第130回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2017北海道 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
10月22日(日) POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2017北海道 室蘭沖堤防 アイナメ・ソイ

 

 

 パワーオーシャンカップ2017北海道ツアーの決勝となる「POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2017 北海道」を、10月22日(日)に開催しました。今回の舞台は、ロックフィッシュの聖地「室蘭」。当初、沖堤防での開催を予定していましたが、台風21号の影響により、室蘭港内指定エリアでのラン&ガン戦に変更。選手にとっては幾度となく戦ってきた勝手知ったるフィールドだけに、競技エリアが港内に切り替わってもハイウエイトな展開が予想されます。ましてや、戦う選手は決勝の舞台に勝ち進んだ猛者ばかり。否が応でも激戦となることは必至です。
 今大会にクオリファイされた選手は総勢21名。メンバーは、前年度マスターズクラシック優勝・小山内薫選手、前年度アングラーオブザイヤー・柏木雅一選手、そして2017ツアー戦3戦の上位各3名、2017年間ポイント累計上位10名(小山内選手、柏木選手、2017ツアー戦上位各3名を除く)という顔ぶれ。決勝にふさわしい錚々たるメンバーです。今年度アングラーオブザイヤーを獲得した玉川正人選手と、今大会上位3名が、北海道・東北ツアーの頂上決戦「P.O.C. SUPER ROCK FISH 2017」の出場権を獲得します。北海道代表の座を懸けた注目の一戦です。
 大会前の釣況は、アイナメがスポーニングシーズンに差し掛かったタイミング。50cm前後の大型のメスは、第一陣としてすでに最初のスポーニングを終えて、シャローやその近くで体力回復を待っている、いわゆる“半プリ”の状態。この手の魚は、ルアーに対する反応が非常にシビアで、アクション、シルエット、カラーといったファクターはもちろん、フィーディングで口を使うタイミングも極めて限られます。第二陣となる30cm半ば~40cm前半のメスは、まだまだプリスポーンの状態。ちょうどこの潮周りでシャローに差してきていると予想されます。一方、中型~大型のオスはなわばりを主張しはじめる個体、すでにネストを守っている個体が入り混じっていると考えられます。今大会で上位に入るためには“半プリ”の大型のメスを軸としたリミットメイクが必須条件となります。
 関東地方を北上する台風21号の動向が気になるなかで向かえた大会当日。定刻の5:00には大会本部となる「室蘭市立室蘭水族館」前駐車場に全選手が集合。天候は曇り。懸念していた風は、朝の段階ではさほど吹いておらず、釣りには全く問題ない程度。おそらく時間の経過とともに北西風が吹き始めると予想されます。ウネリに関しては、沖から若干入ってはいるものの、競技エリアとなる港奥にはあまり影響がでないレベル。潮は9:40頃に最干潮をむかえる大潮直後の中潮。競技時間は6:00から13:00となるため、フライト後はしばらく下げ潮で、途中から上げ潮に切り替わるタイドスケジュールです。風、タイド、そして他の選手の動き・・・フライト前の選手を悩ませます。受付、タックルチェック、ミーティングを行い、フライト順の抽選。引き当てたフライト順に従って1名ずつのフライトとなります。予定通り6:00には全21名の選手がフライトしていきました。はたしてどんな展開が待っているのか?

 8:00過ぎ、各エリアをチェックして回ると、思いのほか各エリアに散らばっている選手達。この時点で意外だったのが、室蘭港屈指の実績ポイントである通称“赤防”と呼ばれる祝津南防波堤付近に選手の姿が見当たりません。どうも朝一に複数の選手が入ったがバイトが全く無く、皆移動したとの情報。ただ、この時点でブラインドになっていたのが玉川選手。祝津エリア西側の岸壁で一人淡々とゲームを続けていたと、もう少し時間が経ってから気付くことに。その頃、西1号埠頭エリアには石川選手、佐藤選手、白木選手、谷藤選手、寳福選手の姿。うち、白木選手、谷藤選手、寳福選手は1尾のキーパーをキャッチしていました。西2号埠頭エリアには小田島選手、今野選手、高選手がエントリー。今野選手は2尾、高選手が1尾キャッチ。中央埠頭エリアには大森選手、小山内選手、柏木選手、三宮選手、吉田選手と多くの選手がエントリー。しばらくすると五福選手も移動してきました。ここでは複数の選手が1~2尾キャッチしていました。対岸を見渡すと、先ほど西1号埠頭にいたはずの佐藤選手がいます。各選手がかなり激しく移動を繰り返しているようです。フェリー埠頭エリアには工藤選手。朝一に追直漁港で2尾キャッチしており、リミットメイク、さらには入れ替えを目指して室蘭港内に戻ってきたとのこと。入れ替わるように我々は追直漁港へ移動。追直漁港には菅原選手、大導寺選手、中島選手、山本選手。この時点で9:00過ぎ。菅原選手がリミットメイクしており、入れ替えを繰り返していました。
 全体的に見渡すと、朝一に入ったエリアが想定していたよりも不調だった選手は、とにかくラン&ガンする方向に。この時点で白針選手の姿を見つけられなかったのも、彼が移動を繰り返していてすれ違ってしまったため。そして、早い時間帯に1尾ないし2尾キャッチしている選手の多くは、潮が変わるタイミングに懸けて、ポイントを大胆には動かず、粘りの展開へ。試合の折り返し地点となる最干潮を向かえる頃までに、試合を決めてしまうようなキッカーを揃えられている選手はおらず、まだまだ勝負の行方は全くわかりません。

 10:00を過ぎたあたりから北西風が強くなりはじめます。潮が上げ潮に変わり、膠着気味の試合に動きが出るかと、選手も我々も期待します。しかし期待とは裏腹に、目立った動きが感じられません。試合が再び大きく動き始めたのは、タイムリミットがせまる12:00近く。同じようなタイミングで、数名の選手が1kgクラスのアイナメをキャッチした様子。土壇場で試合が動いたことで、ウエイインしていみないと誰が頂点に立っているのか・・・ますますわからなくなりました。そしてストップフィッシングとなる13:00。全21選手が検量ポイントに集合。P.O.C.を共に戦ってきた多くの戦友がギャラリーとして見守るなか、遂にウエイインとなります。選手が検量バッグから出す1尾、1尾に注目が集まり、トータルウエイトの発表に思わず歓声がわきます。全選手、そしてギャラリーが見守るなかで行われるウエイイン。マスターズクラシック独特の緊張感が溢れるウエイインとなりました。

 

 

 

【TOP3】

順位 氏名 重量(g)
1 寳福 一也 3910
2 玉川 正人 3740
3 菅原 優一 3660

優勝 寳福 一也

 マスターズクラシック2017北海道の頂点に立ったのは、第1戦・岩内戦を優勝し、ツアー戦を勝ちあがってきた寳福一也選手。アイナメ3尾でトータル3,910gという圧巻のハイウエイトでフィニッシュ。日頃から徹底してフィールドに足を運び、自身のテクニックを磨くことはもとより、季節進行のなかでの魚の動きをしっかりと把握し、緻密に練られた戦略を迷うことなく遂行することで勝ち取ったマスターズクラシック初出場・初優勝でした。日々の努力は裏切らないことを、結果で証明してみせた素晴らしい勝利です!

コメント:今日は釣る確信を持って大会に臨んだ。室蘭港は大型船の避難港になっているため、集合時間前に一通り、船の位置をチェックした。打てる場所、打てない場所をあらかじめ見ておきたかったため。フライトは9番目と中盤。朝一に向かったのは西1号埠頭。最も先端の北面はおそらく他の選手が入っていると思ったため、埠頭西面に入った。プラクティスの段階では700~800gのキーパーがよく釣れたので、とりあえずリミットメイクを狙って入った。しかし、今日はバイトが無い。そのまま埠頭の西側にある最も湾奥のシャローへと移動。7:00頃、ようやく待望のファーストフィッシュをキャッチした。1kgクラスのアイナメ。ルアーは3”リングマックスバス(382 ブルーキャスティーク)の14gビフテキリグ。ズル引きでトレースし、手前のブレイクあたりでバイトに持ち込んだ。その後はワンバイトのみとしばらくバイトが遠のいたが、8:30頃、2尾目をキャッチ。9:45頃、潮が止まったタイミングで移動を決意した。移動先は西2号埠頭と西3号埠頭の間にあるストレッチ。台船が止まっているため打てる範囲は狭いが、魚が着いていることが多いストレッチなので入った。しかし、しばらく打つも先行者に叩かれた後なのかバイトが無い。次に台船と繋ぐロープの際を丁寧に探った。そこでキッカーフィッシュとなる魚をキャッチ。思わずガッツポーズが出た。その後、南防波堤の付け根に移動。プラクティスでワンバイトを見つけていたので、それを探したが今日は不発。ライブウェルの水を入れ替えていると玉川選手に遭遇。玉川選手の釣果を聞き、このままではまずいと再びスコアアップを目指すことに。追直漁港に移動。小突堤先端から30gテキサスリグで遠投し探り、900g前後のプリスポーンメスを2尾キャッチしたが入れ替えできず。そのまま帰着時間を向かえた。出場を目指し頑張ってきた憧れの舞台SUPER ROCK FISHで勝ちたい!

タックル1

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO711LS(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 3”リングマックスバス(ノリーズ) + 14gビフテキリグ

タックル2

ロッド: フラットフィッシュプログラム ラフサーフ88(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 14gビフテキリグ

2位 玉川 正人

 準優勝は、第3戦・室蘭沖堤防戦の優勝の記憶が新しい、P.O.C.2017北海道ツアーA.O.Y.・玉川正人選手。アイナメ3尾、トータルウエイト3,740gをウエイイン。沖堤防戦からラン&ガン戦に切り替わるなかでも、しっかりとゲーム展開を組み立てなおし、ハイスコアをマーク。今、最も勢いに乗る玉川選手。勢いそのままにSUPER ROCK FISHの舞台でも大暴れしてくれそうな予感です。

コメント:朝一に向かったのは祝津の南防波堤。堤防のなかでも中央よりやや手前の東向きにエントリー。同ポイントでプラクティス時に40cmアップのプリスポーンのメスを何本か釣ることができていたため、それを期待して入った。しかし反応が無い。プラクティスのときの感触、事前の情報をもとに、第二陣のプリスポーンの個体が比較的手前のショルダーに付くのではないかと考え、南防波堤からやや西側の岸壁に移動。広角にロングキャストで探りつつ、ブレイクライン、ショルダーを重点的にチェックした。ルアーはエコギア熟成アクア リングマックス3.8”(J04 ホヤイエロー)の28gフリリグ。同エリアにチカがかなり入っていたので、それをフィーディングしている高活性な個体を探した。しかし、思っているよりも反応が鈍く、ショートバイトが多かったので、ボトムをスローにズル引きでチェック。砂ぼこりを立てるイメージ。これにより7:00頃、45cmほどのナイスフィッシュをキャッチすることができた。8:00頃までにキーパーを2尾キャッチし、リミットメイクに成功した。バイトが浅く、フックアップしないことが多発したので、バイトがあってもしばらく送り、確実なフッキングを心がけた。その後はバイトが遠くなり、釣れてもカジカという状態が続いた。結果、そのままフィニッシュの時間となった。トータルウエイト3kg超のウエイトを持ち込めたことにはとても満足している。

タックル1

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO710XHS(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア リングマックス3.8”(エコギア) + 28gフリリグ

 

3位 菅原 優一

 3位にランクインしたのは、2017年間ランキング11位でマスターズクラシック出場権を獲得した菅原優一選手。アイナメ3尾、トータルウエイト3,660gでウエイイン。今シーズンは第1戦・岩内戦で4位と好スタートし、年間ポイントを着実に積み上げて掴み取った悲願のマスターズクラシック出場。そして、さらなる先のSUPER ROCK FISH出場権を奪取し、夢のステージへと突き進みます。

コメント:朝一は西2号埠頭と西3号埠頭の間のストレッチに入るも、柏木選手が先行していたために移動。中央埠頭対岸に入り、42gビフテキリグで遠投して探って行くも、2バイトのみでキャッチに至らなかった。30分ほどで移動を決意。追直漁港へと向かった。追直漁港でも遠投を軸にゲームを展開。まずは3”リングマックスバス(382 ブルーキャスティーク)の42gビフテキリグをサーチベイトとして使用し、広範囲をチェックしてキーパーを1尾キャッチ。その後、バイトがあったが乗らなかったため、リグはそのままでルアーをエコギア熟成アクア ミルフル3.3”にスイッチ。これにより45cm程のアイナメをキャッチすることに成功。エコギア熟成アクア ミルフル3.3”はJ02 赤イソメ、J03 青イソメ、J04 ホヤイエローをカラーローテ。このローテーションで探り歩き、コンスタントにキーパーを釣ってリミットメイク。7~8回入れ替えを行って、この時点ではトータルウエイト2,500g強に延ばすことができた。目標ウエイトを3kgと設定していたため、さらなるスコアアップを目指して移動することに。向かった先は西1号埠頭の西面。ここも42gビフテキリグで遠投。一投目にキッカーフィッシュをキャッチ。ルアーは3”リングマックスバス(382 ブルーキャスティーク)。ルアーをエコギア熟成アクア ミルフル3.3”にローテーションし、次の一投でさらに同サイズのアイナメを連続キャッチすることができた。この時点で12:00を過ぎており、タイムリミットぎりぎりのラッシュだった。

タックル

ロッド: 9’10”スピニングロッド
ルアー&リグ: 3”リングマックスバス(ノリーズ)、エコギア熟成アクア リングマックス3.8”(エコギア) + 42gビフテキリグ

【総評】

 

  過去幾度と無くハイウエイト戦を繰り広げてきたロックフィッシュの聖地「室蘭」といえども、時に爆発し、時に沈黙するスポーニングシーズンのアイナメ。3kgを超すハイウエイトと、ノーフィッシュが紙一重で共存するテクニカルな季節のなか、上位5名が3kg超という北海道ツアーの決勝にふさわしい高い次元のバトルとなりました。
 上位入賞の鍵となったのは、やはり“半プリ”の大型メス。プリスポーンの中型メス3尾ではマックスでもトータルウエイト2,500g程。勝つためにはリミットメイクは必須であり、さらにはキッカーフィッシュとなる半プリの大型メスを確実に絡めなくてはならない試合。限られたエリア内、限られた時間内でそれらを遂行するために、日頃から積極的にフィールドで魚と向き合い、そのなかで培われたテクニックと自信が大きな支えとなる・・・そのことを再認識した一戦となりました。
 今大会を終え、11月26日に開催する北海道・東北ツアーの頂上決戦「P.O.C. SUPER ROCK FISH 2017」の北海道代表選手が確定。玉川正人選手、寳福一也選手、菅原優一選手、そして玉川選手が2017北海道ツアーA.O.Y.と今大会2位による出場権重複により、今大会4位の谷藤圭太選手が繰り上げにより出場権を獲得。以上の4名が北海道代表として SUPER ROCK FISHの道を進みます。東北代表の選手とどんなバトルを繰り広げるのか?非常に楽しみです。

結果

4位 谷藤 圭太

5位 高 和矢

6位 五福 公人

7位 三宮 順一

8位 小田島 辰也

9位 白木 義人

10位 今野 哲

11位 佐藤 伸

12位 大森 秀樹

13位 大導寺 祐輔

14位 小山内 薫

15位 工藤 真一

16位 石川 陽太郎

17位 中島 宏之

18位 吉田 宣宏

19位 柏木 雅一

順位氏名重量(g)魚種P.O.C. SUPER ROCK FISH 出場権
1寳福 一也3910アイナメ×3P.O.C. MASTERS CLASSIC 1位により獲得
2玉川 正人3740アイナメ×3P.O.C. 2017 北海道ツアー A.O.Y.により獲得
3菅原 優一3660アイナメ×3P.O.C. MASTERS CLASSIC 3位により獲得
4谷藤 圭太3530アイナメ×3P.O.C. MASTERS CLASSIC 4位により獲得 ※繰上げ
5高 和矢3170アイナメ×3 
6五福 公人2590アイナメ×3 
7三宮 順一2500アイナメ×2 
8小田島 辰也2380アイナメ×3 
9白木 義人2020アイナメ×3 
10今野 哲1970アイナメ×2 
11佐藤 伸1790アイナメ×3 
12大森 秀樹1760アイナメ×2 
13大導寺 祐輔1740アイナメ×2、マゾイ×1 
14小山内 薫1550アイナメ×3 
15工藤 真一1340アイナメ×3 
16石川 陽太郎1120アイナメ×1 
17中島 宏之1060アイナメ×1 
18吉田 宣宏600クロソイ×3 
19柏木 雅一250シマゾイ×1 
20白針 清志0- 
20山本 英仁0-
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