をキャッチ。一時間ほどこの状況のなかにいたが、この展開では自分には利が無いと判断し、ゲームプランを変更。旧港の奥へと移動しながら、足元の岸際を丁寧に探り歩いた。とにかく足で稼ぐ戦略。プラクティスの段階で、際のスイミングパターンで追いかけてくる良型の魚を複数確認できていたので、これをヒントにゲームを組み立てなおした。通常のスイミングでは追いきれないと考え、2.8"インレットミノー(IL08 ハイビジブルシャイナー)の3.5gジグヘッドリグを中層スイミング(いわゆるミドスト)で攻めた。貝が付いているレンジの下と、ボトムから5cmほど浮かしたレンジの2層を狙った。今日はボトム寄りのレンジの反応が良かった。開始二時間後でアイナメ2本、ソイ1尾キャッチ。11:00過ぎに有珠新港に移動し、入れ替えできるアイナメを1本キャッチしてスコアアップに成功した。居着きのアイナメの位置をプラクティスでしっかりと把握し、多くの選手が遠投ゲームに徹するなか、誰も攻めていない岸際を狙ったことが勝因。

タックル

ロッド: 6’07”スピニングロッド
ルアー&リグ: 2.8”インレットミノー(ノリーズ) + 3.5gジグヘッドリグ

2位 萩原智

 準優勝の座を掴み取ったのは、伊達市からエントリーの萩原智選手。47cm、1,340gのキッカーアイナメを含む、アイナメ3尾、トータルウエイト3,520gをメイク。各選手がスコアを伸ばすことに苦しむなか、他の追従を許さない3.5kg超というハイスコアを叩き出し、マスターズクラシックへの扉を見事開きました。

コメント:プラクティスには2回入っていたが、その時はあまり釣れず、そのまま大会当日を向かえた。フライト順が早ければ、プラクティスでとりあえず魚を見ていた有珠旧港に入ろうと思っていた。フライトNo.は76番とそれほど悪くなかったため、有珠旧港へと向った。旧港の最奥にある船溜まりにエントリー。プラクティスの段階では遠投で沖を狙うとサイズが小さく、比較的足元の方が魚のサイズが良かったため、手前に照準を絞っていた。パドチュー(442 カバードーン)の7gビフテキリグで、岸際、ボートの隙間、ちょい沖にあるショルダーを丁寧に釣り歩いた。ズル引き、小さめのリフト&フォール等、リトリーブにも変化をつけながら探り、30分ほどでパタパタと4本、キャッチすることに成功。開始して一時間程度でスコアが出来上がった。その後、粘り続けたがスコアはそれ以上伸びなかった。今の時期、水深の浅い港で良い釣果を出せていたので、それを意識して終始ゲームをやり通せたことが入賞の要因と考える。マスターズクラシックの場で、自分に釣りを教えてくれた玉川選手に負けないように頑張りたい。

タックル

ロッド: 7’04”スピニングロッド
ルアー&リグ: 2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 7gビフテキリグ

3位 井戸川真吾

 

 3位にランクインしたのは、札幌市からエントリーの井戸川真吾選手。ライバルであり、友である同世代のロックフィッシャーマン達と日々切磋琢磨し、技術を磨きあうストイックアングラーが見事、表彰台へと上りました。アイナメ3尾、トータルウエイト3,260でフィニッシュ。悲願のマスターズクラシック出場権を獲得しました。

コメント:プラクティスは、三週間前に一度、前週に一度の計2回行った。三週間前は有珠エリアを重点的に探るも、ノーフィッシュ。前週はプランを変えて、回遊狙いの個体を探した。有珠旧港入り口のリップラップに入るも不発。他のエリアで回遊狙いができそうな場所を探し、虻田大磯漁港の外向きに目をつけた。遠投で探ると一時間もしないうちにグッドサイズの魚をキャッチしたので、これ以上触らないようにし、大会当日に望んだ。朝、フライトが50番以内だったら好きな場所へ行こうと考え、フライトくじを引くと49番。有珠へ向かうか、大磯へ向うか悩んだが、大磯を通る際に他の選手が入っていなかったので大磯に入ることを決断。外向きを遠投で探る。足元からケーソン→海藻→砂地という順で、プラクティスで魚が付いていたのはケーソンと海藻の間。その時は21gで探っていたが、今日は追い風だったので28gにシンカーウエイトを上げ、さらにその沖に何かないかと探ってみた。すると沖の根が射程に入った。ズル引きで探るも無反応。そこで、根の上にルアーを置き、ピョンと跳ねるようなアクションで攻めるパターンが見事にはまった。4キャスト、3フィッシュというラッシュ。今日はこの3フィッシュでウエイインを向かえた。ルアーはリングマックスパワーオーシャン3”(414 魅惑パープルカモ、435 ボトムクローラー、464 ハイプレッシャーマジックの3色をローテーション)。いつもテーマにしている「ライバルよりもさらに1本、良い魚を釣ること」を目指して試合に臨みたい。

タックル

ロッド: 9’00”スピニングロッド
ルアー&リグ: リングマックスパワーオーシャン3”(エコギア) + 28gテキサスリグ

 

【総評】

 

  プラクティスから積み重ねられたフィッシングプレッシャーを計算し、それを味方につけられるかどうかが勝敗の鍵となった今大会。プラクティスのなかで、「魚影が薄い」ではなく、「なかなか口を使わない」「口を使うゲームの幅が狭い」という考え方にスイッチした選手がスコアを伸ばしていったように感じます。また、プレッシャーがかかった魚に対して、従来通りのロックフィッシュゲームのスタイルを押し通しても、なかなか釣果に結びつかなかったことが結果から見て取れます。上位3名はもちろん、4位の板橋選手が展開したデッドスローリトリーブ、5位の渡邉選手のピンポイントシェイクでのフォローと、いつもよりもさらに一工夫加えることで、新しいスタイルの可能性が広がることを改めて感じました。時に攻めの釣り、時に喰わせの釣り・・・それぞれのスタイルをさらに掘り下げることで、ロックフィッシュゲームの奥行きがさらに広がり、ゲームフィッシングの面白さが増すはずです。一人のアングラーとして、「もっとその先があるんじゃないの?もっと面白いゲームが広がってるんじゃないの?」という気持ちで、新しいことにチャレンジし、工夫をしていきたいと思うことが出来た一日でした。
 最後に、今大会に参戦いただきました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、今大会を受け入れて頂きました漁業協同組合様、地元の皆様に心より感謝申し上げます。  これから夏に向け、ゲームが刻々と移り変わって行く北海道のロックフィッシュシーン。フィールドやコンディションに応じて、今までは試してこなかった新しいゲームスタイルを積極的に投入してみるには面白い季節となります。従来のロックフィッシュゲームの概念を覆すような、全く新しいスタイルに出会えるかもしれません。魚になった気持ちで色々なことをイメージし、固定概念に縛られないワクワクするようなゲーム・・・もしかしたら次戦の優勝パターンになるかもしれませんよ!

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1山口 隆3630100
2萩原 智352098
3井戸川 真吾326096
4板橋 信明275094
5渡邉 誠人268092
6渡辺 正悟265090
7小林 幸生244088
8藤田 真司239086
9阿部 書和238084
9谷藤 圭太238084
11木下 喜智236080
12橋本 憲之235078
13小田島 良太232076
14蛯子 木世寿227074
15丸山 大一225072
16松井 智博222070
17内田 千晴220068
17下山 誠220068
19若井 章弘209064
20石川 陽太郎202062
21三上 顕太194060
22井内 渉191058
23上田 仁之190056
24寺沢 勇輝187054
25岩井 涼翔186052
26柴田 泰久178050
26西川 雄哉178050
28白針 清志175046
29五福 公人173044
30佐藤 大輔166042
31佐藤 拓実164040
32大谷 重晴161038
32甲斐 隆之介161038
34南部 哲宏160034
34村上 守160034
36宮下 康司156030
37白木 義人155030
38小山内 薫151030
38佐藤 伸151030
40高 和矢148030
41小林 章143030
42柏木 雅一141030
43三宮 順一135030
44川添 誠次134030
45吉野 崇憲132030
46大平 健人131030
47吉田 宣宏128030
48工藤 真一124030
48柴森 浩一124030
48高橋 晃124030
51今本 則子118030
52且見 寿樹113030
53佐々木 和也112030
54栗田 圭人111030
55甲森 憲太108030
56上森 悠平107030
57環 優司106030
58加藤 純平104030
58菅原 優一104030
58西村 尚浩104030
61神田 洋樹102030
62上田 正義100030
63玉川 正人99030
63村田 翔太99030
63吉岡 聡99030
66口岩 毅人95030
67菅原 千穂90030
68栗栖 梨香89030
69柴田 智也87030
70能登 勇太83030
71西川 貴法80030
72中野 貴行75030
72成田 隆弘75030
74熊谷 一寛73030
75高橋 和宏69030
76近間 康平68030
77柿島 心平64030
77寳福 一也64030
79浦川 正則59030
80江澤 浩一55030
81石澤 卓52030
81佐藤 周治52030
83三浦 友太50030
83山田 一稀50030
85眞村 将彦49030
86遠藤 辰也46030
86久保田 守46030
86渡部 圭弥46030
89河野 辰也44030
90坂本 泰樹40030
90佐藤 智哉40030
90嶋田 圭太40030
93中瀬 翼39030
94山本 重明38030
94山本 英仁38030
96中瀬 龍一34030
97門別 芳太朗33030
98柿本 博喜26030
98小島 希望26030
100中川原 真也25030
101大塚 信春24030
102小原 大地21030
103伊藤 葵20030
103堀井 樹20030
105斉藤 優駿19030
105佐久間 渉19030
107村中 大騎18030
107山口 瑞穂18030
109仲村 浩太郎17030
110内海 優16030
111倉内 唯馬14030
112青川 尚宏030
112阿部 太一030
112岩見 友弘030
112及川 智之030
112大津 新人030
112大森 秀樹030
112岡崎 晋030
112小田島 辰也030
112小野 修治030
112加我 強至030
112唐津 一樹030
112菊地 良太030
112木村 和也030
112久保田 満也030
112栗本 和敬030
112後藤 龍樹030
112駒谷 賢030
112今野 哲030
112佐々木 留美子030
112菅原 崇文030
112菅原 雄平030
112仙葉 誠030
112高橋 智之030
112高橋 良彰030
112田川 孝男030
112田中 祐一030
112塚本 浩030
112対馬 勝也030
112寺岡 龍生030
112中島 宏之030
112成田 広之030
112西川 剛志030
112橋本 祐樹030
112羽根田 貢030
112半田 義博030
112平野 良樹030
112藤枝 遼030
112星 正人030
112松岡 諭030
112松田 潤平030
112松田 美臣030
112三浦 和典030
112水野 正実030
112宮崎 大佑030
112村島 悠紀030
112山田 誠也030
112山田 智則030
112山田 実030
112吉田 拓磨030
112吉田 洋介030
112吉村 玲030
112吉村 渉030
112渡辺 航成030
112渡辺 辰則030
113佐々木 博-2030
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