第124回 POWER OCEAN CUP 2016 OPEN TOURNAMENT 鳥取県 境港沖一文字

開催日 タイトル 場所 対象魚
7月10日(日) 第124回パワーオーシャンカップ
オープントーナメント
鳥取県・境港沖一文字 ロックフィッシュ


 7月10日、日本有数の水揚げ量を誇る境港の沖、南北約4kmに伸びる「鳥取県・境港沖一文字」にて、パワーオーシャンカップ オープントーナメントを開催しました。 昨年、今年と鹿児島で開催したP.O.C.オープンが大盛り上がりだったことが記憶に新しいなか、山陰地方で初開催となった今大会。安全面に配慮して消波ブロックでの釣りを禁止するレギュレーションを設けたことが釣果にどう影響してくるのか、あるいは影響しないのか? 未知数な部分が多い反面、期待も大きな大会になりました。メインターゲットは、一躍人気ターゲットに上りつめた「キジハタ」。そして全国的に最もポピュラーなターゲット「カサゴ」。ゲストアングラーには、釣りビジョンの番組「ROCK’N FISH」でおなじみのオーリーこと折本隆由プロを迎え、総勢38名でのバトルとなりました。

 今回のオープン戦が開催された「鳥取県・境港沖一文字」は、全長約4kmという非常に大規模な沖堤防。堤防内側の沖は基本的に砂地になっているので、ベイトフィッシュに付いている回遊狙いか、足元のケーソンや基礎、捨石狙いがメインになります。サイズは20cm前後のキジハタが多く、前日にプラクティスをした人からは、1日で40尾以上釣れたという話も聞かれるほどでした。また、青物やヒラメ、シーバス、アジなどの多彩なゲームフィッシュが生息し、釣り場としてのポテンシャルの高さは山陰地方のなかでも屈指のフィールドです。

 当日は4時30分より受付を開始。4時過ぎにはすでに多くの選手が集結しており、それぞれ念入りにタックルの準備をしている様子。受付後は2便に分かれて沖堤防に移動し、選手全員が渡り終えてからレギュレーションの確認を行い、5時30分にスタートフィッシング。スタート位置から釣り始める選手、南北を目指して散らばっていく選手と様々ですが、渡船は堤防のほぼ中央の位置だったので南北の先端を目指せば大荷物を抱えて2kmを超える長距離移動が必要。炎天下の中で魚を生かしたままウエイインすることも考えると、ポイント選択は意外と難しかったのではないでしょうか。

 

 スタート直後の堤防中央部周辺では、さっそく数名の選手が釣れている様子。折本プロも開始から5投で5匹をキャッチする好調ぶり。ただ、釣れているのは20cm前後のキジハタが多く、20cmのキーパーサイズに満たない魚の猛攻の中、いかにして30cmオーバーのキッカーフィッシュを獲るかが勝利のキーになるだろうと予想できました。



 前情報で実績があった北端エリアに向かう選手が多く、2kmを超える長距離の移動にもかかわらず先端まで辿り着いて釣りをしている選手もちらほら。しかし、その覚悟とは裏腹に、朝イチは北端よりも中央寄り~南端の方が釣果に恵まれていた様子。中央寄りではベイトフィッシュが水面で跳ねている様子が頻繁に見られ、なかには開始1時間で10匹以上の釣果を上げている選手の姿も。

 予定では11時からウエイインを開始予定でしたが、10時30分ごろから各選手が帰着し始め、帰着締め切りに余裕を持って全員が検量を終えるという状況でした。それでも、結果としては38名中36名が見事ウエイイン。ウエイインできなかった選手も20cm未満の魚はキャッチできていたとのことで、境港の魚の多さに驚かされました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 魚種
1 折本 隆由 1130 キジハタ×3
2 黒木 祥太 1090 キジハタ×3
3 赤沼 哉弥 1040 キジハタ×3

優勝 折本 隆由

初開催の鳥取県・境港沖一文字戦を制したのは、ゲストアングラーの折本隆由プロ。境港で釣りをするのは大会当日が初めてということで、朝イチは大会本部前で様子見。……と思いきや、スタート直後の5投で5フィッシュ。しかも、キッカーとなる最大魚までキャッチしていました。結果的に、潮が動いていた朝イチのタイミングをしっかりと捉えられたことがよかったようです。潮が止まってからは、リアクション狙いの釣りにシフトし、タフな時間にもしっかりと魚をキャッチし、11時ごろにグッドサイズを追加。この魚が優勝の決め手となりました。

コメント:みなさん朝イチの潮が動いている時間帯にはバタバタと数も釣れたと思うんですけど、10時過ぎの灼熱&潮止まりの食いが渋い時間帯にどう釣るか?というのが勝つためには重要なんです。皆さんにも今後の釣りで役立てて欲しいのが、「潮の動きが無い中でも、潮の動きがある場所が実は存在する」ということ。それは、堤防を造るときにできるケーソンの隙間で、そこに沖からの潮が流れて抜けていくので、よく見るとベイトフィッシュとかキジハタがいるんですよ。そこをミノーMとイワシヘッドの組み合わせで、縦にジャークしてリアクションで食わせていってリミットメイクしました。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャン RPO710XHS2(ノリーズオーシャン)、ロックフィッシュボトム パワーオーシャン RPO710HS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア)、ミノーM(エコギア)+ イワシヘッド11g

2位 黒木 祥太

準優勝は、鹿児島のP.O.C.オープン大会にも参加していただいた[下関市立大学 釣り愛好会]の黒木祥太選手。キジハタグラブ4.5”の14gテキサスリグとダウンショットリグをメインに、合計7匹のキーパーサイズを釣り、キジハタ3尾で1,090gというウエイトを持ち込みました。「魚が弱ってしまう前に逃がしたい」ということで、最大魚は早めに検量に持ち込み、元気なうちにリリースしていただきました。

コメント:はじめはテキサスリグのボトムバンプで狙っていたんですけど、1匹目に釣ったキジハタがカタクチイワシを吐いたので、それからはスイミングの釣りに切り替えて、ダウンショットリグなどで釣っていきました。スタートから1時間ぐらいのあいだにアタリがけっこうあって、その時間帯に集中して釣果を出しました。

タックル

ロッド: 9’ ベイトロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4.5”(エコギア)+ 14gテキサスリグ

3位 赤沼 哉弥

3位は、隣の島根県からエントリーの赤沼哉弥選手。キジハタ3尾でリミットメイクし、トータルウエイト1,040gでフィニッシュ。なかなかサイズが伸びない状況のなか、見事38cm 530gのビッグフィッシュを持ち込み、合計1kg越えを果たして入賞しました。バグアンツ3”(カラー:384ホットオレンジフラッシュ)の3~5gテキサスリグでボトムをゆっくりとリフト&フォールさせて、堤防際を丁寧に釣っていきました。

コメント:ボトムが砂地ということで回遊系のパターンを考えて、スタートからしばらくは遠投してスイミングメインで釣りをしていたんですけど、全然釣れず。隣の選手が手前でけっこう釣っていたので、それを見て自分もボトム系の釣りにシフトして手前を狙っていきました。地元の島根県ではよく釣れているアレンジで、バグアンツにブレードスピンを一般的な付け方とは逆に付けるんですけど、それを境港でもやってみたらビッグフィッシュが釣れました。

タックル

ロッド: 8’3” スピニングロッド
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア)+ 3~5gテキサスリグ

【総評】

 北方を島根半島で遮蔽された天然の良港で、日本国内で有数の水揚げ量を誇る鳥取県境港。沖堤防は漁港から渡船で10分程度というエントリーしやすい位置にあり、釣りをしやすい環境に恵まれていながら魚影も濃く、ウエイイン率は驚愕の 94.7%。大会前には「消波ブロックの釣りを禁止したら大会は成り立たない」という声も聞こえていましたが、ふたを開けてみればこれだけの釣果に恵まれ、境港の魚種資源の豊富さを実感する大会となりました。また、大会数日前に発生した台風1号の進路が心配でもありましたが、まったく影響は無く、一日を通して梅雨とは思えないような快晴になりました。かえって選手の皆さんは長距離の移動が辛かったかもしれません。そんな猛暑のなか、1尾のデッドフィッシュも無く、すべての魚がリリースされたことを大変嬉しく思います。
  近年ではロックフィッシュゲームも一大ジャンルとなり、ブームとなってアングラーも増加しています。ただ、魚は無限にいるわけではありません。これから先も魚達と楽しく向き合えるフィールドを守っていくために、エコギア・ノリーズでは、ゲームフィッシングの啓蒙、SAVE THE FISH、キャッチ&リリースを提唱し続けていきます。
 山陰地方だけでなく、鹿児島や兵庫県からも選手が集まった今大会。現在では東北や北海道で開催されているツアー戦のように、中国地方・九州でもいつかツアー戦が開催できることを目標としていきたいと思います。
  最後に、大会にご参加頂きました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きました森脇渡船様、各ショップ様、そして大会を受け入れて頂きました鳥取県境港の皆様に心より感謝申し上げます。

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結果

順位氏名重量(g)魚種
1折本 隆由1130キジハタ×3
2黒木 祥太1090キジハタ×3
3赤沼 哉弥1040キジハタ×3
4小林 之博940キジハタ×3
5脇坂 登実男930キジハタ×3
6村上 正樹910キジハタ×3
7枝重 浩太900キジハタ×3
8山口 太一朗900キジハタ×3
9小阪 孝司880キジハタ×2、カサゴ×1
10平岩 秀一郎810キジハタ×3
11谷 一輝730キジハタ×3
12吉田 有佑720キジハタ×3
13門脇 香澄670キジハタ×3
14瀬戸 さくら650キジハタ×3
14高井 悟650キジハタ×3
14谷口 一貴650キジハタ×2、カサゴ×1
17竹下 剛640キジハタ×3
18黒川 弘樹630キジハタ×3
19藤本 光610キジハタ×3
20福間 健生590キジハタ×3
20松坂 悠也590キジハタ×3
22北坂 亮570キジハタ×2、カサゴ×1
23祖田 和彦560キジハタ×2、カサゴ×1
23立脇 将吾560キジハタ×3
25神吉 喜章550キジハタ×3
26加藤 優希史530キジハタ×3
27大本 秀雄510キジハタ×2
28瀬戸 浩司500キジハタ×3
29加藤 伸一470キジハタ×3
30光岡 千鶴450キジハタ×3
31松田 悠助330キジハタ×3
32田中 亮多320キジハタ×2
33高橋 政樹200キジハタ×1
34東 勇治140キジハタ×1
35藤原 弘章130カサゴ×1
36藤原 敬久120キジハタ×1
37武政 芳生0 
37曽根 悠太郎0