第129回 パワーオーシャンカップ 2017北海道ツアー第3戦 室蘭沖堤防 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
10月1日(日) 第129回パワーオーシャンカップ2017 北海道ツアー第3戦 室蘭沖堤防 ロックフィッシュ

 

 今年は5月からスタートしたパワーオーシャンカップ2017北海道ツアー。第1戦は日本海「岩内」、第2戦は道南「函館」と続き、そして10月1日、ツアー最終戦となる第3戦をロックフィッシュの聖地「室蘭」にて開催しました。今回は沖堤防でのバトル。通称“白堤”と呼ばれる北防波堤が舞台となります。総勢129名の選手が2017アングラーオブザイヤー、マスターズクラシック出場権をかけた熱い戦いを繰り広げました。
 今回のフィールドとなる“白堤”は、南北に伸びる全長約1,300mの沖堤防。室蘭港の外側に位置し、港内でも季節進行が比較的早めに進むエリア。堤防の壁、そして基礎、沖のフラットに点在する沈み根が主な狙いどころ。過去2年の優勝パターンは、水深があり、水通しの良い堤防南端付近から沖のフラットを回遊する大型アイナメを狙うスタイル。しかし、過去2年は7月と9月の開催だったため、言い換えれば高水温期に強いパターンが炸裂した結果。季節の進行が早ければ、スポーニングを意識した大型アイナメが壁際や基礎に着くため、沖のフラット攻略だけが優勝への道というわけではありません。はたしてどんなパターンを想定して臨むべきか・・・選手にとっては悩みどころです。
 大会前の釣況はというと、季節の進行とともに水温が下がり始め、ロックフィッシュ達の活性は日に日に高くなってきている段階。特にメインターゲットとなるアイナメはプリスポーンの季節と重なり、沖から大型の個体が接岸しつつある状況で、実際に前週、プラクティスを行った選手のなかにはアイナメ3尾で6kg超のウエイトを揃えた選手もいたとの情報も。いやがうえにも驚愕のハイウエイトを期待してしまいます。その一方で、プリスポーンの個体は、状況によっては急に口を使わなくなるようなシビアな一面も・・・爆発するのか?それとも沈黙するのか?こればかりは蓋を開けてみないとわからないのが自然。「期待8:不安2」そんな気持ちで大会当日の朝を向かえます。

 朝4:00、大会会場となる「室蘭市立室蘭水族館」前駐車場に到着。懸念された風は、前日まで吹き荒れた強風がまるで嘘のように、ほぼ無風。天気も快晴で、予定通り北堤防へ渡ることができます。そして4:20頃から受付を開始します。すでに多くの選手が集まっており、受付を早々に済ませ、タックルチェックを行い、沖堤防へと渡ります。選手全員が渡り終えたところで、レギュレーションの確認。そして、いよいよフライトの時となります。今回は受付時に抽選したフライト順をもとに、30名ごとに区切ってのフライトを実施。フライトコールとともに各選手が北へ、南へと歩きます。
 スタート直後から、室蘭の定番とも言える“エゾメバルの猛攻”が始まります。アイナメやソイでウエイトを積み上げていきたい選手にとって、エゾメバルのバイトをどう交わしていくのかは今大会も大きな鍵を握りそうです。スタート後しばらくして堤防全体を見渡すと、予想通り過去優勝ポイントである南端エリアがかなりの混雑気味。堤防中央には外向き、内向きともにまんべんなく選手が並びます。一方、検量場から最も遠い北端エリアは比較的空いている状況。1km近く歩かなければいけないので、ある意味大きな賭け。しかし、北端エリアは岸に近く、季節進行が進んでいればスポーニングを意識した個体が多くストックされるはず。キッカーフィッシュをどのタイミングで、どこで、どうやって狙っていくのか・・・各選手のそれぞれの思惑が交錯します。

 9:00頃、再び堤防を見て回ると、試合は膠着気味な印象。比較的早い時間帯は素直に口を使っていたアイナメ達。そのタイミングを逃さずリミットメイクしている選手がちらほらと見受けられます。そしてその中には2kgを超えているであろうマグナムサイズのアイナメも数本出ているとの情報が。やはり室蘭沖堤防戦で優勝するには“4kg超”が絶対条件か・・・そんな思いが頭をよぎります。しかしその一方で、あと1尾が遠い選手、サイズが伸びない選手も非常に多く、想定していた状況よりもシビアな様子。膠着気味な状況とはいえ、ところどころでポツリポツリとアイナメが釣れているため、スコアを伸ばすためには緊張を解かず投げ続けなくてはなりません。キッカーフィッシュ1尾が試合を大きく左右するだけに、最後まで気の抜けない痺れる戦いであることは確かです。

 11:00より検量をスタート。すると検量場から北に展開していた吉田宣宏選手がウエイイン。そのウエイインバッグには51cm、2270gの極太アイナメが!これこそ室蘭クオリティという素晴らしい魚体。いきなりのビッグフィッシュ登場に、ハイウエイト戦必至の予感。そしてしばらくすると、検量場の前には恐ろしいほどの長蛇の列。ざっと見ても100名を超える人数。ロックフィッシュの聖地・室蘭のポテンシャルを象徴する光景でした。結果は129名中113名がウエイイン。ウエイイン率87.6%と驚異的な釣果。エゾメバルはあえてウエイインしなかった選手も含めるとおそらくほぼ全員が魚を触ることができたと推測します。やはり室蘭ポテンシャルはハンパなかった!

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 玉川 正人 4760 100
2 今野 哲 4240 98
2 白針 清志 4240 98

優勝 玉川 正人

 2017北海道ツアー第3戦を制したのは、虻田郡からエントリーの玉川正人選手。今大会最重量魚となる54cm、2,340gのモンスターアイナメを含む、アイナメ3尾でトータルウエイト4,760gという驚愕のハイウエイトでフィニッシュ。アイナメ3尾でのウエイトとしてはP.O.C.史に残る驚異的なスコア。マイゲームを貫いて早い時間帯にスコアメイク。終始リードした展開で勝ち取った勝利は、まさしく圧勝の一言が最もふさわしい戦いぶりでした!

コメント:堤防中央部よりやや北寄りの内向きからスタートした。エゾメバルのバイトをできるだけ避ける釣りを展開したいと考えていた。まずはバグアンツ2”(434 アボカドチャートハーフフロート)の7gテキサスリグで堤防の基礎周辺を探った。これで30cm後半のアイナメで早々にリミットメイク成功。基礎のエッジを乗り越えたときにバイトは集中していた。ここから“巻き”の釣りに展開。バルト4”(266 チャートリュースシャイナー) + イワシヘッド11g-1/0をチョイス。壁際を表層、中層、底層と分けてリトリーブで探っていく。内向きは小さなエゾメバルがたくさん浮いているのが目についたので、これらのバイトを避けるべく、エゾメバルの魚影が少なそうな外向きにシフト。壁際を丁寧に探り歩いた。水面直下を引き波を立てながらのファストリトリーブに、もんどりバイトがあるもミス!再びルアーを通しなおすと今度はしっかりとフックアップ。45cmくらいのナイスサイズだった。このパターンには反応が良いなと思い、壁際だけでなく、基礎周辺も同様に巻いて探っていった。このパターンで今回のキッカーフィッシュとなる54cm、2,340gのアイナメをキャッチ。その後、外向き、内向きと同様のゲームを押し通すが、時折チェイスはあるものの見切られる状況が続いた。途中、バグアンツ2”のテキサスリグで探るもサイズアップには至らず、結果そのままフィニッシュした。巻きの釣りで好反応が早めに出たことでその釣りを押し通す自信に繋がったことが、今回の勝因だと思う。

タックル1

ロッド: 7’01”ベイトロッド
ルアー&リグ: バルト4” (エコギア) + イワシヘッド11g-1/0(エコギア)

タックル2

ロッド: 7’00”スピニングロッド
ルアー&リグ: バグアンツ2” (エコギア) + 7gテキサスリグ

2位 今野 哲

 2位には札幌市からエントリーの今野哲選手がランクイン。今大会最長魚となる54.5cm、1,940gのモンスターアイナメを含む、アイナメ3尾でトータルウエイト4,240gをメイク。1位の玉川選手とは対照的に、今野選手は一ヶ所でとにかく粘るゲームを展開。ロングキャストで回遊する大型を、ルアーローテーション、アクションに変化をつけながら釣っていくスタイルで見事2位の座を勝ち取りました!

コメント:大会前のプラクティスは台風のため入ることできなかった。しかし8月に南防波堤に上がった際に好調だった、潮通しの良い先端付近での遠投パターンを今大会では貫こうと決めていた。抽選でひいたフライトNo.が100番台と遅かったため、狙っていた南端はフライトした頃にはすでに混み合っていて入れず。そこで10mほど手前の内向きにポジションをとった。30gビフテキリグをフルキャストし、70mほど先を探る。遠投で探ったのは、単に回遊待ちというだけでなく、エゾメバルの猛攻も交わせるというメリットもあると考えたため。ルアーは、エコギア アクア リングマックス3.6”(A34 リュウグウハゼ)を中心に、2-1/2”パドチュー、ミノーSなどをローテーションした。アクションもズル引きやリーリングをおりまぜるなど、変化をつけて飽きさせないようにしていった。トータルウエイト3kgほどでリミットメイクしていたが、キッカーがなかなか入らず粘りの展開に。終了15分前に遂に待望のキッカー、54.5cm、1,940gのアイナメが入り、入れ替えに成功。潮の効いているポイントで“タコ粘り”が結果に繋がった。

タックル1

ロッド: 9’03”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア アクア リングマックス3.6”(エコギア)、2-1/2”パドチュー (ノリーズ)、ミノーS(エコギア) + 30gビフテキリグ

 

2位 白針 清志

 今野選手と同ウエイトで2位に立ったのは二海郡からエントリーの白針清志選手。49cm、1,850gのナイスコンディションなアイナメを筆頭に、粒の揃ったアイナメ3尾でトータルウエイト4,240gをメイク。今年はツアー戦出場機会に恵まれず、一発でマスターズクラシックの出場権を獲ると意気込んで挑んだ今大会。見事、一発抜けで悲願のマスターズクラシック行きのチケットを獲得しました!

コメント:検量場より北側の内向きに展開。全体から見たらほぼ中央あたり。狙ったポイントは基礎の段差一段目と二段目。まずは得意の“巻き”のゲームを入れてみるもエゾメバルの反応ばかり。エゾメバルのバイトをどう交わしていくかと考え、30gテキサスリグにチェンジ。ルアーはバグアンツ3”(408 ウォーターメロンバグ、451 チラチラ挑発クローなど3~4色をローテーションしていった)。基礎のエッジをスピーディーな縦の釣りで探っていく。昨年の室蘭沖堤防戦2位三上顕太選手、3位柏木雅一選手のパターンを参考に、イメージはルアーをあまりケーソンの奥に入れすぎないようにしていった。スポーニングを意識したオスと、走りのメスを狙ったパターン。リズムよくリアクションバイトを拾っていく感じ。朝一にトータルウエイト2kgほどでリミットメイク。9:00頃、エゾメバルのバイトが落ち着いたので、エコギア熟成アクア リングマックス3.8”(J04 ホヤイエロー)にチェンジ。それでキッカーフィッシュとなる49cm、1,850gをキャッチすることができた。そこからバグアンツ3”に戻し、さらなる入れ替えをしていった。パターンを朝一に見つけて、それを終始やり通せたことが勝因だと思う。

タックル

ロッド: ロードランナーストラクチャーST730JH(ノリーズ)
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア)、エコギア熟成アクア リングマックス3.8”(エコギア) + 21g~30gテキサスリグ

【2017 Angler of the Year】 玉川 正人

パワーオーシャンカップ2017北海道ツアーの頂点に立ったのは、第3戦を優勝で飾った玉川正人選手。 第1戦5位、第2戦28位と第2戦までの累計ポイントでは年間4位につけたなかで向かえた第3戦を、見事優勝という最高の形でフィニッシュ。累計ポイント238pt.として見事逆転のアングラーオブザイヤーを獲得しました。おめでとうございます! これにより2017 P.O.C. SUPER ROCK FISH出場権を最初に獲得した玉川選手。北海道ツアーメンバーの代表として、夢の舞台で思う存分戦っていただきましょう!

【総評】

 スポーニングの進行が試合の行方を左右した今大会。ハイウエイトの鍵となるプリスポーンのメスのアイナメが、沖のフラットをクルーズしているのか?それとも手前の基礎や壁に依存しはじめているのか?その二択を考えてみると、1位玉川選手、2位白針選手、4位吉田選手は手前組。2位今野選手、5位半田選手は沖フラット組と、どちらにもチャンスがあったと言える結果となりました。前週のプラクティスの段階では手前にかなりの魚が着きはじめていただけに、その魚が大会中にフィッシングプレッシャーなどの要因で口を使わなかったことが伺えます。やはりプリスポーンの魚はちょっとした状況変化でシビアになることを実証した結果となりました。
 一方で、トータルウエイト4kg超が3名、3kg台が7名、ポイント圏内はすべて2kg台と驚愕のハイウエイト戦となった今大会。2kg釣ってきても年間ポイント30pt.しか獲得できない状況に、ハイウエイト戦ならではの難しさを感じました。アングラーオブイヤー、マスターズクラシック出場権を狙っていた選手にとって、室蘭沖堤防戦は計算しづらい戦いだったのかもしれません。
  今大会を終え、いよいよ2017北海道P.O.C. マスターズクラシック出場選手が出揃いました。その顔ぶれは、クラシック常連のメンバーから、初出場のフレッシュなメンバーまで総勢21名。北海道・東北ツアーの頂上決戦「2017 P.O.C. SUPER ROCK FISH」の北海道代表チケットは残り3枚。その権利を手にするのは一体誰なのか?要注目です!!
  最後に、今年もパワーオーシャンカップ2017北海道ツアーを支えてくださいました選手の皆様へ、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。また、今大会にあたり、ご協力頂きましたスターマリン株式会社様、室蘭漁業協同組合様、室蘭観光協会様、そして大会を受け入れて頂きました室蘭の皆様に重ねて感謝申し上げます。
 室蘭のロックフィッシュシーズンはまさに今が最盛期。この後、アイナメ達はスポーニングを終え、アフタースポーンへと移行していきます。モンスターサイズのアイナメを狙うなら今!ぜひ、室蘭へ足を運んでみてはいかがでしょうか。そしてもう一言。これから先の未来のロックフィッシュシーンのためにも、できる限り魚を大切に扱ってください。特にスポーニングに絡むこの季節。子孫を未来へとつなげていく大切なこの時期こそ、魚へのダメージは極力減らしたい。リリースの徹底や、丁寧な扱い、そしてネストを守るオスは狙わないなど、ゲームフィッシュアングラーならではの姿勢で、ロックフィッシュゲームを楽しんでいただけたらと心から願います。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1玉川 正人4760100
2今野 哲424098
2白針 清志424098
4吉田 宣宏395094
5半田 義博357092
6甲森 憲太336090
7成田 勇介333088
8大導寺 祐輔331086
9谷藤 圭太322084
10寳福 一也319082
11松岡 諭289080
12石川 陽太郎288078
13中島 孝介283076
14渡邉 誠人279074
15米地 昇278072
16山本 英仁276070
17近間 康平273068
18能登 勇太268066
19宮下 康司265064
20内野 翔太257062
21高 和矢255060
22工藤 真一254058
23菅原 優一249056
24野場 一志246054
25柿本 博喜245052
25五福 公人245052
27西川 貴法243048
28小野 修治242046
29小田島 辰也240044
29柏木 雅一240044
31佐々木 勇239040
32木下 喜智237038
33若井 章弘235036
34藤田 真司234034
35甲森 孝太231032
35佐藤 翔太231032
37加藤 純平229030
38蛯子 木世寿218030
39三宮 順一216030
40松田 美臣215030
41上田 仁之212030
42白木 義人210030
43小林 賢一206030
43野村 潤也206030
45渡辺 正悟204030
46板橋 信明201030
47小山内 薫200030
47後藤 裕晶200030
49今本 則子198030
50大導寺 美佐196030
51阿部 書和192030
52橋本 憲之188030
53井戸川 真吾187030
54山本 重明185030
55佐藤 伸182030
56村島 悠紀181030
57小林 良稚178030
57佐藤 拓実178030
59川添 誠次177030
59佐藤 智哉177030
59山瀬  睦177030
62下山 誠175030
63佐藤 秀172030
64佐久間 渉171030
65高橋 和宏170030
66武田 泰成165030
66西川 剛志165030
68坂本 泰樹164030
68三浦 友太164030
70今野 収市152030
71土屋 秀敏150030
72甲斐 隆之介149030
73加藤 翼148030
74嶋田 圭太147030
74対馬 勝也147030
76三上 顕太144030
77尾形 英一142030
78鈴木 大樹141030
79且見 寿樹134030
80渡辺 航成133030
81泉谷 功131030
81環 優司131030
83富田 祐輔129030
84山田 智則126030
85大森 秀樹125030
85萩原 智125030
87中島 宏之124030
88鳥海 洋122030
89村上 守114030
90西村 尚浩112030
91鈴木 馨二109030
92久保 修一106030
93古屋 智博105030
94川島 浩平101030
95菅原 恒平90030
96斉藤 優駿87030
97大津 新人86030
97熊谷 一寛86030
99木村 和也82030
100今野 久志73030
101成田 隆弘71030
102中村 亮義67030
103星 正人66030
104笹田 桂一63030
104竹原 智博63030
106荒谷 一大62030
107大谷 重晴57030
108二塚 隼斗54030
109宮澤 紀行40030
110葛野 貴則32030
111南 誠十郎31030
112丸山 大一29030
113佐藤 大輔19030
114大泉 義博030
114大塚 信春030
114大平 健人030
114川島 幸恵030
114清田 泰夫030
114久保田 守030
114後藤 龍樹030
114駒谷 賢030
114齊藤 康光030
114齋藤 侑璃亜030
114佐藤 文彦030
114仙葉 誠030
114田中 祐一030
114田中 慶弘030
114松井 智博030
114山口 瑞穂030
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