第135回 POWER OCEAN CUP 2017 フラットオープン リザルト
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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7月23日(日) | 第135回 POWER OCEAN CUP 2017 フラットオープン | 宮城県・県南サーフ | フラットフィッシュ |
ここ数年、ブームが再燃している宮城県のフラットフィッシュシーン。特に県南エリアのサーフでは、マゴチやヒラメを中心に毎年好調が続いており、海岸線は連日多くのアングラーで賑わっています。過去、パワーオーシャンカップでは同じ宮城県内の奥松島エリアや田代島、網地島でフラットフィッシュ戦を行いましたが、2015年に立ち上げた頂上決戦SUPER ROCK FISHの開設により、「フラットフィッシュのみを対象とした別のトーナメントを行えないか?」と企画検討してきました。そして2017年7月23日(日)、フラットオープンという新たな形で、約2年ぶりのフラットフィッシュ戦を開催する運びとなりました。記念すべきフラットオープン初戦に、地元宮城県をはじめ、福島県、山形県、岩手県、遠方では茨城県、秋田県、そして東京都から総勢55名のエントリーをいただきまして、心より感謝申し上げます。 | |
今回のトーナメントエリアは、北は閖上港名取川河口右岸、南は磯浜海水浴場。総延長約30kmのなかにサーフが点在します。阿武隈川、名取川の河口が絡むため、ベイトフィッシュが豊富で、非常に多くのフラットフィッシュが生息している水域です。なかでも特にマゴチの魚影が濃く、全国的に見てもトップクラスといえるでしょう。大会本部はトーナメントエリアのほぼ中央に位置する亘理町「鳥の海」。阿武隈川河口の南にある潟「鳥の海」のほとりを起点にして、ラン&ガンスタイルによる大会となります。 | |
大会当日朝、どんよりとした空の下、定刻の5:00より受付を開始。選手が本部に集まります。空を見上げると時折パラパラと雨が落ちてきます。天気予報によると午前中は曇り時々雨、午後になると本降りになる可能性が高いとの予報。できることならパラパラ程度の雨で済むことを祈るばかり。受付後、タックルチェック、レギュレーションミーティングを行い、5:30よりフライトスタート!5:40には全員が各ポイントへと向かっていきました。北のサーフへ向かっていった選手・・・阿武隈川河口にエントリーする選手・・・南のサーフへと走る選手・・・はたして誰が勝利を手にするのか?この時点ではまったく予想がつきません。 スタート後に各エリアを確認すると、意外にもポイントによる集中もさほど無く、まんべんなく展開しています。北端エリアとなる閖上港名取川河口周辺には、選手の姿はありません。そこから少し南下し、仙台空港周辺から二野倉地区には複数の選手が展開しています。前評判の高かった阿武隈川河口域は、朝の時点では想定していたより空いている状態。鳥の海より南側のサーフにも複数の選手が展開しています。 |
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大会当日の潮周りは大潮。タイドスケジュールは閖上で10:37に最干潮を向かえます。そのため、大会スタート時は下げ潮、途中から上げ潮に変わるものの、競技時間内は比較的潮が低い状態となります。それは、言い換えれば比較的長い時間、ゲームを展開できるサーフの面積が広いということ。一方、河口域は最干潮を向かえるまで潮と流れが順方向に重なる状態。上げ潮に変わるタイミングで爆発する予感。サーフか?河口か?移動すべきか?粘るべきか?フラットフィッシュは他のゲームフィッシュとくらべて“時合い”によるメリハリがはっきりしているため、9:00になる頃から試合運びに悩む選手達。朝の時合いで期待したサーフが思いのほか機能しなかった選手達の移動が始まります。他のサーフに入りなおし逆転を狙う選手、阿武隈川河口に入りゲームをガラッと切り替える選手・・・勝利への選択を模索します。 |
11:00からウエイインを開始。11:20を過ぎたあたりから少しずつ検量に帰ってきます。11:40頃になると検量前にはウエイインを待つ選手の列ができ、好調に釣れたことが伺えます。結果55名中37名がウエイインし、ウエイイン率67.2%と高い水準となりました。アフタースポーンからすっかり回復し、積極的にベイトを食べているマゴチを中心に、60cm超・1.5kg近い良型マゴチや、1kgを超すヒラメが持ち込まれ、宮城の海の豊かさを証明する結果に。その一方で、季節的に高水温期だったため魚のケアに苦労したと選手達。大会としての課題も見えたウエイインとなりました。 |
【TOP3】
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優勝 中村勝
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記念すべきP.O.C.フラットオープン初代王座を勝ち取ったのは、東北の大ベテラン・中村勝選手。49cm、1,240gのヒラメを含む、マゴチ2尾、ヒラメ1尾のミックスバッグでリミットメイクし、トータルウエイト2,950gでフィニッシュ。7:00前に早々にリミットメイク、さらには入れ替えも行うという、ベテランらしい磐石の試合運びで見事頂点に立ちました。 コメント:前週にプラクティスを行った際、サイズが良かった二野倉のサーフに入ると決めてフライトした。前週のプラクティスの時には一般アングラーが多く入っていたので、今回も集中するのではと推測。サーフのなかでも南寄りは比較的空いていると考え、当日はそこを目指しエントリーした。すると意外にも先行者は4~5名しかおらず、「もしかしたらこれは外してしまったか?」と心配になりつつも、釣りを開始。するとイシモチがポツポツと釣れた。その後、30分ほど時合いが来て、すぐにリミットメイクすることに成功。38gダウンショットリグの遠投で。リーダーは20cmほどと短めのセッティング。ルアーはグラスミノーL(344 北陸クリアレッドホロ)。それ以外の色にローテーションしてもフグやイシモチのバイトになってしまったので、344 北陸クリアレッドホロを通した。朝のラッシュでマゴチ4尾、ヒラメ3尾をキャッチ、入れ替えにも成功した。その後はとにかくデッドフィッシュにしないように、魚のケアにつとめ、まめに水換えを行った。その甲斐もあり、すべてライブフィッシュでウエイインできた。これが今回の勝因となった。 タックル:
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2位 橋本久弥
準優勝は、同じく東北ツアーではおなじみのベテランアングラー、橋本久弥選手。58cm、1,210gの良型マゴチを含む、マゴチ3尾でトータルウエイト2,920gフィニッシュ。入れ替え時に魚を間違えて1kgクラスを1尾リリースしてしまったとのことで、その1尾があれば3kg台で優勝だったのではと・・・惜しい準優勝となりました。 コメント:前日にプラクティスを行った。その時は二野倉が好調で、朝一に二野倉に入ればリミットメイクはかたいと考えたが、アベレージサイズは鳥の海のすぐ南側のあるサーフの方が上回っていた。時折カタクチイワシが打ち上げられていたので、ベイトフィッシュの気配も感じられた。優勝を狙っていたので、数よりもサイズを優先し、当日朝は鳥の海の南側にあるサーフへと向かった。到着すると既に複数のアングラーが約20m間隔で釣りをしており、そのなかで一ヶ所だけ40mほど空いていたのでそこに入った。グラスミノーL(115 パール/スモーク シルバーGlt.バック)の38gダウンショットリグをフルキャストし、沖目を探った。潮が南から北へ流れており、着底後はあまりリーリングせずに、潮に流しながらドリフト、その後ズル引きするというメソッド。これで朝から順調に釣れ続き、早々にリミットメイク。ルアーをロックマックス5”(010 パールグロウ ※赤っぽく染めた)にチェンジし、入れ替えを行っていった。9:30頃まではポツポツと釣りながら入れ替えを繰り返し、着実にスコアを伸ばしていった。釣ったキーパーは10尾。キッカーとなった58cmのマゴチは2尾目にキャッチした魚だった。 タックル:
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3位 蜂谷雅人
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3位には宮城県石巻市からエントリーの蜂谷雅人選手がランクイン。上位3名を宮城県勢が占めた結果に。今大会最大魚となる60.5cm、1,460gのマゴチを含む、マゴチ2尾、ヒラメ1尾でリミットメイク。トータルウエイト3,200gというビッグウエイトとするも、1デッドのため2,900gでフィニッシュ。キッカーとなったマゴチは圧巻のサイズでした。 コメント:今回はノープラクティスで当日臨んだ。朝、阿武隈川河口が良いらしいとの情報をもとに、阿武隈川右岸河口に入った。エコギア アクア 活カサゴミルフル3”(A04 フレッシュレッド ブラックFlk.)の38gダウンショットリグを遠投。朝一はバイトが無かったため、空いている立ち位置を少しずつ移動しながらバイトを探した。しばらく遠投をしたがバイトが得られなかったため、ジグヘッドリグにチェンジ。ルアーは、エコギア アクア 活カサゴミルフル3”(A07 ナチュラルパールグロウ) + イワシヘッド14g。手前を丁寧にスイミングで探った。これでリミットメイク。10:30頃、3尾目にキャッチした魚が今回のキッカーフィッシュだった。バイトは意外に小さく、押さえ込むような感じだった。その後、38gダウンショットリグにふたたび持ち替えて、それによりヒラメをキャッチ。入れ替えに成功した。 タックル:
タックル:
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【総評】
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オーシャンカップとしては2年ぶりとなるフラットフィッシュ戦。それをオープン戦として初めて開催した今回の大会。トーナメントエリアを宮城県県南とし、季節も7月下旬の開催・・・どれをとっても今までに経験の無い大会となり、いったいどんな大会になるのか?と我々としましても手探りのなかの開催となりました。メインターゲットとなるマゴチがアフタースポーンからしっかりと回復しており、想定していたよりもよく釣れた結果となりました。しかしながら、高水温期、サーフ戦という条件のなか、魚のケアが非常にシビアだったことが浮き彫りとなりました。優勝した中村選手、準優勝の橋本選手ともに、今回の勝因はとの問いに「デッドフィッシュを出さないこと」ときっぱり。キープした魚をいかにデッドフィッシュにしないか・・・魚を釣るためのテクニック以外にも求められる技術があることを、両選手が身をもって示してくれた大会だったのではないでしょうか。これから先もフラットフィッシュと楽しく向き合える海であり続けるために、「SAVE THE FISH」をモットーに、大会企画運営の在り方も含めて日々模索を続けていこうと心に刻んだ大会となりました。 |
結果
1 | 中村 勝 | 2950 | マゴチ×2、ヒラメ×1 |
2 | 橋本 久弥 | 2920 | マゴチ×3 |
3 | 蜂谷 雅人 | 2900 | マゴチ×2、ヒラメ×1 |
4 | 野口 理人 | 2790 | マゴチ×3 |
5 | 小野寺 和美 | 2680 | マゴチ×3 |
6 | 豆 洋人 | 2600 | マゴチ×3 |
7 | 武山 重之 | 2520 | マゴチ×2、ヒラメ×1 |
8 | 阿部 寿彦 | 2250 | マゴチ×3 |
9 | 真木 亮裕 | 2200 | マゴチ×3 |
10 | 武山 潤 | 2110 | マゴチ×2、ヒラメ×1 |
11 | 今野 勝和 | 2080 | マゴチ×2、ヒラメ×1 |
12 | 渡辺 勇馬 | 2010 | マゴチ×3 |
13 | 棚村 憩太郎 | 1690 | マゴチ×2 |
14 | 守屋 友裕 | 1670 | マゴチ×3 |
15 | 鹿野 栄健 | 1590 | マゴチ×3 |
16 | 藤山 大祐 | 1490 | マゴチ×3 |
17 | 成田 昌克 | 1420 | マゴチ×2 |
18 | 佐藤 竜一 | 1240 | マゴチ×3 |
19 | 菅野 亜衣 | 1220 | マゴチ×3 |
20 | 大泉 純輝 | 1210 | マゴチ×3 |
21 | 佐々木 俊 | 1140 | マゴチ×3 |
22 | 遠藤 辰太朗 | 1130 | マゴチ×3 |
23 | 坂本 広宣 | 1010 | マゴチ×1 |
24 | 小松 文哉 | 980 | マゴチ×3 |
25 | 橋本 純一 | 930 | マゴチ×2 |
26 | 中島 孝介 | 870 | マゴチ×2 |
27 | 森本 正善 | 810 | マゴチ×3 |
28 | 川島 浩平 | 630 | マゴチ×1 |
29 | 安達 裕輔 | 600 | マゴチ×1 |
30 | 荒砥 正昭 | 580 | ヒラメ×1 |
31 | 菅野 勝一 | 560 | マゴチ×3 |
32 | 三浦 松一 | 520 | マゴチ×3 |
33 | 川村 倫弘 | 410 | マゴチ×1、ヒラメ×1 |
34 | 菅野 潤一 | 350 | マゴチ×1 |
35 | 小野寺 克弥 | 340 | マゴチ×2 |
36 | 村山 栄宏 | 330 | マゴチ×2 |
37 | 山内 一宏 | 230 | マゴチ×1 |
38 | 阿部 嵩也 | 0 | |
38 | 阿部 洋子 | 0 | |
38 | 安保 智也 | 0 | |
38 | 栄浪 克康 | 0 | |
38 | 蛯原 隆也 | 0 | |
38 | 遠藤 敬年 | 0 | |
38 | 金森 淳 | 0 | |
38 | 菊地 隆 | 0 | |
38 | 佐々木 充行 | 0 | |
38 | 佐藤 雄一 | 0 | |
38 | 志賀 康英 | 0 | |
38 | 鈴木 英明 | 0 | |
38 | 曽根 悠平 | 0 | |
38 | 武山 雄太 | 0 | |
38 | 棚村 正 | 0 | |
38 | 中野 宏行 | 0 | |
38 | 山崎 辰也 | 0 | |
38 | 山舘 嘉昭 | 0 |
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