第107回 POWER OCEAN CUP 2015 東北ツアー第2戦 宮城県・雄勝湾/女川港

開催日

タイトル 場所 対象魚
10月25日 (日) 第107回 パワーオーシャンカップ 2015 東北ツアー第2戦 宮城県・雄勝湾/女川港 ロックフィッシュ

 山の木々が赤や黄色に染まり秋深まる10月25日(日)、パワーオーシャンカップ2015東北ツアー第2戦が行われました。第2戦の舞台は、東北ロックフィッシャーマンにとって登竜門的なおなじみのフィールド「宮城県・雄勝湾/女川港」です。今回は雄勝湾、女川港のなかで競技エリアを限定し行う新たなレギュレーションでのバトル。競技エリアが限られることで、選手の動きをそれぞれが把握しやすい環境となり、選手間の駆け引きがより一層必要となる戦いとなります。

 参加者は総勢82名。地元宮城勢に加え、岩手、山形、遠方では秋田や茨城からと、今回も多くのエントリーを頂きまして、心より感謝申し上げます。

  今回のフィールドとなる雄勝湾/女川港は、牡鹿半島北部に位置するリアス式海岸のなかの入り江。雄勝湾は比較的規模の大きい入り江で、ポイントのバリエーションが豊富なのが特徴です。一方、女川港は入り口を防波堤でプロテクトされた大型の漁港。どちらも県内屈指のロックフィッシュフィールドとして、多くのアングラーが足を運ぶ人気の釣り場です。
 直前の釣況は、スポーニングを意識した中~大型のアイナメが各ポイントに徐々に差していて、それらの個体を絡めてトータル2,500gを超えるラインが優勝ラインと予想。しかし、場所によってムラがあり、個体数が限られている状況。選手達はプラクティスである程度ポイントを絞り込んでいる様ですが、エリアが限定されているなかでポイントのバッティングが予想されます。それも計算した上で、バックアップを考えたり、バッティングしにくいポイントを探したり等、エリア限定戦ならではの戦略を組まなくてはなりません。アングラーとしての引き出しの多さが物を言う大会となります。

 5:30より大会本部となる波板海岸で受付を開始。続々と選手達が集まってきます。受付時にフライト順を抽選。タックルチェック、レギュレーションの確認を行い、フライトコールで10名ごとにフライトしていきます。雄勝湾に向かうのか?それとも女川港に向かうのか?その判断が大きく釣果を左右するだけに、朝から早くも駆け引きが始まっている感じが伝わってきました。

 天気は晴れ。夜半から北西風が吹いており、その後もさらに強まっていく予報。ウネリは無いものの、ポイントによっては風が吹き抜けるため、風も考慮してのポイント選びとなりそうです。9:00頃、各エリアを見て回ると、女川港に30~40名ほど、雄勝湾に40~50名ほどというバランス。特にひしめき合うようなポイントも無く、比較的散らばった印象。そのなかでも雄勝湾奥や、女川港北側の端にある石浜は錚々たる顔ぶれがエントリーしていました。この時点ですでにリミットメイクしている選手を複数確認でき、なかには1kg超のグッドコンディションを持っている選手もいるとか。現場を見て回っているなかでも、ロッドを絞る選手の姿を時折見かけました。場所ムラはあるものの、雄勝湾、女川港ともに釣れているようです。
 13:00より検量を開始すると、数名の選手達が戻ってきました。そのなかに2,800gを超える選手が1名。「これはすでに決まったか?」という空気感が漂うなか、さらにそれを上回るウエイトを持ち込む選手が数名。その姿にどよめく検量場。結果、優勝ラインと踏んでいた2,500gを超えた選手が4名も出て、そのうち1名は3kgをゆうに超えるというハイウエイト戦となりました。参加82名中49名がウエイインし、ウエイイン率59.8%という上々の結果。漁港を中心としたエリア限定の大会でも十分に結果が出るフィールドのポテンシャル、そしてそのなかで確実に結果を出す選手達のスキルレベルの高さを実感することができた大会となりました。

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 川村 倫弘 3530 100
2 佐々木 俊 2900 98
3 鈴木 泰洋 2870 96

優勝 川村倫弘

 東北ツアー第1戦の優勝者・川村倫弘選手が第2戦も制し、見事連勝を成し遂げました。2014 P.O.C. MASTERS CLASSIC東北優勝から数えると3連勝の快挙。1,700gの極太アイナメを含む3尾の良型アイナメでトータルウエイト3,530gというビッグウエイトを叩き出し、他を圧倒。唯一の3kg超で、文句抜きの表彰台頂点を獲得しました。一体どこまで彼の快進撃は続くのか?東北ツアー第3戦・山田湾戦にも注目が集まります。

 コメント:3位に入賞した鈴木泰洋選手とともに雄勝湾にエントリー。ポイントは比較的湾奥の唐桑地区。プラクティスで好感触を得ていたポイント。当日は風をうまくかわせたのがさらに良かった。はじめはロックマックス4”(398 グリパンボトムベイト)の8.8gテキサスリグで、30mほど沖の水深4~6mラインにある瓦礫周りを丁寧に探っていたがバイトが遠い状況。一緒にエントリーした鈴木選手が21gテキサスリグでナイスサイズのアイナメをキャッチしたことから、ルアーはそのままで、シンカーウエイトを21gにチェンジ。遠投して沖のフラットをズル引きで丁寧に探り、バイトをとった。バイトはアイナメらしい金属的な「コンッ」というものではなく、すべて押さえ込むような弱いバイトばかりだった。その後、目をつけていた最初の瓦礫まわりを潮が動き始めるタイミングを見計らってリトライ。バイトはあるもののフックアップに至らないバイトが続いたが、何度もアプローチしキャッチに繋げた。魚の重みを感じながら、フックアップできるバイトと、フックアップできないバイトを見分け、無駄にプレッシャーをかけ過ぎないようにアプローチしたことが結果に繋がった。

タックル1

ロッド: 10’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス4”(エコギア) + 21gテキサスリグ

タックル2

ロッド: 9’04”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス4”(エコギア) + 21gテキサスリグ

2位 佐々木俊

 2位には、P.O.C.東北ツアーのなかで頭角を現してきた若手アングラー・佐々木俊選手がランクイン。昨年第2戦・釜石、第3戦・気仙沼大島で連続優勝するなど、今ではすっかり表彰台の常連となった実力派。1,440gの良型アイナメを含む、3尾のアイナメをウエイインしてトータルウエイト2,900gでフィニッシュ。今回も勢いに乗って準優勝を掴み取りました。

コメント:当初のプランでは女川港南端の小乗浜漁港にエントリーし、雄勝湾分浜・水浜までラン&ガンする予定だった。当日の風の状況、他の選手や一般の釣り人とのバッティングを考慮してプランを変更。最初に入ったのは女川港北側にある小さなスロープ周辺。プラクティスでは500g程度のアイナメが入っているのを確認していたので、ここでリミットメイクすることを考えた。グラスミノーM(413 艶色グリーンゴールド、414 魅惑パープルカモ)の7gテキサスリグで、スロープエッジや隣接するシャローエリアをスイミングで探り、予定通り早い段階でリミットメイク。この時点でトータル1,800g程度だった。たまたま隣にエントリーしていた尾形英一選手が遠投で釣果を伸ばしているのを見て、沖狙いにシフト。ルアーはそのままで、シンカーを28gにチェンジ。PE0.4号との組み合わせでロングキャストし、沖合いのフラットでバイトを得た。途中捨て糸らしきものにスタックするも、丁寧にやりとりし1,440gのキッカーフィッシュをキャッチすることができた。これでクラシックへの切符を確信した。スーパーロックフィッシュを目指して頑張りたい!

タックル

ロッド: フラットフィッシュプログラム・ラフサーフ88(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア) + 7g、28gテキサスリグ

3位 鈴木泰洋

 3位にランクインしたのは山形県からエントリーの鈴木泰洋選手。自身今シーズン最初のエントリーで、いきなりお立ち台獲得はお見事。1,300gのアイナメを頭に、きっちりアイナメ3尾揃えてトータルウエイト2,870gでフィニッシュ。4位の佐藤雄一選手とのウエイト差はわずか50g。僅差で振り切って、一発でクラシック出場権を獲得しました。

コメント:優勝した川村倫弘選手とともに、プラクティスで目星をつけていた雄勝湾奥の唐桑地区にエントリーした。入って2投目でいきなり1,300gのアイナメをキャッチ。当初のプランではライトリグ戦になるのかと予想していたが、この一匹で21gテキサスリグの遠投という戦略を続けることにした。狙い方はロングキャストした後、いったんボトムをとり、その後スローにスイミング。乗らないバイトがあっても、根気良く粘って、その魚に何度もアプローチするという戦略。途中、より遠くを狙うために30gにウエイトアップしてみたが、バイトが遠のくばかりだったので21gに戻したところ、55cmのヒラメをキャッチした。この魚をきっかけにして、21gテキサスリグで攻め続けることにした。ルアーはキジハタグラブ4.5”と4”をローテーション。カラーは158(スーパーホログラム/ピンクグロウ(夜光))と115(パール/スモーク シルバーGlt.バック)をローテーションした。結局50mほどのストレッチで一日粘り、計4尾のアイナメをキャッチしてスコアを積み上げた。

タックル

ロッド: 9’04”スピニングロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4”、4.5”(エコギア) + 21gテキサスリグ

【総評】

 アイナメのスポーニングが絡むこの季節。エリア限定というレギュレーションのなかでも優勝ウエイトは2,500gを超えてくるだろうと予測していたものの、それを大きく上回るウエイトが持ち込まれ、選手、そしてフィールドのポテンシャルの高さを再認識することができた今大会。これから先のロックフィッシュトーナメントの有り方を垣間見た、さらなる可能性を感じることができた大会となりました。そして、トーナメントを通じてベテランと若手が刺激しあう姿に、これからのさらなるレベルアップを感じさせてくれるツアー戦となりました。

 一方、戦略面に目を向けると、顕著な傾向が見られたのがヘビーウエイト・テキサスリグの有効性。沖のフラットやピンスポットを丁寧に、スローにズル引きやスイミングで狙った選手が上位に並ぶ結果となりました。彼らが選んだルアーのなかで特に多かったのが「ロックマックス」。1位の川村選手、4位の佐藤選手、5位の橋本選手、それ以外も複数の上位入賞者が結んでいました。彼らの声を聞くと、ヘビーウエイト・シンカーに負けない厚めのテール、スポーニング絡みでバイトが浅いアイナメでも一口で口の中に入るコンパクトなサイズ感、キャスタビリティを損ねない空気抵抗の少ないフォルム、ナチュラル系からアピール系まで対応できるカラーバリエーションが、このルアーを選んだ理由とのこと。ぜひ参考にしてみて頂きたいメソッドです。

 この度の第2戦開催にあたり、急遽の日程・会場の変更、そして当日は寒風吹き荒れる一日だったにも関わらず、大会を盛り上げてくださいました選手の皆様、そして大会を受け入れて頂きました地域の皆様に心より感謝申し上げます。

 次戦はいよいよ東北ツアー最終戦となる岩手県・山田湾戦。2015アングラーオブザイヤーがかかる大事な一戦。そして、クラシック出場権をかけた最後の一戦となります。川村選手が前人未到の完全優勝を成し遂げるのか?誰がそれを阻止するのか?東北ツアー最強の称号・アングラーオブザイヤーは誰が掴み取るのか?クラシックの顔ぶれはどうなるのか?超白熱バトルになること必至です!ますます東北ツアーから目が離せません。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1川村 倫弘3530100
2佐々木 俊290098
3鈴木 泰洋287096
4佐藤 雄一282094
5橋本 久弥233092
6鈴木 豊和184090
7渡辺 健180088
8中村 勝170086
9鈴木 崇169084
10今野 智之151082
11武山 重之147080
12鹿野 栄健137078
12川島 浩平137078
14金成 晃平127074
15成田 昌克115072
16尾形 英一113070
17渡辺 勇馬110068
18森本 正善102066
19中嶋 康文99064
20中條 孝洋97062
21小松 文哉96060
22笹原 和彦86058
23戸澤 直彦80056
24佐藤 裕一74054
25木村 仁69052
26遠藤 辰太朗65050
27中村 渡62048
28三浦 松一59046
29鈴木 隆ノ介58044
30千葉 正樹53042
31小野 友哉48040
32佐々木 健太郎42038
33小松 悟41036
34佐々木 充行39034
35岩間 拳人37032
36松本 俊彦36030
37千葉 正博35030
38佐藤 竜一34030
39阿部 充博30030
40藤原 久志29030
41寺川 英幸27030
41横田 賢一27030
43佐藤 健25030
44倉又 一平24030
45蜂谷 雅人23030
46坂田 耕一22030
46高橋 秀明22030
48扇 秀之20030
49日野 雅貴14030
50東谷 輝一030
50安藤 克宏030
50大場 貴之030
50尾形 慶紀030
50小野 浩平030
50小野寺 和美030
50小野寺 良太030
50菅野 亜衣030
50菅野 勝一030
50君崎 浩己030
50久保 修一030
50後藤 欣三030
50佐久間 和希030
50佐々木 俊英030
50佐々木 直人030
50佐藤 貴之030
50主藤 丈晴030
50杉浦 裕治030
50鈴木 貴博030
50高橋 拓也030
50高橋 敏郎030
50武山 潤030
50武山 晴大030
50千葉 達也030
50豊島 雄三030
50中村 亮義030
50 浜 幸生030
50濱畑 健太030
50堀内 智也030
50松本 怜大030
50守屋 知明030
50守屋 友裕030
50吉田 和哉030