生分解プラスチックとは何か

 生分解プラスチックとは「通常のプラスチック製品と同じように使え、使用後は自然界の微生物によって最終的に水と炭酸ガスに分解されるプラスチック」のことでISO(国際標準化機構)でも、ほぼ同様な定義がされています。
 日本で生分解プラスチックは「グリーンプラ」と呼ばれており、一般のプラスチックと識別するため生分解性プラスチック研究会(BPS)による識別表示制度が設けられ、製品の成分構成、生分解性、環境安全性などについて認定基準を満たしたものを「グリーンプラ製品」と認証しています。
 現在、、生分解性プラスチックには微生物産生産高分子・合成高分子・天然分子の3つのタイプがありこれらは完全生分解です。
 一方、汎用プラスチックに分解促進剤(触媒)や天然高分子(デンプン等)を添加した「崩壊性のプラスチック」も存在します。これらは劣化・崩壊が起こるものの、プラスチックそのもの(ポリエチレン等)は目に見えない大きさで環境中に残ってしまいます。また、仮に分解したとしても、完全に分解して生態系に取り込まれるまでにはかなりの年数(数十年以上)がかかります。従って完全生分解ではなく、生分解性プラスチックとは言えません。(東京海洋大学海洋学部海洋環境学科・兼廣春之教授)

生分解性プラスチックとは、このように定義づけされえいるのです。つまり、形がなくなった(人間の目には見えなくなった)だけでは生分解とはいえず、自然界のサイクルの中に入ってこそ、本当の生分解性プラスチックなのです。

生分解テスト開始時の「E-TUBE」テール部分の表面。電子顕微鏡写真100倍 淡水域における生分解テスト開始から19ヵ月後の「E-TUBE」テール部分。電子顕微鏡写真100倍 海水域における生分解テスト開始から19ヵ月後の「E-TUBE」テール部分。電子顕微鏡写真100倍

マルキユーの考える「生分解」

私たちが生分解性プラスチックワームの研究に取り組み、そして目指すものは「完全な生分解」と「釣れる」ことの2つです。「生分解するから釣れなくても仕方がない」とか「釣れるが優先、生分解は二の次」というような考えは一切ありません。私たちの生分解性プラスチックワームは原料とする樹脂はもちろん、直色用素材、ラメにいたるまで「天然」あるいは「生分解性」にこだわっています。そして「釣れる」にいたっては、生分解性マテリアルの特性を最大限に生かした形状で、水中での動き、アピール度など釣るためのファクターを充分に考慮、テストしたうえで製品化しています。私たちは、BPS(生分解性プラスチック研究会)あるいはISO(国際標準化機構)が唱える「生分解性プラスチックの定義」に虚偽することない製品を目指し、生分解性プラスチックワームの研究を11年前にスタートさせました。今後、エコギアの生分解性プラスチックワームは、真の生分解性プラスチック製品にのみ与えられる「グリーンプラ」の称号を得るべく開発を進めていきます。

生分解性プラスチックマテリアル

生分解性プラスチックの定義は「通常のプラスチック製品と同じように扱え使用後は自然界の微生物によって最終的に水と炭酸ガスに分解される」こと。エコギアの生分解性プラスチックワームに使用している原料は、脂肪族ポリエステルという樹脂です。ポリエステルはエステルが重なったもの。微生物が持つリパーゼという酵素がエステルを分解しアルコールと酸に変え、最終的には水と二酸化炭素にします。エコギアの生分解性プラスチックワームの主な原料は、無害で環境に優しいものなのです。では、着色料とラメなどの混合物はどうでしょう。せっかく生分解性樹脂を使用しても、着色や混合物に分解しないものや自然界に存在しないものを使用したのでは、本末転倒です。着色料には、化粧品に使用される無害な顔料を選びました。また、黒ラメには綿や麻と同じ成分でできたセルロースという繊維レーヨン(特許出願中)、その他の色についても鉱物である雲母を使用していますので、ワームの樹脂が分解した後に自然でないものが残留するというこはありません。さらに、可塑剤、添加剤についても安全で無害な物質を使用しています。

生分解テストと分解の速度

生分解性プラスチックワームの開発は、実験室とフィールドで同時進行しています。マテリアルの脂肪族ポリエステルが水と二酸化炭素に分解することは実験室で確認しましたが、実際にワームに使用されるのはフィールドです。私たちは、クリアーウォーターの山上湖、マッディーウォーターの平地の沼、海水っといった異なる条件のフィールドで実験を続けています。(実験用ワームはネットとカゴを用いてロストしないよう保護してあります)。その結果現在までに、水温・水質によって分解スピードが異なるということがわかっています。例えば、神奈川県の芦ノ湖のように年間を通じて水温が低く水質の良い湖の場合、微生物が少ないことからなどから、平地の沼と比較して分解速度じゃ遅くなります。私たちは定期的に各実験地に足を運び、水中に沈めてある生分解性プラスチックワームを取り出し、生分解の進行状況を確認しています。分解テストの結果は一朝一夕に出るものではありません。水中の微生物が時間を掛けて少しずつ、でも確実に分解してくれるのを、私たちは焦らずに目視していきます。

海水フィールドテスト

0日目(スタート)。分解サンプル「E-TUBE」ピュアホワイトカラー。新品の状態。 生分解テスト開始から19ヵ月後の「E-TUBE」。スカート部は全て分解。

淡水フィールドテスト

生分解テスト開始後1ヵ月の「E-TUBE」。ひと月ですでに縮み始めています。 生分解テスト開始から19ヵ月後の「E-TUBE」。かなり分解が進み、微生物の付着も見られます。
2006年より日本釣り用品工業会による「環境保全マーク」制度がスタートしました。
これは、「自然の中で、釣りをすることで、環境に負荷をかけない製品創りの推進」ということから始まり、現在は鉛・釣り糸・ソフトルアーについての検討がされています。
エコギアの生分解性プラスチックソフトルアー、厳しい日釣工基準をクリアする製品です。