第119回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2016 北海道 リザルト
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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10月23日 (日) | POWER OCEAN CUP 2016 MASTERS CLASSIC 北海道 | 様似港、浦河港 | アイナメ・ソイ |
パワーオーシャンカップ2016北海道ツアーの締めくくりとなる「POWER OCEAN CUP 2016 MASTERS CLASSIC 北海道」を、10月23日(日)に開催しました。今回の舞台は、パワーオーシャンカップでは初開催となる日高エリア。この地域屈指の大型漁港「様似港」「浦河港」の2港内で競技エリアを限定し、1ステージ制にて行いました。どちらの漁港も規模が大きく、多彩なロケーションが広がります。また、この両港は近隣に位置しているとはいえ、地質や水質が異なり、魚の個体数やサイズ、着き場、魚が動くタイミングに違いが見られます。さらに、メインターゲットとなるアイナメのスポーニングが絡むこの季節、ちょっとしたことが釣果に大きく影響するだけに、各選手のゲーム展開に注目したいところ。
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今大会にクオリファイされた選手は総勢19名。メンバーは、2016ツアー戦3戦の上位3名、年間ポイント累計上位10名(ツアー戦上位3名を除く)、そして2015 アングラーオブザイヤー、2015マスターズクラシック優勝者となります。激戦を勝ち抜いたエキスパートによるハイレベル戦。そして、マスターズクラシックの先にある、北海道・東北ツアーの頂上決戦「SUPER ROCK FISH」の出場権がかかる一戦。さらに、P.O.C.史上初となる日高エリアでの決戦。激熱必至の2016マスターズクラシックに、おのずと期待に胸が膨らみます。 大会前の釣況はというと、マスターズクラシックには一週間のオフリミットルールがあるため、10月16日までがプラクティス可能な期間。それ以前にプラクティスを行った各選手から状況を聞くと「モンスターサイズのアイナメを釣った」「アイナメ3尾で5kgを超えた」など想像を超える釣況。その一方で「個体数は決して多くない」「スポーニングの進行度合いによっては紙一重な展開も」というシビアな声も。楽観的な展望だけでなく、冷静に分析し、バックアップの引き出しを準備しておくあたりがトーナメントを戦い抜いてきた強者なのだと感じました。状況を整理すると、55cmクラスの超大型な雌アイナメは既に一度スポーニングを終えている個体が多い様子。いわゆる半プリの状態で、ウエイトとしては1.5~2kg。この魚を絡めずして優勝は見えません。さらに依然2kgを超えるプリスポーンの個体も港内に入ってくるため、それを釣ることができれば一気にジャンプアップすることもできます。スポーニングを意識しはじめた1kg前後のアイナメも活発に動いているようで、時合いになるとラッシュする可能性大。優勝するためには4kg以上は必須!5kgを超えてようやく確実!そんな規格外なハイウエイト戦が予想されました。 開催二日前、強い寒波の影響で冷え込みが急激に増し、札幌では2cmの積雪を観測。一気に冬の雰囲気が色濃くなったなかでむかえた大会当日の朝。本部となる様似港に、マスターズクラシックの出場権を獲得した各選手が集まります。天気は快晴。風は、時間とともに北西風が強まる予報。海側から吹く風でさえぎるものがないため、風が強くなる前にある程度勝負を決めたいところ。6:00より受付を開始。早々にミーティングを行い、運命のフライト抽選。全員のフライト順が決まったところで、フライトNo.ごとに1名ずつフライトスタート。様似港か?浦河港か?各選手が思い思いのポイントへと向かっていきます。 |
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全員のフライトが終わり、一段落してから各エリアをチェックすると、19名中16名が様似港内に展開。小林選手、成田選手、西川貴法選手の3名のみが浦河港にエントリーしていました。フライトNo.1を引いた2016アングラーオブザイヤー・柏木選手、2015シーズン三冠を達成した駒谷選手をはじめ、8名もの選手が本部前のエリアに集中しているまさかの展開。プラクティス時にこの周辺で2kg前後のアイナメが複数キャッチされており、そのイメージを持って入っている様子。はたしてプラクティスの再現はなるか?しかし、一時間が過ぎようする時点で、ロッドを絞る選手はほとんど見かけられません。本部周辺に展開した選手のなかでは佐藤伸選手が1尾キャッチしているとの情報。思いのほかスローな出だし。 |
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開始から二時間ほどが経過した頃、各選手が動きます。様似港南防波堤の付け根にあるシャローエリアに複数の選手の姿が。そこで佐藤伸選手がラッシュ!40cmクラスのコンディションの良いアイナメを連発します。そして駒谷選手もそれに続き、50cm近いアイナメをキャッチ。その対岸となる様似港中央にあるY字防波堤の付け根外向きにエントリーしていた小山内選手もコンスタントに釣果を伸ばしているとの情報。本部前に展開していた選手もポツポツと釣果が出始めました。 三時間が過ぎた時点でリミットメイクしている選手は3名。朝、怒涛のラッシュを見せた佐藤伸選手、Y字防波堤側に展開した小山内選手、本部前に展開した藤田選手です。また、2尾をキャッチしている確認がとれた選手が、本部前で粘る半田選手、様似港内をラン&ガンする小田島選手、Y字防波堤付け根にエントリーしている大森選手の3名。その他にもこの時点で2尾を持っている選手はいそうな雰囲気。佐藤翔太選手は1尾とはいえかなりのビッグフィッシュを持っている様子。試合の折り返しとなる10:00頃に満潮をむかえる潮周り。強まる風が不安材料ですが、膠着した試合が動きそうな予感もあり、まだまだ試合の行方はわかりません。2kgオーバーが一尾でも入ってしまえば表彰台が見える・・・最後の最後までまったく気が抜けない激熱な展開が続きます。 |
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12:30頃より検量周辺に選手が帰ってきます。やり切った表情でウエイインをする選手。その横でギリギリまで粘る選手。最終帰着が終わるまで誰が表彰台を勝ち取るのか?まったくわかりません。13:00、全選手が無事に帰着。ツアー戦とは一味違う緊張感のなか順位発表をむかえます。 |
【TOP3】
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優勝 小山内 薫
アイナメ3尾でトータル4,680gという驚愕のハイウエイトを持ち込み、2016マスターズクラシックの頂点に立ったのは、函館市から参戦の小山内薫選手。52cm、1,900gのモンスターを頭に、全て50cmに絡む3尾のアイナメを揃えてのスコアメイク。2015マスターズクラシックにも出場し、今年も年間成績8位でクラシック出場権を獲得。シーズンを通して常に安定した試合運びが持ち味の北海道ツアー屈指“試合巧者”が、2016年の北海道ツアーの頂点を見事勝ち取りました。 コメント:プラクティスには入れなかったため、地形を確認して朝入るポイントに目星をつけていた。入ったのは様似港中央にあるY字防波堤の付け根の外向き。東側に消波ブロックが沈み、好ポイントと考えた。朝一時間ほどは反応が全く無かった。8:00頃、エコギア アクア リングマックス3.6”の21gテキサスリグを遠投。ようやくバイトが出始め、小さめながら1尾キャッチ。その後、バイトが途絶えたのでバグアンツ3”にローテーションするも、バイトが弱く離してしまう。そこでバグアンツ2”(321 北陸レッドプラム)、14gビフテキリグにチェンジ。これで51cm、1,900gをキャッチした。立て続けにもう一尾キャッチし、リミットメイク。その後、またバイトが途絶えたので14gテキサスリグはそのままに、ルアーをエコギア アクア 活カサゴミルフル3”にスイッチし、2回の入れ替えに成功。この時点で10:00過ぎ。風が強くなってからは反応がなくなってしまった。ルアーのアクションは終始、スローな巻き。砂地フラットに点在する小規模な障害物、ゴロ石にコンタクトした際にリフト&フォール。特にルアーをステイさせたりはしなかった。テンションフォール時にバイトが出るというパターン。優勝という結果に、正直信じられないという気分。SUPER ROCK FISHも頑張りたい! タックル:
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2位 佐藤 伸
準優勝は、同じく函館市から参戦の佐藤伸選手。第1戦優勝、第2戦3位と今シーズン絶好調で駆け抜けた若武者が、勢いそのままに2016マスターズクラシック準優勝を掴み取りました。プリスポーンのコンディションの良い雄アイナメ3尾でトータルウエイト3,500gをメイク。一時怒涛のラッシュで他の選手を一気に引き離し、SUPER ROCK FISHへのチケットを獲得。常に勝負にストイックな彼らしい戦いぶりで、アングラーオブザイヤーを逃し悔し涙を飲んだ第3戦の借りを返すことができた見事な勝利でした。 コメント:今回に向けてプラクティスは二週間前に一度行った。しかし、その際は小さなアイナメ2尾のキャッチに終わり、噂に聞いたビッグサイズは1バイトのみ。それもラインブレイクしていまっていた。地形把握だけは出来たと前向きに考え、当日に臨んだ。当日最初にエントリーしたのは様似港・大会本部南側にあるスロープ横の小さな防波堤。そこからゴロタ石が沈むシャローを、キジハタグラブ4”(370 ケルプジャングルチョイス、388 スーパーホヤイエローのローテーション)の28gビフテキリグを遠投し、スイミングで探った。これで1尾キャッチ。その後、根掛かりがひどいため場所を移動。様似港南防波堤の付け根に広がるシャローを遠投で探った。手前の根がきついため、フルキャストして着底後にスイミングを開始し、2~3アクションさせては回収というスピーディーな攻め。時折ジャークを織り交ぜて積極的に誘っていった。そのパターンでコンディションの揃った雄のアイナメをリミットメイク。約一時間半の間に2回の入れ替えにも成功した。ルアーはキジハタグラブ4”(上と同色)とエコギア アクア 活カサゴミルフル3”(A13 ナチュラルチャートグロウ クリスタル+ブラックFlk.)の28gビフテキリグ。隣に入っていた駒谷選手は、リフト&フォールのなかにクワセの間を入れて大型の雌アイナメを釣っていたので、結果的に釣り分けができていた。10:00頃から風が強まり、水が濁ってきたので移動。本部前の岸壁やシャローを探るも反応無し。そのままフィニッシュした。自分の釣りをやりきること、平常心でいることをテーマに臨んだ今大会。2位という結果に満足している。 タックル:
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3位 小田島 辰也
札幌市から参戦の小田島辰也選手が3位にランクイン。今シーズン年間順位5位でマスターズクラシック出場権を獲得。2015マスターズクラシックからの連続出場です。51cm、1,600gのキッカーアイナメを含む、アイナメ3尾トータルウエイト3,320gをメイク。戦績を見ると岸壁を攻める“壁の釣り”のイメージがある選手ですが、遠投から近距離まで、ライトからヘビーまでそつなくこなすオールマイティな若手ロックフィッシャー。今大会もまさしく小田島選手のゲームでSUPER ROCK FISHチケットをもぎ取りました。 コメント:プラクティスに入ることができなかったので、前日にロッドを持たず、ロケーションの確認だけ行って当日に臨んだ。今大会のエリアでは釣りをしたことがなく、地形把握ができていないことを踏まえ、とにかく足を使ってラン&ガンし、積極的に動いてリミットメイクを目指すプランだった。まず朝一に入ったのは様似港本部前。南側のスロープ周辺をスピナーベイトで探るもノーバイト。次に、様似港中央部のY字防波堤周辺に入るもここでも不発。その隣にある船だまりの岸壁をミノーS(171 ナチュラルゴールド)の7gテキサスリグで探り、2投目でコンブ下から35cmほどのアイナメ1尾目をキャッチすることができた。小移動し、ソビラ岩を対岸の小突堤から狙い撃つ。ルアーは、キジハタグラブ4”(115 パール/スモーク シルバーGlt.バック)の21gビフテキリグ。ブレイクライン上をカーブフォールで落とし、着底後にリーリングを開始してすぐにバイト。45cmのグッドコンディションをキャッチすることができた。10:00頃、風が強くなってきたタイミングで朝入ったシャローへと戻り、バグアンツ2”(414 魅惑パープルカモ)の21gビフテキリグをボトムのゴロタ石にあてながらリーリングして探った。そのパターンで51cm、1,600gのキッカーアイナメをキャッチ。今シーズンを通して「マスターズクラシック優勝」を目標に一年間を戦ってきたので、今回の結果に決して満足はしていない。来年こそは優勝したい! タックル1:
タックル2:
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【総評】
スポーニングの進行と強く吹きつけた北西風により、思いのほか厳しい展開となった今大会。しかしながら前評判どおり4,500gを超える歴史的なハイウエイトによる優勝。そして、今大会の最大魚は佐藤翔太選手がキャッチした54cm、2,070g。極太コンディションの圧倒的な存在感を放つ素晴らしいアイナメでした。他にも50cm前後が7~8尾もウエイインされ、P.O.C.の歴史に残る大型アイナメバトルだったといえるでしょう。個体数は決して多くないが、出ればデカイ!まさしくそんな戦いでした。他のエリアにくらべ、まだまだ開拓の余地がある日高エリア。そのポテンシャルは、ロックフィッシュアイランド・北海道のなかでもトップクラスであることは今大会の結果を見てみても一目瞭然です。今後の開拓に期待したいところです。 |
結果
4位 三上 顕太 |
5位 藤田 真司 |
6位 駒谷 賢 |
6位 半田 義博 |
6位 若井 章弘 |
9位 佐藤 翔太 |
10位 山本 英仁 |
11位 今本 則子 |
12位 成田 勇介 |
13位 谷藤 圭太 |
14位 大森 秀樹 |
15位 小林 良稚 |
16位 木下 喜智 |
17位 西川 雄哉 |
順位 | 氏名 | 重量(g) | 魚種 |
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1 | 小山内 薫 | 4,680 | アイナメ×3 |
2 | 佐藤 伸 | 3,500 | アイナメ×3 |
3 | 小田島 辰也 | 3,320 | アイナメ×3 |
4 | 三上 顕太 | 3,230 | アイナメ×3 |
5 | 藤田 真司 | 3,110 | アイナメ×3 |
6 | 駒谷 賢 | 2,590 | アイナメ×2 |
6 | 半田 義博 | 2,590 | アイナメ×2 |
6 | 若井 章弘 | 2,590 | アイナメ×2 |
9 | 佐藤 翔太 | 2,070 | アイナメ×1 |
10 | 山本 英仁 | 1,960 | アイナメ×2 |
11 | 今本 則子 | 1,700 | アイナメ×1 |
12 | 成田 勇介 | 1,640 | アイナメ×2 |
13 | 谷藤 圭太 | 1,090 | アイナメ×1 |
14 | 大森 秀樹 | 1,020 | アイナメ×2 |
15 | 小林 良稚 | 920 | アイナメ×1 |
16 | 木下 喜智 | 820 | アイナメ×1 |
17 | 西川 雄哉 | 300 | アイナメ×1 |
18 | 柏木 雅一 | 0 | |
18 | 西川 貴法 | 0 |
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