第113回 POWER OCEAN CUP 2015 OPEN TORNAMENT 鹿児島県 谷山一文字
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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9月6日 (日) | 第113回パワーオーシャンカップ オープントーナメント |
鹿児島県 谷山一文字 |
ロックフィッシュ |
9月6日、パワーオーシャンカップ史上初となる鹿児島県でのオープントーナメントを、九州屈指の実績メジャーフィールド「谷山一文字」にて開催しました。今回のメインターゲットは、近年一気にブレイクした「オオモンハタ」「キジハタ」、そして九州で“アラカブ”と呼ばれる「カサゴ」。ゲストアングラーに折本隆由プロを迎え、総勢53名でのバトルとなりました。 | |
フィールドとなる「谷山一文字」は、南北に伸びる全長約1,900mの大規模な沖堤防。水深は手前から比較的深く、ひとたび沖にキャストすれば10m以深の海が広がります。足元にはケーソンや基礎、捨石がポイントを構成し、沖には沈み根が点在。北端には消波ブロックが沈み、実績ポイントとなっています。同堤防は、大型のオオモンハタ・キジハタの実績が高く、地元の方の話では隣接する定置網に10kg超のスジアラが入ったこともあるとのこと。ロックフィッシュのほかに、カンパチやマダイといったビッグターゲットも狙うこともでき、一年を通して多くの魚と向き合うことができる非常にハイポテンシャルなフィールドです。 | |
4:30より受付を開始するも、集合場所の谷山漁港はバケツをひっくり返したようなドシャ降りの雨。状況が好転するまで、仕方なく漁港内にて一時待機することに。6:00頃になると雨が小康状態となり、ようやくミーティングを開始。ミーティング後に随時渡船し、選手全員が沖堤防に乗った7:00頃、折本プロのコールで待望のスタートフィッシングとなりました。 | |
フライト後、周囲を見渡すと、北端から南端まで参加者は全体的に散らばった印象。本部を設置した堤防中央付近にも複数の選手がエントリーしていました。しばらくして本部前の内向きに入った選手のロッドが曲がります。上がってきたのは今回の主役“オオモンハタ”。雨の影響で沈黙してしまうのでは・・・と心配していましたが、とりあえずの釣果に我々も胸をなでおろしました。その後、堤防中央よりやや南側へ寄ったエリアに入っていた選手のロッドが大きな弧を描き、50cm近い大型のオオモンハタをキャッチ。この状況下で、このサイズのハタが沖堤防で釣れてしまう事実に、運営側はただただ驚くばかり。スタートしてさほど時間が経たない間に、谷山一文字のポテンシャルの高さを見せつけられました。 | |
本部周辺の堤防中央部でポツポツと釣果が出ている一方で、前評判の高かった北端エリアはというと、流入河川からの雨水の影響で潮が濁り、スタート直後こそ数名がキャッチしたものの、次第にバイトが減り、タフコンディションに。実績ポイントだけに動くべきか、粘るべきか・・・各選手、判断に悩むところ。10:00を過ぎた頃から天気が回復し、朝の雨空がうそのように晴れ、青空が広がりました。この日差しが吉と出るか凶と出るか・・・選手達をさらに悩ませます。 | |
11:00過ぎからウエイインを開始すると、コンスタントに魚が持ち込まれます。想定外の豪雨による水潮&濁りによってタフコンディションと化した谷山一文字。そのような状況でも53名中34名が見事ウエイイン。複数の選手がリミットメイクし、なかには1kgを優に超えるオオモンハタ、キジハタを持ち込む選手の姿も。九州ロックフィッシャーマンのスキルの高さと、谷山一文字の懐の広さを感じた光景でした。また、ウエイインの際に、キジハタは赤いエビを、オオモンハタはイワシやベラ、ネンブツダイの幼魚を吐くケースが多く見られました。マッチ・ザ・ベイトの考え方をすれば、まさしく“キジハタはボトムバンプ” “オオモンハタはスイミング”というパターンを裏付けた結果と言えるでしょう。 |
【TOP3】
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優勝 堀内勇樹
P.O.C.史上初の鹿児島開催となった谷山一文字戦を制したのは、鹿児島県鹿屋市からエントリーの堀内勇樹選手。50cm、1,860gのモンスターキジハタをキッカーに、オオモンハタ2尾を追加してトータルウエイト2,560gというビッグウエイトをメイク。他を圧倒するぶっちぎりの2kg超で鹿児島戦・初代王者の座を掴み取りました。 コメント:本部テントより200~300mやや南側によったエリアの外向きにエントリー。はじめはスイミングパターンでチェックするもバイトが少なかったため、甲殻類狙いの魚にシフト。足元の基礎石周りを、バグアンツ3”(069 ブラッディーレッド ブラックFlk.)の18gテキサスリグで丁寧に探る戦略。10:00頃、今回のキッカーフィッシュとなる50cmのキジハタをキャッチした。その後、オオモンハタを2尾追加してリミットメイクに成功。オオモンハタはリグ回収のタイミングでバイトが集中した。 タックル:
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2位 池田雄基
準優勝は福岡県筑紫野市からエントリーの池田雄基選手。キジハタ2尾、オオモンハタ1尾でリミットを揃え、トータルウエイト1,700gをメイク。今回が釣りを始めてまだ4回目の釣行で、過去3回は釣果に恵まれなかったという驚きの経歴。実質的に今回が初の好釣果で、いきなり表彰台というまさしく“持ってる”アングラー。 コメント:まだ釣りを始めて4回目。今大会には職場の先輩とともに出場した。谷山一文字での釣行も初。本部テントより少し南側によったエリアの外向きにエントリー。先輩のアドバイスをもとに、キジハタグラブ4”(372 三陸リアスレッドⅡ) + スイミングテンヤ20gをチョイス。足元のボトム中心に探った。8:00頃、小ぶりながらもキーパーサイズのキジハタをキャッチ。9:00頃、グッドサイズのキジハタをキャッチすることに成功。さらにオオモンハタ1尾を追加してリミットメイクした。 タックル:
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3位 恵畑絢耶
3位入賞は鹿児島県鹿児島市からエントリーの恵畑絢耶選手。オオモンハタ2尾、カサゴ1尾でリミットメイクし、トータルウエイト1,600gでフィニッシュ。谷山一文字は地元ということあってホームグラウンド。フィールドのくせを熟知した展開で、タフなコンディション下でも安定したスコアを出し、見事表彰台に立ちました。 コメント:実績の高い北端エリアに的を絞りエントリー。海中の消波ブロックの沖側をテキサスリグのリフト&フォールで探る戦略。キジハタグラブ4”で探り、オオモンハタ1尾をキャッチ。エビを吐いたため、ルアーをバグアンツ4”(323 北陸クリアホロ)にスイッチ。水の濁りが強く、バイトが遠かったため、ボトムをネチネチと探るパターンに切り替えた。それでオオモンハタ、カサゴを各1尾キャッチした。ちなみに谷山一文字では「323 北陸クリアホロ」が実績あるワームカラー。濁りが強い状況下でも実績カラーを信じて貫いた。 タックル:
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【総評】
近年、全国各地で新たなフィールドの開拓が進み、人気ターゲットとして一躍脚光を浴びるようになった「オオモンハタ」「キジハタ」。今回の開催地である九州・鹿児島でも、その勢いは増すばかりです。そのようななか、ハタの聖地的フィールドである錦江湾で、初のパワーオーシャンカップを開催することで、更なる可能性、そしてこれからの課題を感じた大会となりました。都市近郊で手軽にアプローチできるフィールドに、これだけ多くのロックフィッシュが生息する豊かな環境。今回は悪天候によるタフコンディションのため、フィールドのポテンシャルを最大限まで引き出すことはできませんでしたが、谷山一文字の凄さの一端を垣間見ることはできました。当日の最大魚は、オオモンハタは48.5cm(1,590g)、キジハタは50cm(1,860g)。それらは沖堤防で釣れるロックフィッシュとしては最大級でしょう。このような魚達がいつまでも釣れるフィールドとしてあり続けるために、我々アングラーがどう向き合っていくべきか、守っていくべきか・・・参加選手の心にメッセージが届いていればと願うばかりです。
「豊かなフィールドの力を過信することなく、アングラーそれぞれが将来を意識し、フィールドを守っていく。」 |
それこそがこれからのゲームフィッシングのあり方だと胸に刻み、意義のある一歩を踏み出せた大会となりました。
最後に、悪天候にも関わらず大会にご参加頂きました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きましたフィッシングオガタ様、桃太郎丸様、釣鯛洋丸様、近隣各ショップ様、そして大会を受け入れて頂きました鹿児島の皆様に心より感謝申し上げます。 錦江湾に浮かぶ南海のロックフィッシュパラダイス「谷山一文字」。オオモンハタやキジハタ、カサゴはもちろん、運がよければ南洋ロックフィッシュの王者・スジアラとも戦える可能性を秘めています。他にもカンパチやマダイといったパワーファイター達と真剣に向き合うことができる素晴らしいフィールドです。鹿児島を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
結果
順位 | 氏名 | 重量(g) |
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1 | 堀内 勇樹 | 2560 |
2 | 池田 雄基 | 1700 |
3 | 恵畑 絢耶 | 1600 |
4 | 坂口 卓 | 1590 |
5 | 北原 千幹 | 1490 |
6 | 吉野 直樹 | 1370 |
7 | 原田 剛 | 1170 |
8 | 安楽 成人 | 1020 |
9 | 國分 健太郎 | 990 |
9 | 繁田 芳樹 | 990 |
9 | 松田 真英 | 990 |
12 | 的野 宏昭 | 980 |
13 | 八巻 亮太 | 910 |
14 | 山之内 尚史 | 870 |
15 | 川南 笑子 | 730 |
16 | 小田 泰三 | 670 |
17 | 藤原 龍弥 | 660 |
18 | 牧内 誠吾 | 630 |
19 | 内平 哲美 | 560 |
19 | 竹之内 真奈 | 560 |
21 | 成本 安浩 | 520 |
22 | 小川 隆司 | 490 |
23 | 冨永 雄太 | 480 |
24 | 柏木 創 | 470 |
25 | 内平 晴夫 | 460 |
26 | 内野 翔太 | 360 |
27 | 村上 正樹 | 330 |
28 | 篠原 克彰 | 320 |
29 | 田中 もきぎ | 310 |
30 | 石橋 真太郎 | 270 |
31 | 野田 雄太 | 220 |
32 | 小代 智昭 | 190 |
33 | 金島 和彦 | 160 |
34 | 有吉 透 | 0 |
34 | 有野 龍二 | 0 |
34 | 後迫 智也 | 0 |
34 | 小川 知洋 | 0 |
34 | 折田 隆志 | 0 |
34 | 川南 勝裕 | 0 |
34 | 小屋敷 亮介 | 0 |
34 | 坂本 厚 | 0 |
34 | 高吉 圭介 | 0 |
34 | 谷口 一貴 | 0 |
34 | 中島 基文 | 0 |
34 | 旗島 佑志 | 0 |
34 | 菱田 誠 | 0 |
34 | 平岩 秀一郎 | 0 |
34 | 別府 宏一 | 0 |
34 | 堀内 拓也 | 0 |
34 | 松永 雄一 | 0 |
34 | 益満 寿樹 | 0 |
34 | 宮本 昂志 | 0 |