第121回 POWER OCEAN CUP 2016 MASTERS CLASSIC 東北 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
11月13日(日) POWER OCEAN CUP 2016 MASTERS CLASSIC 東北 小白浜港、本郷港、花露辺港 アイナメ・ソイ

 パワーオーシャンカップ2016東北ツアーもいよいよ決勝の舞台へ。11月13日(日)、「POWER OCEAN CUP 2016 MASTERS CLASSIC 東北」を開催しました。今回は岩手県釜石市にある「小白浜港」「本郷港」「花露辺港」の三港が舞台。競技エリアを限定した1ステージ制にて行いました。この三港は唐丹湾内にある漁港で、釜石エリアではメジャーなフィールドです。各港にそれぞれ特徴があり、様々な戦略を組むことができます。この三港のなかでは最大規模の漁港「小白浜港」。湾の最奥に位置し、小さなインレットとシャローが特長的な「本郷港」。磯に隣接し、他の港にくらべてディープが広がる「花露辺港」。キャラクタが全く異なるこの三港で、どのような戦略を組み、どう展開して行くのか?ツアー戦を勝ち抜いてきた強者達の選択に注目が集まります。
 今大会にクオリファイされた選手は総勢20名(有資格者は21名でしたが、1名欠席)。メンバーは、2016ツアー戦3戦の上位3名、年間ポイント累計上位10名(ツアー戦上位3名を除く)、そして2015 アングラーオブザイヤー、2015マスターズクラシック優勝者となります。激戦の東北ツアーを勝ち抜いてきた錚々たる顔ぶれによる決戦。さらには北海道・東北ツアーの頂上決戦「SUPER ROCK FISH」の出場権がかかる重要な一戦。激しい火花が飛び散るバトルになること必至!
 マスターズクラシックには一週間のオフリミットルールがあり、11月6日まではプラクティスが可能。プラクティス可能な期間にはクオリファイされた選手達が大会に向けてプラクティスを重ねていました。試合前の状況を、プラクティスに入った選手達の情報を基にまとめていくと次のような状況が見えてきます。

・アイナメの個体数はそれほど多くない 。
・サイズは大きくて1kg強。25cmキーパーぎりぎりのサイズがアベレージ。
・場所ムラが激しく、居るところ、居ないところがはっきりしている。
・フィッシングプレッシャーでかなりスレている。
・ディープよりもシャローに分がある。
・優勝ラインはおそらく2kg強。
・プリスポーンの個体も少ないながら居る。

 つまり、ハイウエイト戦になることは考えにくく、リミットメイクすらかなり難しい戦いになるのでは?との声が大半。小型でもまずはリミットメイクを目指すべきか?1尾のキッカーを追い求めるべきか?どちらにしろ1尾の魚が勝敗の行方に大きく関わってくる、そんなシビアな接戦が予想されました。

 そして向かえた大会当日。風はほとんどなく快晴。この季節にしては暖かい朝となりました。本部の小白浜港に、マスターズクラシッククオリファイ選手達が集結します。6:00より受付を開始。ミーティング、そしてフライト順の抽選を済ませ、6:30、待ちに待ったフライトコール!各選手が思い思いのポイントへとフライトしていきます。この朝の選択が勝負を決する可能性もあるだけに、各選手の動きから目が離せません。
 フライト後、一段落してから各エリアをチェックすると、20名中14名が小白浜港に展開、6名が本郷港・花露辺港にエントリーしていました。この時点で選手の姿が一際多かったのが小白浜港の東側に伸びる堤防。そのなかでいち早く魚を掛けたのが鹿野栄健選手!推定900gほどのアイナメを見事キャッチ。この1尾は順位を押し上げる貴重な1尾となりそうです。鹿野選手に続き、佐藤裕一選手が推定800g弱のアイナメをキャッチ!今シーズン、念願のA.O.Y.を奪取した勢いそのままにスタートダッシュを決めます。
 ちょうど干潮いっぱいとなる8:00頃になると、各選手が積極的に移動を始めます。なかでも一際動き回っていたのが、東北ツアーを長年引っ張り続けるベテラン・佐藤雄一選手。リミットメイクを目指し、ラン&ガンを繰り返しています。一方、本郷港周辺に展開していた強豪・戸澤直彦選手にも注目。すでに2尾をキャッチしており、最後の1尾を探している様子。今回も安定した試合運びでリミットメイクを目指しています。
  帰着時間は13:00。後半にかけて、潮が満ちてきてシャローの魚が口を使う可能性は大。その1尾がキッカーとなりうる状況なだけに、終了ギリギリまで誰が勝つのか、全くわからない戦況。12:00過ぎ、本郷港奥のシャローに展開していた川村倫弘選手が推定800g強のグッドサイズを見事キャッチ!最後の最後まで息を呑む展開です。
 そして、いよいよウエイインの時刻を向かえます。検量場の前には疲れ切った表情の選手達が集まります。マスターズクラシックという独特のプレッシャーのなかで、1尾を絞り出すようなシビアな戦いをやり切った、全力を出し切った・・・言葉には出さなくても、そんな心の内を強く感じたウエイインとなりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 魚種
1 松田 涼 2,090 アイナメ×2、クロソイ×1
2 佐藤 裕一 1,250 アイナメ×3
3 戸澤 直彦 1,080 アイナメ×3
4 鹿野 栄健 980 アイナメ×1
5 中田 大地 920 アイナメ×2

優勝 松田 涼

 アイナメ2尾、クロソイ1尾のミックスバッグでトータル2,090gをメイク。唯一の2kg超で2016 P.O.C.マスターズクラシック東北を制したのは、岩手県釜石市から参戦の松田涼選手。地元ということもあり、唐丹湾は子供の頃から慣れ親しんだフィールド。隅々まで熟知したフィールドを丁寧に攻略し、見事マスターズクラシック東北の頂点に立ちました。。

コメント:小学生の頃から通いこんだフィールドだっただけに、絶対に負けられないという意気込みで今戦に臨んだ。入ったのは小白浜港の唐丹漁協前。砂底に根が点在するエリア。まずは岸壁際を探ろうと、2-1/2”コンポジットツイン(036 プラム スモールグリーンFlk.)の10gテキサスリグで攻め始めた。開始してまもなく40cmクラスのアイナメをキャッチ。岸壁際の反応が良いと判断し、引き続き同じ展開で探っていった。そして40cm弱のアイナメを追加。さらにキーパーサイズのクロソイでリミットメイクに成功した。その後、キャストで探るも反応が無いため、本郷港へ移動。遠投で探ったが、キーパーに満たないアイナメ、クロソイのキャッチのみだった。この港達は数年前までは大型のロックフィッシュが良く釣れたが、近年はプレッシャーのためか難しくなってきている。そのため今日は、丁寧にミス無く釣るためにメバルタックル、そして遠投用にシーバスタックルと、変則的な2タックルを持ち込んで臨んだ。正直勝つことができてほっとした。スーパーロックフィッシュは頂点を目指したい!

タックル

ロッド: 8’00”スピニングロッド
ルアー&リグ: 2-1/2”コンポジットツイン(ノリーズ) + 10gテキサスリグ

2位 佐藤 裕一

 準優勝は、2016東北ツアー・アングラーオブザイヤーの佐藤裕一選手。今シーズン、乗りに乗っている若手トーナメンターが2016マスターズクラシックも準優勝!アイナメ3尾できっちりリミットメイクし、トータルウエイト1,250gでフィニッシュ。今年の絶好調ぶりを見せつけ、他の強豪達を見事撥ね退けました。

コメント:今回に向けてプラクティスには計4回入った。朝は最後にフライトしたが、入りたかった小白浜港の東堤防に目を向けると、まだ入れそうな感じだったのでそこに入った。目をつけていたのは堤防が曲がる角周辺。70~80m沖のフラットを狙う。ブレイクラインが走っているものの、あまり変化がない泥砂のフラット。回遊の魚を狙った。隣で釣っていた鹿野選手がスイミングで40cmクラスのアイナメをキャッチしたので、アドバイスをもらいスイミングで探ると自分にも40cmクラスのアイナメがきた。ロックマックス3”(395 ロックモスブラッド)の28gテキサスリグ。その後はバイトが無かったので、タックルをより繊細なセッティングに持ち替えた。最初に使っていたセッティングはPE#0.6+リーダー14lb.。持ち替えたセッティングはPE#0.4+リーダー10lb.。リグは28gテキサスのまま。ルアーは、同じロックマックス3”だが、カラーをアピール系の395(ロックモスブラッド)から、ナチュラルな398(グリパンボトムベイト)にチェンジ。アクションもショートピッチのボトムバンプで丁寧に探った。潮止まり前後にバイトが出始め、立て続けにキャッチ。リミットメイクに成功した。プラクティスでクオリティフィッシュが出る可能性が高いエリアを見極められていたことが勝因だと思う。スーパーロックフィッシュも頑張りたい!

タックル1

ロッド: 9’09”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス3”(エコギア) + 28gテキサスリグ

タックル2

ロッド: 9’08”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス3”(エコギア) + 28gテキサスリグ

3位 戸澤 直彦

 

 

 3位に食い込んだのは、P.O.C.東北ツアーではおなじみの強豪・戸澤直彦選手。アイナメ3尾で1,080gをメイク。今大会も抜群の安定感を発揮して見事表彰台に上りました。さらには、P.O.C.全選手のなかで唯一のスーパーロックフィッシュ2年連続出場権という偉業を達成。東北ツアーを代表する強豪の一人が、今年もP.O.C.の頂点を目指します!

コメント:フライト順が良かったので、朝一は花露辺港の東側にある小磯に向かった。しかし、到着すると既にエサ釣りの人が5名ほど先行して入っていたためエントリーするのを諦めて、本郷港に入った。東側の堤防から、向かいの磯に向けてフルキャストし、探っていった。プラクティスではこのパターンでキーパーを釣っていたので、それを試した。しかし、バイトが無いため、周囲を見渡すと、他の選手が港内でロッドを曲げる姿を見かけたので、港内にも魚が入っていると判断。エコギアアクア活カサゴミルフル3”(A18 ホヤイエロー ブラックFlk.)の10gテキサスリグで、港内のアンカー周りやちょい沖を探っていった。そして、足元で明確なバイトがあったが乗らず。その後、リグを入れなおすもバイト無く、威嚇系のバイトと推測。時間を置き、リグを7gテキサスリグ、ルアーカラーをナチュラル系にチェンジしてリトライすると、30cm強のキーパーアイナメをキャッチすることができた。そのパターンで同じストレッチからもう1尾、同サイズを追加。その後、バイトが遠のいたので、朝一に諦めた花露辺港東の小磯に入った。すでに先行していた釣り人はいなかったが、叩かれていると思い、エコギアアクア活カサゴミルフル3”(A03 アトラクティブオレンジ ブラックFlk.)の18gテキサスリグを東側のワンドに向けてキャスト。スリット内を丁寧に探っていくと小さなバイトが続いたため、このパターンで粘り、アイナメをキャッチ。リミットメイクに成功した。その後、各ポイントをラン&ガンし、穴撃ちなども試したがキャッチにはいたらず、そのままフィニッシュとなった。

タックル1

ロッド: 9’02”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギアアクア活カサゴミルフル3”(エコギア) + 7gテキサスリグ

タックル2

ロッド: 9’02”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギアアクア活カサゴミルフル3”(エコギア) + 18gテキサスリグ

【総評】

 参加選手20名中14名がウエイインしたものの、2kg超は1名のみと、予想以上に厳しい釣果となった今大会。人気フィールドだけに想定以上のプレッシャーがかかっていたのかもしれません。しかし、そのなかでもきっちりと魚を見つけ出し、そして確実に釣ってくる技術の高さにただただ脱帽です。パワーオーシャンカップはもちろん、その他のトーナメントでも長年ハイレベルな戦いが繰り広げられてきた東北ロックフィッシュシーン。そのなかで揉まれ、磨き上げられた選手達の技術の次元の高さを改めて証明した大会となりました。
 今大会を終え、遂に北海道・東北ツアーの頂上決戦「SUPER ROCK FISH」の顔ぶれが決定しました。東北ツアーからはA.O.Y.の佐藤裕一選手、マスターズクラシック1位の松田涼選手、3位の戸澤直彦選手、そして佐藤裕一選手の権利獲得重複による繰り上げにより4位の鹿野栄健選手の4名がクオリファイ。決戦の日は11月27日(日)。北海道代表の4名、東北代表の4名、ゲストアングラー田辺哲男プロ、折本隆由プロの総勢10名が繰り広げる頂上バトルに注目です!

結果

4位 鹿野 栄健

5位 中田 大地

6位 川村 倫弘

7位 笹山 英幸

8位 阿部 寿彦

9位 中村 勝

10位 佐々木 俊

11位 佐々木 充行

12位 佐藤 雄一

12位 武山 重之

14位 内藤 智就

 

順位氏名重量(g)魚種
1松田 涼2,090アイナメ×2、クロソイ×1
2佐藤 裕一1,250アイナメ×3
3戸澤 直彦1,080アイナメ×3
4鹿野 栄健980アイナメ×1
5中田 大地920アイナメ×2
6川村 倫弘870アイナメ×1
7笹山 英幸800アイナメ×2
8阿部 寿彦690アイナメ×2
9中村 勝680アイナメ×2
10佐々木 俊500アイナメ×1、クジメ×1
11佐々木 充行430アイナメ×1
12佐藤 雄一370クロソイ×1、マゾイ×1
12武山 重之370アイナメ×1、マゾイ×1
14内藤 智就260アイナメ×1
15大泉 純輝0 
15坂本 広宣0 
15佐々木 健太郎0 
15鈴木 隆ノ介0 
15横田 賢一0 
15吉田 勲0
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