第97回 POWER OCEAN CUP 2014 東北ツアー第1戦 宮城・田代島
開催日 | タイトル | 対象魚 | 場所 |
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6月29日(日) | 第97回パワーオーシャンカップ | ヒラメ・コチ | 宮城・田代島 |
先月開幕した北海道ツアーに続き、パワーオーシャンカップ2014東北ツアーもいよいよ開幕。第1戦は2010年以来、約4年ぶりの開催となるフラットフィッシュ戦。決戦の舞台は4年前と同じ「宮城・田代島」。P.O.C.東北ツアーでは田代島を知らない人がいないほどの定番フィールドです。前回は隣の網地島も含めたエリア設定でしたが、今回はあえて田代島に絞っての戦い。今回も激熱バトル必至の東北ツアー開幕戦です。 参加者は総勢66名。錚々たるメンバーが顔を連ね、我々運営側も気が引き締まる思いで大会の日を迎えました。今シーズンも多くのエントリーを頂きまして、心より感謝申し上げます。 事前情報では、宮城各地でコチが絶好調とのHotな話が飛び交い、前週までにプラクティスに入った参加者からは「アベレージサイズのコチなら数十匹釣れる」「ウエイイン率が9割を超えるのでは?」との声が聞こえてくるほど。いやがうえにも前代未聞の好釣果を期待してしまいます。 前日、受付設営のために訪れた網地島ライン石巻発着場では、ちょうど田代島からの最終便となるフェリーが到着したところで、フェリーから多くのP.O.C.参加者がおりてくる様子に驚きました。話では30名強が前日にプラクティスを行っていたそうです。熱の入りぶりを肌で感じるワンシーンでした。 田代島は牡鹿半島の西側に浮かぶ島で、「猫の島」として有名。大会本部となる仁斗田港、そして大泊港という2つの港に加え、地磯や浜が点在する変化に富んだロケーションです。プラクティス時には、地磯や浜だけでなく、港内にも魚が入っており、どのポイントに的を絞って展開するかが勝負の行方を左右することになりそうです。 大会当日、夜半から降りしきる雨のなか、石巻発着場で受付をすませ、フェリーで田代島・仁斗田港へ。仁斗田港に到着後、東北ツアーには欠かせない恒例行事、プロスタッフ尾形和尚による爆釣&安全祈願を行い、P.O.C.2014東北ツアー第一戦の幕が開けました。 徒歩組の大半は仁斗田港内に展開し、自転車組はいっせいに各々の目指すポイントへ。本部前の仁斗田港でも「開始早々からロッドが次々に曲がるのでは?」との大方の予想に反し、選手たちのロッドがいっこうに曲がりません。時折ヒットする魚も、良型のベッコウゾイやアイナメばかりで選手たちも思わず苦笑い。今日ばかりはロックフィッシュではなくフラットフィッシュを・・・そんな複雑な心境で戦況を見つめていました。 競技時間のリミットは14:00。そして、11:00頃が最干潮。ロックフィッシュにくらべると、明確な時合いでラッシュすることが少なくないフラットフィッシュなだけに、スタートダッシュに失敗してもまだまだわかりません。大泊港ではポツポツ釣れているとの情報に、渋い現状を打破すべく、仁斗田港からフェリーを使って大泊港に移動する選手も。 12:00から検量開始するも、しばらく誰もウエイインしてきません。やはり潮変わりのタイミングを最後のチャンスと考え、各選手粘っている様子。そして13:00頃からようやくウエイインする選手が帰ってきました。前日にくらべて急激にタフになったと、戦い終えた選手たちの口から疲れきった言葉がこぼれます。結果、参加66名中23名がウエイイン。ウエイイン率約35%というシビアな成績となりました。前週までは絶好調だっただけに、激変する自然を相手にする難しさを痛感する大会となりました。 |
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TOP3
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優勝 武山重之
2014東北ツアー開幕戦を制したのは地元宮城県石巻市からエントリーの武山重之選手。昨年もP.O.C.東北ツアー第二戦で5位の実績を持つP.O.C.常連メンバー。56cm、1,300gを含む、グッドサイズのマゴチを3本揃え、トータルウエイト3,260gの圧倒的ハイスコアを叩き出し、見事勝利を手にしました。 コメント:大泊~仁斗田間の地磯にエントリー。プラクティスの段階で、やや仁斗田寄りのワンドにあらかじめ目をつけていた。当日そこに入れるかどうかが最初のキーだった。はじめは、スポーニングがらみの魚を狙い、ワンド内のウィードまわりを探るが反応がよくなかったので、水深5mほどのアウトサイド狙いに切り替えた。メインルアーは4”スプーンテールシャッド(ST03 アルビノオレンジ、ST06 レインボーアユ)の14gジグヘッドリグ。ボトムぎりぎりをデッドスローリーリングで狙った。渋いとき特有のおさえるだけのバイトをとりこぼさないように、柔らかめなロッドでスウィープにフッキングすることを心がけた。ランディングしたキーパーサイズは全部で20本。今大会に向け電動アシスト付自転車を購入するなど、気合が入っていただけに優勝できたことがうれしい。 タックル1:
タックル2:
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2位 今野智之
2位につけたのは、同じく地元宮城県石巻市からエントリーの今野智之選手。やはり昨年P.O.C.東北ツアー第二戦4位のP.O.C.常連メンバー。今大会最大魚となる57cm、1,500gを含む、マゴチ3本でリミットメイクし、トータルウエイト2,320g。自他共に認めるMr.ビッグフィッシュの異名は伊達ではありませんでした。 コメント:大泊~仁斗田間の地磯にエントリー。21gダウンショットリグをメインに展開。4”スプーンテールシャッド(ST03 アルビノオレンジ、ST05 ハイビジブルチャート)を軸に、キッカーフィッシュとなった57cmのマゴチはパワーシャッド5”(#158 スーパーホログラム/ピンクグロウ)でキャッチした。また、ここぞというポイントを4"スプーンテールシャッドの3.5gジグヘッドリグで攻め、ふわふわと漂わせるようなナチュラルなアプローチでリミットメイクに成功した。 タックル1:
タックル2:
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3位 佐藤竜一
3位には、宮城県仙台市からエントリーの佐藤竜一選手が食い込みました。こちらも昨年P.O.C.東北ツアー第二戦3位の実績を持つP.O.C.常連の強者。粒ぞろいのマゴチ3尾を揃え、トータルウエイト1,760gでフィニッシュ。渋い状況下でも確実にスコアメイクする実力を発揮しました。 コメント:大泊の地磯にエントリー。ワンド出口付近に走る水深5~6mのブレイクラインを、ジグヘッドリグのスロースイミングで攻めた。朝一から順調に釣れ続け、体長35cmほどのマゴチを10本ほどキャッチした。その後、時合いの終わり際にサイズアップすることができた。ルアーはグラスミノーL(#111 クリアGlt./レッド スモールブラック+レッドGlt.バック)の14gジグヘッドリグ。 タックル:
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PRO STAFF’s GAME
A-KEN KANO’s GAME パワーオーシャンカップ2014東北シリーズが遂に開幕!第一戦目のターゲットは震災後初となるヒラメ・マゴチのフラットフィッシュです。久々のフラット戦に気合の入った選手が非常に多く、プラクティスから多くのアングラーが田代島を訪れていました。もちろん、私もその内の一人で、1ヶ月ほど前からこの大会に向けて練習を重ね、自分自身をフラットフィッシュモードに変えていました。前週のプラまでは魚の反応はすこぶる良く、ウェイン率は8割以上になることを予測。いかにしてキッカーを入れ込むか・・・それが勝負の明暗を分けるカギと考えてプランを練り、大会当日を迎えました。 大会当日、天気予報通り、天候は大粒の雨が降りしきる中でスタートしたP.O.C.東北シリーズ第一戦田代島。数回のプラクティスの中で見えてきたエリアとパターンを信じ、実釣を開始しました。最初にチョイスしたリグは4”スプーンテールシャッドのジグヘッドリグ。ウエイトは14gをメインに、スローリトリーブで誘う戦略を組みました。開始早々から好反応を得られ、開始1時間もしない間にリミットメイク。ほっと胸を撫で下ろし、高ぶる気持ちを落ち着かせたところで、入れ替えのためのキッカー狙いにシフトしました。ここで使用したのが、プラで見つけたキッカーパターン、6”スプーンテールシャッド+ブレードスピンのスイミングパターンです。しかし、それからというものバイトが嘘のように消えてしまい悪戦苦闘。再度4”スプーンテールシャッドに戻してみたり、ウエイトを軽くしてみたりと、あの手この手と試行錯誤を繰り返すも反応は全くない状況…しかし、隣の岬では今回優勝となった同クラブ所属の武山氏が時合いに関係なくコンスタントに入れ替えを行っている様子。隣の岬とは言え、重いライブウェルを担いでもう一度山を登り、ポイントに入り直すには少なくとも1時間以上はロスが生まれてしまう。ためらいを拭いきれず、そのまま釣りを続けるも反応は得られないまま。対岸では止まることなく釣れ続けている状況に、移動を決断しました。時は11:00過ぎ。移動で1時間のロス、帰りの時間を考慮すると釣りが出来るのは正味1時間。それでもこの場に残るより、可能性が高いと読んだのです。 そして、再度入れ替えのために釣りを開始。すぐに反応が得られ、6本のキーパーをキャッチ。これまで無反応だったことが嘘のように感じました。結局入れ替えが出来たのは1本のみでしたが、一番小さかった40cm未満の魚を入れ替え、自分で定めた最低ラインはクリアすることが出来ました。そして、ストップフィッシング。 ウエイインを終えてみれば、状況が厳しかったのは私だけではなく、他のアングラーも同じだったようで、競技中は「シングルに入れれば良い方かな」と思っていたものの、終わってみればトータルウエイト1,650gで4位フィニッシュ。結果的にクラシック出場権を1位差で逃してしまう結果となり、人とは欲深いものでこの結果を知った瞬間に悔しさが湧き上がってきました。大会は終わるまで分からないものと再認識させられた一戦でした。スケジュールが許すことなら全戦参戦、A.O.Yを目指したいと思います。 タックル:
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総評
雨によるマイナス影響と、季節の進行が重なり、前週のような爆釣はすっかり鳴りを潜めてしまった今大会。しかしながら、そのようなタフな状況下でもきっちりとスコアを出す選手の顔ぶれは、上位3名をはじめ、4位のプロスタッフ鹿野栄健選手、5位の川村倫弘選手、6位のプロスタッフ佐藤雄一選手、7位の戸澤直彦選手、8位の渡辺健選手、9位の佐々木充行選手、小野寺和美選手と、例年のP.O.C.東北ツアー上位に名を連ねる百戦錬磨の面々でした。厳しいときほど、真の実力が問われる。これもトーナメントの魅力といえるでしょう。 今大会の上位陣のなかで特に目立った戦略が、スプーンテールシャッド(ノリーズ)を使ったスロースイミング。デッドスローリトリーブでもナチュラルにロールしながらスイミングするスプーンテールシャッドは、タフコンディション下でセレクティブになったフラットフィッシュに抜群の効果を発揮することを実証した大会でした。グラスミノーやパワーシャッドとローテーションし、同じシャッドテールアイテムのなかでもアピール力の強弱を使い分けることがフラットフィッシュ戦を戦い抜く新たな切り札となるでしょう。 最後に、大会を盛り上げてくださいました選手の皆様、悪天候のなか大変お疲れ様でした。また、快く大会を受け入れて頂きました田代島島民の皆様、海からの見回りを行って頂きました田代浜の千代丸様、新生丸様、そして今回もご協力頂きました網地島ライン株式会社様に深く感謝申し上げます。 ルアーアングラーの心を熱くする好ターゲット・フラットフィッシュ、そしてロックフィッシュを思う存分楽しむことができるフィールド、宮城県石巻市「田代島」。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと、多くの魚たちとかわいい猫たちが迎えてくれるはずです。 |
結果
順位 | 氏名 | 重量(g) | 獲得ポイント |
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1 | 武山 重之 | 3260 | 100 |
2 | 今野 智之 | 2320 | 98 |
3 | 佐藤 竜一 | 1760 | 96 |
4 | 鹿野 栄健 | 1650 | 94 |
5 | 川村 倫弘 | 1520 | 92 |
6 | 佐藤 雄一 | 1410 | 90 |
7 | 戸澤 直彦 | 1330 | 88 |
8 | 渡辺 健 | 1300 | 86 |
9 | 小野寺 和美 | 1140 | 84 |
9 | 佐々木 充行 | 1140 | 84 |
11 | 中村 豊 | 1020 | 80 |
12 | 守屋 知明 | 810 | 78 |
13 | 尾形 英一 | 780 | 76 |
14 | 森本 正善 | 760 | 74 |
15 | 松本 俊彦 | 730 | 72 |
16 | 鈴木 豊和 | 690 | 70 |
17 | 山舘 嘉昭 | 670 | 68 |
18 | 中村 勝 | 600 | 66 |
19 | 福田 正明 | 520 | 64 |
20 | 鈴木 泰洋 | 360 | 62 |
21 | 村山 栄宏 | 340 | 60 |
22 | 西條 順宣 | 310 | 58 |
23 | 蛯原 隆也 | 260 | 56 |
24 | 相澤 純 | 0 | 30 |
24 | 阿部 寿彦 | 0 | 30 |
24 | 安藤 克宏 | 0 | 30 |
24 | 岩崎 竜美 | 0 | 30 |
24 | 遠藤 貴志 | 0 | 30 |
24 | 遠藤 博道 | 0 | 30 |
24 | 尾形 慶紀 | 0 | 30 |
24 | 小野 浩平 | 0 | 30 |
24 | 金森 淳 | 0 | 30 |
24 | 鎌田 千里 | 0 | 30 |
24 | 鎌田 真里 | 0 | 30 |
24 | 川島 浩平 | 0 | 30 |
24 | 川島 幸恵 | 0 | 30 |
24 | 菅野 亜衣 | 0 | 30 |
24 | 菅野 勝一 | 0 | 30 |
24 | 久保 修一 | 0 | 30 |
24 | 黒川 敦 | 0 | 30 |
24 | 五嶋 浩司 | 0 | 30 |
24 | 五嶋 利明 | 0 | 30 |
24 | 齋藤 邦雄 | 0 | 30 |
24 | 坂本 広宣 | 0 | 30 |
24 | 佐々木 俊 | 0 | 30 |
24 | 佐藤 裕一 | 0 | 30 |
24 | 志賀 康英 | 0 | 30 |
24 | 主藤 丈晴 | 0 | 30 |
24 | 菅原 啓太 | 0 | 30 |
24 | 杉浦 裕治 | 0 | 30 |
24 | 鈴木 英明 | 0 | 30 |
24 | 鈴木 亮太 | 0 | 30 |
24 | 高橋 歩 | 0 | 30 |
24 | 高橋 秀明 | 0 | 30 |
24 | 谷藤 保 | 0 | 30 |
24 | 豊島 雄三 | 0 | 30 |
24 | 中島 孝介 | 0 | 30 |
24 | 中村 渡 | 0 | 30 |
24 | 新沼 茂法 | 0 | 30 |
24 | 蜂谷 雅人 | 0 | 30 |
24 | 日野 雅貴 | 0 | 30 |
24 | 松本 怜大 | 0 | 30 |
24 | 三浦 松一 | 0 | 30 |
24 | 森 正大 | 0 | 30 |
24 | 吉田 和哉 | 0 | 30 |
24 | 渡辺 勇馬 | 0 | 30 |