第94回 POWER OCEAN CUP 2013 東北ツアー第3戦 宮城・田代島ランガン リザルト

開催日 タイトル 対象魚 場所
11月17日(日) 第94回パワーオーシャンカップ アイナメ・ソイ 宮城・田代島



記録的ハイスコアバトルとなった第2戦から2週間。その余韻が冷めぬなか、第3戦・田代島戦が開催されました。舞台となる「田代島」でのP.O.C.開催は、第2戦気仙沼大島同様、3年振りの帰還。2010年度に開催された時はフラットフィッシュ対象だったことを考えると、ロックフィッシュ対象での開催は実に5年振りとなります。

エントリーは総勢82名。東北ツアー最終戦となるため、本大会に臨む選手の思惑は実に様々。過去2戦でCLASSIC出場権を獲得している選手が狙うのは、2013年度の頂点となるアングラーオブザイヤーの座。2戦の累計ポイントが上位の選手は、ポイントを意識した戦略でCLASSIC出場権獲得を目指します。そして、累計ポイントではCLASSIC出場権獲得が厳しい選手は、本大会上位3位以内を狙い、ビッグウエイト狙いの一発勝負。東北ツアーで最も熱いバトルになること必至!
 石巻のフェリー発着所を定刻通り6:00に出船。7:00頃、大会本部となる田代島仁斗田港に到着しました。早速、選手達を出迎えてくれたのは多くの“猫”。猫の島として有名な田代島ならではの光景に、ピリピリした最終戦の緊張感がいくらか和んだ様に思えました。

ウネリのある南側磯

穏やかな仁斗田港内

 大会当日の天候は快晴。前日にプラクティスをした選手達の情報では、島の南側方向沖からウネリが入っているとの情報。一方で、大会本部を置いた仁斗田港周辺は、風もなく穏やかな凪状態。一級ポイントである南側の磯に入るべきか?西岸や東岸の磯はウネリの影響がどうなのか?始めからウネリを避けて港内に的を絞るか?勝敗の鍵を握る選択となりそうです。スタートの合図とともに、各選手が思い思いのポイントへと散っていきました。

鈴木豊和選手の51cm、1,880gアイナメ

小野寺和美選手がキャッチした1,810gのビッグベッコウ

 12:00から検量スタート。しかし、なかなか検量場に戻ってきません・・・。「釣れていないのかも?」という一抹の不安を感じつつも、しばらくすると仁斗田港内に多くの選手達が戻ってきました。リミットメイクや入れ替えを狙って、帰着のタイムリミットギリギリまで粘っている様子。とりあえず釣果は出ているようで一安心。
13:30を過ぎると検量場は打って変わって大賑わい!まるで、記録的釣果だった第2戦の再現を見るかのようでした。82名中58名がウエイインし、ウエイイン率70%というすばらしい釣果となりました。検量に持ち込まれた魚の内訳は、アイナメが123尾、ソイが13尾。今大会での最重量ビッグフィッシュは、鈴木豊和選手が持ち込んだ51cm、1,880gの“50”超えアイナメ。ソイの最大は、小野寺和美選手がキャッチした1,810gのビッグベッコウでした。過去幾度となくP.O.C.の激戦が繰り広げられてきた田代島。その豊かさ、ポテンシャルの高さは健在でした。

TOP3

順位 氏名 最終総重量(g) 獲得ポイント
1 戸澤 直彦 3630 100
2 杉浦 裕治 3420 98
3 渡辺 勇馬 2710 96

優勝 戸澤直彦

P.O.C.2013東北ツアー第3戦を制したのは戸澤直彦選手。第2戦気仙沼大島優勝に続き、2連勝となりました。大会当日の天候や海の状況を的確に把握し、エントリーするポイントを絞り込んで、アイナメ2尾、ベッコウゾイ1尾をウエイイン。3尾とも1kg超で、トータルウエイト3,630gという見事なウエイトを揃えての優勝でした。
同時に、2戦目まで年間ポイントランキング2位に付けていた戸澤選手は、1位川村倫弘選手とのポイント差36pを逆転。見事、P.O.C.2013東北ツアー・アングラーオブザイヤーを獲得しました。

コメント
田代島でのロックフィッシュ戦参加は約10年振り。プラクティスは1週間前と前日の2回入りました。1週間前のプラクティスではシャローエリアでキーパーとなる魚を多く確認していました。しかし、大会前日のプラクティスでは、低気圧の通過によるうねりが入っていたため、仕方なくシャローエリアに見切りをつけました。当日はうねりの影響を受けにくい“番屋”エリアの地磯へエントリー。朝一は、ロックマックス5”(#370ケルプジャングルチョイス)の21gテキサスリグでテンポよく撃つプラン。プラクティスで見つけていた魚を狙い打ちして、1投目で1kgを超えるアイナメをキャッチしました。その後、食わせの釣りへとシフト。リグはバグアンツ3”(#178シュリンプ)の7g~14gテキサスリグ。1kgアップのアイナメとベッコウソイをキャッチしてリミットメイク。波を見て、リグを入れるタイミングを図り、確実にボトムを感じながらゆっくり見せて喰わせました。

タックル&リグ
8’8”ベイトロッド 21gテキサスリグ #3/0フック (ロックマックス5”

8’2”スピニングロッド 7g-14gテキサスリグ #2/0フック (バグアンツ3”

2位 杉浦裕治

第2位は、地元宮城県石巻市より参戦の杉浦裕治選手。並み居る強豪を退けて、見事に初のお立ち台となる準優勝に輝きました。アイナメ3尾でトータルウエイト3,420g。キッカーとなった49cm、1,770gのグッドコンディションなアイナメは圧巻でした。

コメント
ポイントは“横根”にエントリー。ベイトタックル+14gテキサスリグで足下狙い、スピニングタックル+10gテキサスリグでスイミング重視というプラン。セレクトしたワームはグラスミノーM(#158スーパーホログラム/ピンクグロウ)、ロッククロー3”(#084ロックフィッシュインパクト)。朝一はウネリの影響があまりなかったが、時間が進むにつれ波が高くなり、釣りづらい状況でした。シャローエリアの大きな石の下に潜む魚を、引き出して食わすイメージで攻めました。そこに魚がいると信じ、やり切って結果を出せたことが、入賞へと繋がったと思います。

タックル&リグ
7’6”ベイトロッド 14gテキサスリグ #1/0フック (グラスミノーMロッククロー3”

7’8”スピニングロッド 10gテキサスリグ #1/0フック (グラスミノーM

3位 渡辺勇馬

3位にランクインしたのは、宮城県塩釜市からエントリーの渡辺勇馬選手。アイナメ2尾、ベッコウゾイ1尾をウエイインし、トータルウエイト2,710gでフィニッシュ。49cm、1,550gのプリスポーンアイナメがキッカーフィッシュとなりました。

コメント
大会当日は、前日のプラクティスで入った“番屋”エリアにエントリー。メインターゲットをベッコウゾイに設定し、ビッグサイズのアイナメも入ればという戦略。前日同様、海の状況はあまり良くなく、濁りが入り釣りづらかった。アピール力の強いロックマックス5”(#370ケルプジャングルチョイス)の21gテキサスリグを、沖根の内側にリフト&フォールでしっかり落とし込んで釣っていきました。「あきらめない!」という気持ちが上位入賞のキーだと思います。

タックル&リグ
8’8”ベイトロッド 3/4oz.テキサスリグ #3/0フック (ロックマックス5”

2013 Angler of the Year

戸澤直彦

ツアー3戦の累計獲得ポイントが最も高かった選手に贈られるアングラーオブザイヤー。
2008年、2009年、2010年と過去3連覇を誇る佐藤雄一選手のV4を阻止したのは、第2戦気仙沼大島戦で記録的なハイウエイトで優勝した戸澤直彦選手。第2戦終了時には累計ポイント2位につけ、第3戦田代島戦で優勝し、見事逆転Vとなりました。おめでとうございます。

氏名 第1戦 第2戦 第3戦 累計ポイント
戸澤 直彦

58 100 100 258

PRO STAFF’s GAME

A-KEN KANO’s GAME

東北ツアー2戦を終えた時点でCLASSIC出場権を獲得していなかった私にとって、TOP3に入ることがCLASSIC出場への必須条件。過去2戦を一発逆転する、キッカーを狙った戦略で本戦に臨みました。

「田代島でのロックフィッシュトーナメントなら必ずココに入る!」
そう決めているシャローエリアがあり、前日のプラクティスでチェック。しかし、反応を得られるどころか、横方向から物凄い勢いでウネリが入り、とてもゲームが成立するような状況ではありませんでした。

そして当日、ウネリの影響で厳しい状況なことはわかっていたものの、自分が最も信頼しているそのシャローエリアを捨てることが出来ず、朝一真っ先にエントリー。しかし、前日同様、大きなウネリがエリア全体に入っており、まともに撃てる場所がない状況・・・。少しでも波を避けるポイントを打ち返すものの、反応は全く得られず、仕方なくそのエリアに見切りをつけました。

次に選んだエリアは、島の東側エリアにある岬の先端です。ここならウネリの影響がなく、魚のコンディションも悪くないはず!ベッコウゾイの実績が高いエリアなので、アイナメでキーパーを揃え、キッカーベッコウを獲る作戦に出ました。結んだルアーは、スプーンテールシャッド4”の1oz.テキサスリグ。予想通り、開始数十分で3本のキーパーアイナメをキャッチ。しかし、サイズが想像以上に小さい。入れ替えを図ろうと、足元から沖までスピーディにサーチするも、キャッチ数だけが伸び、サイズが全く上がらず。この局面を打開すべく、エスケープスイムツインの1/2oz.テキサスリグで、ゴロタ場や足元の入り組んだポイントを撃つ策に。ロングポーズを入れながらスローなベッコウゾイ狙いにシフトしました。しかし、無情にも時間だけが過ぎ、自分で決めたストップフィッシングの時間となりました。

年間ツアー全戦に参加したなかで、初めて逃したCLASSIC出場権・・・こんなにも悔しいものなのかと実感しています。この悔しさを成長の糧にして来シーズンに臨みたいと思います。2014年シリーズこそは必ず・・・!!

タックル&リグ

タックル1
ロッド:9’6”ヘビースピニングロッド
リグ:1oz.テキサスリグ
ワーム:スプーンテールシャッド
ライン:PE#0.8+フロロカーボン16lb.

タックル2
ロッド:7’8”ヘビーベイトロッド
リグ:1/2oz.テキサスリグ
ワーム:エスケープスイムツイン
ライン:PE#2.0+フロロカーボン20lb.

総評

第2戦気仙沼大島戦に続き、ハイスコアなバトルとなった今大会。ツアー最終戦ということで、非常に盛り上がった大会となりました。戦略的にみても、プリスポーンのアイナメを揃えてウエイトをまとめるか?重量を稼ぐことができるベッコウゾイを狙うか?シャローに差したであろう魚を狙うのか?ウネリを避けてディープを探るのか?そして、今大会は自動車、バイクの持ち込みは不可。移動手段は徒歩と自転車のみというルール。リスクを冒しても移動に時間を使うのか?移動を抑えて仁斗田港周辺を攻めるのか?各選手が持てる技術と頭脳をフルに使って戦い抜いたすばらしい内容だったと思います。結果を見れば、良型を複数揃えてきた移動組に軍配があがりましたが、仁斗田港周辺でも多くの魚がキャッチされていました。バリエーション豊富なフィールド、豊かな魚影、心を癒してくれる猫達・・・魅力あふれる田代島にロックフィッシュを追ってみてはいかがでしょうか。
 最後に、2013P.O.C.東北ツアーにご参加頂きました選手の皆様へ。皆様の後押しを頂くことで、3年振りとなるP.O.C.東北ツアー戦を再開することができました。心より御礼申し上げます。また、快く大会を受け入れて頂きました田代島島民の皆様、ご協力頂きました網地島ライン株式会社様に深く感謝申し上げます。

結果

順位氏名最終総重量(g)獲得ポイント
1戸澤 直彦3630100
2杉浦 裕治342098
3渡辺 勇馬271096
4三浦 松一255094
5蜂谷 雅人249092
6鈴木 豊和248090
7遠藤 博道245088
8小野寺 和美240086
9谷藤 保225084
10佐藤 貴之203082
11渡辺 均181080
12佐々木 充行177078
13中村 豊176076
14遠藤 辰太郎164074
15佐藤 竜一156072
15鈴木 泰洋156072
17佐々木 俊145068
18佐藤 雄一144066
19佐藤 裕一142064
20中村 勝140062
21鈴木 達哉133060
22手代木 龍127058
23森本 正善125056
23小田 貴史125056
25松本 俊彦121052
26矢内 一成119050
27奥津 和広110048
28鹿野 栄健109046
29荒屋敷 望104044
30武山 重之101042
30橋本 久弥101042
32高橋 歩100038
32佐々木 幸太100038
34北原 裕也96034
35川島 浩平95032
36村上 大介91030
37川村 倫弘88030
37村山 栄宏88030
37横田 賢一88030
40荻野 哲也85030
41白鳥 幸徳79030
42梅津 良78030
43山舘 嘉昭76030
44羽田 泰71030
45大橋 永嗣69030
46今野 智之63030
46中嶋 康文63030
48中村 渡58030
49武田 一52030
50志賀 康英51030
51鈴木 崇44030
52渡辺 健43030
53安藤 克宏39030
54秋場 勇人34030
55只野 芳郎33030
56鈴木 喜子25030
57三戸部 矩倫22030
58日野 雅貴16030
59青木 孝二 30
59明石 英彦 30
59尾形 慶紀 30
59小野 浩平 30
59金森 淳 30
59木村 仁 30
59木村 裕幸 30
59日下部 百合子 30
59齋藤 邦雄 30
59鈴木 亮太 30
59橋本 順一 30
59松本 章裕 30
59吉田 和哉 30
59飯田 優太郎 30
59柳 利樹 30
59萩原 雅俊 30
59渡辺 和正 30
59野口 耕七 30
59三浦 健 30
59五嶋 利明 30
59渡辺 龍二 30
59鈴木 吉一 30
59今野 勝和 30
59齋藤 正樹 30