第111回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2015東北
開催日 | タイトル | 場所 | 対象魚 |
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11月22日(日) | 第111回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2015東北 | 宮城県・気仙沼大島 浦ノ浜港、長崎港 |
アイナメ・ソイ |
2015年11月22日、パワーオーシャンカップ2015東北ツアー決勝となる「POWER OCEAN CUP 2015 MASTERS CLASSIC 東北」を開催しました。 |
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冬の気配を感じる冷たい空気が張り詰めるなか、集合場所の気仙沼港エースポートに続々と選手が集まります。心配していた北西の風は弱く、空も快晴と絶好の釣り日和。予定通り6:00より受付を開始し、タックルチェックを行ってから決戦の地・気仙沼大島に向けてフェリーに乗船。7:00、大島・浦ノ浜港に上陸。レギュレーション、競技エリアの確認を行い、いよいよフライトコール。浦ノ浜港北側へ展開したのが、川村倫弘選手、今野智之選手、佐々木健太郎選手、佐藤雄一選手、中村勝選手、橋本久弥選手、守屋知明選手、渡辺健選手の8名。浦ノ浜港南側へ展開したのは、小野友哉選手、佐藤裕一選手、鈴木泰洋選手、武山重之選手、戸澤直彦選手、中村渡選手、成田昌克選手の7名。浦ノ浜港奥の本部前にエントリーしたのは、鹿野栄健選手、君崎浩己選手、佐藤竜一選手の3名。そして一人だけ長崎港を目指したのが佐々木俊選手。各選手のこの判断が、この後それぞれどのような展開を見せていくのか? | |
フライト後、本部前に入っていた鹿野栄健選手がいきなりラッシュ。見事、キーパー2尾をキャッチ。その後、ノンキーパーのヒットが続き、リミットメイクを目指して北側に移動をしていきました。同じく本部前に入っていた佐藤竜一選手も北側へ、君崎浩己選手は南側へと移動しました。 | |
浦ノ浜港北側に展開していった選手の様子を見に行くと、北側の端にあたる磯草漁港周辺で佐藤雄一選手、橋本久弥選手、守屋知明選手の姿を発見。佐藤雄一選手はこの段階ですでにリミットメイクしており、キッカー狙いにシフトしていました。浦ノ浜港入り口北側に広がる消波ブロック帯には今野智之選手、佐々木健太郎選手、中村勝選手、渡辺健選手がエントリー。その隣の港内側の張り出しに川村倫弘選手という布陣。この時点で複数の選手がキーパーをキャッチしている模様。そのなかで、今野智之選手は消波ブロック帯と、港内側シャローのホンダワラ撃ちで早々にリミットメイクしていました。 | |
次に浦ノ浜港南側をチェック。赤灯堤防に小野友哉選手、鈴木泰洋選手、中村渡選手、成田昌克選手がエントリー。堤防根元付近に入っていた成田昌克選手はリミットメイクしていました。その南側にあるシャローエリアには、佐藤裕一選手と武山重之選手の姿が。武山重之選手はリミットメイクし、トータルウエイト1,500gを越えている様子。そんななか、フライトの段階では南側に展開していた戸澤直彦選手は、朝一に赤灯堤防に入るも早々に見切り、本部より北側の港奥エリアに移動していました。 | |
長崎港に一人入った佐々木俊選手はというと、10:30までに2尾のキーパーをキャッチ。しかし、最後の1尾が出ず、移動を決意。リミットメイク、そしてキッカーキャッチを目指して浦ノ浜港へと戻ってきました。 13:00頃になると、帰着時間を意識して徐々に港奥へ各アングラーが移動してきました。戸澤直彦選手が入っていた本部近くの北側にある小堤防には、中村勝選手や佐藤雄一選手、橋本久弥選手と、多くの選手がひしめき合う状況に。一方、本部前にも武山重之選手、小野友哉選手、佐々木俊選手をはじめ、多くの選手が入り、最後の最後までゲームを続けています。ここで怒涛のキッカーラッシュを見せたのが武山重之選手。残り15分というギリギリの状況でキッカーとなる40cmクラスのアイナメをキャッチ。そして残り8分という土壇場でさらにもう1尾、40cmクラスをキャッチするというスーパーラッシュ。北海道に続き、東北でも最後の最後にドラマが待っていました。タイムアップ寸前まで全選手が諦めることなく戦い抜き、最終帰着14:00、緊迫の大激戦が幕を閉じました。 |
【TOP3】
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優勝 武山重之
最後の最後に怒涛のキッカーラッシュを演じた武山重之選手が、その勢いのまま表彰台の頂点へと一気に駆け上りました。アイナメ3尾でトータルウエイト2,460gをメイク。終了間近の40cmクラスのアイナメ2尾が優勝を決定付けました。前戦の東北ツアー第3戦でも2位、そして今回のMASTERS CLASSIC優勝と勢いは継続中。このまま「SUPER ROCK FISH」のテッペンまで駆け上るのか?引き続き目が離せない選手です。 コメント:朝一は、南側赤灯堤防の先端付近にエントリー。ウィードもあり、魚がいるだろうとの判断。しかし、思いのほかバイトが遠く、周囲を見渡すと、堤防の根元付近に入っていた成田選手が釣っているのを見かけた。これで根元付近の方が状況的に良いと考え、先端から根元に移動。堤防際や足元を中心に探り、小型ながらリミットメイクできた。ルアーは、ロックマックス3”(370 ケルプジャングルチョイス)の14gテキサスリグ。その後、堤防の南側にあるシャローエリアに小移動。上げ潮のカレントが絡む沖のブレイクラインを遠投で撃った。手前20mほどのエリアにウィードが繁茂しているため、スタック覚悟の攻め。800gクラスと思われるグッドサイズを掛けるも、案の定スタックしてミス。さらにもう1尾同じミスをしてしまう。しかし、このまま攻め続ければ1尾くらいはとれるのでは・・・と前向きに攻め続け、800gクラス1尾のキャッチに成功。入れ替えることができた。ルアーは、ロックマックス3”(371 クラブシェルパンプキン、399 ウキハゼ)の30gテキサスリグ。この時点でトータルウエイト1,800g前後。終了30分前に本部前へ移動。南端に入り、50~60mの遠投で探った。15分前に800gクラスを1尾、8分前に同クラスを1尾と立て続けにキャッチし、さらなる入れ替えに成功。ルアーは、活カサゴミルフル3”(A04 フレッシュレッド ブラックFlk.)の23gテキサスリグ。10:00までにはスコアをまとめ、終了間際にさらにスコアアップするという理想的な展開だった。 タックル1:
タックル2:
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2位 川村倫弘
準優勝は、昨年のMASTERS CLASSIC WINNER川村倫弘選手。ツアー戦第1戦優勝、第2戦優勝と連勝するも第3戦で21位と沈み、悲願のA.O.Y.を目前にして悔し涙を飲んだ2015シーズン。その鬱憤をはらすかたちとなったMASTERS CLASSIC 準優勝。強豪揃いの東北ツアーのなかでも、ここ一番で見せる勝負強さは屈指。念願の北海道行きのチケットを獲得し、次に目指すは「SUPER ROCK FISH 初代王座」。 コメント:朝入ったのは浦ノ浜港北側、入り口横の消波ブロック帯。入り口に近い手前の消波ブロックにエントリーして、沖のフラットを狙うプラン。前週のプラクティスで見つけていたパターンで、その時は何もないフラットで釣れた。しかし、朝の時点ではバイトが遠く、近くで渡辺選手、今野選手がシャローのホンダワラ撃ちで魚をキャッチしていたのを見て、ポイント移動することに。シャローのブッシュ撃ちは手返しが悪いと考え、やや港内側にある張り出しの角に移動し、そこから沖のフラットを狙った。バイトが少なく、あってもショートバイト。そこで、ロックマックス4"から活カサゴミルフル3”にチェンジすると、バイトが増えた。これで35cmクラスを1尾キャッチ。活カサゴミルフル3”(A07 ナチュラルパールグロウ)の12.3gテキサスリグ、ズル引きで。沖の魚は時合いが重ならないと口を使わないため、沖狙いから手前のストラクチャー狙いに一旦シフト。立ち位置はそのままで、舟のアンカー回りを探り、リミットメイクに成功した。ルアーは活カサゴミルフル3”(A18 ホヤイエロー ブラックFlk.)の14gテキサスリグ。12:00過ぎ、港外側の消波ブロック帯から各選手が戻ってくるなか、時合いを考えてあえて消波ブロック帯に移動。そこで600gほどのアイナメをキャッチし、入れ替えに成功した。今回の成績には満足している。さらに北海道でも自分のスタイルを通して頑張りたい! タックル1:
タックル2:
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3位 戸澤直彦
3位にランクインしたのは、2014アングラーオブザイヤー戸澤直彦選手。強豪ひしめき合う東北ツアーのなかで、常に安定した戦いぶりを見せるエキスパート。今シーズン最終年間ランキング6位と、悲願の3年連続A.O.Y.は後一歩で逃したものの、MASTERS CLASSICできっちり表彰台に上る強さは流石の一言につきます。「SUPER ROCK FISH」東北ツアー最後の一枚を見事獲得し、次はいよいよ頂上決戦の舞台へ。 コメント:朝はまず浦ノ浜南側の赤灯堤防へ向かった。プラクティス禁止エリアということで魚がストックされていると考え、堤防先端付近の沈み根が絡むブレイクに狙いを絞っていた。着いてみると予想外にウィードが多く、思っていた状況とは違っていた。バイトも少なく、15~20分ほどで見切った。次に向かったのは港奥。北側奥にあるスロープ横の小堤防に目を向けると、誰も入っていなかったためエントリー。プラクティスで港奥に魚がしっかり入っていることを確認していたので、そこで粘ることにした。手前にあるウィード、敷石をスローに探り、10:00頃にラッシュ。このタイミングでリミットメイクした。ルアーはロックマックス3”(370 ケルプジャングルチョイス)の14gテキサスリグ。しかし、リミットメイクするだけでは勝てないのがクラシックなので、一発を狙いに切り替える。堤防先端から航路のブレイクラインを遠投で攻めた。ショートバイトが多い状況だったので、エコギア アクア リングマックス3.6”(A37 リアルマッドゴビィ)を短くカットして一口サイズにし、さらに20cmほどのショートリーダーをとった28gキャロライナリグをセット。少しでも魚に見せる時間を作り、さらに深くバイトさせるためのセッティング。これで800gをキャッチし、入れ替えに成功。その後さらに良いサイズを掛けるも痛恨のフックオフ。ギリギリの展開だったが「SUPER ROCK FISH」に手が届いた。東北代表として頑張りたい! タックル1:
タックル2:
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【総評】
心配された冬の北西風はほとんどなく、一日を通して穏やかな釣り日和となった今大会。大会一週間前のプラクティスの段階では、700~800gのメスのアイナメが沖のフラットや各ストラクチャーに付いていて、その魚が比較的口を使っていました。そのため、700~800gのアイナメを3尾揃えてトータルウエイト2,500g前後が上位陣のウエイト、さらに1kgアップが絡んで2kg台後半が優勝ラインになるだろうというのが大方の予想。しかし大会当日、蓋を開けてみると季節はこの一週間で一気にステージが進み、シャローに中~小型のオスが差している状況に一変。前週に口を使っていたメスの反応が極めて鈍く、ショートバイトが多発。グッドサイズを掛けても、ファイト途中でフックオフしてしまうケースも何度も見られました。一方、口を使いやすいオスはサイズが小さく、ようやくフックアップしてもノンキーパーがかなり混ざる状況。事前の予想に反してタフな展開となった今大会。タフコンディションほどアングラーの技量が浮き彫りになるという点では、クラシックらしい戦いとなったのかもしれません。改めてキッカーを絞り出してきた上位3名の戦略を見てみると、足元や手前のウィード、ストラクチャーでリミットメイクし、沖の魚で入れ替えたという点は同じ。しかるべきタイミングで、しかるべきポジションに入ったからこそ、シビアな時合いを逃さず、沖のキッカーをキャッチできたのではないでしょうか。東北ツアーを牽引するベテラン勢ならではの試合運びだったと言えるでしょう。その一方で、4位には小野友哉選手、5位には佐藤裕一選手が入賞。上位のベテラン勢に迫るスコアをウエイインしました。若手トーナメンターの成長を感じることができた一日でもありました。来シーズンは「ベテランvs若手」の構図がますますヒートアップしそうな予感がする東北ツアーです。 これでいよいよ12月6日に開催する頂上決戦「SUPER ROCK FISH」のメンバーが出揃いました。北海道ツアーから駒谷賢選手、佐藤翔太選手、近間康平選手の3名。東北ツアーから佐々木俊選手、武山重之選手、川村倫弘選手、戸澤直彦選手の4名。ゲストアングラーとして田辺哲男プロ、折本隆由プロが参戦。成長著しい北海道若手トーナメンターが返り討ちにするのか?それとも強豪東北勢が北海道の地で大暴れするのか?ゲームフィッシングを牽引するプロフィッシャーマン2名が征するのか?決戦の地は「北海道・函館」。はたして誰が「SUPER ROCK FISH 初代王座」を手にするのか? 最後に、今大会の開催にあたりご協力頂きました大島汽船株式会社様、株式会社小野良組様、気仙沼大島観光協会様、そして大会を快く受けて入れ、差し入れやたくさんの声をかけて頂きました気仙沼大島の皆様、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。 |
結果
4位 小野 友哉 |
5位 佐藤 裕一 |
6位 君崎 浩己 |
7位 佐藤 雄一 |
8位 守屋 知明 |
9位 今野 智之 |
10位 渡辺 健 |
11位 鹿野 栄健 |
12位 佐々木 俊 |
13位 成田 昌克 |
14位 中村 渡 |
15位 中村 勝 |
16位 鈴木 泰洋 |
17位 佐々木 健太郎 |
18位 橋本 久弥 |
19位 佐藤 竜一 |
※手違いにより佐藤竜一選手のウエイイン写真が無く、誠に申し訳ございません。
順位 | 氏名 | 重量(g) | 魚種 |
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1 | 武山 重之 | 2,460 | アイナメ×3 |
2 | 川村 倫弘 | 2,310 | アイナメ×3 |
3 | 戸澤 直彦 | 1,700 | アイナメ×3 |
4 | 小野 友哉 | 1,660 | アイナメ×3 |
5 | 佐藤 裕一 | 1,630 | アイナメ×3 |
6 | 君崎 浩己 | 1,620 | アイナメ×3 |
7 | 佐藤 雄一 | 1,460 | アイナメ×3 |
8 | 守屋 知明 | 1,430 | アイナメ×3 |
9 | 今野 智之 | 1,380 | アイナメ×3 |
10 | 渡辺 健 | 1,360 | アイナメ×3 |
11 | 鹿野 栄健 | 1,340 | アイナメ×3 |
12 | 佐々木 俊 | 1,210 | アイナメ×3 |
13 | 成田 昌克 | 1,200 | アイナメ×3 |
14 | 中村 渡 | 1,120 | アイナメ×3 |
15 | 中村 勝 | 1,010 | アイナメ×2、クロソイ×1 |
16 | 鈴木 泰洋 | 950 | アイナメ×3 |
17 | 佐々木 健太郎 | 750 | アイナメ×2 |
18 | 橋本 久弥 | 340 | アイナメ×1 |
19 | 佐藤 竜一 | 210 | アイナメ×1 |