第118回 POWER OCEAN CUP 2016 北海道ツアー第3戦 室蘭沖堤防 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
9月18日 (日) 第118回 パワーオーシャンカップ2016 北海道ツアー第3戦 室蘭沖堤防 ロックフィッシュ
 パワーオーシャンカップ2016北海道ツアーもいよいよ大詰め!ツアー3戦の締めくくりとなる第3戦を9月18日、ロックフィッシュの聖地「室蘭」にて開催しました。今回は、以前より選手からのリクエストが多い沖堤防での決戦。通称“白堤”と呼ばれる北堤防を舞台に、総勢111名の選手が熱いバトルを繰り広げました。
 大会前の釣況は、まだ水温が高く夏枯れからの回復が遅れ、港内のロックフィッシュの個体数は例年よりも少なめとの情報。とは言え日本屈指の魚影を誇る聖地「室蘭」。プラクティスに入った選手からは「釣る人は釣っている」との声。確かにプラクティスで3本リミット2kg台後半をスコアメイクしたアングラーもいる様子。試合前、各選手に今回の優勝ウエイトの予想はどのくらい?と聞くと、一様に「3kgは超えるでしょう!室蘭ですから」との返答。はたして、室蘭らしい驚愕のビッグウエイトは出るのか?それとも夏枯れによるシビアなバトルとなってしまうのか?まったく予想がつかないまま当日を向かえました。

 フィールドとなる“白堤”は、南北に伸びる全長約1,300mの沖堤防。狙いどころは大きく分けて3パターン。海藻が茂る堤防の壁際を狙うパターン。もっとも明確な起伏となる堤防の基礎を狙うパターン。そして、沖のブレイクラインや沈み根を狙うパターン。どのパターンも実績は十分。堤防周辺に居着くロックフィッシュを丁寧に探し歩くか?沖を回遊するロックフィッシュを狙い撃つか?どちらに軍配が上がるのかはやってみないことにはわからない・・・それが室蘭沖堤防です。
 肌寒さを感じる朝4:30。天気はあいにくの小雨。東風が吹いているものの、風は次第に弱まる予報。受付を済ませ随時渡船開始。選手全員が渡り終えたところでレギュレーションミーティング。そして6:15頃、いよいよスタートフィッシングのコールとなりました。

 スタート直後からあちらこちらでロッドが曲がります。ロッドを曲げたのは、キーパーサイズにギリギリ届くかどうかのエゾメバル(ガヤ)たち。外向きの選手にも、内向きの選手にも、足元を狙う選手にも、沖を狙う選手にも・・・とにかくものすごい数のエゾメバルのバイトラッシュ!ハイウエイトを目指す選手にとっては、エゾメバルの猛攻はゲームを難しくする原因に。しかし、数週間前まではエゾメバルすら少なかったことを考えれば、夏枯れからの回復の兆しともとれます。かならず室蘭らしいモンスターサイズのロックフィッシュも動いているはず!そう信じて各選手がもくもくと自分のゲームを追い求めます。
 しばらくして堤防を見回ると、選手は堤防全域にまんべんなく散らばっている印象。内向きにくらべると、外向きに展開した選手の方がやや多く見えます。南北でみると、本部から遠い北寄りはやや空き気味。どちらかといえば南寄りの方に多くの選手が立っています。釣況は、どのエリアも相変わらずエゾメバルの猛攻が続き、良型のアイナメ・クロソイは単発では出ているものの、なかなか続かないタフな展開。早い段階でリミットメイクしている選手もちらほらいますが、室蘭ならではのハイウエイトには届いておらず、まったく気が抜けない緊張感が包みます。タイドスケジュールは、12:00のストップフィッシングまでの間に、10:30頃干潮を挟みます。潮変わりのタイミングが、膠着した試合の流れを変えてくれることを祈る選手達・・・。

 11:00より検量を開始。しかしウエイインする選手はまばら。そのほとんどがギリギリまで粘っています。一尾のキッカーが大きく順位を跳ね上げる状況だけに、1キャスト1キャストに熱がこもります。11:30を過ぎたあたりからウエイインの選手が並びます。結果111名中89名がウエイインし、ウエイイン率80.2%と高い水準に。しかしながら、トータルウエイト3kgを超えた選手は1名のみ。2kg台も7名と、予想以上にタフな室蘭沖堤防戦となりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 半田 義博 4350 100
2 三上 顕太 2830 98
3 柏木 雅一 2500 96

優勝 半田 義博

 2016北海道ツアー第3戦を制したのは、札幌市からエントリーの半田義博選手。かつてはP.O.C.北海道ツアーで数々の輝かしい戦績を残しながらも、近年若手の台頭により苦しんだ北海道屈指のエキスパートが、“彼らしい”爆発力を発揮して見事復活!今大会最大魚55cm、2,320gのモンスターを含む、アイナメ3尾、トータルウエイト4,350gという圧倒的なビッグスコアでぶっちぎりの優勝を飾りました。

コメント:先月行われた別の試合に出場し、それをプラクティスとした。その時に感触が良かった2oz.テキサスリグのズル引きメソッドを、今回のメインと据えて今大会に挑んだ。エントリーしたのは堤防南端の内向き寄りの角。はじめからここに入ることだけを考えていた。広角にキャストして魚を探したが、開始して一時間半はノーフィッシュ。しかし、このゲームを終始押し通した。カレントが緩み始めた頃からバイトが出始めた。ルアーはバグアンツ2”と3"をローテーション。カラーはともに409(ロックベイトシナモン)。その他、グラスミノーやビッグエスケープツイン等もローテーションしたが、バグアンツで連発した。その後、バイトはあるもののフックアップしなくなってきたので、ルアーをエコギア アクア リングマックス3.6”(A37 リアルマッドゴビィ)にチェンジ。そして今回のキッカーとなる55cm、2,320gをキャッチした。2oz.テキサスリグのアクションは、ロッドストロークを利用したスローなズル引きのみ。ロッドティップがプルプルと震えるスピード、抵抗感で引くのがキモ。2oz.テキサスはエゾメバルの猛攻もかわしやすいメリットもある。キーパーは全部で20尾強釣ることができた。自分で決めたことを終始徹底してやり通すことができたことが勝因!

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO710XHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”、同3” (エコギア)、エコギア アクア リングマックス3.6”(エコギア) + 2oz.テキサスリグ

2位 三上 顕太

 2位には“ミカケン”こと三上顕太選手がランクイン。2016シーズンは、第1戦では結果を残せず、第2戦には参加できず、自身の7年続くP.O.C. MASTERS CLASSIC連続出場の記録をさらに延ばすためには、第3戦を上位3位内が必須という背水の陣で挑んだ若武者がここ一番での強さを発揮して表彰台獲得!アイナメ2尾、クロソイ1尾のミックスバッグでトータルウエイト2,830gフィニッシュ。昨年惜しくも出場が叶わなかったSUPER ROCK FISH出場を目指す!

コメント:大会前にプラクティスに入る時間が無く、今大会に向けての集中力を高めるため、あえてしばらくの間、釣りの事に触れないようにして釣りから離れていた。今大会で絶対に3位までに入らなければならないという強い気持ちで臨み、守りと攻めのバランスを意識したゲームを組み立てた。まず始めに入ったのは南端近くの外向き。少しだけ打ってみたが雰囲気が違うと判断し、大移動。北寄りの内向きにシフト。約100mのストレッチを往復するなかで魚を釣り歩いた。堤防際から1mほど沖に沈む基礎周辺を丁寧に探った。リグは14gビフテキリグ。ルアーはロッククロー2”とバグアンツ3”のローテーション。特にロッククロー2”が好反応だった。カラーはどちらも408(ウォーターメロンバグ)。リーリングまたはロッドワークで基礎の上をかすめながらストレート引き。基礎の隙間に入れるとアイナメのバイトがないため、隙間には入れない。エゾメバルは間違って掛かってしまうもの以外は、とにかくバイトを無視して釣り続けた。途中、30mほど沖にキャストしブレイクラインを探るパターンも織り交ぜると、フォール中に良型のクロソイがバイト。この1尾でウエイトを伸ばすことができた。今までで一番うれしいP.O.C. MASTERS CLASSIC出場権獲得となった!

タックル

ロッド: ロードランナーストラクチャーST720H(ノリーズ)
ルアー&リグ: ロッククロー2”(エコギア)、バグアンツ3” (エコギア) + 14gビフテキリグ

3位 柏木 雅一

 3位にランクインしたのは小樽市からエントリーのベテラン・柏木雅一選手。アイナメ3尾トータルウエイト2,500gをウエイイン。今シーズンは常に安定感ある戦いぶりで第2戦終了時点では年間3位につけていた実力派が、第3戦で表彰台に入り、悲願の2016北海道ツアー・アングラーオブザイヤーを獲得。綿密なプラクティスと徹底したフィールドワークを続け、昨年惜しくも掴み損ねたアングラーオブザイヤーを見事掴み取りました!

コメント:前週にプラクティスに入った。今日同様にエゾメバルが多く釣りづらい状況。アイナメは40尾ほど釣ったが40cmアップは5本のみだった。数は出るが、サイズが出ない状況だった。それをもとに、優勝ウエイトは3kgほどを想定していた。今日入ったのは北寄り。先端よりもやや南に戻ったあたりの内向き。入った理由は、他のエリアよりも人が少ないため。バグアンツ3”(408 ウォーターメロンバグ)の10gビフテキリグを10mほど沖にキャストし、ボトムから少し浮かせてアイナメのバイトのみを狙っていった。ボトムをとりすぎるとエゾメバルの猛攻にあいやすいため、少し浮かせることが大切。あえてバグアンツ3”というボリュームあるベイトを選ぶこと、ウォーターメロンバグというカラーを選ぶことでエゾメバルのバイトをかわしていった。朝一に良いサイズのアイナメをばらしてしまったが、この展開でまずはリミットメイクし、その後11時ごろから堤防際の釣りにシフト。それで2尾を入れ替えることができた。プラクティスどおりの展開で釣る事ができ、それが表彰台に繋がった。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムRPO710HS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ3”(エコギア) + 10gビフテキリグ

【2016 Angler of the Year】 柏木 雅一

 パワーオーシャンカップ2016北海道ツアーの頂点に立ったのは、自身初となるA.O.Y.獲得となった柏木雅一選手。 第1戦13位、第2戦7位と、第3戦3位と、シーズンを通して抜群の安定感を発揮。尻上がりに順位を上げ、見事逆転で北海道ツアーの頂点を勝ち取りました。おめでとうございます! これにより、北海道、東北ツアーを通して最初の2016 P.O.C. SUPER ROCK FISH出場権を獲得した柏木選手。夢の舞台でさらなる活躍を期待しています!

【総評】

 前戦は悪天候により残念ながら渡ることができなかった室蘭沖堤防。多くの選手が沖堤防での試合を望むなかで、今回ようやく乗ることができました。ただ、水温の低下が例年よりも遅れており、夏枯れの影響が色濃く残る状況に、本来の室蘭沖堤防らしさが影を潜めてしまいました。しかし、そんななかでも今大会優勝した半田選手のウエイトは文句抜きの「室蘭」コンディション!室蘭沖堤防をホームと言い切る半田選手らしい圧巻の勝利でした。そして、夢の2kg超アイナメを狙って釣ることができる「室蘭」に脱帽です。
  今大会を終え、いよいよ2016北海道P.O.C. MASTERS CLASSIC出場選手が出揃いました。出場選手は総勢19名。その顔ぶれは、毎年MASTERS CLASSICに名を連ねる錚々たるメンバーから、MASTERS CLASSIC初となる女性アングラー、ここ数年でめきめきと頭角を現してきた若手勢、そして数年ぶりにMASTERS CLASSICに帰ってきたベテランと様々。北海道・東北ツアーの頂上決戦「2016 P.O.C. SUPER ROCK FISH」の北海道代表3枚の出場権を賭けたバトル。はたして誰が手にするのか?熱い戦いから目が離せません!
  最後に、2016シーズンを通してパワーオーシャンカップを支えてくださいました選手の皆様へ、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。また、今大会にあたり、ご協力頂きましたスターマリン株式会社様、室蘭漁業協同組合様、そして大会を受け入れて頂きました室蘭の皆様に重ねて感謝申し上げます。
 室蘭のロックフィッシュシーズンはまさにこれから!ハイシーズンの室蘭であれば、驚愕の極太アイナメやモンスターサイズのソイを思う存分追うことができます。おかっぱり、沖堤防、ボートと、色々な角度からロックフィッシュを満喫することができる道内屈指のロックフィッシュパラダイス「室蘭」で、ロックフィッシュゲームの面白さに触れてみてはいかがでしょうか?

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1半田 義博4350100
2三上 顕太283098
3柏木 雅一250096
4中村 勝227094
5森本 正善217092
6木下 喜智214090
7眞村 将彦201088
7渡辺 雅俊201088
9小田島 辰也193084
10山本 英仁192082
11岸田 広輝183080
12原田 英紀176078
13小林 良稚172076
14菅原 優一167074
15神田 洋樹164072
15吉田 洋介164072
17小松倉 学159068
18橋本 憲之158066
18藤田 真司158066
20甲斐 隆之介151062
21玉川 正人149060
22佐藤 翔太143058
23佐藤 伸139056
24小山内 薫137054
25大浦 一輝134052
26近藤 哲也132050
26下山 誠132050
28中村 亮義130046
29中川 正光128044
30大導寺 祐輔123042
31能登 勇太122040
32若井 章弘112038
33今野 久志110036
34谷藤 圭太109034
35上田 仁之105032
36駒谷 賢103030
36佐藤 逸人103030
38丸山 大一102030
39柿島 心平100030
40甲森 孝太99030
40小林 幸生99030
40武田 泰成99030
40近間 康平99030
40渡邉 誠人99030
45宮島 和也97030
46松井 智博96030
47原田 善広95030
48西川 雄哉92030
49山本 重明90030
50小林 雄亮88030
51今本 則子87030
52工藤 真一86030
53泉谷 功85030
53井戸川 真吾85030
53白針 清志85030
56宮島 淳82030
57鈴木 馨二81030
58高 和矢80030
59大導寺 美佐76030
59高砂 吉郎76030
61熊谷 一寛73030
62大森 秀樹72030
62関根 浩貴72030
62野村 潤也72030
65駒谷 貴代隆71030
66高松 奈々美70030
67吉田 宣宏67030
68河村 俊之65030
68菊地 良太65030
70山田 智則63030
71成田 勇介62030
72遠藤 辰也55030
73斉藤 優駿54030
74石川 陽太郎53030
75赤石 聖英52030
76土屋 秀敏50030
77大谷 重晴48030
78三浦 和典47030
79本間 千絵46030
80山口 隆38030
81渡辺 正悟36030
82上森 悠平33030
82大津 新人33030
84石澤 卓29030
84柴田 隆一29030
86小山内 康明26030
87合田 秀樹15030
88今井 孝14030
89佐藤 秀10030
90猪俣 仁一030
90蛯子 木世寿030
90小山内 公一030
90且見 寿樹030
90加藤 純平030
90木村 和也030
90清田 泰夫030
90工藤 紘己030
90小林 章030
90佐々木 勇030
90佐藤 巧司030
90佐藤 文彦030
90三宮 順一030
90柴田 泰久030
90高橋 智之030
90高橋 満春030
90田村 隆之030
90対馬 勝也030
90中島 宏之030
90中西 朋也030
90深澤 奨太030
90横手 将人030

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