第114回 POWER OCEAN CUP 2016 北海道ツアー第1戦 函館港 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
6月19日 (日) 第114回パワーオーシャンカップ2016 北海道ツアー第1戦 函館港 ロックフィッシュ
 パワーオーシャンカップ・ツアートーナメント2016シーズンの初戦となる北海道ツアー第1戦の舞台は、P.O.C.の原点「函館港」。今回は、指定したトーナメントエリア内でのラン&ガンスタイルによるバトルです。参加選手は総勢110名。今年も第1戦から100名を越えるエントリーをいただきまして、心より感謝申し上げます。
 今回の舞台となる函館港は、道南エリア最大の港。南側を函館山にプロテクトされた独特の地形で、複数の埠頭により構成されています。トーナメントエリアを大きく分けると、港町埠頭、北埠頭、万代埠頭、中央埠頭、海岸町船だまり、摩周丸前、緑の島、西埠頭、函館どつく、そして西側に隣接する入船漁港。また、今回は函館山東側に位置する住吉漁港もトーナメントエリアとしました。
 海の状況は、季節的な海水温上昇による濁りと、前々日に降った豪雨による濁りが重なってしまったため、プラクティスに入った選手からの情報によると、ロックフィッシュがなかなか口を使ってくれない様子。また、港内に大量のイワシ、サバ、アジが入っており、それを追ってイナダがよく釣れているとのこと。そのため、埠頭によっては朝から多くの釣り人が入っており、それも計算に入れた試合展開が要求されます。いつも以上に難しい試合になること必至という状況のなか、大会当日を向かえました。

 今大会の本部はトーナメントエリアのちょうど中央に位置する「緑の島」。4:30より受付を開始すると、続々と参加選手が集結。今シーズン初戦ということもあり、選手達の表情は熱気に溢れています。天気は予報によると曇りのち晴れ。海上は釣りをするに問題ないコンディションです。しかし、あくまで心配なのは海の中。はたして状況は好転するのでしょうか?そんな不安と期待が入り混じるなか、受付、タックルチェック、レギュレーション確認を行い、5:10頃、待ちに待ったフライトのコール。抽選で引いたフライト順に従って各選手が思い思いのポイントに向かってフライトしていきます。

 フライトして早々、緑の島にエントリーしていた若井章弘選手が良型のアイナメをキャッチ。もしや状況が上向いたかと期待しましたが、各選手その後なかなか続くことができません。若井選手もこう着状態を打破すべく、早々に他のエリアへと移動していきました。一方で緑の島以外のエリアをチェックしに回ってみると、局所的に選手が集中している様子はなく、各ポイントに散らばった印象。しかし、全体的に釣れている様子は感じられず、朝から懸念していたタフな試合展開が顔をのぞかせます。ローウエイトの大接戦になりそうな予感・・・。

 12:00を過ぎるとウエイインする選手の姿がちらほら。選手達の口からは「やれることは全部やった」「すべて出し切った」「これ以上はさすがに無理」という声がもれます。極めて厳しい戦況だったことを伺わせるウエイインとなりました。結果は参加110名中48名がウエイイン。ウエイイン率は43.6%でした。うち、リミットメイクできた選手は5名。ウエイトを見ると2kg台が1名、1kg台が6名という非常にローウエイトな接戦となりました。上位の顔ぶれを見ると過去のパワーオーシャンカップでも実績を残す実力者ばかり。タフコンディションでも結果を出す選手達のスキルの高さを感じた大会となりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 佐藤 伸 2460 100
2 西川 貴法 1690 98
3 若井 章弘 1260 96

優勝 佐藤 伸

※実際に使用していたカラーは434

 2016北海道ツアー初戦を制したのは、地元函館からエントリーの「サトシン」こと佐藤伸選手。2014 P.O.C. MASTERS CLASSICチャンプが、一昨年の勢いを取り戻し、今シーズン初戦を見事優勝で飾りました。各選手がアイナメ1尾すら搾り出すのに苦しむなか、今大会最大魚45cm、1,370gのキッカーフィッシュを含む、アイナメ3尾を揃え、トータルウエイト2,460gをメイク。圧巻のぶっちぎりウエイトで優勝の座を掴み取りました。

コメント:二週間ほど前からプラクティスは2度入っていた。しかし、プラクティスの時はノーフィッシュ。その時、同行した妻に47cmを釣られ、それが今回のヒントとなった。朝一から港町埠頭にエントリー。水は濁っていたが、他のエリアも濁っていると判断し、港町埠頭で粘ると決めた。朝一は一般の釣り人が多く、しばらくは釣りができない状態だったので我慢。空いてきてから間に入れてもらって探り歩いた。終始狙ったのは岸壁のスリット&縦ストラクチャー。水深がある埠頭なので、何度も往復し丁寧に探った。ベイトタックルにはロッククロー2”(434 アボカドチャートハーフフロート)の10g・14gビフテキリグ、スピニングタックルにはロッククロー2”(434 アボカドチャートハーフフロート)、バグアンツ2”(261 アボカドハーフフロート)の5g・7gビフテキリグをセット。それらをフォールスピードを意識して使い分けた。ロッククローとバグアンツはみせる時間で使い分け。ロッククローはステイ時によりスローに見せられるのがメリット。先にキーパー2尾をキャッチし、次の往復時に、先ほど釣れたスリットからキッカーフィッシュを引き出すことができた。

タックル1

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT78MHC(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: ロッククロー2”(エコギア) + 10g・14gビフテキリグ

タックル2:

ロッド: ロードランナーヴォイス680MLS(ノリーズ)
ルアー&リグ: ロッククロー2”(エコギア)、バグアンツ2”(エコギア) + 5g・7gビフテキリグ

2位 西川 貴法

 2位に入賞したのは瀬棚郡からエントリーの西川貴法選手。2015 P.O.C. MASTERS CLASSIC出場の実力者がきっちりと上位ランクイン。グッドサイズのオウゴンムラソイ(ハチガラ)を2尾キャッチし、スジアイナメを追加してトータルウエイト1,690gフィニッシュ。2尾のムラソイはウエイトのある見事なコンディションでした。

コメント:ノープラクティスで挑んだ今大会。唯一把握している緑の島に最初から最後までこだわってゲームを貫いた。狙ったのは島周りの際。その表層をミノーS(158 スーパーホログラム/ピンクグロウ)の3.5gテキサスリグで誘いを入れながらひたすら探っていった。とにかく足で稼ぐ戦略。いったい何週したのかわからないくらい回った。ワームカラーをピンクにした理由は、水が濁っていたため。手持ちのカラーのなかで最も派手な158を選んだ。ローウエイト戦になったことが上位に入る勝因となった。

タックル

ロッド: 6’10”スピニングロッド
ルアー&リグ: ミノーS (エコギア) + 3.5~5gテキサスリグ

3位 若井 章弘

 3位には札幌市からエントリーの若井章弘選手がランクイン。こちらもP.O.C. MASTERS CLASSIC常連の実力派。ベテランならではの試合運びで、アイナメ2尾、1,260gをメイクし、今大会もきっちり表彰台に。おどろくべきは、過去の函館港ラン&ガン戦で参戦した4戦のうち3戦がお立ち台という抜群の安定感!

コメント:10日ほど前にプラクティスに入った。その時は全然かみ合わず、一日かけて30cmギリギリのアイナメを3尾そろえるのが精一杯だった。港内にイワシやサバが大量に入っているため釣り人が多いことを想定。朝一は、一般釣り人が入っていない緑の島を狙うことにした。開始早々、グラスミノーL(171 ナチュラルゴールド)の5gジグヘッドリグでコンディションの良いアイナメを1尾キャッチ。壁際のスイミングで。その後、入船漁港の堤防に移動し、外向きを探るとキーパーサイズがヒット。しかしバラシ。別の場所をラン&ガンするも不発。タイミングを変えて再度、入船漁港に入りなおし、バグアンツ2”(004 ウォーターメロン ブラックFlk.)の21gテキサスリグでキーパー1尾キャッチ。ロングキャストでの釣果。函館はとにかく相性が良い!次戦の室蘭も得意な釣り場なので頑張りたい。

タックル1

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT711LS(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア) + 5gイワシヘッド(エコギア)

タックル2

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT78MHC(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア) + 21gテキサスリグ

【総評】

 季節の境目で釣況が安定しないところに、前々日の豪雨&暴風による濁り。さらに、ベイトフィッシュ&青物の大量接岸という異常事態のなか行われた今大会。難しい試合になるのではという不安は的中し、ローウエイト戦の予想が見事にはまってしまいました。しかしながら、そのような状況下でもきっちりとスコアを出してきた選手の顔ぶれを見ると、クラシック出場経験者ばかり。ハイウエイト戦以上に実力が浮き彫りになった試合だったのかもしれません。大会終了後、選手達の疲れきった様子に、バイトが遠い状況でも己を信じ、最初から最後まで自身の持てるものを全て出し切って戦い抜いた姿を垣間見ることが出来ました。技術、決断力、精神力、観察力、経験値、努力・・・その全てが試された一戦。上位に入った選手にとっても、ノーフィッシュで涙をのんだ選手にとっても記憶に残る函館戦だったのではないでしょうか。

 最後に、タフな一日を戦い抜いた選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きました各ショップ様、大会を受け入れて頂きました函館の皆様に心より感謝申し上げます。  これからロックフィッシュシーズン本番を向かえる函館。海の状況が安定すれば、アイナメやソイがロッドを大きく曲げてくれるはずです。道内屈指の人気エリアだけに、ハイウエイトを狙うにはテクニカルなゲームが要求されるのも函館の魅力。アングラーとしての技術を磨くのにはうってつけのフィールドです。「もっと上手くなりたい!」と思うアナタは迷わず函館のロックフィッシュ達と正面から向き合ってみて欲しい。間違いなく上達への道が待っているはずですから。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1佐藤 伸2460100
2西川 貴法169098
3若井 章弘126096
4山本 英仁111094
5石澤 卓107092
6大森 秀樹106090
7菊地 良太101088
8上田 仁之87086
9谷藤 圭太86084
9藤田 真司86084
11川上 太郎80080
12柴田 隆一79078
13柏木 雅一77076
14寳福 一也75074
15駒谷 賢74072
16佐藤 翔太72070
16関根 浩貴72070
18石川 陽太郎70066
19阿部 書和69064
20柴田 泰久59062
21河越 祥太58060
22今本 則子57058
22三宮 順一57058
24五福 公人55054
25山本 重明53052
26渡辺 正悟52050
27佐藤 逸人51048
28小山内 薫47046
29佐野 飛鳥40044
30木下 喜智39042
31中村 知道35040
32高 和矢34038
33齋藤 壮平33036
34近間 康平28034
34守口 拓良28034
36赤松 拓24030
37半田 義博23030
38能登 勇太22030
39佐藤 文彦17030
39松岡 諭17030
39山口 隆17030
42西村 尚浩16030
42吉田 宣宏16030
44玉川 正人15030
45蒔田 和稔14030
45宮島 和也14030
47小野 健悟13030
47野場 一志13030
49阿部 碧030
49板橋 信明030
49井戸川 真吾030
49岩見 友弘030
49蛯子 木世寿030
49大坂 洋介030
49大塚 信春030
49小山内 公一030
49小山内 康明030
49小澤 儀洋030
49小田島 辰也030
49甲斐 隆之介030
49柿島 心平030
49柿本 博喜030
49加藤 純平030
49川村 真弥030
49清田 泰夫030
49久保田 満也030
49越野 卓也030
49小林 賢一030
49小林 幸生030
49小林 良稚030
49駒谷 貴代隆030
49齊藤 康光030
49笹田 桂一030
49佐藤 巧司030
49佐藤 広宣030
49清水 敬幸030
49下田 和広030
49下山 誠030
49菅原 優一030
49鈴木 馨二030
49大導寺 美佐030
49大導寺 祐輔030
49高橋 智之030
49高橋 満春030
49高橋 良彰030
49田嶋 勇030
49田村 直登030
49田村 隆之030
49対馬 勝也030
49外崎 和浩030
49中瀬 龍一030
49成田 勇介030
49西川 雄哉030
49西本 知太郎030
49野沢 翔030
49野田 侑史030
49橋本 憲之030
49平野 良樹030
49丸山 大一030
49三浦 和典030
49三上 顕太030
49宮崎 将輝030
49宮島 淳030
49本藤 知華030
49守口 康朗030
49安田 和広030
49山田 智則030
49山根 雅則030
49吉田 拓磨030
49芳谷 侑嗣030
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