第103回 POWER OCEAN CUP 2014 MASTERS CLASSIC 東北
開催日 | タイトル | 対象魚 |
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11月30日(日) | POWER OCEAN CUP 2014 MASTERS CLASSIC 東北 | アイナメ・ソイ |
出場者
2014年11月30日、パワーオーシャンカップ2014の最終戦となる「POWER OCEAN CUP 2014 MASTERS CLASSIC 東北」が開催されました。決戦の舞台は、牡鹿半島の西側に浮く「宮城県・田代島」。P.O.C.東北ツアー第1戦でフラットフィッシュ戦を開催したお馴染みのフィールドです。今回の競技エリアは「仁斗田港」に限定。田代島のなかで最大規模の漁港です。 今大会にクオリファイされた選手は、ツアー戦3戦の上位3名、年間ポイント累計上位5名(ツアー戦上位3名を除く)、そして2013 A.O.Y.、2013 MASTERS CLASSIC WINNER、さらにプロフィッシャーマン田辺哲男をゲストアングラーとして加えた総勢14名で戦う頂上バトル。その錚々たる顔ぶれを見れば、2014年を締めくくるのにふさわしい激戦になること間違いなし! 海の状況は、期待していたスポーニング絡みのアイナメの魚影が思いのほか少なく、ローウエイト戦になりそうな予感。「1,000g台のウエイトでも優勝の可能性あり」との声が上がるほど。そして、数日前から吹く強い北東風のため、外海から大きなうねりが入り、さらには前日の雨も心配要素の一つ・・・悪条件が複数重なり、釣果への影響に不安を残しつつ、決戦当日を迎えました。 |
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AM5:15、牡鹿半島鮎川港、網地島ライン事務所前に集合。チャーター船「みゅう」に乗り込み、AM6:00予定通りに出航。約30分で決戦の地「仁斗田港」に到着。その後、タックル準備とミーティングを済ませると一気に緊迫したムードに・・・。そしてAM6:45、遂に今シーズンの最終戦、P.O.C.2014 MASTERS CLASSIC 東北の幕が切って落とされました! | |
今回、「仁斗田港」のなかでメインポイントとなりそうなのが、大会本部を置いた南西に伸びる長さ300mの防波堤。防波堤内側は、風の影響を受けることなく穏やかな水面。外側は磯が隣接しており一級ポイントではあるものの、風の影響を受ける分、リスクは高め。 また、港中央奥に位置する船着場や、防波堤対岸の消波ブロックがあるシャローエリアも可能性あり。シャローにはウィードが点在していてスポーニングシーズンの好ポイント。しかし、今年に限って言えばスポーニングの遅れが影響しそうな状況なだけに悩むところです。 潮周りは小潮で、AM10:03が満潮。港内の水深は主に3m~5mと比較的浅め。当日、目についたベイトは体長10cm前後のイワシ系ベイトフィッシュやウミタナゴ。 | |
港内は約20分もあれば一周できる規模ゆえに、“各選手がお互いの動きを把握して、ゲームを組み立てる”というCLASSICならではの駆け引きが繰り広げられます。大会本部前防波堤にエントリーした選手は9名。風裏になる防波堤内側を狙うのは、川村選手、今野選手、佐々木選手、佐藤雄一選手、渡辺選手、田辺プロ。あえて風のあたる堤防外側に勝負をかけた選手は、尾形選手、佐藤竜一選手、中村選手。本部前防波堤から移動した選手は、東谷選手、佐藤裕一選手、武山選手、戸澤選手、森本選手の5名。 | |
選手の多くは、最初からタフコンディションを想定して、ライトリグで手堅くリミットメイクし、その後キッカーフィッシュを狙う戦略の様子。そんななか武山選手と田辺プロは“巻き”のゲームで、ビッグフィッシュ狙いの一発勝負。果たしてどちらの戦略が効を奏するのか? | |
開始早々、大会本部前防波堤の先端にエントリーした佐々木選手がキーパーサイズのアイナメをキャッチ!「もしや状況が好転したか?」と期待するも、その後は港内全体が沈黙状態に。釣れてもノンキーパーだったり、フックアウトしたり・・・苦戦を強いられる選手達。やはり、想定どおりのタフコンディションが目の前に広がっていました。 | |
スタートから約2時間が経過した頃、大会本部前防波堤にいた選手達も徐々に移動を開始。広範囲をチェックして何かしらの手掛かりを探る戦略にシフトする選手がちらほら。満潮時刻を迎える頃にはリミットメイクする選手も出始めるものの、釣れている魚はキーパーサイズギリギリが大半。おそらくトータルウエイトは1kgあるかないかといった状況。この時点で唯一、キッカーフィッシュをキャッチしていたのが、大会本部前防波堤外側を終始攻めていた中村選手。リミットを揃えることができれば、優勝への大きなアドバンテージとなりそうなサイズです。一方、スタートから防波堤対岸のシャローエリアに入った森本選手は、早い段階でリミットメイクを達成している様子。そこからあまり移動をしていないことを考えると、着実にスコアを伸ばしている可能性が高そう。 | |
AM11:00頃から状況が好転。朝から強く吹いていた北東風が弱まり、大会本部前防波堤外側でもゲームが成立する状況に。また、港内でも潮が動き出し、ベイトフィッシュの数が増えた印象を受けました。帰着時刻までの残り1時間を切った頃、最後の勝負を大会本部前防波堤に賭けた選手の中には、終了間際に魚の入れ替えに成功する姿も。まさしく最後の一投まで誰が優勝するのか全くわからない緊迫のバトル!最後の最後まで目が離せない状況のまま、遂にストップフィッシング。 ウエイインに魚を持ち込んだ選手は14名中10名。そのうち、リミットメイクした選手は7名。検量結果は鮎川港に戻ってから表彰式で発表・・・果たして誰がCLASSICの頂点に立つのか? |
【TOP3】
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優勝 川村倫弘
P.O.C.ツアー戦では常に安定感したスコアを出し、2013 MASTERS CLASSIC東北でも 5位入賞の実績を持つ、選手皆が認める実力派アングラー、川村倫弘選手が2014 MASTERS CLASSIC東北の頂点を勝ち取りました!誰もが苦戦するタフなコンディションを見事攻略。アイナメ3匹でトータルウエイト1,730g。唯一の1,500gオーバーをメイクしての優勝です。
コメント:スタート時は、ミノーS の7gジグヘッドリグで、大会本部前防波堤の内側・外側の岸壁際をテンポ良く探ったが、手掛かりを得られずAM9:00頃に移動を決断。対岸の消波ブロック帯がある湾奥のシャローエリアに入り、ウィードを丁寧に探る戦略へと切り替えた。使用したルアーは、バグアンツ2”(#045 シナモン スモールブルーFlk.)の8.8gテキサスリグ。バグアンツ2”にはあえてオーバーサイズといえる#1/0フックを使用し、低活性時のショートバイトをも確実にフッキングする狙い。魚の口にフックポイントが入りさえすれば、高確率でフックアップに持ち込めるため。ウィードとウィードの隙間をデッドスローなフォールで誘い、6本のアイナメをキャッチした。そのうち1本がキッカーフィッシュとなり、スコアを伸ばすことができた。 タックル:
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2位 佐々木俊
2014ツアー第2戦優勝、第3戦優勝と、今シーズン最も勢いに乗る注目の若手アングラー、佐々木俊選手がCLASSICでも2位にランクイン!アイナメ3本、トータルウエイト1,270g。自分の得意なスタイルを終始貫いて、競技エリア全体を積極的に移動してのスコアメイク。勢いに乗ったまま2014年を追えた佐々木選手。来シーズンも彼から目が離せません!
コメント:朝一は、大会本部前防波堤の先端にエントリー。ミノーS(#159 カタクチ)のジグヘッドリグで、岸壁際についているアイナメを狙う戦略からスタート。水面下50cm前後を小刻みにトゥイッチ。イレギュラーアクションで誘い、下から追ってくるアイナメをサイトで狙いました。見える魚の中からサイズの良いものを選び、早い時間に約400gのアイナメをキャッチ。ノンキーパーが多かったのでポイントに見切りをつけ、中央の防波堤に移動。岸壁際のケーソン繋ぎ目で、キーパーサイズのアイナメを2本追加し、リミットメイク。その後、港奥のシャローエリアに移動し、活チヌシュリンプ50(A25 フジツボシェル クリスタル+ブラックFlk.)の8.8gテキサスリグで、ウィードをタイトに攻め、400gクラスのアイナメをキャッチ。入れ替えに成功。最後は、港中央かき処理場前から、遠投で沖のアンカーを撃ち、400gクラスを追加してスコアを伸ばした。 タックル:
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3位 佐藤雄一
3位にランクインしたのは2013 MASTERS CLASSIC東北覇者、佐藤雄一選手。ツアー戦同様、CLASSICでも絶対的な安定感で、アイナメ3本トータル1,230gをメイク。着々と魚の入れ替えを重ね、数グラム単位でスコアを伸ばす緻密なゲームを展開。終了間際に、持ち前の遠投力でグッドサイズのアイナメをキャッチし、表彰台の座を確実なものとしました。
コメント:プラクティスの状況では、300g~500gのアイナメが多く、ローウエイトの争いになると予測していた。大会本部前防波堤中央付近で粘ることにより、少しでもサイズの良い魚を拾いながらスコアを伸ばす戦略を組んだ。沖を攻めたものの、あまりバイトが得られなかったので、水面下50cm~70cmの岸壁際をロックマックス3”の3.5gジグヘッドリグでリフト&フォールし、1本目のアイナメをキャッチ。次に、石積みが沈む7m~8m沖をロックマックス3”とエコギア アクア ミルフル3”(#A03アトラクティブオレンジブラックFlk.)の7gテキサスリグで丹念に探る戦略に切り替え。アピール系のカラーに魚が良く反応し、300gクラスのアイナメ3本でリミットメイク。最後は、18gテキサスリグで大会本部前防波堤外側を遠投で攻め、500gをキャッチ。入れ替えに成功した。キッカーとなる40cm位のアイナメを1匹確認していながら、それをキャッチすることができなかったのが悔やまれる。 タックル1:
タックル2:
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【総評】
広範囲のフィールドからビッグフィッシュの居場所を絞り込むラン&ガンスタイルのツアー戦とは打って変わり、互いの選手が見渡せる狭い範囲で行われるMASTERS CLASSICは、競技性がさらに高まり、独特の緊張感が漂います。ましてや今大会は、1本の魚が勝敗の行方を大きく左右した一戦。「あと1本出さえすれば・・・」「一発勝負がハマれば・・・」と、最後まで気を抜くことが許されない緊迫のバトル。「ロックフィッシュゲームは、1本の魚の価値を求めたゲームが成立する。だからこそ面白いんだ!」と田辺プロが話すように、CLASSICの面白さ、ロックフィッシュの面白さを改めて再認識することができた一戦でした。 また、P.O.C.2014シーズンを通じて、ハードベイトの可能性、新たなスタイルの確立など、ロックフィッシュシーンの新たな風を感じた一年だったと言えるでしょう。「P.O.C.を長く続けてきたなかで、勝つためにスピナーベイトやフラチャットを使う選手が出てきて、やっと新しい世界が開けてきた気がする。今までのスタイルに固執せず、色々な可能性をもっと試して欲しい。そして、もっとロックフィッシュシーンを盛り上げて欲しい。」と田辺プロ。ロックフィッシュゲームのさらなる可能性を信じ、2015年への期待を抱きつつ今シーズンを締めくくりました。 最後に、「2013 POWER OCEAN CUP東北ツアー」に参加頂きました選手の皆様へ。全日程を無事に終了できたことを、運営スタッフ一同、心より厚く御礼申し上げます。また、快く大会を受け入れて頂きました田代島の皆様、ご協力頂きました網地島ライン株式会社様に深く感謝申し上げます。 来シーズンも、さらに楽しんで頂けるPOWER OCEAN CUPの運営を目指し、一層の努力をして参りますので、多くの方々のエントリーを心よりお待ちしております。 |
結果
順位 | 氏名 | 重量(g) | 魚種 |
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1 | 川村 倫弘 | 1,730 | アイナメ×3 |
2 | 佐々木 俊 | 1,270 | アイナメ×3 |
3 | 佐藤 雄一 | 1,230 | アイナメ×3 |
4 | 森本 正善 | 1,170 | アイナメ×3 |
5 | 戸澤 直彦 | 1,140 | アイナメ×3 |
6 | 中村 豊 | 1,080 | アイナメ×1 |
7 | 佐藤 裕一 | 780 | アイナメ×3 |
8 | 東谷 輝一 | 670 | アイナメ×3 |
9 | 今野 智之 | 390 | アイナメ×1 |
10 | 尾形 英一 | 360 | アイナメ×1 |
11 | 佐藤 竜一 | 0 | - |
12 | 武山 重之 | 0 | - |
13 | 田辺 哲男 | 0 | - |
14 | 渡辺 健 | 0 | - |